地域をつなぐ公民館
地域をつなぐ公民館
ー地域共育コミュニティの拠点としてー
公民館の役割と現状
公民館の役割は、まず第1に、地域住民が「集う」魅力ある活動を行うこと。そして第2に公民館に集った地域住民が自らの内発的動機により主体的に「学ぶ」という雰囲気を醸成すること。さらに第3に、そうした地域住民同士の繋がりを生み出していくこと、すなわち「結ぶ」ということです。
しかしながら、価値観の多様化した今日、地域の多くの人々に直接かかわる課題を解決する取組を始めようとしても、その前提となる地域住民同士の合意形成が容易ではなく、市町村合併の影響に伴う体制の脆弱化とも相まって、公民館の機能はますます低下する状況にあります。
社会教育をめぐる動向
平成14年度から学校週5日制の完全実施に備え、平成11年頃を境に生涯学習・社会教育をめぐる状況が一変しました。以降、地域で子どもを育てる体制を整えようという施策が国レベルで展開され、現在に至っています。
その結果、大人の学びが中心であった生涯学習が、子どもと大人の交流や子どもを核とした様々な活動を通じて、希薄化した地域住民同士の新たな繋がりを創出し、地域コミュニティの再生や地域の教育力を向上させていこうというものに転換してきました。
和歌山県内の公民館では、こうした全国的な流れにも対応し、「子どもも大人も共に育ち、育て合う」という理念のもと、公民館活動を展開してきており、現在、県内各地域で子どもの豊かな育ちや学びを支える様々な活動・取組が行われています。
公民館の活性化に向けて
地域住民同士の合意形成が難しくなってきている昨今でありますが、学校や子どもを核とした「地域の子どもたちのため」の活動は、多くの人々の共通理解が得られやすく、そうした活動を通じて言葉を交わし共に汗を流すなどして形成された新たな人間関係は、地域づくりの大きな原動力となります。
また、公民館サークル等で学んだ成果を生かす場ともなり、子どもと関わることで喜びや生きがいを実感し、さらに学習意欲を高め、公民館での活動の活性化にもつながります。
公民館の地域コミュニティ形成に果たす役割
和歌山県では、現在、「きのくに共育コミュニティ」構想のもと、子どもを中心に据えた取組・活動やそれらに関わる人々をつないでいく取組が進められています。
人々の学び合いや対話による合意形成を促し、地域の課題解決への道筋をつけるこの取組は公民館活動の原点ともいうべきものであり、公民館には「きのくに共育コミュニティ」形成の一翼を担っていくことが期待されます。
■教育広報テレビ番組 「はばたく紀の国」~教育は今~
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