イベントレポート(平成27年度男女共同参画特別公開セミナー 「男女共同参画は、日本の希望」)

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講座名

男女共同参画 特別公開セミナー
「男女共同参画は、日本の希望」

開催日時

平成27年7月12日(日) 13:30~15:00

場所

プラザホープ4階ホール

講師

山田 昌弘さん(中央大学文学部教授、内閣府男女共同参画会議専門委員)

内容

 男女共同参画推進の啓発を行うことを目的に、和歌山市、一般社団法人和歌山社会経済研究所との共催で公開セミナーを開催しました。「婚活」「パラサイトシングル」など社会の課題を浮き彫りにした言葉を生み出した講師から、女性活躍推進の重要性と男女共同参画社会の実現についてお話いただきました。

 大学で教鞭をとる講師は、「将来に明るい希望がもてない」という若者たちの不安の声を多く聞くなかで、次世代に希望をつなぐ鍵として女性の活躍こそ重要だと述べ、具体的なデータを示しながら解説されました。戦後から1990年代までの工業社会では、「男性は仕事、女性は家事育児」という性別役割分業に基づく男性の長時間労働により経済成長が支えられたが、現在は付加価値を求める時代であり、付加価値を作り出すことに優れた女性の視点を取り入れた物やサービスが評価されていると説明。女性が活躍している企業ほど利益が伸びているとの報告もあり、女性の活躍が企業活性化の鍵だと話されました。

 2000年代以降、非正規雇用の割合が男女とも増加しており、非正規の低い収入では男性が一人で家族を養うだけの経済力は得られず、女性もそのような経済力を持つ男性に出会うことが難しいことから、未婚率の上昇を招いていると解説。そのうえ結婚しても、長時間労働のため男性は家事育児に参加できず、女性が専業主婦か非正規雇用でないと家庭を維持できない形態が多いため、女性の活躍が進まないと指摘されました。また、女性の労働参加率が高い国ほど出生率が高いというデータを示して、「女性が働きに出たから子どもが減った」というのは誤解だと述べられました。夫婦ともにフルタイムでの共働きであれば消費も活発化し、経済的効果も大きくなることにも触れられました。

 以上のように、日本社会の未来のためには男女共同参画社会の実現は不可欠であり、そのためには性別役割分業に基づく労働慣行や社会保障制度を変えていくことが必要だと結ばれました。

 参加者からは、「難しいテーマをわかりやすく話してくれてよく理解できた」「企業としても女性経営者や管理職を増やしていくべきだと思った」「男女共同参画を推し進めることは、誰もが生きやすい世の中を作ることだと思った」などの感想が寄せられ、次世代へ明るい希望をつないでいくためにも男女共同参画社会の実現が必要だと気づかされる機会となりました。


講師の山田昌弘さん 講座の様子
 

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