イベントレポート「令和4年度男女共同参画週間特別公開セミナー」
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
男女共同参画週間特別公開セミナー
「渥美由喜さん講演会 企業の成長・家族の幸せを約束する “男性の子育て・家事参画” 」
開催日時
令和4年6月1日(水)19:00~20:30
場所
和歌山ビッグ愛 1階大ホール
講師
渥美 由喜さん(厚生労働省政策評価に関する有識者会議委員、民間シンクタンク研究部長)
内容
6月23日~29日の男女共同参画週間に先がけて、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮しながらリアル開催し、161名の皆さんにご参加いただきました。
講師は、研究者、ワークライフバランスコンサルタントとして活躍されている方で「イクメン」という言葉の考案者であり自身も育児休業を2回取得されています。
今年4月1日に「育児・介護休業法」が改正され、10月1日から「産後パパ育休制度」が施行されることもあり、男性の育児・家事参画の推進がいかに家庭にとっても父子にとっても企業にとってもメリットがあるかを、研究で得たデータや自身の経験に基づいてお話しくださり、説得力のある講演会となりました。
一例をあげると、日本ではできる人に仕事が集中してしまいエース社員がつぶれるケースがあるが、これからの人口減少社会では育児や家事、介護・看護などで制約のある社員も含めて総力戦で働く必要があるため、リスクマネジメントの面からも70%の力で効率よく90点の仕事をする工夫が必要であること、主担当でない業務も経験できるジョブローテーションを取り入れていくことで育休などを取得しやすい環境が整い、結果、個人の幸せと企業の成長につながっていくと語られました。また、和歌山に多い中小企業における仕事と家庭の両立策としては、業務のシンプル化と権限移譲を提案され、「やめる」「簡単にする」「真似をする」「してもらう」「一緒にする」、それぞれの頭文字をとった『やかましい』の手法が有効だというお話でした。
加えて育休取得に消極的な社員や職場への対応策も具体的に明示してくださり、職場や社員の意識改革への糸口がつかめました。
最後に、自身の育児・介護・看護のトリプルケア体験からワークでもライフでも「良かった」と思える環境作りをすることが重要であり、「幸せは不幸が起きないことではなく、不幸から逃げずに協力して乗り越えること」、「ワーク・ライフ・バランスは“幸せ”への道しるべ」だと結ばれました。
講演後、和歌山労働局雇用環境均等室担当者から「産後パパ育休制度」についての詳細な説明を行い、個別相談にも応じました。
参加者からは、「客観的データを示された上で、ご自身の体験からの情報をきちんと伝えてくださり、引き込まれるお話でした。」「アクシデントや家族のケアなどの課題があっても続けていける職場にしていきたいと思いました。」「男女の育休100%取得が有給取得率や業績アップにつながるというデータには考えさせられた。育休中の人の仕事に対応するための職員のスキルアップは理にかなっていると思った。」などのお声が寄せられました。