イベントレポート “りぃぶる”語り合い広場 「『男性問題』の時代?~男性たちにも変化が必要では!~」

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イベントレポート

講座名

“りぃぶる”語り合い広場「『男性問題』の時代?~男性たちにも変化が必要では!~」

開催日時

令和5年11月26日(日)13:30~15:30

場所

岩出地区公民館(岩出市清水386-12)

講師・パネリスト

伊藤公雄さん(京都産業大学現代社会学部客員教授)

内容

 ジェンダー不平等への関心が高まり、男性介護や男性の育児に関する法整備が進む中、従前からの男性の生き方も変化を余儀なくされ、男性自身の価値観や生き方への戸惑いも生まれています。今回は、これら変化をひも解き、変革の必要性や方策などについて学ぶ講演会とグループワークを実施しました。

 参加者は22名で、うち15名が男性だったことから関心の深さが伺えました。

 講師は、男性問題とは、これまで当たり前であったジェンダーの講図が揺らぎ、特に「支配する性として無理を重ねてきた男性たちが、社会変動の中で経済的、社会的、文化的危機に陥ること」だと説明され、国内外の歴史的な変化やジェンダー平等への歩みなどを時代ごとに振り返りました。前近代の日本は、文学の分野でも女性が活躍し、料理は男性の仕事であったなど、伝統的に女性の活躍が遅れているわけではありませんでしたが、明治以降、工業化に伴い、女性に家事・育児・介護労働が割り当てられ、家父長制を含む明治民法と国民皆兵制度が導入されたことで、男女格差が拡大していったと説明されました。

 また、ヨーロッパでは1970~80年代に少子化による労働力不足から女性の労働参画が進んだが、日本は団塊の世代が労働力となったことに加え、男性の長時間労働と女性の家事労働、パート労働により経済が成長できたため、女性の社会参画が進まなかったと話されました。この時代に、男性は外で仕事、女性は家庭で家事・育児・介護という“固定的性別役割分担”が広まりました。 

 その中で、1980年代後半の過労死や1988年から浮上した中高年男性の自殺の多さは「弱音を吐くな、感情を表に出すな、問題は人に相談せず自分で解決せよなどの『男らしさの呪縛』」によるものではないかと解説され、それでもなお、既製の枠組みにしがみつく傾向や、変化に対応しきれず既得権益(経済的・社会的・身体的精神的なもの)を奪われるような感情が蓄積し攻撃的になる男性もいるため、男性を対象とした男女共同参画政策も進める必要があると話されました。

 最後に、男性を含む若い世代はジェンダー平等社会へ向かって変化し始めており、その声に耳を傾け、個人が力を発揮できる、性別をも超えた多様性に富んだ社会へ進むことが必要だと結ばれました。

 グループワークでは、「男女、年代によって価値観が違うのでその溝をどう埋めるかを考える必要がある。」、「男女が共に働くためには、企業側の努力、国や県の制度整備が必要。」などの意見があり、お互い理解を共有することができたと感じました。

    会場の様子1   会場の様子2

         伊藤 公雄さん              会場の様子

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