ウメ輪紋ウイルスの侵入及びまん延の防止について
ウメ輪紋(りんもん)ウイルスの侵入・まん延防止について
1 ウメ輪紋(りんもん)ウイルスとは
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ウメ輪紋ウイルスとは、ウメ、モモ、スモモなどに感染する植物ウイルスの一つで、英語名 プラムポックスウイルス(plum pox virus)の略からPPVとも呼ばれます。
2 発生確認の経緯
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ウメ輪紋ウイルスは大正4年にブルガリアで初めて確認されて以降、世界各地で確認されています。
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日本では、平成21年に東京都青梅市で初めて確認され、現在のところ1都1府7県で発生が確認されています。
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和歌山県では平成25年に和歌山市東部のウメ園で発生が確認されましたが、対策を行った結果、平成28~30年の3年間連続して発生が確認されず、根絶とされました。
3 ウメ輪紋ウイルスが感染する主な植物
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ウメ
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モモ(ハナモモを含む)
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スモモ
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セイヨウスモモ(プルーン)
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ネクタリン
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アンズ
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オウトウ(サクランボ)
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ユスラウメ
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ニワウメ
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ヨウシュイボタ(別名セイヨウイボタ(プリペットの一種))
(注意)
これらの植物であれば、園地の樹であっても庭木、鉢植え等の鑑賞用の樹であっても、感染の可能性があります。
4 症状・被害
- ウメ輪紋ウイルスに感染すると、果実品質の低下などが発生する恐れがあります。
ウ メ
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葉にドーナツ状の模様(輪紋)や、緑色が抜けた斑紋が生じます。
ウメの葉の症状
左:ドーナツ状の模様(輪紋)「原図:和歌山県」
右:緑色が抜けた斑紋(退緑斑紋)「原図:和歌山県」
モモ、スモモ
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葉にドーナツ状の模様(輪紋)や、緑色が抜けた斑紋が現れるほか、果実の表面に斑紋が生じるとの報告があります。
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モモ、スモモの葉に現れる症状は、5月頃を過ぎると判かりづらくなり、正常な葉と区別がつきにくくなります。
モモ・スモモの葉の症状
左:モモの葉の症状「原図:和歌山県(県外撮影)」
右:スモモの葉の症状「原図:和歌山県(県外撮影)」
連絡先
このような症状を見つけましたら、下記までご連絡下さい。なお、ご連絡頂いた方のお名前等は公表いたしませんのでご安心下さい。
- 県庁 鳥獣害対策課(TEL:073-441-2905)
- 海草振興局 農業水産振興課(TEL:073-441-3380)
- 那賀振興局 農業水産振興課(TEL:0736-61-0025)
- 伊都振興局 農業水産振興課(TEL:0736-33-4930)
- 有田振興局 農業水産振興課(TEL:0737-64-1273)
- 日高振興局 農業水産振興課(TEL:0738-24-2926)
- 西牟婁振興局 農業水産振興課(TEL:0739-26-7941)
- 東牟婁振興局 農業水産振興課(TEL:0735-21-9642)
- かき・もも研究所(紀の川市) (TEL:0736-73-2274)
- うめ研究所(みなべ町) (TEL:0739-74-3780)
- または、お近くのJA
5 治癒方法
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現時点では感染植物を治す方法はありません。
6 感染経路
- ウメ輪紋ウイルスはアブラムシによって伝搬されます。
- また、接ぎ木によっても感染することから、ウイルスに感染した台木や穂木を経由して感染が広がります。
- 感染した苗木、鉢植えや切り枝等が流通することで、感染源が拡散することになります。
- なお、剪定作業によってウメ輪紋ウイルスに感染することはありません。また、果実や種子を介して感染が広がることはありません。
7 人への影響
- ウメ輪紋ウイルスは人や動物には感染しないので、感染植物の葉を触ったり、果実を食べても健康に影響はありません。
「和歌山県ウメ輪紋ウイルスの侵入及びまん延の防止に関する条例」(廃止)
和歌山県では、ウメ輪紋ウイルスの侵入及びまん延を防止するため「和歌山県ウメ輪紋ウイルスの侵入及びまん延の防止に関する条例(平成25年和歌山県条例第16号)」を定め、ウイルス発生地域から県内へのウメ、モモ、スモモ等の苗木、鉢植え等の移動を制限していましたが、国における本ウイルスの緊急防除が令和3年3月31日をもって終了したことを受け、本条例を令和3年7月2日付け廃止しました。