イベントレポート(平成27年度「みんなに男女共同参画」提案事業「男性のための男女共同参画研修会」)
講座・イベント情報
講座・イベントレポート
講座名
「みんなに男女共同参画」提案事業 「男性のための男女共同参画研修会」
講師
講師:鳥渕朋子さん(アクト研究室代表)
開催日時
平成27年12月13日(日)
場所
田辺市総合市民センター 2階 交流ホール
企画運営
田辺に男女共同参画を推進するグループ
内容
1.講座「男女共同参画社会の形成の現状と課題」
男女共同参画の意識や取組は前進してきているものの、日本のジェンダー・ギャップ指数は世界142か国中104位(平成26年度)と低く、政治・経済活動や意思決定に参加する機会において、男女間の開きが大きい現状を説明されました。
就労における男女差については、女性が出産を機に退職することで、女性の年齢別労働力率カーブの30歳代部分が落ち込む、いわゆる「M字カーブ」について説明されました。M字カーブ解消に向けては子育て支援策の充実や男性の家事・育児参加の増加が不可欠と話されました。
最後に、女性に対する暴力について、結婚経験のある男女のうち女性9.7%、男性3.5%が配偶者からの暴力を経験しており、防止対策や被害者支援の拡充が必要と説明されました。
2.「田辺市男女共同参画に関する市民意識調査」の説明
3.グループ討論「家庭や職場、地域社会での現状と課題」と発表
討論の後はグループごとの発表があり、次のような意見が出ました。
- 田辺市の男女共同参画の取り組みは、以前は県内でもトップランナーだったと聞くが、政策を決定する場や議会などへの関心が薄く、市役所や企業の管理職にも女性が少なく、女性の議員も少ないのが現状であり、問題である。
- 公的な委員会において、男性ばかりが代表となっていることが多く、特に子育て関係の会議などでは、本当に現状が分かっているのか疑問に思う。一方、男性の役員の方がもめ事が少ないのではないかとも思う。
- 育児と仕事、介護を全部担ってきた。ある時までそれを当たり前だと思ってきたが、自由に動けるようになった今では、男性でも女性でも、仕事でも趣味でも自分にとって大事なことは、夫や親、周囲の人にとやかく言われたくないと実感する。
- 経済優先社会でお金を多く稼ぐ人が優位に立つことが多い。家事はアンペイドワークと言われ、家庭の中でも夫が優位に立つ傾向がある。女性の方でもそれが当然と思っている人が多い。
- この社会には男性女性の枠に入らないLGBTの方々もいる。男だからとか女だからでなく、人として認め合えたらいいと思う。
事後アンケートでは参加者から次のようなコメントが寄せられました。
- 今後もこうした企画を続け、裾野を広げていけたらと思います。
- ぜひ田辺に条例ができてほしい
- 職場や学校、家庭などでこのような話し合いをして、意識を高めていくことが大事だと思いました。
鳥渕朋子さんの講演
グループディスカッションの様子