イベントレポート 女性の力で社会を動かす!~第一線で、学び、行動する女性たち~
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
女性の力で社会を動かす!~第一線で、学び、行動する女性たち~
開催日時
令和2年2月9日(日)13:30~16:00
講師
○講師・コーディネーター
村田 和子さん(和歌山大学地域活性化総合センター教授、和歌山県男女共同参画審議会会長)
○パネリスト
𠮷澤 尚美さん(弁護士)
野㞍 孝子さん(和歌山県福祉保健部技監)
石尾 緑さん(PTA会長)
場所
和歌山県男女共同参画センター“りぃぶる”会議室A
内容
女性の政治参画が遅れている日本の現状、女性の政治参画の必要性を上智大学法学部教授三浦まりさんにお話しいただいた講演会に続いて、和歌山県内で活躍されている女性をパネリストに迎え、女性の経験を活かし政策・方針決定過程の場に参画することで社会がどうかわっていくのかを議論するシンポジウムを開催しました。
最初は、和歌山大学地域活性化総合センター教授村田和子さんによる「自分を変え、社会を変える~学び、行動する女性たち~」と題した基調講演から始まりました。戦前・戦中の良妻賢母を引き継いだ婦人教育から、1970年代には「ポストの数ほどの保育所を」という働く母親達の学童保育をつくる運動に代表される自分の考えで行動する女性、2000年代には、働き独り立ちし、人権・平和意識をもち、ボランティアにも参加するまで変わってきた女性の歩みについて説明いただきました。次に、和歌山県の審議会等への女性の登用率が32.1%と目標値40%に届いていないことに加えて審議会等の女性委員を増やしていく方法が定まっていないこと、県民意識調査の結果から中小企業が多い当県では育児・介護休業の制度があっても制度を利用しづらい環境にあることが多いことなど、和歌山県の男女共同参画の現状の問題点についてデータに基づいた指摘がありました。そして、次の世代の子供達にバトンをつなぐためにも、「自分の頭で考え、自分の意見をもち、発し、責任をもって行動する」ことの大切さをお話しいただきました。
シンポジウムでは、実際に自身の経験を活かして政策・方針決定過程に参画し、社会を変えてきた3人のパネリストにお話しをいただきました。1人目は、弁護士1年目であったけれども和歌山弁護士会と和歌山県知事との意見交換会で性暴力救援センターの必要性を提言し、性暴力救援センター和歌山「わかやまmine(マイン)」の設置につなげた弁護士の𠮷澤尚美さん。2人目は、医師として働きながら発達障害のお子さんを育てた経験から障害児をもつ親が相談できる場所の必要性を感じ、保健所で障害児の子供・親と面談し相談できる仕組み、障害児を持つ親の会、市町と協力して作った圏域プランなど積極的に政策提言をしてきた和歌山県福祉保健部技監野㞍孝子さん。3人目は、当時、自営の男性がやることが多かったPTA役員について、みんなが参加できるように役員選出のルールを考え、何度も周りに説明し、PTA活動を仲間で協力して楽しんで活動するように変えてきた石尾緑さん。この3人に、これまでの取り組みを紹介していただいた後、参加者には、今日の話で気になった、もっとききたいことを紙に書いてもらい、感想・質問を受け付けました。参加者からは、「3人とも楽しんで活き活きとしている」「仕事も家事・育児も負担している。世の中のジェンダー意識が変わっていかないといけない」といった感想や、「女性の政策・方針決定過程への参画が少ないことと、和歌山県がワーストワンとなっている夫の家事・育児時間の短さには関係はあるのか?」という質問が挙がりました。
最後は、パネリストから語っていただいた「チャレンジの大切さ」を受けて、女性だから男性だからというのでなく、楽しんでチャレンジすること、そして、自分の考えを周りに伝え、協力して、責任を持って取り組んでいきましょうという言葉で締めくくられました。
シンポジウムの様子