第34回和歌山県食の安全県民会議

開催場所・時間

平成27年7月3日金曜日午後3時30分から午後5時30分

場所:アバローム紀の国羽衣の間

議事

  1. 「平成26年度食品衛生監視指導計画の実施結果」について
  2. 「平成26年度アクションプランの実施結果」について
  3. 「食の安全・安心に係る事業」について

会議の様子1会議の様子2

会議の様子3会議の様子4

委員意見(概要)

「平成26年度食品衛生監視指導計画の実施結果」について

  • 委員
    食品衛生監視指導計画の実施結果として達成率を示していただいてますが、監視を実施した件数が全体で10,555件、88.4パーセントの達成率で、前年度の85.5パーセントよりもアップされてということですけども、達成できなかったものについては、どういう対策をとられているかをお聞きかせください。

  • 監視のランク別内訳の中で、計画に対し100パーセントに達していないところがございます。達成していないところにつきましては、翌年度は早めに優先的に動くという形をとっております。
  • 委員
    達成率について、内訳の中で400パーセントを超えるというものもあれば、50パーセントのところもある。なにか事情があったのでしょうか。

  • 監視ランク別の内訳で達成率に大きな差があるのは、回数の関係もあり、たとえば達成率が469%と高かったFランクですと、4年に一回になりますので、更新等含めて監視する回数が増えるため、こういう数字になっています。ただ内訳ごとに、バラツキがあるというのは否めないないので、今後の課題として考えていきます。
  • 委員
    計画達成できない原因が何かあるのか。人が足りないというのもあるでしょうが、監視される項目を見直すなどして労力の軽減化等を図らないと、達成できる形にはならいのかと思うのですが、その辺を説明いただきたい思います。

  • 18,996件という監視対象施設数があり、マンパワーも限られた中で行っております。その中で、現在、推進している食品管理認定制度を事業者に取り入れてもらうことで、監視の回数も減りますので、これを増やしていくことによって監視の効率化が図れると考えております。

「平成26年度アクションプランの実施結果」について

  • 委員
    1「安全」への取組の26に「ウィルスを原因物質とする食中毒にも対応できる注意報を発令します」とありますが、ここは残念ながら未達成となっているんです。「各府県の実施状況を参考に検討を・・・」というのはどういう状況であったのか教えていただければと思います。

  • ノロウィルスの食中毒注意報を発令している府県があり、その基準になるものを色々比較検討しました。和歌山県独自の基準を作って、取り入れようと作業を進めましたが精査しきれず、ノロウイルスの発生時期に間に合わせることができませんでした。今年度、発令時期の前に策定したいと考えています。
  • 委員
    他にも未達成の取組事項がありますが、今後達成に向けてどういう取組をされるのでしょうか。

  • 現在、年1回、各課から報告をもらう形を取っていますが、四半期ごとに取組状況を確認するなど、進捗管理をもっとしっかりとしていきます。

「食の安全・安心に係る事業」について

HACCP(ハサップ)の導入普及について

県版ハサップ(和歌山県食品衛生管理認定制度)について
  •  委員
    この議題につきましては、今動かしている県版ハサップについて、皆様に消費者の立場、事業者の立場から何か改善点、あるいは意見を頂けたらと思います。
  • 委員
    消費者の立場から言うと、ハサップに認証されているところの商品が良いから、「それを買おうね」というのが、私たちに欠けているんです。
    一般の消費者は、なかなかそこまで気にされていないので、もう少しこの制度を広めていただければ良いと思います。
  •  委員
    消費者としてはハサップというのを知らない人が多いです。勉強してやっとわかる。どういうふうに県民の方に伝えていくかが課題だと思います。消費者に向けての説明は易しいものでなければならないと思います。
  • 委員
    認定マークについて、マークにHACCP(ハサップ)の単語がないんです。その単語が出てこないのですから、その商品を普及と言ってもピンとこないのは当然かと思います。これはなにか意味がございますか。

  • 一般衛生管理プログラムに取組んだうえでCCPを設定してハサップに入っていくわけですけども、一般衛生プログラムだけ導入していただいた事業者については、CCPに基づくハサップ管理に至ってない。名前をすべてハサップにしてしますとこれも消費者を欺くことになるんではないかということで、食品衛生管理認定とさせていただいた経緯がございます。
  • 委員
    高度の管理を行う事業者が増えてきたら、また考えていただくということでお願いします。
生鮮ハサップ(和歌山県生鮮食品生産衛生管理システム認証制度)について
  •  委員
    養殖マダイについて、和歌山県の養殖業者では後継者がだんだん少なくなっています。この制度は、現状の中でこの認証制度の取りやすさ、そういうところも考えているところはあるんでしょうか。

