品種、用語の説明(果実調査)
新着情報
- 令和6年4月1日わかやま農林水産業支援ナビ
- 令和6年3月26日地域計画と農振除外・農地転用許可の手続きについて
- 令和3年5月12日和歌山県には、自信をもっておすすめするブランドがあります。
このコーナーに出てくる品種の紹介
YN26
- 来歴
❛ゆら早生❜×❛紅まどか❜花粉の珠心胚実生2001年(平成13年)に和歌山県果樹試験場において、得られた珠心胚実生の中から、着色・減酸が早く、早期に収穫可能な個体として選抜した。
- 品種登録日
2012年(平成24年)1月20日 - 特徴
樹勢はやや強く、苗木植栽時や高接ぎ当初はトゲの発生が見られる。
- 成果
日南1号
- 来歴
❛興津早生❜の枝変わり1979年(昭和54年)に宮崎県日南市東郷町の野田明夫氏が発見。
- 品種登録日
1989年(平成元年)9月1日 - 特徴
樹勢は極早生温州のなかでは強く、結実性は良好。
10月上旬には酸が1%を切るようになり、中下旬には糖度が10~11度になる。早くから葉果比を高めると大果になり果面が粗くなるので、注意する必要がある。
ゆら早生
- 来歴
❛宮川早生❜の枝変わり1985年(昭和60年)に和歌山県日高郡由良町の山口寛二氏が発見。
- 品種登録日
1995年(平成7年)9月14日 - 特徴
樹勢は、❛宮川早生❜に比べて弱く、❛日南1号❜に比べてもやや弱い。
果形指数が120前後と丸い果形が特徴。10月中旬には酸が1%程度で、糖度は10~12度程度になる。じょうのう膜は薄く、
やわらかい。着花過多等で樹勢が低下し樹冠拡大が緩慢になるので、結実量を抑制する必要がある。
田口早生
- 来歴
❛興津早生❜の一樹変異1978年(昭和53年)に和歌山県有田郡吉備町(現有田川町) の田口耕作氏が発見 。
- 品種登録日
1995年(平成7年)9月14日 - 特徴
樹勢は、❛興津早生❜と同等かやや強く、樹冠拡大が早い。
糖度は11月上中旬で11~12度に達し、以降も上昇する。樹勢が強いため、マルチ栽培などの完熟果生産としても利用できる。
宮川早生
- 来歴
在来系普通温州の枝変わり大正初期に福岡県山門郡城内町の宮川謙吉氏が発見。1925年(大正14年)に田中長三郎博士が命名。
- 特徴
樹勢は、普通温州に比べると弱くわい性であるが、早生温州のなかでは強いほう である。
糖度は10月下旬から11月上旬には10~11度程度となり、それ以降も徐々に増加する。
興津早生
- 来歴
❛宮川早生❜×カラタチ花粉の珠心胚実生1940年(昭和15年)に農水省果樹試験場カンキツ部興津(現農研機構果樹研究所カンキツ研究領域興津拠点) にて選抜。
- 品種登録日
1963年(昭和38年)7月1日 - 特徴
早生温州としては樹勢が旺盛で樹冠拡大が良好。
糖度は9月中下旬ころから急激に増加し始め、成熟期には❛宮川早生❜より高く11度前後となる。
樹勢が強いため、マルチ栽培などの完熟果生産としても利用できる。
きゅうき
- 来歴
❛向山温州❜の一樹変異1960年(昭和35年)頃に和歌山県有田市宮原町の久喜護氏が発見 。
- 品種登録日
2014年(平成26年)2月27日 - 特徴
樹勢は、向山温州と比較すると弱く、早生の樹姿に似ている。
❛向山温州❜より浮皮の発生が少ないが、樹齢や結実状態によっては浮皮の発生が見られる。
じょうのう膜は薄く、早生温州のような食味である。
- 成果
詳しくはこちら⇒話題の品種(外部リンク)
向山温州
- 来歴
