がん検診の精度管理
がん検診の目的は、がんを早期に発見し、必要かつ適切な診療につなげることにより、がんの死亡者の減少を目指すことです。
科学的根拠のある『正しい検診』を『正しく実施』できているかを徹底的に管理した上で、受診率を上げることが重要となります。
種別 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 (注意2) | 問診、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査 | 50歳以上の男性、女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部エックス線検査、喀痰細胞診 | 40歳以上の男性、女性 | 年1回 |
大腸がん検診 | 問診、便潜血検査 | 40歳以上の男性、女性 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診、マンモグラフィ | 40歳以上の女性 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 |
問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診 | 20歳以上の女性 | 2年に1回 |
問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診 | 30歳以上の女性 |
2年に1回 | |
問診、視診及びHPV検査単独法 ※実施体制が整った自治体で選択可能 |
5年に1回 ※罹患リスクが高い者に ついては1年後に受診 |
(注意2)
胃部エックス線検査は当分の間、40歳以上、年1回実施しても差し支えないとされています。
胃がん検診については平成28年2月に指針が改正され、検診方法に胃内視鏡検査が追加されました。
しかし、胃内視鏡検査を実施する場合においては、検査を実施する医師や医療機関の確保、検診体制の整備が必要とされており、実施自治体の状況によって提供体制が異なります。
精度管理の指標
がん検診の精度管理指標には、「技術・体制指標」「プロセス指標」「アウトカム指標」があります。「アウトカム指標」は死亡率となりますが、検診が死亡率に与えた影響が判明するには相当の時間を要すため、より短期の指標として「技術・体制指標」と「プロセス指標」の二つの指標を使います。
技術体制指標(事業評価のためのチェックリスト)
最低限整備するべき技術・体制のことで、チェックリストに基づいて現在の体制を自己点検し、課題に応じて改善策を検討するためのものです。
市町村のチェックリスト
第4次和歌山県がん対策推進計画で、実施率85%以上の市町村の割合を全部位において100%にすることを数値目標としています。
令和5年度個別医療機関チェックリスト調査結果
令和5年度に市町村を通じて各医療機関にチェックリスト調査を実施しました。
令和5年度個別医療機関チェックリスト調査結果概要
プロセス指標
■プロセス指標とは
がん検診事業は大まかに「受診者の募集」「検診(スクリーニング)」「精密検査への誘導」「精密検査」「事業評価」のプロセスに分かれています。
プロセス指標は、各プロセスが適切に行われているかを評価するための指標です。
■令和4年度地域保健・健康増進事業報告より
【個別・集団検診別】
がん登録データの活用による検診精度管理事業報告書
がん検診は、正しい検診を正しい方法で行う体制の整備(精度管理)が重要です。
がん検診事業は市町村が実施していますが、検診を受けた方の中から、がんが発見された場合の進行度等の詳細を市町村が正確かつ網羅的に把握することは現在の仕組みでは困難です。そこで、国又は都道府県の管理するがん登録データと市町村が管理するがん検診データを照合し、がん検診の精度管理に活用することを目的としたモデル事業を和歌山市を対象に平成29年度実施し、翌年の平成30年度にも引き続き実施しました。
■平成29年度がん登録データの活用によるがん検診の精度管理事業報告書
概要版(PDF形式 982キロバイト)
報告書(PDF形式 2,311キロバイト)
■平成30年度がん登録データの活用によるがん検診の精度管理事業報告書