傷病野生鳥獣救護

傷ついた野生鳥獣や落ちているヒナを見つけたら

  • 和歌山県では、原則、自然界の営みの中で傷ついた野生鳥獣の救護活動は行いません。
    これは、自然生態系は食物連鎖によって成り立っており、人が手を加えることで生態系のバランスを崩し、逆に失われる命が発生する可能性もあることから、人が必要以上に手を加えるべきではないという考え方を採っているからです。
  • ただし、交通事故など明らかに人間の行動が原因で傷ついた野生鳥獣や、国(環境省)や和歌山県のレッドデータブックに記載されているような希少な野生鳥獣については、救護活動を行っています。

救護活動の対象となる野生鳥獣

以下の野生鳥獣は、救護活動の対象となります

対象となる鳥獣

具体例

(1)人間の行動が原因でケガをした野生鳥獣

  • 自動車ではねてケガをさせてしまった鳥獣
  • 釣り糸を絡めてしまった鳥

など

(2)人間のいたずらや虐待によりケガをした野生鳥獣

矢が刺さっている鳥獣 など

(3)希少な野生鳥獣

  • 種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定されている鳥獣
  • 天然記念物に指定されている鳥獣
  • 国(環境省)や和歌山県のレッドデータブックに記載されている鳥獣

など

 
上記の救護の対象となる傷ついた鳥獣を見つけたら、最寄りの県振興局にご連絡ください。

県では、連絡を受けた後、最寄りの、あらかじめ指定した動物病院(指定救護医)に連絡を取り、状況を説明した上で、治療の見込みがあると判断された場合にのみ受け入れを要請します。

なお、原則として、動物の保護及び指定救護医への搬入は、救護者自身で実施していただくようお願いしています。その際は、手袋をするなどして野生鳥獣を直接素手で触らない、搬入後は手洗いやうがいをするなどの対策をお願いします。

救護活動の対象にならない野生鳥獣

以下の野生鳥獣は、救護活動の対象となりません

対象とならない野生鳥獣

具体例

(1)野鳥のヒナ

補足 ヒナとの関わり方については、日本野鳥の会作成ハンドブックをご覧ください。

野鳥のヒナ

(2)外来生物法に基づく特定外来生物や外来生物

アライグマ、ヌートリア、ハクビシン など

(3)農林水産業や生活環境に被害を及ぼすおそれがある野生鳥獣

補足 原則、農林水産業や生活環境被害を及ぼすおそれがある鳥獣は保護しません。

イノシシ、ニホンジカ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、カワウ、ドバト など

(4)感染症の疑いがある鳥獣

疥癬(かいせん(毛が抜け落ちた状態)にかかったタヌキなど

(5)鳥インフルエンザの発生時期に発見された鳥類
補足 移動させることで鳥インフルエンザが拡散してしまうおそれがあります。

野鳥全般

(6)傷が酷く治療しても野生復帰の見込みがない鳥獣

補足 野生復帰できない鳥を人間が飼い続けることはできません。保護することなく、生態系に委ねる方が自然のためになります。

羽根が折れた鳥 など


注意 まとまって死んでいるなど、鳥インフルエンザ感染のおそれのある鳥類を発見した場合は、絶対に触らずに、最寄りの県振興局までご連絡ください。

自然界における野生動物とは

生命のつながり・育み

人間に飼育されている動物であれば、餌を与えられ、外敵から守られた環境の中で長生きする動物もいますが、自然界で暮らす野生動物の多くは、日常的に、他の動物に食べられたり、襲われてケガをしたり、自然界でエサが十分に捕れなかったりすることによる寿命など様々な要因で死んでいます。
このように死んだ野生動物は、他の動物や植物のエサ・栄養となり、次の生命を育む源となっています。

ケガをしたり弱ったりしている動物を助けたいと思う気持ちは大切ですが、必要以上に人間が干渉することで、自然生態系に想定外の影響を与えることになってしまうことを理解してください。

かわいそうだと思っても、このような生態系の仕組みをよく理解し、そのままにしておくことが生態系を守ることにつながります。

傷ついた野生動物に出会ったら(救護活動の対象とならない傷病鳥獣と出会った場合)

