イベントレポート(「みんなに男女共同参画」提案事業「ころばぬ先のパートナーシップ~定年後のよりよい関係のために」)
講座・イベント情報
講座・イベントレポート
講座名
「みんなに男女共同参画」提案事業「ころばぬ先のパートナーシップ~定年後のよりよい関係のために」
開催日時
平成31年2月17日(日)13:30~15:30
場所
和歌山県男女共同参画センター゛りぃぶる”会議室A(和歌山市手平2丁目1-2 和歌山ビッグ愛9階)
企画
特定非営利活動法人 和歌山eかんぱにい
内容
和歌山県の固定的性別役割分担意識を解消し男女共同参画意識を向上するとともに、男女が家事に関わる時間で女性が男性の5倍であることから、男性の家事参画を進め男女が対等な関係となる新しい価値観を持つことを目的に、定年後のより良いパートナーシップに焦点を当て、この講座を企画、開催しました。タイトルでは定年後とは言うものの、若年世代からパートナーとのコミュニケーションや関わり方を考えておく必要性を感じた30~50歳代の参加者も35%ありました。
医師でもある講師の石蔵先生は、はじめに、より良いコミュニケーションをとるために、まずお互いを理解し合うことからとのことで、男女のコミュニケーションに関する脳のつくりの違いやホルモンについての違いを説明されました。
次いで、老後の問題として、老後の資金、健康、夫婦関係、居場所と挙げ、なかでも講座のテーマである夫婦関係について話をすすめられました。老後の夫や妻の死亡リスクを、夫がいる妻の死亡リスクが2.02倍であるのに対し、妻がいる夫の死亡リスクは0.46倍であることから、いかに夫が妻に生活依存しているかを指摘されました。また夫は「妻は絶対に病気をしない」「妻は絶対に自分より先に死なない」という妄想をいだいているが、実際には夫が妻の介護をするケースもあり、夫が生活的自立をしていないために、生活に行き詰まり介護殺人や心中も増えていると話されました。そして、男性は経済的には自立しているが生活的には自立できておらず、女性は衣食住には自立しているが経済的には夫に依存していることが多いとされました。また、妻が出かける時に「わしも」と言って一緒について行こうとする恐怖の「わしも族」の問題、亭主在宅症候群、世間の8割の妻が経済的な心配がなければ離婚を考えているというデータをあげ、夫の上から目線や支配的な言動はやめる、妻を対等な一個人としてみることを提唱されました。妻が夫に求めることとして、(1)健康でいてほしい。(2)お互いを干渉しない。(3)自分の身の回りのことはじぶんでする。(4)家事分担をする、家事の手伝いをする。そのうえで、定年後(老後)の具体的な夫の工夫を次のように明示されました。対等感がある“妻を名前で呼ぶ”ことを提唱され、「おい」や「おまえ」、役割で呼ぶ「ママ」「おかあさん」でもない、妻の「名前」で呼ぶことから試みてほしいと話されました。
そして、妻の話は聞いているという演技が必要であり、アドバイスは不要であること。食事には「おいしかった」の一言が必要であることも助言くださいました。また、定年後の夫を持つ専業主婦の妻の最大の悩みは昼食の準備であることから、夫の自炊を提案されました。
最後に、講師自身の著書である料理本からの超簡単レシピを紹介し、缶詰を開けて水と野菜を入れ火にかけただけの小鍋料理のデモンストレーションと試食の機会もつくり、参加者からは「おいしい」の声もたくさんいただきました。
石蔵文信さん 講演の様子
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