第4章第2項(日高圏域)
〈日高圏域〉
【構成市町村】 御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、日高川町
【面積】 579.01k平方メートル
【人口】 62,315人(平成29年4月1日現在)
【高齢化率】 31.8%(平成29年1月1日時点)
- 当圏域は、県中部に位置し、北と東方向は紀伊山地の山々に、また西から南西方向を紀伊水道に隔てられており、圏域の中央部を流れる日高川下流域に市街地が形成されています。圏域人口は、減少傾向にあり、高齢化も進行しており、山間部ほど高齢化、過疎化が進んでいます。公共交通網については、JR紀勢本線、紀州鉄道がありますが、山間部においてJR紀勢本線まで50km内外の距離があり、バス路線も便数が少なく、コミュニティバスが運行されていますが、公共交通網は充分とはいえない状況です。
1 圏域の現状と課題
〔指定障害福祉サービス等〕
- 障害福祉サービスのうち、訪問系サービスについては各地域に居宅介護や重度訪問介護の事業所が確保されており、山間部においても利用可能となっています。しかし、重度障害者の在宅生活を推進していくためには、重度訪問介護の需要は大きく、さらに充実を図る必要があります。
- 児童発達支援については、3か所(平成29年3月現在)の事業所が確保され、利用者のニーズに応じ定員の増加を図る等の対応をしている状況です。
- グループホーム等の居住の場の整備状況については、徐々に充実してきていますが、今後、障害のある人の地域での自立した生活の促進のためには、さらなる整備が必要です。
- 障害のある人の日中活動の場の提供や相談支援等を実施するため、精神保健福祉士を配置した地域活動支援センターを設置し、圏域内市町が共同で委託しています。また、御坊市では地域活動支援センターへの委託により、機能訓練、社会適応訓練を実施しています。
〔相談支援〕
- 相談支援事業については、1市5町が共同で、平成20年度に開設した「御坊・日高障害者総合相談センター」において実施しており、同センターには、専門的職員を配置して相談支援の機能強化を図っています。また、平成23年度からは管内市町が広域的な障害のある人の相談体制として「24時間あんしんコールセンター」を設置し、主に電話相談を実施しています。障害のある人の相談体制の充実のため、今後とも継続して推進していきます。
- 圏域内の2事業者と行政機関を中心に、保健、医療、福祉、教育、就労等の各分野の関係機関で構成する自立支援協議会については、御坊・日高障害者総合相談センターを核として運営しています。協議会には専門部会として「権利擁護部会」、「就労部会」、「精神障害者地域支援部会」、「子ども部会」を設置しています。また、人材育成プロジェクト、防災プロジェクトを実施しています。
〔発達障害のある人、障害のある子供への支援〕
- 発達障害については、障害の早期発見、早期療育、教育、就労、地域生活などについて、一層の支援が求められています。ライフステージごとの関係機関や関係者の支援が途切れないように、平成23年度から発達支援ノート「すこやかファイル」を導入し、今後とも積極的な活用を推進していきます。
- 自立支援協議会に設置している「子ども部会」において、事例検討や研修会を開催したり、子どもの資源ファイルを作成するなど障害児支援体制の構築に向けて取り組んでいます。
〔就労支援〕
- 障害のある人の就労支援の状況としては、障害者就業・生活支援センターの活動により一定の成果が見られますが、障害のある人の新たな雇用の場の拡大のため、企業等への障害者雇用についての理解を深める必要があります。
〔その他〕
- 障害者週間に圏域の事業所から、障害のある人が作成した絵、書道、手芸等さまざまな作品を募集し、展示しています。
- 日高障害者虐待防止対策地域協議会を開催し、障害者虐待に係る情報共有及び研修を実施しています。また、障害のある人等に対する虐待防止のため、通報の窓口として、圏域の市町が委託して「24時間あんしんコールセンター」を設置しています。
2 圏域内の障害者手帳交付状況(平成29年3月31日現在)
視覚障害 |
聴覚・平衡・ 音声言語・そしゃく |
肢体不自由 | 内部障害 | 合計 |
241人 | 512人 | 2,149人 | 1,111人 | 4,013人 |
6.0% | 12.8% | 53.5% | 27.7% | 100.0% |
A1 | A2 | B1 | B2 | 合計 |
119人 | 137人 | 166人 | 196人 | 618人 |
19.2% | 22.2% | 26.9% | 31.7% | 100.0% |
1級 | 2級 | 3級 | 合計 |
33人 | 214人 | 156人 | 403人 |
8.2% | 53.1% | 38.7% | 100.0% |
3 障害福祉サービス等の見込量(1か月あたり)
種類 | 2017年度 実績見込 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
居宅介護 重度訪問介護 同行援護 行動援護 重度障害者等包括支援 |
4,027時間 | 4,430時間 | 4,710時間 | 4,980時間 |
155人 | 167人 | 175人 | 183人 |
種類 | 2017年度 実績見込 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
生活介護 | ー | 5,823人日 | 6,090人日 | 6,224人日 |
278人 | 287人 | 301人 | 308人 | |
自立訓練(機能訓練) | 8人日 | 80人日 | 80人日 | 80人日 |
1人 | 4人 | 4人 | 4人 | |
自立訓練(生活訓練) | 43人日 | 127人日 | 138人日 | 149人日 |
3人 | 7人 | 8人 | 9人 | |
就労移行支援 | 129人日 | 286人日 | 294人日 | 314人日 |
8人 | 13人 | 14人 | 15人 | |
就労継続支援(A型) | ー | 1,102人日 | 1,133人日 | 1,161人日 |