家の周辺や公園、道路などで傷ついた野生動物に出会ったら、むやみに触れるようなことはせず、できるだけそっとしておいてください。

野生動物は、ペットとは違い人間を怖がるため、人間が触れようとしたり捕まえようとしたりすると、それだけで死亡したり、逃げたり激しく抵抗したりすることがあります。
ケガをしたり衰弱している動物でも、人間が触ろうとすればストレスになり、攻撃をすることがありますので、必要のない接触は控えましょう。

また、野生動物は、ある程度のケガであれば自然に回復する力をもっています。その回復力に委ねることが重要です。

傷ついた動物が危険な道路上などに横たわっていれば、草むらに移す程度の処置にとどめてください。

希少野生鳥獣の救護について

種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定されている鳥獣、天然記念物に指定されている鳥獣、国(環境省)や和歌山県のレッドデータブックに記載されている希少な野生鳥獣については、個体群を維持するため、その個体自体を救護することが重要となる場合があります。
このような場合は、積極的に救護を行っていきます。

よくあるお問い合わせ

Q:野鳥のヒナを見つけた場合はどのように対応したらよいですか?

A:野鳥のヒナは拾わないようにお願いします。
ヒナが自立するまでには巣立ちから2週間から1か月ほど掛かります。巣立ったばかりのヒナはほとんど飛べません。落ちているヒナは飛行訓練中に地面に落ちて休憩している場合や、親鳥が餌を取ってきてくれるのを待っている場合があります。
親鳥もヒナと一緒にいる時間を減らすため、ヒナと一緒にいることはほとんどありません。このような場合は干渉せずそっとしておきましょう。人間が近くにいると、親鳥はヒナの元に近づきません。
保護したつもりが、ヒナを親鳥から引き離すことにもなってしまいますので、ご注意ください。
野鳥のヒナとの関わり方は、日本野鳥の会作成ハンドブックも参考にしてください。
 

Q:この辺りで見ない珍しい動物がケガしているのですが?

A:最寄りの県振興局に情報提供をお願いします。珍しいかどうかの判断をさせていただき、病院搬送が必要であれば適切に対処します。
 

Q:保護した鳥や動物を飼うことはできますか?

A:野生鳥獣は、たとい善意で保護したとしても、個人で許可なく飼育することはできません。

鳥獣保護法によって禁止されていますので、罰則を受ける場合もあります。
 

Q:「拾わずに見ていたら死んでしまった」または「死んだ野生の動物を発見した」ときはどうしたらよいですか?

A:以下の方法で対応をお願いします。

(1)自宅や田畑などで発見した場合

畑などをお持ちで埋められる場所があれば埋めてあげてください。
そうでない場合は、死亡個体は「一般ごみ」と同様の扱いになります。「燃えるゴミ」として廃棄してください。

注意 病原菌を持っている可能性がありますので、素手では触れないようにしてください。


(2)公園、町道・市道・県道・国道の車道や歩道などで発見した場合

それぞれの管理者に連絡してください(自治体の道路関係の課など)。
 

Q:大量に死んでいる場合は?

A:伝染病や事件が疑われますので、最寄りの県振興局にご連絡ください。

 

お問い合わせ先

対応時間:午前9時00分~午後5時45分

傷病野生鳥獣救護に関するお問い合わせ先

振興局等名称

窓口

所在地

電話番号

海草振興局

衛生環境課

海南市大野中939

073-482-0600

那賀振興局

衛生環境課

岩出市高塚209 

0736-63-0100

伊都振興局

衛生環境課

橋本市高野口町名古曽927 

0736-42-3210

有田振興局

衛生環境課

有田郡湯浅町湯浅2355-1

0737-63-4111 

日高振興局

衛生環境課

御坊市湯川町財部859-2

0738-22-3481 

西牟婁振興局

衛生環境課

田辺市朝日ヶ丘23-1

0739-22-1200 

東牟婁振興局

衛生環境課

新宮市緑ケ丘2-4-8

0735-22-8551 

東牟婁振興局 串本支所

保健環境課

東牟婁郡串本町西向193

0735-72-0525 

関連ファイル

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