イベントレポート【男女共同参画週間公開セミナー「女らしさ、男らしさ」にとらわれない子育て~こどもたちが自分らしく生きるために~」】

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イベントレポート

講座名

男女共同参画週間公開セミナー「女らしさ、男らしさ」にとらわれない子育て~こどもたちが自分らしく生きるために~

講師

太田 啓子さん(弁護士)

開催日時

令和6年6月1日(土)13:30~15:00

場所

和歌山県勤労福祉会館プラザホープ4Fホール  

内容

 6月23日からの男女共同参画週間に先駆けて、和歌山市と共催で公開セミナーを開催しました。子育て世代、子育て支援に関わる方々を中心に10~80歳代まで幅広い年代の方々が参加され、終始熱心に聴講されました。

 講師は弁護士という職業柄、DV事件や性暴力事件を扱うことが多く、公私両面でのご経験に基づいてわかりやすく説明され、社会の意識を固定的性別役割分業意識から解放し全てのこどもの人生が「〇〇らしさ」にとらわれず自分らしい生き方ができるような子育てや、性暴力の加害者にも被害者にもならない子育て、そして、性暴力防止のためにできることの紹介もありました。

 ハラスメントや性暴力の根底には、ジェンダーバイアス、男女の賃金格差、女性蔑視などの性差別やジェンダーによる偏った価値観があると指摘され、その結果、固定的性別役割分業意識が解消されず、女性に無償労働の負担が重くなっていると説明されました。

 また、性暴力であるにもかかわらず「遊び」や「コミュニケーション」かのように矮小化される、“カンチョー放置”問題や“スカートめくり”問題などをあげられ、行為者であるこどもには「他人のプライベートゾーンを侵すことは暴力である」ことを、被害を受けたこどもには「嫌なことをされた時は我慢しなくていい」とのメッセージを真剣に伝える必要があると話されました。

 こどもたちがジェンダーバイアスにとらわれないための男女それぞれへのメッセージを伝えるとともに、これからの男の子たちへとして、「男らしさ」の呪いから自由に生きてほしいこと、性差別構造の中では「男性」という多数派としての特権をもっていることを自覚し、多数派として性差別・性暴力に積極的に抗ってほしいと語られました。多数派には権力が集中し特権となるため、問題が見えにくいという自覚が必要で、見えにくいものを見ようとする努力と想像力が大切だと述べられました。自動ドアの例を挙げ、多数派の前では自動ドアは自動的に開くのでドアがあることを意識せずに生きられるが、少数派の前には常にドアがあり自分で開かなければならないしいつもドアの存在を意識させられる。これがマイノリティには抑圧であり、その抑圧を感じなくてすむのが「マジョリティの特権」であると解説されました。

 最後にYouTube動画(性教育youtuberシオリーヌさん「行動する傍観者」)で、性暴力被害の場に居合わせた時は、ただ傍観するのではなく、『注意をそらす』、『第三者に助けを求める』、『記録を残す』、『後から対応する』、『直接介入する』などの行動をとることによって被害を軽減できるのではないかと紹介されました。

 参加者からは、「日々社会に感じるモヤモヤをプラスに考えられるようなお話をありがとうございました。」や「『女らしさ』『男らしさ』は自分が思っている以上に無意識のうちに存在していることを再確認した。」などの感想が寄せられ、ジェンダーに起因することでつながる「らしさ」にこだわらない子育て、女性蔑視、性暴力防止について参加者の理解が広がった講演会となりました。

         太田啓子さん  講演の様子            

              太田 啓子さん              講演の様子

   

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