35人 | 55人 | 58人 | 60人 | |
就労継続支援(B型) | ー | 2,619人日 | 2,676人日 | 2,740人日 |
77人 | 137人 | 141人 | 145人 | |
就労定着支援 | ー | 7人 | 7人 | 7人 |
療養介護 | 24人 | 28人 | 29人 | 29人 |
短期入所(福祉型) | 399人日 | 403人日 | 418人日 | 437人日 |
26人 | 42人 | 44人 | 47人 | |
短期入所(医療型) | 9人日 | 36人日 | 36人日 | 36人日 |
2人 | 4人 | 4人 | 4人 |
種類 | 2017年度 実績見込 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
自立生活援助 | ー | 9人 | 10人 | 12人 |
共同生活援助 | 137人 | 148人 | 153人 | 159人 |
種類 | 2017年度 実績見込 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
計画相談支援 | 46人 | 50人 | 51人 | 52人 |
地域移行支援 | 5人 | 8人 | 9人 | 12人 |
地域定着支援 | 26人 | 27人 | 29人 | 31人 |
種類 | 2017年度 実績見込 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
児童発達支援 | 446人日 | 525人日 | 546人日 | 585人日 |
25人 | 31人 | 33人 | 36人 | |
放課後等デイサービス | 754人日 | 967人日 | 1,048人日 | 1,124人日 |
50人 | 58人 | 62人 | 67人 | |
保育所等訪問支援 | 2人日 | 12人日 | 12人日 | 13人日 |
2人 | 7人 | 7人 | 8人 | |
居宅訪問型児童発達支援 | ー | 10人日 | 10人日 | 11人日 |
ー | 2人 | 2人 | 3人 | |
障害児相談支援 | 13人 | 10人 | 10人 | 10人 |
医療的ケア児に対する関連分野の支援を 調整するコーディネーターの配置人数 |
ー | 0人 | 0人 | 1人 |
4 圏域の取組
〔地域生活支援体制の充実〕
- 障害のある人が地域で安心して暮らせるように、事業者等関係機関との連携のもと、緊急時の受入体制の確保に取り組みます。
- 日常生活自立支援事業等を活用し、障害のある人が各種福祉サービスの利用や、日常生活の各種手続き等を円滑に行えるよう支援します。
〔相談支援体制の充実〕
- 地域住民や障害のある人等に対して御坊・日高障害者総合相談センターについて周知を図り、身近に相談できる体制を整備します。
- 自立支援協議会を中心に、保健、福祉、医療、労働、教育等との連携により相談支援体制の強化を図ります。
- 平成23年度から、1市4町が広域的に実施している24時間あんしんコールセンターについては、障害のある人の相談体制の充実のため、今後とも継続して推進します。
〔発達障害のある人、障害のある子供への支援〕
- 自立支援協議会に設置している「子ども部会」において、保健、医療、福祉、教育等の関係機関による事例検討や研修会を開催し、地域における連携支援体制の構築を図ります。
- 発達障害を含む特別な支援の必要な子供に対し、保健、医療、福祉、教育、労働の関係機関が連携して、発達支援ノート等の支援情報を活用した個別の支援計画に基づき、乳幼児期から成人期にいたるまで、継続的に一貫した支援を行います。
- 保育所や幼稚園、学校等の連携により、発達障害の早期発見から早期療育へとつなげるとともに、障害のある子供の発達を促進するために、障害児通所支援の充実を図ります。
- 子ども・女性・障害者相談センター及び発達障害者支援センター等の専門機関と連携し、発達障害のある人とその家族への総合的な支援を行います。
- 障害のある子供の発達を支援するために、家庭での療育について助言を行う等により家族に対する支援を行います。また、障害のある子供やその家族が交流できる機会をより多く提供し相談や情報交換を行うことで社会的・心理的に孤立しないよう支援します。
〔就労支援体制の充実・促進〕
- 自立支援協議会に設置している「就労部会」を中心に障害者就業・生活支援センター、公共職業安定所(ハローワーク)、障害者職業センターと就労移行支援事業所とのネットワークを構築し、障害のある人の一般就労への支援体制の整備を推進します。
- 一般就労した障害のある人の職場への定着を図るため、障害者就業・生活支援センターの就労支援ワーカーや生活支援ワーカーによる支援を行うとともに、事業所に対しての雇用管理についての助言等を行います。
〔精神障害のある人の地域生活支援の充実〕
- 自立支援協議会に設置している「精神障害者地域支援部会」において、地域活動支援センターを中心に地域体制整備コーディネーターと協働し、精神障害のある人の地域生活に向けた支援策等について検討します。
- 精神障害のある人が地域で安心して生活できるようグループホーム等の充実に努めます。
- 精神科病院への入院を長期化させないために入院当初から地域との関わりがもてるように、地域活動支援センターを中心とした体制を確立します。
- 精神障害のある人の身近な支援者である家族に対し、障害特性の理解や対応方法について、啓発を行います。また、地域住民の理解を深めるため、交流の機会をつくるとともに、ボランティアの育成を図ります。
〔地域における居住の場の確保〕
- グループホームのニーズを把握し、事業者に働きかけ設置を促進します。
- グループホームを開設するにあたり、地域の理解を深めるための啓発を行います。
〔社会参加の環境づくり〕
- 意思疎通支援を必要とする障害のある人に対して、手話通訳者・要約筆記者を派遣する体制の充実強化を図ります。
- 地域生活定着支援センターと行政等の関係機関が連携し、矯正施設等を退所した福祉の支援を必要とする障害のある人等の社会復帰を目指した支援を行います。