令和3年1月6日 新型コロナウイルス感染症対策本部 知事記者会見

知事記者会見(令和3年1月6日)

広報課長:それでは会見を始めます。
 

知事:皆さん、明けましておめでとうございます。今年初めての記者会見をさせていただきます。今日はコロナの話をさせていただきたいと思います。

 コロナについては、年末年始にかけて、今まで以上に感染者が増えてきまして、技監やそれぞれの保健所の方とか、それから最終的には病院に入院してもらいますが、搬送の人や病院側で受け入れてくれる人などが、おそらく大変な努力をして、何とか頑張ってくれてるわけですが、やっぱり気を付けてもらわなければいけないことがありますので、皆さんに申し上げたいと思っています。

 それで、こういうもの(資料1の1ページ)を作って、赤字のところが新しいところですが、その前に、昨日、技監からお話してるかもしれませんが、状況をお話をしたいと思います。

 感染者の推移については、随分増えて(1日の感染者が昨日は)17人で、今日もまた結構(感染者が)出ると思います。そんな状態で、和歌山県にしては、かなり多い状態になりました。入院患者は、11月にドカンと増えて、頑張っていったら、だんだん囲い込みが成功して減ってきました。発症者が減ってくると、退院者が出ていくので、一番少なかった時で21人まで下がりましたが、また、急速に増えています。もちろん、退院者も何人かは出てきますが、退院する人よりも多くの感染者がいっぺんにダーッと出てくると、病院環境も良くなくなるので、これはまずいということです。

 83人(という感染者数)はどういう状況かというと、現在、使えるコロナ用の病床が230床ぐらいで、感染がピークになって大変な状況になったら最高400床までいけますが、400床はまだ使っていません。現在、230床は可能ですが、そうは言っても、230床がすぐに全部埋まるはずもないし、埋めていいはずがないので、やっぱりちょっと窮屈になってることは事実です。今、紀北が多いので、各地にお願いをして、感染者を分散してもらってる状況です。

 PCRの検査体制はあんまり問題になってないと思いますが、和歌山県は、いろいろな工夫をして、1日に775検体までいけますと書いていますが、これは今、あまり問題になっていません。ただ、よく言われてるように、PCR検査を満遍なくボンボンとやっていません。和歌山県は、ちゃんと濃厚接触者などを特定し、ちょっと怪しいところは、かなり前広に検査をして、逆に怪しくないところは、めちゃくちゃ検査をしていないので、ちょっと流行っている時は、他県より結構、陽性率が高く出ます。和歌山県で陽性率がすごく低いというのは、本当に低い状態だと私は思っています。だから、他県と比較してもあまり意味はないけど、時系列で比較した時は、陽性率がかなり上がってますので、感染はかなり拡大してると思っていただきたいというふうに思います。

 年末年始でどんなことが起こったかというと、担当者は正月返上で頑張ってくれましたが、こんな感じ(資料1の6ページ)でした。個別には全部発表してますが、簡単にまとめるとこんな感じです。首都圏や大阪等、これ首都圏だけではなく、結構あっちこっちの大都市圏から帰省し、家族や友人と会食をしてうつったというのがあります。それから、大都市圏に友人等と出かけ、現地で会食。これは止めてくれとずっと前から言ってましたが、やっぱり何件かありました。それから、忘年会や同窓会、特に帰省も含めて1番目と3番目が重なってることが多いんですが、「よく来たね」といって、結構たくさんで忘年会あるいは同窓会を夜遅くまでやって、その中でかなり多くの人がかかったというのが、結構あります。

 それから、和歌山県は、感染経路不明の人が圧倒的に少ない。なぜならば、徹底した行動履歴調査をして、繋がってきます。こういうふうに流れていったのかと思ったら、実はここが最初でこう流れていたとか、これはこの人からうつったとか、そういうのがだんだん分かってくるので、(感染経路不明は)かなり少ないのですが、最近、「あれ、これは何でかな」「分からんな」というのが、前よりは増えているので、そういう意味では、注意をしないといけない事態であります。

 そこで、そっち(資料2)へいきます。関西広域連合の感染症対策本部を開きまして、ほとんどの知事さんや政令市長さんが参加してくれましたが、そこでいろいろ議論した結果、次のようなことが出ました。その前に、関西で新型コロナウイルス感染症の発生がどうなってるかを、(資料2の)「資料3」でつけていますが、これはそこで公表された資料でご参考にしていただきたいと思います。さっき言った感染経路で言えば、「2.」ですが、和歌山県を見ると、感染経路不明が382人中69人で、(多い順の)上から数えて3番目になります。奈良県、兵庫県、大阪府を見ると、ここが一番多い。だから、和歌山県は感染経路を追えているという、さっき言ったことのバックグラウンドです。しかし、それでも結構増えてきたというのが、さっき申し上げたところです。

