第4章第1項2 第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画の成果目標及び主な取組

(1)施設入所者の地域生活への移行

施設入所者の暮らしについては、地域生活への移行を最優先するのではなく、それぞれの状態に応じ、希望する生活を送ることができるよう、本人の意思決定を尊重した支援を実施します。

【成果目標】

項目

2022年度

2026年度

(令和4年度)

(令和8年度)

令和4年度末時点の施設入所者(1,188人)のうち、地域生活への移行者数 (累計)

23人

令和2~4年度累計

20人

令和5~8年度累計

【主な取組】

① 障害のある人の地域移行・地域定着の支援

  • 施設に入所している障害のある人のうち希望する人を対象に、地域における生活体験や地域での生活に関する情報提供を行うなど、入所者が地域へ戻って生活する意欲を高めるための取組を行うとともに、保護者にも不安を和らげるための説明を実施するよう福祉施設等に働きかけます。
  • 障害のある人が福祉施設を退所して地域で生活するにあたり、「共同生活援助(グループホーム)」の整備を促進するとともに、様々な障害特性等に対応できるよう、職員の資質向上のための研修を行います。
  • 重度化・高齢化した障害のある人の地域での生活を支援するため、24時間支援体制を確保し、相談や家事等の日常生活の援助等を行う「日中サービス支援型指定共同生活援助」の整備を促進します。
  • 地域で生活することを希望する障害のある人を支援するため、地域における生活体制を整える「地域移行支援」、移行後の地域で常時の連絡体制を確保して緊急時に必要な支援を行う「地域定着支援」、定期的に利用者の居宅を巡回訪問する「自立生活援助」の充実に取り組み、活用を呼びかけます。
  • 移行後の地域での生活を支援するため、「居宅介護」や「生活介護」等の障害福祉サービスを充実するように努めます。
  • 医師、看護師、支援員等の専門家チームを家庭、施設、学校等に派遣し、地域で生活する障害のある人と介護者に対して、身近なところでリハビリ、相談支援を行います。

② 地域生活支援拠点等が有する機能の充実

  • 障害のある人の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据えた居住支援等を行う地域生活支援拠点について、機能の充実・強化に必要な支援を行います。

(2)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築

精神科病院に入院している精神障害のある人については、障害の程度を考慮し、地域生活に関心をもってもらえるよう働きかけを行った上で、退院希望のある人に対し、積極的に退院支援を進めます。また、精神障害のある人が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、福祉、介護等の連携を進めます。

【成果目標】

項目

2022年度

2026年度

(令和4年度)

(令和8年度)

精神病床からの退院後1年以内の地域における平均生活日数

321.2日

(令和元年度)

331日

精神病床における1年以上の長期入院患者数(65歳以上)

603人

556人

精神病床における1年以上の長期入院患者数(65歳未満)

386人

333人

精神科病院に入院した患者の入院後3か月時点の退院率

63.5%

69.0%

精神科病院に入院した患者の入院後6か月時点の退院率

86.5%

88.0%

精神科病院に入院した患者の入院後1年時点の退院率

91.6%

92.0%

【主な取組】

  • 地域で生活することを希望する障害のある人を支援する地域包括ケアシステムの構築を推進するため、保健、医療、福祉関係者による協議の場の効果的な運営を図ります。
  • 精神科病院や訪問看護ステーションを運営する法人、保健所等が連携し、地域で生活する未受診者及び受療中断者等に対して、24時間体制でアウトリーチ(訪問支援)を行う体制を整備します。
  • 精神科病院に入院している障害のある人を対象に、地域における生活体験や地域での生活に関する情報提供を行うなど、障害のある人が地域へ戻って生活する意欲を高めるための取組を行います。
  • 精神科病院に入院中から相談支援事業所、行政、ピアサポーター等に相談できる体制を充実させ、障害のある人の早期退院を目指します。
  • 地域で生活することを希望する障害のある人を支援するため、地域における生活体制を整える「地域移行支援」、移行後の地域での生活を継続していくため、常時の連絡体制を確保して緊急時に必要な支援を行う「地域定着支援」、定期的に利用者の居宅を巡回訪問する「自立生活援助」の充実に取り組み、活用を呼びかけます。【再掲】
  • 障害のある人が精神科病院を退院して地域で生活するにあたり、「共同生活援助(グループホーム)」の整備を促進するとともに、様々な障害特性等に対応できるよう、職員の資質向上のための研修を行います。
  • 移行後の地域での生活を支援するため、「居宅介護」や「生活介護」等の障害福祉サービスを充実するように努めます。【再掲】

