イベントレポート 多様な性について話そう~こどもからのカミングアウトを受けて~
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
語り合い広場「多様な性について話そう ~こどもからのカミングアウトを受けて~」
開催日時
令和2年2月2日(日)13:30~15:30
講師
いわたに てるこ さん(カラフルチャイルド代表)
場所
和歌山県男女共同参画センター“りぃぶる”会議室A
内容
性的少数者への知識と理解を深めるために開催しました。特に今回は性的少数者が初めてカミングアウトすることが多い家族や友人など周りの人の立場から考えようと、当事者の家族で支援活動を続ける、いわたにてるこさんを講師に迎えました。
小学生向けのDVD「いろんな性別~LGBTに聞いてみよう!~」を視聴しながら性別とは何かやLGBTの言葉についてなど正しい基礎知識の説明がありました。
また、時代の先端では、分類の仕方をLGBTから性指向Sexual Orientation、性自認 Gender Identityの頭文字をとって「SOGI」(ソジ)または「SOGIESC」(ソジ―スク)へ変わっていると話されました。続いて男女の赤ちゃんのイラストを示して、男女の違いは「髪型」「服の色」「まつ毛の長さ」など、人は見た目で判断することが多くジェンダーの視点とも関りがあることを話されました。また、母子手帳には男女のほかに「不明」欄があり、性は「男・女」二分されるのではなく多様であると言及され、医学的・法律的な対応や問題についても具体的に解説されました。
そして、ご自身の体験を振り返りながら、当事者である子供のカミングアウトの時の様子や親の混乱から受容に至るまでの心理的葛藤、社会の否定的メッセージによる当事者の混乱、自己尊重感の低さ、強い自責感、罪悪感など本人が抱える心理的な問題についてもわかりやすく説明されました。
子供たちにとって社会的な場である教育現場での課題や国の対応についても話され、更衣室、健康診断、水着、髪型、教科の中の「男らしさ/女らしさ」、「相談できそうな大人」の存在など、現状や課題がわかりました。
性的少数者は、人口の約9%、11人に1人いるとのこと、いわたにさんは、社会には多様な性について知る機会が少ないために起こる無理解や無知があり、‟性的少数者が同じように普通に暮らす市民である“という意識の希薄さから生じる当事者への蔑視や嫌悪があると講演を結ばれました。
最後の30分は、4人一組になって、性的少数者へ差別や偏見をもつ人からもたない人までの異なる4人の役を全員が交代で体験するロールプレイを含むワークをしました。ワークでは、自分の心の奥にある思わぬ心理に気づいたり、より良い表現を考えたりすることで、より理解が深まりました。
参加者の感想には「こういう話を皆が聞いて理解し、誰もが生きやすい社会になってほしいと。」「周りの理解を促せる自分でありたいと思った」「知らないが故の誤解からくる偏見を解くのが大事だと思った」などが寄せられました。
お話しの様子