平成25年地価公示
地価公示について
地価公示は、都道府県が実施する地価調査とともに地価の公的評価体系をなすもので、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日を価格時点として、標準地の正常な価格を判定するものです。
和歌山県では、国土交通省から提供された県内の地価データを独自に集計して公表しています。
地価公示制度及び全国の地価の動向については、土地総合情報ライブラリー(国土交通省)(外部リンク)内の地価公示(外部リンク)を、各地点の価格については土地総合情報システム(国土交通省)(外部リンク)内の標準地・基準地検索システム(外部リンク)をご参照ください。
平成25年地価公示の県内の実施状況
都市計画区域の指定がある9市14町の177地点(都市計画区域内175地点、区域外2地点)について、22名の不動産鑑定士により実施されました。
なお調査地点数は平成24年地価公示と同数ですが、5地点が選定替となっています。
平成25年地価公示にみる本県の特徴
県内の地価は引き続き下落傾向にあり、住宅地・商業地ともに22年連続の下落。
利便性の高い一部の地域では価格横ばいや上昇も見られるが、依然として高い下落率を示す地点もあり、県内全域の価格動向には一定の傾向が見出せない。
1 全体の特徴
- 全用途の対前年平均変動率はマイナス4.7%で、昨年(マイナス4.9%)より下落率がわずかに縮小している。
- 価格上昇地点と横ばい地点がそれぞれ1地点ずつある。価格上昇は平成20年以来5年ぶり、価格横ばいは平成21年以来4年ぶりのことである。
2 用途別の特徴
(1)住宅地
- 県全体の平均変動率はマイナス4.7%で、昨年(マイナス4.9%)より下落率はわずかに縮小している。
- 田辺市の高台の1地点の価格が2.7%上昇したほか、和歌山市の1地点が価格横ばいとなっている。
- 一方、県南部などに依然として高い下落傾向が見られる地点があり、同一地域内でも利便性の度合いなどにより、価格動向が異なる傾向があらわれている。
(2)商業地
- 県全体の平均変動率はマイナス4.4%(旧「準工業地」を除く平均変動率はマイナス4.6%)で、昨年(マイナス4.9%)より下落率はやや縮小している。
- 価格上昇・横ばい地点はないが、和歌山市や海南市などで下げ止まりが見られる地点がある。
- 一方、人口の高齢化や路線商業地への顧客の流出などにより商況が悪化している地域では引き続き価格下落傾向が続いている。
(3)その他の用途
- 各用途の平均変動率は、宅地見込地マイナス4.9%(昨年マイナス5.3%)、工業地マイナス7.2%(昨年マイナス6.0%)となっている。
- 旧用途区分による集計では、旧「準工業地」マイナス3.0%(昨年マイナス4.1%)、旧「市街化調整区域内宅地」マイナス5.0%(昨年マイナス5.7%)となっている。
3 他府県との比較による特徴
(1)都道府県別平均変動率の順位
- 都道府県別平均変動率でみた本県の全国順位(上昇率の高い順)は、住宅地が47都道府県中42位(昨年38位)、商業地が33位(昨年31位)となっている。
- 近畿地方6府県の中での本県の順位は、住宅地・商業地ともに6位であり、昨年と同順位である。
(2)市町村別平均変動率の順位
- 地方圏(三大都市圏を除く地域)の下落率上位5市町村のうち、住宅地の2位が串本町(昨年3位)、3位が太地町(昨年5位圏外)となっている。
- 地方圏の上昇率上位5市町村(住宅地・商業地とも)及び商業地の下落率上位5市町村のうちに和歌山県内の市町村は含まれていない。
(3)個別地点の変動率の順位
- 全国の下落率上位10地点のうち、住宅地の10位が串本町内の地点(串本-1 昨年10位圏外)、工業地の9位が和歌山市内(和歌山9-1 昨年10位圏外)の地点となっている。
- 上昇率上位10地点(各用途とも)及び商業地の下落率上位10地点のうちに和歌山県内の地点は含まれていない。
(4)備考
- 東日本大震災被災県の一部では、昨年下落率の拡大がみられたが、今年は震災後の需要集中や復旧による下げ止まりに加えて被災地の調査地点変更により大幅な下落率縮小傾向がみられる。(例:福島県の住宅地 平成24年マイナス6.2%が平成25年にはマイナス1.6%になった。)
- 一方、本県では高台への調査地点変更が行われておらず、住宅地・商業地ともに下落率は若干縮小しているものの、相対的に県別順位が下がっている。