第42回和歌山県食の安全県民会議
開催日時・場所
日時:平成31年3月19日火曜日午後2時から午後4時
場所:和歌山県書道資料館
議事
- 平成31年度食品衛生監視指導計画(案)について
- HACCPの制度化について
- 平成30年度食の安全・安心に係る県民アンケート結果について
委員意見(概要)
平成31年度食品衛生監視指導計画(案)について
- 委員
来年度は監視指導計画に基づいた監視指導の実施に加えて、食品事業者のHACCP導入についても支援を行っていくと聞いたが、マンパワーが限られている中でこのようなことが可能なのか。 - 県
HACCPを導入し運用できる人材を育成する講習会を開催する食品関係団体を支援する。
具体的には講師として食品衛生監視員を派遣する。 - 委員
昨年の監視指導計画案と比較すると、重点的監視事項について「輸出食品の衛生対策」という項目が追加されているが、ここにある水産食品を輸出する施設の定期的な監視指導及びモニタリングとはどういうものか。 - 県
EUに水産食品を輸出する施設については、国の「対EU輸出水産食品の取扱要領」において、四半期毎の施設の衛生管理状況の監視や、県及び事業者が実施する残留有害物質のモニタリング検査が定められており、これらの監視や検体採取を食品衛生監視員が行っている。
また、中国に水産食品を輸出する施設についても、衛生証明書の発行数に応じて施設への監視を行うこととなっている。 - 委員
県内には輸出施設がどれくらいあるのか。 - 県
EUへの輸出施設は1施設、中国等への輸出施設は10施設程度あるが、頻繁に輸出を行っているのは2施設程度である。
HACCPの制度化について
- 委員
法改正により、今後は食品事業者に「HACCPに沿った衛生管理」が求められることは理解したが、これは農家や畜産業者にも「HACCPに沿った衛生管理」が求められるということか。
また、その場合、食品衛生協会等が開催するHACCP講習会への受講案内等は農家や畜産業者へも通知されるのか。 - 県
生鮮食品の生産者である農家や畜産業者については、今回のHACCP制度化の対象外である。
しかしながら、制度の対象である飲食店、と畜場・食鳥処理場等ではHACCPを実施する際の前提条件として、原材料の衛生管理を求めることとなるため、生鮮食品の生産段階での衛生管理も重要となってくる。
このため、県としては生鮮食品の生産者に対して、県版の生鮮HACCP認証制度の普及を推進していきたい。 - 委員
第6次産業の方々と一緒に仕事をすることがあるが、個人事業者や農家の方が道の駅や産品直売所に漬物などを出していることが多い。食品表示法の施行に係る猶予期限も迫り、その対応も大変なのにこれらの方々がHACCPの制度化についていけるか心配である。 - 県
HACCP講習会については、個別のケースに対応できるように演習形式で実施しており、できるかぎり多くの方にHACCPに取り組んでいただけるよう、県食品衛生協会には会員以外の方も受講できるように依頼している。
また、食品表示については、県で作成した食品表示作成マニュアルを事業者へ配布するとともに、事業者グループ等から要望があれば、その都度、出向いて行き食品表示講習会を実施する。 - 委員
個人やグループで食品表示法に対応できていない事業者にも対応できるようにしてほしい。 - 委員
従業者数が50人未満の事業所については「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施することとして、各業種団体から衛生管理の手引書が出ている。
これに対して、従業者数が50人以上の事業所については、「HACCPに基づく衛生管理」を実施する事となっているが、これについての手引書はいつ出るのか。 - 県
「HACCPに基づく衛生管理」を実施する場合は、その設備や製造工程が事業者毎に大きく異なるため、HACCP計画についてはコーデックスのHACCP7原則の考え方に基づいて事業者が自ら作成する必要があるので、共通の手引書というものはない。
食品流通課が実施する「新食品流通基準対応セミナー」を受講していただくことで対応したいと考えている。 - 委員
手本やマニュアルを作成するなどの支援はないのか。 - 委員
共通の手引書は出ない。
以前、牛乳の製造施設で他の施設の衛生管理マニュアルをそのまま採用し、存在しない部品の洗浄など、自施設の実情と異なる状態のマニュアルをそのまま採用した結果、食中毒事故を起こした事例がある。
HACCP計画はその施設ごとに異なるため、これは各事業者が自ら作成する必要があり、コンサルタントなどを雇って対応する会社もある。
今後、皆がHACCP計画を作成しようとすれば、コンサルタントの確保が難しくなるかもしれないので、もし必要ならば早めに動いた方が良い。
平成30年度食の安全・安心に係る県民アンケート結果について
- 県
アンケートの設問14の「食の安全・安心を確保するための県の取組として、何が重要だと思うか」について、今回新たに設けた回答項目である「学校・教育現場での子どもたちへの教育(食育)」が高い割合となる結果が得られた。
県では、これについて事業を推進していきたいと考えているが、各委員の意見をいただきたい。 - 委員
小学校では、授業の一環で外部から講師を招いて租税教室などを行っているが、食の関係で学校に赴いて授業を行っている団体等を把握しているか。 - 県
いくつかの団体は学校に招かれて講師を務めていると聞いているが、全体を把握をしているわけではない。 - 委員
私には小学生の子供がいますが、学校で行われる課外授業の中でタバコの害や動物愛護についての話があり、大変おもしろくて印象に残ったと聞いたが、県でもそのような出前授業を行ってはどうか。 - 県
外部講師を招いての課外授業については数多くのメニューがある上に、課外授業のコマ数があまりないことから、そこに採用してもらうことはなかなか容易ではないのが現状である。
このため、そこに入り込むためには、より魅力のある講義内容を検討していく必要がある。 - 委員
私は、県の果樹園芸課が所管する食育推進の委員も務めているが、食育の分野は幅広く、調理実習、畑へ行っての農業体験、収穫した作物の加工など様々なことを学校で行っている。
そこで食の安全・安心に関しても単独で課外教室を行うのではなく、それらの授業の一部として加えてもらってはどうか。 - 県
早速、果樹園芸課に事業の詳細を聞きに行って、できることからすぐに始めていきたい。 - 委員
小学校では給食だよりを発行しているので、それらに乗っかっていければ、より効率よく事業を推進していけるのではないか。 - 委員
食の安全・安心を始めとする食育の関係はできるだけ低年齢から行うことが求められる。保育所や幼稚園でも給食だよりを発行しているので、紙面の一部での啓発が有効である。
保育所や幼稚園であれば、相談の窓口になることができるので、早速、取り組んでみてはどうか。 - 県
是非、委員にお願いしたい。また、教育委員会など、関係機関と調整のうえ、できることから着手していく。