イベントレポート「令和2年度男女共同参画特別公開セミナー」

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イベントレポート

講座名

男女共同参画特別公開セミナー
「上野 千鶴子さん講演会 自分らしく生きよう ―社会を変えるのは、私たち―」

開催日時

令和3年2月19日(金)19:00~20:30

場所

和歌山ビッグ愛 1階大ホール

講師

上野 千鶴子さん(東京大学名誉教授・認定NPO法人ウイメンズアクションネットワーク理事長)

内容

 男女共同参画週間に因んで昨年6月に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期となった本講演会をオンライン出演の講師をスクリーンに映し出し、参加者が会場で視聴するという方法で開催しました。

 多くのベストセラーがあり、東大の祝辞も話題となった上野千鶴子さんの人気は高く多くの申し込みがありました。

 上野先生は、穏やかな語り口で日本の男女の不平等を斬りつつ、ユーモアを交え、社会を変えるために私たちができることについて語られました。

 冒頭で、サブタイトル「―社会を変えるのは、私たち―」は、実際に今起きている問題にまさに当てはまることだとされ、Me Too運動で若い女性の隣で若い男性が「僕らの問題だ」と声をあげたことは歓迎すべきだと話され、次に、フェミニズムが“変えたこと”、“変えられなかったこと”、“これから変えること”に分けて語られました。

 “変えたこと”として、「セクハラ」は人権侵害であること、「痴漢」は犯罪であること、そして「DV」に対する認識が広まったことをあげられ、女性の経験を言葉で定義することは、被害者が「私は悪くない」と確認できる大きな効果があると説明されました。

 “変えられなかったこと”は、男女の賃金格差をはじめ、格差社会を生んだことなどをあげられ、「金の力は権力」となるので男女で「力」の差が生まれると指摘されました。また、コロナ禍によるDV被害の増加、非正規雇用の女性の失業、女性自殺者の増加などは、急に起きたことではなく以前からの問題が表面化したのだとされました。しかし、これら“変えられなかったこと”も有権者である私たちが議員を選んだ結果であり、私たちにも責任があることに言及されました。

 “これから変えること”としては、「堕胎罪の廃止」、「夫婦別姓選択制の導入」、「同一労働同一賃金」、「クォータ制の導入」などをあげられ、政治を変えれば社会が変わるが、家庭内抵抗勢力が女性の政治分野への参画を阻むことを指摘されました。そして、社会を変えるためには、私たちが加害者にも被害者にも傍観者にもならないことが必要で、それには、その時その場でイエローカードを出すこと、沈黙は同意であり笑いは共犯であることを知ること、「#わきまえない女」、「#めんどくさい女」、「#うるさい女」になることなどをあげられました。

 最後に自身の東大での祝辞から、「人はどんな人も弱者として生まれ、弱者として死ぬ。人はずっと強者のままでいられないから、強がらず弱さを認め支え合って生きていくことが大事」だと結ばれました。

 参加者からは、「経験をともにする、自然な平等意識。いい言葉を聞きました。」「本や雑誌でなく、生の声を話を聞けて良かったです。」などの声が聞かれました。  


 

 講演会(上野先生)  講演会(会場)

     上野 千鶴子さん              講演の様子

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