イベントレポート 魅力ある女性リーダー養成講座
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
魅力ある女性リーダー養成講座
Part1:リーダーシップ講座&ロールモデルによるパネルディスカッションと交流会
Part2:スキルアップ講座「アサーティブコミュニケーションを学ぼう」
講師
Part1:講師:本庄 麻美子さん(和歌山大学経済学部准教授/キャリアコンサルタント)
パネリスト:坂田 和歌子さん(小西化学工業株式会社 研究部 研究グループ グループマネージャー兼 営業部 開発営業グループ グループマネージャー)
池添 美加さん(株式会社キャリア・ブレスユー 取締役)
芝田 夕子さん(株式会社島精機製作所 トータルデザインセンター システム開発グループ 課長代理)
Part2:講師:谷水 美香さん(ヒューマン・トータルバランスサポートりんと代表/アサーティブコミュニケーショントレーナー/精神保健福祉士)
開催日時
Part1:令和6年8月22日(木)10:00~17:00
Part2:令和6年9月5日(木)10:00~17:00
場所
和歌山県ジェンダー平等推進センター“りぃぶる”会議室A
内容
管理職やリーダーをめざす女性が社外で研鑽を積み、人的ネットワークを構築することを目的に本講座を開催しました。
<Part.1>
最初に講師は、日本は、世界で類をみないスピードで少子高齢化が進み、高齢者が多く若者が少ない社会になっている中、女性リーダーの育成が求められていると話されました。そして、このような状況で経済を発展させやすい働き方として、①なるべく男女ともに働く。②なるべく短時間で働き、労働時間が短くなった分を家族での会話の時間に充て、消費活動をしていく。③なるべく違う条件の人たちをそろえる。という3点を挙げられました。
さらに、人生100年時代を迎える今、長寿化の進行により人生の在り方が根本的に変わり、1つの仕事だけをするのではなく、転身や複数のキャリアを経験し、本業以外に副業やボランティア、地域活動などに関わりながら働く形が必要であり、健康・スキル・人間関係について、どう考えていくかという発想の転換が必要であると話されました。
また、講師は「サーバント・リーダー」についても説明され、他者に対する思いやりや奉仕の気持ちが先にくることが重要であり、男性より女性の方がこれからのリーダーシップに必要な「傾聴」、「共感」、「癒し」、「気づき」の資質を持っており、このリーダーが、今の時代には必要であると話されました。
パネルディスカッションでは、管理職として働く3人の女性が自身の人生を振り返り、仕事だけでなく家事・育児などとの両立により得た経験を語ってくださいました。
参加者からの「男女平等といわれているが、会社における男女格差を感じること、女性管理職として気をつけている、意識していることは?」との質問に対し、「男女格差は全くないが、力仕事は男性にお願いしている。女性が相談しづらいことに対しては、いつでも相談してほしいと(部下に)声をかけている。」「社内で男女格差はないが、女性が少ないので、女性特有の悩みについて、気にかけるようにしている。」「女性だから早く帰っていいねという雰囲気もあるかもしれないので、みんな早く帰っていいよという雰囲気づくりに努めている。」などと答えられました。
その他、参加者との意見交換も活発に行われ、女性が輝く職場に何が重要か、などの質問に対し、良いアドバイスをいただきました。
参加者からは「管理職としての役割や意識、苦労した事など、生の声を聞いて大変勉強になりました。今後は自分も信頼される様な人になれるように自分の役割を考えて仕事に取り組みたいと思います。」「自分が今後どのような行動ができるのか考えることができました。信頼されるために、みんなが嫌がる仕事も率先して行い、お互いに頼り頼られるリーダーになれるような行動をしていきたいと思いました。」「自分がどういうリーダーになりたいのかについて、より一層明確にできました。」「本庄先生の講義、とても分かりやすかったです。いろんな方の話をきいて、とてもパワーをもらいました。明日から実践します‼」「「リーダーシップとは、サポート、奉仕する人。」心に留めておきます。」などの感想をいただきました。
<Part.2>
最初に講師は、アサーティブとは、自分も他人も大切にする対話によるコミュニケーションのことで、相手の真意を意識しながら聞いて、必要なときに自分の要望や提案を伝わるように話して問題解決をしていくというシンプルなスキルとコミュニケーションの形であるとし、アサーティブに伝えることで、問題点が明確になり、モチベーションがキープされ、人間関係が良好に保たれるため、結果的に建設的な話し合いができるという利点があると話されました。
また、日本ではジェンダー平等の社会に向かっているが、未だ家事・育児・介護の多くを女性が携わり、仕事と家庭の両立などマルチタスクを担っている女性こそが自らが属するコミュニティでアサーティブを実施していく必要があると話されました。
人のコミュニケーションのくせの型には、①自分の言い分を理詰めで押し通す「攻撃型」、②自分の意思を伝えない「受身型」、③直接相手に伝えず、遠回しな表現をしたり、人を介して察してもらおうとする「操作型」の3つがあるが、自分の考えや要求を相手に率直に伝え、相手の言い分にも耳を傾け、相手と一緒に考える「アサーティブ型」を取り入れると自らの新しいコミュニケーションのスキルアップにつながると説明されました。
アサーティブネス実践のための心構えとしては、①「誠実」(常に自分の気持ちに正直になること)、②「対等」(立場や役割に上下関係があっても、それは違いであって、人としての優劣ではないこと)、③「自分側の責任」(相手とのコミュニケーションの責任の半分は自分にもあること)、④「率直」(伝えるときは、直に相手の顔を見て、簡潔に整理して伝えること)が大切であると説明されました。
そして、参加者は自分の経験を基に、講師からアドバイスを受けながらロールプレイングを行いました。問題は何かという【事実】を明確にし、事実に対しての自分の【感情】を言語化し、【要求/ 提案】として相手に対し1つだけ具体的に現実的に今後どうしてほしいかと伝える。という順番で、参加者それぞれの課題に当てはめながら実施しました。
参加者からは「ロールプレイングなど言葉の話し方や自己表現の権利について学ぶ事ができ、考え方を変える事で自分も変えられると思いました。」「自分の指導の問題点が明確にわかりました。今後このアサーティブを意識し、考えてから行動するようにします。」「現在直面している問題への糸口が見つかった。今後もアサーティブを心がけようと思います。」「今抱えている問題点を解決できるようにアサーティブネスを活用できるように一つ一つあせらず、相手の気持ちに寄り添いながら話し合って行きたいと思います。」「わかり易い言葉での講義はとても聴きやすく、理解が出来ました。今後の業務に活かせるよう、自分自身を振り返り、学んだ事を他者にも伝えていきたいと思います。」などの感想をいただきました。
(Part.1 8月22日)講座の様子
(Part.2 9月5日)講座の様子