自立支援型ケアマネジメントの推進について
1 自立支援型ケアの推進が必要な現状と背景について
和歌山県は、高齢者人口304,735人、高齢化率30.9%(平成29年1月現在 住民基本台帳)で、本県の要介護認定者数は、現在の6.7万人から75歳以上高齢者数がピークを迎える2030年(平成42年)に8.1万人まで増える見込みです。
介護保険を取り巻く状況としては、要介護認定率(第一号被保険者に占める要介護認定を受けた者の割合)は平成27年度で22.2%(全国平均17.9%)と全国で最も高く、軽度者(要支援1、2)の認定率は全国上位です。
今後増加が見込まれる要介護高齢者に対し、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
こうした中、本県では介護保険法の理念である高齢者の自立支援と尊厳の保持の実現を目指し、「自立支援型ケア」を県内市町村に普及させるために、平成29年度から自立支援型ケアマネジメント推進事業に取り組んでいます。
2 自立支援型ケアとは
「自立支援型ケア」とは、運動機能等が低下し、日常生活における家事などに支援が必要となった高齢者に対して再び自分でできるようになるための機能訓練や生活援助等を提供し、高齢者の生活の質(QOL)を向上させることです。
自立支援型ケアマネジメントのイメージ図(PDF形式 277キロバイト)
3 「自立支援型ケア」を進めるためには
下図1から4の一連のサイクルを繰り返し行うことで自立支援型ケアを効果的に推進します。
「地域ケア個別会議」とは
目的
- 利用者の自立支援・重度化防止を目指し、介護保険サービスだけでなく医療や障害福祉、成年後見 等あらゆる方面からの支援策について、ケアに関わる関係者の役割分担を調整するなどして、自立支 援、重度化防止の観点からケアプランの調整を行います。
- ケアマネジャーのケアマネジメントスキル向上を図ります。
- ケアマネジャーを中心とした、介護サービス事業所、市町村及び地域包括支援センター、医療等専 門職など多職種によるチームケアの編成を支援します。
- OJTにより地域ケア個別会議参加者全員の個別課題の解決スキル向上を図ります。
- 一人ひとりの生活課題を積み上げて地域の課題を抽出し、それに対応する政策形成につなげます。
地域ケア個別会議の検討対象
要支援1,2及び新しい総合事業の事業対象者
要支援の人の約半数は生活不活発による廃用症候群であり、適切なリハビリテーションや生活援助の提供により自立可能となる可能性が高い。
※ 廃用症候群とは・・・過度の安静や活動の低下が原因で筋萎縮、関節拘縮、心肺能低下等の状態に なることを言い、軽度の要介護者の原因として多い。
地域ケア個別会議の参加者
ケアプラン作成担当者、訪問介護や通所介護などの介護サービス事業所、介護保険の保険者である市町村、地域包括支援センター、専門的立場から助言を行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、介護支援専門員等。
地域ケア個別会議のイメージ図(PDF形式 362キロバイト)
4 自立支援型ケアマネジメント推進事業について
県では自立支援型ケアの提供を推進するため、下記により取り組んでいます。
- 地域ケア個別会議を行う市町村への支援
- 自立支援型ケアを推進する人材育成
を通して地域ケア個別会議を開催する市町村を支援します。
また、県内市町村においても自立支援型ケアを進めるため、「地域ケア個別会議」の開催に取り組んでいます。