(3)福祉施設から一般就労への移行等

障害のある人の一般就労移行と就労定着を促進するため、関係機関同士の連携を図るとともに、インターンシップ事業や将来の就職につながる研修等を実施します。

【成果目標】

項目

2022年度

2026年度

(令和4年度)

(令和8年度)

福祉施設からの一般就労移行者数

104人

123人

うち就労移行支援事業に係る移行者数

34人

44人

うち就労継続支援A型に係る移行者数

22人

26人

うち就労継続支援B型に係る移行者数

42人

49人

一般就労移行率5割以上の就労移行支援事業所の割合

20.0%

50.0%

就労定着支援事業の利用者数

39人

58人

就労定着率7割以上の就労定着支援事業所の割合

66.7%

100.0%

【主な取組】

  • 障害のある人の一般就労移行と就労定着を図るため、各圏域に労働局と共同で設 置した「障害者就業・生活支援センター」において、雇用、保健、福祉、教育等 の関係機関や、就労系障害福祉サービス事業所との連携を強化します。
  • 就労後の定着を図るため、訪問や電話による本人の勤務先との連絡調整や就労したことで新たに生じる生活面の課題に助言を行う「就労定着支援」の充実を図ります。
  • 障害のある人の一般就労を促進するため、特別支援学校や就労系障害福祉サービス事業所を対象とした研修会を開催し、教員や施設職員等の一般就労に対する取組を支援します。

 また、障害のある人が個人の能力を高め、一般就労するために必要な技能訓練や職場における社会人としてのマナーの習得を行う「就労移行支援」の積極的な活用を関係機関に呼びかけます。

  • インターンシップ事業や将来の就職につながる研修の実施を通じ、障害のある人の就労を支援するとともに、企業等における障害及び障害のある人に対する理解を促進します。
  • 自立支援協議会就労部会を開催し、地域の就労支援のネットワーク強化を図り、雇用や福祉等の関係機関が連携した支援体制の構築を推進します。

(4)障害児支援の提供体制の整備等

障害のあるこどもに対する支援については、保健、医療、福祉、保育、教育等の関係機関と連携を図った上で、障害のあるこども及びその家族に対し、乳幼児期から一貫した療育支援の体制を確立するための取組を行います。

【成果目標】

項目

2022年度

2026年度

(令和4年度)

(令和8年度)

