イベントレポート“りぃぶる”語り合い広場「『ジェンダー』で読む、赤ずきんの物語」
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
“りぃぶる”語り合い広場「『ジェンダー』で読む、赤ずきんの物語 」
講師
髙岡尚子さん(奈良女子大学研究院人文科学系 教授)
開催日時
令和7年10月19日(日)13:30~15:30
場所
“りぃぶる”会議室A
内容
私たちがこどもの頃から馴染みのある「赤ずきん」の物語を通して、「男らしさ」「女らしさ」による服装やふるまい、求められる社会規範、性暴力などがどのように描かれ、時代とともにどう変化してきたかを講義とワークで深める講座を開催しました。
はじめに講師は、私たちは日常たくさん目にしている物語や言葉には社会的・文化的・歴史的な性のあり方(=ジェンダー)が含まれており、その視点で物語を読んでいくことで、社会のなかにある「性」にまつわる視点が大きく変わると話されました。
次に「あなたが知っている『赤ずきん』はどんな物語か?」と講師が問いかけ、参加者たちはグループごとに、赤ずきんの年齢やおばあさんの家に持参したお土産、また物語の結末などの記憶をたどりながらも、人によって少しずつ違う部分があることに気づきました。「赤ずきん」の物語には、最初に文字として書き留めたペロー版とそのあとの時代に書かれたグリム版があり、書かれた時代によって時代背景や対象が違うことや、グリム童話は日本の教育に非常に良いものとして受け入れられ普及したため、グリム版を知っている人が多いと説明されました。
続いて、『赤ずきん』の物語のどのような部分にジェンダー(社会における男性役割・女性役割)が表現されているかをグループごとに考え、「赤ずきんはなぜ男の子ではなく女の子なのか? 女の子の設定にする必要がある時代背景があったのか?」「女の子は自分を守るために賢く生きなければならず、性暴力の責任は昔も今も常に女性に問われている」「ペロー版は性暴力に遭いやすい年齢を対象にし、グリム版はこどもに対して教育的なメッセージを伝えている」「グリム版の赤ずきんは受け身ではなく行動力のある女の子を表している」などの意見が出ました。
最後に講師は、「グリム版には、小さなこどもに対して『おりこうにしていると良い子として社会に受け入れてもらえる』、ペロー版には、15歳前後の結婚適齢期の女性が性的に痛い目に遭わないようにするためのメッセージがあり、赤ずきんの『寄り道』は、自由に自分の好奇心を発動させてしまう女性は危険な目に遭うため、女性の好奇心を抑制するものと深読みすることもできる。男女の描かれ方が時代的に変わっていく部分もあるが、変化せずに『男の子だから』『女の子だから』こうあるべき、という描かれ方がされ続けている部分もある。」と述べられました。そして「このように物語は色々な読み方ができる。今日学んだ視点を今後も日常のなかで実践的に意識していってほしい」と結ばれました。参加者からは、「『赤ずきん』におけるジェンダーの話から、現在のジェンダー平等に話がつながり、自身の言動をかえりみるきっかけになった」「童話に込められたメッセージや、自分のバイアスに気付く機会となった」などの感想をいただきました。
髙岡尚子 さん 講座 の様子




