イベントレポート “りぃぶる”語り合い広場「よりよい明日をつくるための『大人の公民講座』~社会のトリセツ・選挙のしくみ・政治とは?~」
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
“りぃぶる”語り合い広場「よりよい明日をつくるための『大人の公民講座』~社会のトリセツ・選挙のしくみ・政治とは?~」
開催日時
令和5年10月28日(土)13:30~15:30
場所
男女共同参画センター“りぃぶる”会議室A
講師・パネリスト
大島 もえ さん(愛知県尾張旭市議会議員)
内容
女性の政治分野や意思決定の場への参画をすすめ、議会の多様性を高めるために、まず政治のしくみや政治と生活とのつながりを学んでいただこうと、26歳で市議会議員に初当選し現在5期目の講師を迎え、「公民講座」を開催しました。
冒頭、参加者25名に対し、5つの〇×クイズで質問し、民主主義を守る3つのキーワード“投票の自由”、“平等な選挙”、“公正な選挙”などについて解説されました。
政治家はルールや社会のしくみをつくる人であり、選挙があるから政治家を選ぶことができ、民主主義が機能しているから暴動ではなく選挙で社会を変えることができると話されました。さらに、皆、当事者意識を持ち、社会の一員であることを自覚して社会参画すること、「どんな社会で暮らしたいか」を考え投票することが大事だと強調されました。
また、社会はマジョリティ(多数派)を中心に回っているが、考えてみると、誰もが、ある面ではマジョリティでも別の面ではマイノリティ(少数派)であるという両面を持っているのではないかと問いかけられ、例えば別の眼鏡をかけたり、他人の靴を履くように違和感に気づくことが大切であるとおっしゃいました。そして、公正(Equity)と公平(Equality)の違いについて、「公平」は、同じ踏み台を与えることだが、「公正」はその人に見合った踏み台を用意し、同じスタートラインに立たせることであり、最近は、一人ひとりが十分力を発揮できるよう環境を整える「公正」という考え方が主流であると説明されました。
一人ひとりの政治参加とは、常に、おかしいなと疑問に思うアンテナ(感性・視点)を張り、個々の問題を社会の問題として提起することだと話されました。それは、自分が我慢すればいいという考え方ではなく、構造的な問題として考えることであり、「察して欲しい」という相手への依存から脱して、自ら言語化し交渉と調整を重ねていくことであると語られました。
最後に、社会のしくみについて、国、都道府県、市区町村ごとに分けて、できること、するべきことの説明があり、それらは、常にアップデートしていかないとならないが、社会は線が引けるものではなく様々な人々が混在しているので、少数派にとって辛いしくみとなっていないかを常に配慮する必要があると結ばれました。
講演後の質疑応答やグループワークでも活発な発言があり、熱心に話し合われました。
参加者からは、「自分の意見なんていいと思いがちでしたが、先生のお話を聞いて発信していく事も大事だなと思いました。」、「中立の考え方、傾きを理解した上で少数派側に立つというお話が印象に残った。」、「条例や法は市民や国民が守るもの、憲法は国・権力者が守るものということが印象的だった」等の感想をいただきました。
大島 もえさん 会場の様子