がん予防
生活習慣の改善
これまでの研究から、部位によって異なりますが、がんの原因にたばこや飲酒、食事などの日常の生活習慣がかかわるものだと分かっています。しかし、がん予防では、これさえ守れば絶対にがんにならないという方法はありません。他の様々な条件とのバランスを考えて、がんのリスクをできるだけ低く抑えていきましょう。
また、がん予防の情報は、日々さまざまな場所から発信されていますので、情報の質をよく見極め、科学的根拠に基づくがん予防法によることが重要です。
生活習慣の改善対策(和歌山県健康推進課健康対策班)
科学的根拠に基づくがん予防(がん情報サービス)(外部リンク)
日本人のためのがん予防法
現状において日本人に推奨できる科学的根拠に基づくがん予防法
- 喫煙
たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける。 - 飲酒
飲むなら、節度のある飲酒をする。 - 食事
食事は偏らずバランスよくとる。
塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。
野菜や果物不足にならない。
飲食物を熱い状態でとらない。 - 身体活動
日常生活を活動的に。 - 体形
適正な範囲に。 - 感染
肝炎ウイルス感染の有無を知り、感染している場合は治療を受ける。
ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討する。
該当する年齢の人は、子宮頸がんワクチンの定期接種を受ける。
(補足)
国立がん研究センターがん予防・検診研究センター研究班による
たばこ
たばこは、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因です。
日本の研究では、がんになった人のうち、男性で約24%、女性で約4%はたばこが原因だと考えられています。また、がんで亡くなった人のうち、男性で約30%、女性で約5%はたばこが原因だと考えられています。
たばこは、吸う本人のみならず、周囲の人の健康も損ねます。受動喫煙でも肺がんや乳がん等のリスクは高くなります。
その一本を我慢して、自身と周りの大切な方の命を守ってください。
たばことがん(国立がん研究センター がん情報サービス) (外部リンク)
感染
日本人のがんの原因として、女性で一番、男性でも二番目に多いのが「感染」です。
肝がん(肝炎ウイルス)、胃がん(ヘリコバクター・ピロリ菌)や子宮頸がん(HPV:ヒトパピローマウイルス)が知られています。
いずれの場合も、感染したら必ずがんになるわけではありません。
それぞれの感染の状況に応じた対応をとることで、がんを防ぐことにつながります。
肝がん(肝炎ウイルス)
- 肝炎ウイルス検査
肝炎ウイルスにはさまざまな種類が存在していますが、肝がんと関係があるのは主にB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの2種類です。
県では、このB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスについて、県内保健所や協力医療機関等において、無料で検査を受けることができます。
和歌山県肝炎ウイルス検査事業(和歌山県健康推進課感染症対策班)
- 肝炎治療に対する医療費助成
B型ウイルス性肝炎・C型ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療及び核酸アナログ製剤治療)の医療費の一部を助成しています。
肝炎治療に対する医療費助成(和歌山県健康推進課感染症対策班)
胃がん(ヘリコバクター・ピロリ菌)
- ピロリ菌検査
ピロリ菌は、胃の粘膜にすみつく細菌で、胃潰瘍や胃がんなどの発生原因とされています。
日本人のヘリコバクターピロリ菌の感染率は、中高年で高く、若年層では近年低下傾向にあります。
ピロリ菌検査により、胃の健康度のめやすを知ることができます。
(注意1)
ピロリ菌検査の実施の有無は、市町村によって異なります。詳しくは、市町村へお問い合わせください。
(注意2)
ピロリ菌検査で胃がんかどうかは分かりませんので、胃がん検診を受診する機会のある方は、必ず検診も併せて受けてください。
子宮頸がん(HPV:ヒトパピローマウイルス)
- HPVワクチンについて
子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)です。
対象者は公費により接種を受けることができます。
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積極的勧奨の差し控え終了について
平成25年6月14日開催の第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、ヒトパピローマウイルス感染症予防接種後、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が見られたことから、厚生労働省は「積極的勧奨の差し控え」を決定していました。しかし、その後、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、HPVワクチンの有効性及び安全性に関する評価、HPVワクチン接種後に生じた症状への対応、HPVワクチンについての情報提供の取組み等について継続的に議論が行われました。その結果、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたため、積極的勧奨差し控えは終了となりました。
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キャッチアップ接種について
平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性の中に、通常のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。
まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会をご提供しています。
キャッチアップ接種の対象に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。
予防接種について(和歌山県健康推進課感染症対策班) ※ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症
がん検診
上記のような生活習慣等に気をつけていたとしても、必ずしもがんになることを防げる訳ではありません。そこで重要なのが「がん検診」です。