尾張系温州の枝変わり1934年(昭和9年)に和歌山県伊都郡かつらぎ町山崎 の向山博一氏が発見 。中生温州の代表種。
- 特徴
樹勢は旺盛であるが、普通温州としては中程度である。
果実は大果になりやすいが玉揃いは良い。
結実樹齢になると収量が多く果実品質も安定するが、浮皮の発生がみられる。
林温州
- 来歴
尾張系温州の選抜系統和歌山県において発見 。普通温州の主流品種。
- 特徴
樹勢は強く旺盛で、樹冠拡大が早い。
海南市下津町では貯蔵用品種の一つとして12月中下旬の収穫後に予措・貯蔵され、1~3月に出荷されている。
丹生系温州
- 来歴
和歌山県有田郡金屋町(現有田川町) 丹生地区において戦前より栽培。
- 特徴
樹勢は強く旺盛で、発育枝はよく伸張し節間が長くなる。
糖度は12度程度で、貯蔵するとさらに風味が増し食味がよくなるため、貯蔵温州として果実品質が優れる。
12月中下旬に収穫し、貯蔵後年明けから2~3月にかけて出荷する。当試験場においてウイルスフリー個体を育成した。
早生八朔
- 来歴
普通八朔の枝変わり。
- 特徴
11月中~下旬より食味がよく、完全着色期を迎える。
普通八朔に比べて無核果が多く、果皮が薄い。
はるみ
- 来歴
❛清見❜×❛ポンカンF-2432❜の交雑種。
1979年(昭和54年)に農水省果樹試験場カンキツ部興津(現農研機構果樹茶業研究部門カンキツ研究領域カンキツ研究拠点)において育成。
品種登録日
1999年(平成11年11月25日)
- 特徴
12月下旬には完全着色となり、成熟期には糖度は13度程度となり良食味である。
熟度が進むと浮皮を生じ、果皮が薄いため障害を受ける可能性がある。
不知火
- 来歴
❛清見❜×❛中野3号ポンカン❜の交雑種。
1972年(昭和47年)に農水省果樹試験場カンキツ部口之津(現農研機構九州沖縄農業研究センター口之津カンキツ研究試験地)において育成。
熊本、愛媛、広島、和歌山県等で多く栽培されている。
- 特徴
糖度は13~14度程度と高糖度で、デコ(カラー)を有する倒卵形のカンキツである。
日本園芸農業協同組合連合会(日園連)傘下の農業団体(JA) から出荷された、全国統一基準(糖度13.0度以上、酸度1.0度以下)
を満たした果実のみが「デコポン®」として販売されている。
せとか
- 来歴
❛清見❜×❛アンコールNo.2❜に❛マーコット❜を交配。
農水省果樹試験場口之津支場(現農研機構九州沖縄農業研究センター口之津カンキツ研究試験地)において育成。
- 品種登録日
2001年(平成13年)10月18日
- 特徴
糖度は13~14度程度で良食味。果面はなめらかで果皮は薄く、浮皮の発生が少ない。
トゲが多く果皮表面に傷がつきやすい。
清見
- 来歴
❛宮川早生❜×❛トロビタオレンジ❜の交雑種。
1967年(昭和42年)に農水省果樹試験場カンキツ部興津(現農研機構果樹茶業研究部門カンキツ研究領域カンキツ研究拠点)において育成。
1979年(昭和54年)に命名され、古い品種であるが一般的に知られるようになったのはごく最近である。
- 特徴
樹勢は中程度で直立性であり、花粉を全く生じず単位結果性が強いので、受粉樹が無ければ無核となる。
交雑品種(種子親)として頻繁に使われている。
~このコーナーに出てくる用語の説明~
<果形指数>
(横径/縦径)×100(%)で算出。数値の100がほぼ球形、大きくなると扁平、小さいと腰高を表す。扁平品種=丹生系温州、腰高品種=不知火。
<果肉歩合>
(果肉重/果実重)×100(%)で算出。可食部の果肉の割合を表す。ピークは完熟前である。