イベントレポート「絵本の読み聞かせ講座」
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
「絵本の読み聞かせ講座」
講師
坂口 佐知子さん(県立図書館 司書)
開催日時
令和6年9月13日(金)10:00~12:00
場所
“りぃぶる”図書・交流スペース
内容
講師は、まず始めに「絵本とはこどもが最初に出会う本で、絵本の持つ3つの力〈言葉〉〈絵〉〈物語〉は人間として生きていくために必要な力です。」と話され、絵本の選び方と発達年齢に合った本の説明がありました。赤ちゃんには安全・衛生的な本、2、3歳になると紙の絵本を選び「紙は破れるもの」と物の大事さを教えることが必要であると説明されました。また、こども向けの知識や科学の絵本は、簡単、正確に知識を伝えて心に働きかける力があるので、こどもが絵本を見て「そうなんだ」と思える時期に与えると良いと述べられました。また、原話と現代版がある本の場合はこどもの成長に大事な語りかけがある原話を選ぶことを推奨されました。次に「読み聞かせ」について、発達段階にあった絵本を読むことが大切であり、こどもが「絵本っておもしろい」「もっと読みたい」「読んで欲しい」と思う気持ちが大事だと述べられました。
家庭での読み聞かせについては、こどもに愛情を込めて読んであげると良いとされる一方、次の注意点もあげられました。①義務的に読まない。②感想や理解度を聞かない。③字を覚えさせるテキストがわりにしない。そして読む人がゆとりを持って、一緒に楽しむことが大事だと話されました。続いて集団での読み聞かせの注意点を実演を交えて説明され、実験の絵本の紹介では、逆さにしても出せないびんに入ったまつぼっくりが、そのびんに水を入れて1時間おくと、まつぼっくりがしぼんでびんから出せるという実験を実際にして見せながら説明されました。参加者も一緒に楽しみながら、役に立つ話が聞けました。
最後に、今のこどもたちはSNSの利用拡大を背景に自分の感情を言葉に載せていくのが不得意になってきているが、絵本の良いところは、知りたがる道を切り拓き、想像力がわき、言葉が豊かになり、他人を思いやる心も育まれるので、こどもにたくさんの色々な本に出会わせてあげてくださいと結ばれました。
参加者の声には
「絵本はこどもたちの心が育ち感受性を豊かにする力があることがステキだと思いました。」「おすすめの絵本には知らないものがたくさんあり、非常に参考になりました。どうしてもキャラクターものを選びがちだったが、古くからのよい絵本もたくさん読んであげたいと思いました。」などがあり、実践にすぐ役に立つ講座となりました。
坂口 佐知子 さん 会場の様子