 そんなことになっていて、関西広域連合では、まず、(資料2「資料2」)の緊急提言を考えました。今回は、前文もちょっと意味がありまして、「ついては、政府及び国会におかれても」と、国会も書いています。これは「2.」で出てきますが、特措法と感染症法の改正をしてほしいと我々がお願いをするんですが、その時に、一刻も早くやってほしい。臨時国会で、政治姿勢を正さないといけないとか、政治と金はどうしたとか、それも大事だけど、与党はもちろん野党も、今こうやって流行ってきて、我々に武器がなかったら困るから、特措法と感染症法の改正はぜひ早くやってくださいというのがあるので、国会というのも書いている、こういうことです。

 それと並んで大事なことは、「1.緊急事態宣言」で、(1)は、今、爆発でどんどん伸びてる。特に、大阪が止まってるような止まってないような高止まりぐらいで、首都圏みたいに緊急事態宣言を出してくださいとお願いに行くのは、昨日の時点ではないけど、いつそうなりかねないという事態にある。その時に、関西広域連合全体でやってくださいというのは、ちょっと考えられない。まずは3府県で、3府県の中でも、全部かひょっとしたら大阪だけかは、その時の状況であろうと。いずれにしても、3府県の知事で、電話などでパパッと相談して、3府県の知事が要請をしたら、それは広域連合の要請と考えます、こういうことを決めました。

 (2)は、措置の問題ですが、緊急事態措置は、我々知事が緊急事態宣言の地域でやる。緊急事態宣言が出てなくても、いろんなことをお願いすることはできますが、ちょっと強権発動的に、法律の45条を使ってやる時は、緊急事態宣言が要ります。しかし、国の指導はありますが、やるのは基本的に知事の権限なので、例えば、緊急事態宣言何々県とあっても、緊急事態措置は、一番流行ってるところだけこういうふうにシャットアウトしますとかは機動的にできるよう、例えば、地域や業種などの範囲を限定することも、それぞれの知事が判断したら、それに応じて支援してくれということです。

 (3)は、補償や補填について、特措法との関係もありますが、ぜひ考えてくださいということです。特措法と感染症法、和歌山県のように、感染症法を最大限使って一生懸命頑張ってるところは、例えば、感染した人が、「私は言いたくありません」といってむちゃくちゃ頑張られると、そこから大穴が空く可能性がありますから、それはものすごく困る。私なんか、本人が言わないんだったら、感染防止の観点から言えば、その人の名前を明らかにして、その人と接触した人は名乗り出てください、としないと危ない。そのぐらいのことをしようという気持ちでいて、その前に何とか説得していますが、やっぱりもうちょっと法律的に権限は強めて欲しいということです。

 それから3番目に、医療提供体制や医療従事者の処遇改善。これは、今回特に、医療界全体がコロナで困っているというのはありますが、コロナで協力してくれてる人に対しては、特に優遇するよう、財政措置を手厚くしてくださいと頼もうということで、特化して要請することにしました。

 次はワクチンで、ワクチンについては、これからの問題だと思いますが、いろいろきちんとできるよう、これは市町村が実際に一生懸命汗をかかないといけないんですが、政令指定都市が我々の仲間にいます。市の観点からいうと、ひょっとしたら実施する時の費用とかをちゃんと見てくれないかもしれないという懸念もあるので、そこはちゃんとやってくださいというようなことを書いています。

 5番目は、今、協力要請推進枠ということで、年末年始に協力金を出してもらってる京都や大阪があります。それは11日で終わりではなく、12日以降もやってくださいということです。

 それから、水際対策。特に諸外国で変異種が出たというようなこともあり、これは割と政府が早く手を打ってくれたような気がしますが、今後ともよろしくお願いしたいということです。

 それから、大学入試もあるし、最後に、人権もあります。

 こういうことをお願いしようということになりまして、首都圏は近いから、西村大臣のところへ4人そろって行かれましたが、我々はそうもいかないので、昨日、私が電話で西村大臣に、こういうことになりましたんで、紙は後でお届けしますが、よろしくお願いしますと。私が考えるポイントは二つで、一つは、緊急事態宣言は、今お願いしませんが、する時は3府県でやりますから、ぜひ聞いてすぐに対応してください。それから、特措法と感染症法の改正を、これは野党にもお願いをしないといけないけど、速やかに改正してくださいと。いずれも分かりました、感染症法も含めてちゃんとやりますというふうに、言っておられました。