  • ハサップは、売り手、消費者に説明のつくような管理でなければなりませんので、この部分は譲れないという所は、しっかり基準として設けています。しかし、制度は現場の実態、実情にできるだけ合うように作っています。
  • 委員
    今、農水省では農場ハサップ方式を推進しています。でもやっぱりその普及は伸び悩んでいます。これはシステム管理を農場でやったところで取引先から要求がないとそれで終わる。かりに要求があったとしても高く買ってくれない。負担が増えるだけになる。というとメリットの部分で非常にしんどい。
    現状でも生産現場は普通に安全管理をしていますし、普通に八百屋、スーパーで安全なものを買って食べてます。消費者さんはそれに対してハサップうんぬんはほとんどないですよね。
      消費者さんが気にするのは、まず価格、続いて表示、表示の中で安全なマークの優先順位が高いのか低いのかというと、どうやら最下位です。安全にお金を出すという意識が日本人には少ないので。このままでは制度の普及は止まったまだと思います。生産現場は安全なものを食べてもらうために頑張っているわけなんです。消費者さんに分かってもらいたいんですけど、かなり遠い。
    でも、やっぱり制度の導入を進めていくほうが、安全な食べ物をみなさんに届けられる。だから効果がすごくあるんです。そこに価格が反映されてないんで、今普及していないのだと思います。
    価格に反映させる、あるいは流通量に反映させるためには、取組むことによって、その会社が成長できる自信の持てるような制度になれば、もっと普及するんではないかと思います。
  • 委員

アメリカでは、例えばカット野菜を作る事業者は、原料のキャベツの生産農場がGAPを導入していないとハサップは機能しませんので、GAPをしている農家さんとしか契約しないわけです。そうするとGAPを普及していき実践する農家、企業さんが増えてきて、発達してきています。
まず、ハサップが事業者側からみて、きちんと市民権を得て、県民が認める安全管理であるということがわかってはじめて、GAPのような前提条件に目が向いていくのだと思います。

効果的な情報発信と収集について

  • 委員
    食の安全・安心に関して、効果的な情報発信を行うにはどういう方策がよいか。またシンポジウム、タウンミーティング、各種講習会、こういったコミュニケーションの取り方について。またアンケートの内容であったり取り方についてもご意見、ご提案をお願いします。
  • 委員
    この会議で提言させてもらった、メールマガジンを作ってくれたことが、すごくうれしかったです。我々の畜産の世界でもこれをしたことがあるんですけど、効果がありました。ただし、登録者数を増やすのもすごく苦労がいります。続けることが重要で、続けるためにやはり特典が重要だと思います。
    シンポジウム、タウンミーティングにしても消費者さんに来てもらうためにも、特典を用意する。畜産のイベントでは卵を使いましたけど、例えばハサップ認証されている施設の製品をおみやげにとか、出席される方の欲をあおる、興味を示してもらえる行為をすることで、爆発的に幅は広がると思います。
    たとえば卵、あるいはハサップ認証の製品だとして、その商品についても分かっていただける機会であるので、決して無駄な投資でないと思います。
    それから、アンケートですけども、これも畜産の分野で10年以上前に非常に悩んで行いました。ネットでのアンケートがいちばん良かった。予算は必要ですが、リアルな結果がきます。ネットサーフィンだけの偏りといえば偏りですが、確実な回答が得られましたし、その集計が間違っているとは思いませんでした。アンケートに関してはその方法も一つ考えられてはどうでしょう。
    生の声を聞くのは、できるだけ多くの参集を得ながらのシンポジウムとか、そういう振り分けをしていけば、もっと広がっていくのかと思います。
  • 委員
    ハサップを勉強できるバスツアーに、まわりにも声をかけて参加させていただきました。そうするとハサップを知らない方も興味を持つようになって、その商品を選んで買うようになりました。やはり、実際、現場にふれる事ができたのはインパクトが大きかったです。
    シンポジウムなどのイベントは、車も乗らなくなる世代も多いので、近くのところできめ細かくやっていただくと行きやすいし、誘いやすくなります。
    また、若い人や、男性の方にも出席いただけるような内容、開催方法も検討していただければと思います。
  • 委員
    今、若い人たちでなく年配の方もフェイスブックなどのSNSを利用しています。こういったものも活用してはどうでしょうか。
    学習会とか参加した人にこのスタンプの取得方法をお教えしますとか、そういうのができるのであれば、若いお母さん達にも受けるかなと思います。
  • 委員
    私も去年、シンポジウムに行って勿体ないなと思いました。行ったらいいお話なので、やっぱり来てもらうために努力することが必要だと思います。来てもらわないことには話が始まらないという考えで、試食とか、おみやげとかで集客することは、仕方ないことだと思います
  • 委員
    鉄は熱いうちに打てということで小中学校とか高校の家庭科の授業(食育)で、和歌山県ではこういうのがありますと。たとえ年に15分でも授業で取り入れてもらうのも一つの手かなと思います。
  • 委員
    教育委員会、生涯教育課が行っている子供向けの冊子などに積極的に載せていくとかすると冊子は1年生に配られますので、親の方も見ることになりますので、効果的だと思います。
    また、各市町村単位で離乳食であるとか3歳児教室とか行ってますし、食育についてはJAや市町村や県の農林部局などで広く行ってますので、そういったところと協力、連携して広報活動を行ったり、時には一緒になってシンポジウムなども開催できると思います。そういった連携によって幅も広がるのではないかと思います。

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