イベントレポート 男女共同参画公開セミナー「女らしくなく 男らしくなく 自分らしく」
講座・イベント情報
イベントレポート
講座名
男女共同参画公開セミナー「女らしくなく 男らしくなく 自分らしく」
開催日時
令和元年9月22日(日)13:30~15:00
講師
露の団姫(つゆのまるこ、落語家・僧侶)
場所
岩出市桜台地区公民館
内容
残暑の厳しい日曜日にも関わらず、早くから参加者に集まっていただき、セミナーへの関心の高さを感じることができました。前半は落語「六道の辻」の披露、休憩をはさんだ後半は僧侶のいでたちで講演という構成で、会場は終始笑いに包まれあっという間の1時間半でした。楽しみながら自然にジェンダーの視点に気づいてもらえる機会となったのではないかと思います。
始めに、講師の団姫さん自身が落語家と僧侶の二足の草鞋を履くことになったきっかけを、落語はご両親の影響から、宗教への関心は子供の頃からの「人間の死後」についての疑問からでさまざまな宗教の中で仏教が最も心に響いたから、と説明されました。
仏教には、人間はみな平等であるという教えがあり、差別とは、区別をもとに片方を低く取り扱うことだと説かれました。自分が選べないことで差別されることの理不尽さを、自分が虫で人間から害虫扱いされたらどう感じるか、血液型で自分を判断されたらどう思うかなど、例をあげて説明されました。そして、相手の立場に立って考えることが重要だと話されました。
また、結婚生活にもふれ、配偶者をさして言う際は、「主人」の対語は「奴隷」であるので、団姫さんは「主人」とは言わず、「夫」という言葉を遣うと言葉の差別にも言及されました。日常は、時間がある方が家事をし、料理は得意な夫が担当で料理が苦手な団姫さんはもっぱら片付け役と話され、夫が作るおにぎりは「男女共同さんかくおにぎり」と命名されていることなどを明かされました。家事はいきなりあれもこれもやるより、身近なところ、おにぎり作りのようにできることから始めるのがよいとアドバイスされました。
最後に子育てについて語られ、団姫さんの母親は、団姫さんたち3人姉妹に「女の子なんだから」と言わないようにしていたことを披露され、「女の子なんだから」という刷り込みがなく自分らしく育つことができたお陰で、落語の世界へ飛び込むことができてよかったと振り返られました。そして、その経験からも「自分らしく」を次の世代にも引き継いでいきたいと話されました。「幸せになるための秘訣は、主体性を持って生きること」という言葉が団姫さんらしく印象的でした。
落語の様子 講演の様子