「児童発達支援センター」を各障害保健福祉圏域に1か所以上設置

7圏域

8圏域

主に重症心身障害児を支援する「児童発達支援事業所」及び「放課後等デイサービス事業所」を各障害保健福祉圏域に1か所以上設置

7圏域

8圏域

医療的ケア児等コーディネーターを県及び各障害保健福祉圏域に設置

2圏域

県+8圏域

【主な取組】

  • 障害児者サポートセンター等の専門機関で、障害のあるこどもに関する相談に対応、専門的な助言、指導を行います。
  • 乳幼児健康診査等の結果、心身の発達・発育に遅れや問題が発見された乳幼児とその保護者を対象に、医師等による療育相談指導を実施します。また、市町村や関係機関と緊密に連携し、切れ目なく円滑に早い段階で療育支援につなげます。
  • 障害のある未就学のこどもに対して、日常生活における基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練等を行う「児童発達支援センター」について、未設置の障害保健福祉圏域への設置を働きかけます。
  • 県内全ての市町村で、障害のあるこどもが集団生活に適応できるように保育所、学校等に指導を行う「保育所等訪問支援」サービスの利用を促進するため、「児童発達支援センター」を中核とした地域の療育支援体制を確立します。
  • 重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した重症心身障害児を支援する「児童発達支援事業所」及び「放課後等デイサービス事業所」について、各圏域に1か所以上設置し、重症心身障害児が身近な地域で必要な支援を受けることができる体制づくりを推進します。
  • 医療的ケア児や重症心身障害児に対する支援を適切に行える人材及び地域において保健、医療、福祉、保育、教育等関係者からの必要な支援を総合的に調整するコーディネーターを養成します。
  • 医療的ケアが必要な障害児等が、生活スタイルを選択できる体制づくりを推進します。具体的には、医療的ケア児等支援センターが相談に応じ、情報の提供や助言その他の支援、関係機関等への情報提供を実施するとともに、保健・医療・福祉・教育等の関係機関の連携促進、各圏域の医療的ケア児支援体制整備のサポートを行います。
  • 障害児入所施設に入所している児童が大人にふさわしい環境へ円滑に移行できるよう、移行調整に係る協議の場を設置します。
  • 保護者が仕事等の理由で昼間家庭にいない児童に、遊びと生活の場を提供する放課後児童クラブ(学童保育)において、障害のあるこどもの利用を促進するため、専門的知識を有する職員の配置を支援します。
  • 聴覚障害の早期発見・早期支援が切れ目なく図られるよう、聴覚障害児支援拠点を中心に、保健・医療・福祉・教育の連携を強化するとともに、きこえとことばに不安のある乳幼児とその保護者に対して、「乳幼児きこえとことば相談」による地域巡回を通じて、適切な情報発信や相談支援を行います。
  • 新生児聴覚スクリーニング検査や乳幼児健康診査等の結果、発見された身体障害者手帳対象外の軽度・中等度難聴児について、早期の補聴器装用を支援します。

(5)相談支援体制の充実・強化及び障害福祉サービス等の質の向上等

  • 地域の課題を協議して解決へ導くため、市町村や障害福祉サービス事業所等により構成される「地域自立支援協議会」をはじめ、市町村が実施する障害児者相談支援事業に障害福祉サービス等の専門的知識を有するアドバイザーの派遣を継続し、基幹相談支援センターのバックアップや相談支援体制の充実強化のための助言等を行います。
  •  自ら意思を決定すること(意思を形成及び表明する段階を含む。)に支援が必要な障害のある人等が障害福祉サービス等を適切に利用することができるよう、意思決定支援に関する研修を実施し、意思決定支援の質の向上や意思決定支援ガイドラインの普及を図ります。
  • 自らも障害や疾病の経験を持ち、その経験を活かしながら、他の障害のある人のために支援を行う体制を強化し、ピアサポートを行う人材を育成します。
  • 発達障害者支援センターポラリスにおいて、発達障害児者やその家族に対する相談支援やペアレントメンターの養成等を行うとともに、医療・保健・福祉・教育・雇用等の関係者による発達障害者支援地域協議会で地域の課題等を協議し、発達障害者支援センターポラリスを中心とした地域生活支援体制の充実を図ります。
  • 高次脳機能障害支援普及事業支援拠点機関である障害児者サポートセンターにおいて、高次脳機能障害に関する相談支援、研修事業及び普及啓発を行います。
  • 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害児通所支援事業者等に対する指導監査の結果について、毎年、市町村と共有する機会を設けることにより、障害福祉サービスの質の向上を図ります。
  • 障害のある人の人権の理解を深め、より人権尊重の観点に立った障害福祉サービスを提供するため、市町村等行政職員や事業所の管理者、人権擁護推進員だけでなく、医療機関や教育機関で働く関係者に対しても研修を実施します。
  • 障害福祉サービス事業所の従事者を対象に、強度行動障害がある人に対する対応についての専門的な研修を行い、広域的支援人材を養成し、障害福祉サービスの質の向上を図ります。
  • 障害のある人が安心して適正な障害福祉サービスを利用できるよう、事業者に対して第三者評価事業の実施を働きかけます。

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