浄化槽
生活排水とは
生活排水とは、私たちの日常生活を通じて発生する排水のことです。
大別すると、水洗便所からの排水とそれ以外の生活雑排水(台所排水、洗濯排水、風呂・洗面排水など)から
成りたっています。
私たちが川や海に流している生活排水は、1人1日当たり約200リットルで汚れの量に換算すると約40グラムになり、
その量のうち約70%が生活雑排水によるもので、残りが水洗トイレによるものです。
生活排水と言われているもののうち、水洗トイレから出る排水は、単独処理浄化槽やし尿処理施設などによって
処理されています。
これに対し、生活雑排水は、水洗トイレの排水と併せて処理する合併処理浄化槽や下水道等で処理しており、その他はそのまま川や海に流しているのが現状です。
浄化槽とは
浄化槽は、し尿や台所、風呂、洗濯などから排出される生活排水をきれいに処理し、放流するいわば
「家庭の汚水処理施設」です。
浄化槽には、し尿と生活雑排水を同時に処理する「合併処理浄化槽」と、し尿のみを処理する「単独処理浄化槽」が
あります。
ただし、単独処理浄化槽は生活雑排水を処理出来ず、処理能力も合併処理浄化槽より劣ることから、
新たに設置することが出来ません。
生活排水による汚れの量は、個々の家庭では少量かもしれませんが、川や海に流入する総量で見ると大きな量と
なりますので、単独処理浄化槽及びくみ取り式をお使いの方は、合併処理浄化槽への転換をお願いします。
浄化槽の設置等
浄化槽を設置・休止・廃止・付け替えを行うときは、各種届出が必要ですので、最寄りの市町村にその届出を
行ってください。
また、浄化槽設置の費用の一部を補助する事業を実施している市町村もありますのでご活用ください。
詳細は、各市町村の浄化槽補助金担当課までお問い合わせください。
浄化槽の維持管理
たとえ性能のよい浄化槽を設置しても、維持管理を怠ってはその機能が充分に発揮できず、
環境に大きな影響を与えます。
このため、浄化槽管理者には浄化槽法により浄化槽の「保守点検」、「清掃」、「法定検査」の3つの義務が
課せられています。
保守点検
保守点検は、浄化槽の各装置や附属機器類が正常に働いているか、運転状況や放流水の状況、管路やろ過装置が
目詰まりしていないかなどを調べ、異常や故障などを早期に発見し、予防的な措置を講じるものです。
浄化槽は微生物の働きにより汚水を処理する施設ですから、微生物が活動しやすい状況を常に保つために
必ず行ってください。
保守点検は、浄化槽法施行規則の「保守点検の技術上の基準」に従って行わなければなりません。
自ら保守点検を行う専門的な技術を持っていない場合は、和歌山県及び和歌山市で登録を行っている
浄化槽保守点検業者に保守点検を委託してください。
清掃
清掃は浄化槽内の汚泥等の引き出し、各装置・附属機器類の洗浄を行う作業です。
浄化槽に流入してきた汚水は、微生物の働きにより処理されますが、処理の過程で必ず汚泥等が生じます。
汚泥等が過度に蓄積されると浄化槽の機能に支障をきたし、十分な処理がされなかったり、
悪臭を発生する原因となりますので、必ず行ってください。
清掃は、浄化槽法施行規則の「清掃の技術上の基準」に従って行わなければなりません。
各市町村長の許可を受けた浄化槽清掃業者に清掃を委託してください。
清掃業者につきましては、地区割りを行っている市町村もありますので、最寄りの市町村にご確認ください。
法定検査
法定検査には、新たに浄化槽が設置され、又はその構造若しくは規模の変更をされた浄化槽について、
その使用開始後3ヶ月を経過した日から5ヶ月間に
受けて頂く7条検査と、その後、毎年1回受けて頂く11条検査があり、
共に和歌山県知事が指定した検査機関による検査を受けなければなりません。
毎年受けて頂く11条検査は、浄化槽が本来の機能を十分発揮し、放流水質が悪くなって自然環境や生活環境の
悪化等につながるようなことがないように、
浄化槽の稼働状況や保守点検及び清掃が適切に実施されているか否か、
放流水質が法令の基準を満たしているか等について検査を行うものですので、必ず年1回受検してください。
- 公益社団法人 和歌山県水質保全センターホームページ(外部リンク)
浄化槽使用上の注意事項
いくら適正な維持管理を行っても、誤った使い方をすると、浄化槽本来の機能を発揮することができません。
特に次の事項に注意して下さい。
浄化槽の正常な機能を妨げるものは流してはならないこと
トイレットペーパー以外の紙、殺虫剤、強力な洗剤・防臭剤、油脂類、紙おむつ、生理用品などの異物は処理
出来なかったり、浄化槽内の微生物の働きに悪影響を及ぼしますので、流さないでください。
ブロアー(モーター)の電源は切らないこと
浄化槽には微生物が棲んでいますので、空気を送り込む必要があります。
電源を切ると空気が送られず、微生物が死んだり、働きが悪くなりますので電源は常に入れた状態にしてください。
浄化槽の上部又は周辺には、物を置かないこと
保守点検又は清掃に支障を及ぼすほか、浄化槽に過重をかけると機能に支障を及ぼすこともありますので、
浄化槽付近には極力物を置かないようにしてください。
また、通気装置のある浄化槽については、開口部を塞がないようにしてください。