 それから、府県民、市民に対する宣言を年末前にもやりましたが、改めてやろうということです。これについては、あんまりいろいろ書くと拡散するので、少なくしました。

 第一は、緊急事態宣言が明日にも発出されるというふうに言われてるので、「首都圏(1都3県)への往来は控えましょう」というのを出しました。

 それから、「首都圏以外でも感染が拡大している地域への不要不急の外出は控えましょう。特にそれらの地域への飲食を目的とした往来は極力控えましょう」ということです。

 成人式などの行事ですが、もうじきあり得るのは成人式で、帰省者が仲間と盛り上がってうつしたのが、和歌山でも結構ありました。成人式について、儀式自体はそんなに感染リスクは高くないと思います。だけど、その後、「みんな久しぶり、朝まで飲もう」といって(会食等を)やったら、そのうちの1人でも感染者がいたら、全員にうつりますから、前後の会食は控えましょう、行動に注意しましょうということで、一般的にお願いをいたしました。

 それから、特に、医療機関、社会福祉施設、家庭、職場にウイルスを持ち込まないよう、感染防止策の基本を徹底することが大事です。飲食店等リスクが高い施設への出入りや飲み会など行動に注意しましょうということです。和歌山県は特にガイドラインの遵守状況を時々調査していて、割と守ってくれていますが、これが形式になったらいけないもで、自主的にちゃんと気を付けて、お客さんもお店も両方が気を付けてやりましょうということではないかと思います。

 最近、国会議員に聞いたら、初詣に行ったけど、若い人を中心にマスクをしてない人が結構いて、屋外だけど割と若い人が群がってワーワー言ってる。あれは危ないのではないかというのがあります。従って、ぜひ、マスクなんかは不断にしとくのが、今の時代は必要ではないでしょうかということです。

 それから、検温など体調管理に努め、発熱など症状のある場合には、出勤、通学等を控えるとともに、すぐ医師に電話し診断を受けましょうということです。

 それから、テレワークやテレビ会議をできるだけ使って、接触機会を少なくしましょう。これが昨日発表したことす。

 そこで、これも受けて、和歌山県としての皆様へのお願いがこれ(資料1の1ページ)でして、従来から言っていること、特に、一般市民、県民の方々に言ってるのは、上の四つ、従来からのが二つ、新しいのが二つになります。

 今まで、「感染が拡大してる地域に出かけての会食や接待を伴った飲食しない」とずっと言っていますが、今回も発症者の中にそういう人がいらっしゃるので、気を付けてください。これは、継続です。

 それから、「遅くまで集団で会食・宿泊をしない」。これが、今回はかなりルーズになりましたが、本当に気をつけて欲しいと思います。

 関西広域連合と一緒に、同じことですが、新しい点が二つです。「緊急事態宣言が発出される首都圏(1都3県)への往来は控える」。それから、「新成人の皆様へのお願い:成人式前後の大人数での会食をしない」ということを、ぜひお願いしたいと思います。

 残りはずっと一緒で、「高齢者は、カラオケ、ダンスなどの大規模な催しへの参加を控える」。これは、ちゃんと守っていただいてるような感じがします。

 「医療、福祉施設の職員は家族以外との会食を控える」。これは結構きついことを言っていますが、しばらく我慢していただきたいと思います。

 「症状が出れば、通勤通学を控えて直ちにクリニックを受診」ということです。症状が出たのに我慢したり放っておくと、感染させてしまう人がものすごく増えていきます。それで、それがまた次にうつしていってどんどん拡がってしまうので、うつったかなと思ったら、すぐにクリニックに行って調べてもらって、今はそんなに長い時期ではないのでしばらく隔離をしてもらったら、感染が拡がるのを防げるということです。

 これに関して言うと、羽田雄一郎参議院議員。元国土交通省大臣で、和歌山県も、紀伊半島大水害があった時に、随分お世話になりました。親身になって一生懸命やってくれた、私としては、大好きな大臣ですが、その方が亡くなってしまった。私は詳細は知りません。しかしテレビで報道をしていたので見たら、これは酷いというふうに思いました。まず、症状が出てきたので、参議院の医務局みたいなところに電話したら、その時に熱が下がっていたらしく、症状がなかったらPCR検査を受けられませんと。その時は、本人が熱があるとかは言わなくて、多分、これは推測ですが、濃厚接触者と接触したと言ったらしいです。そしたら、本人に熱がなかったら、発症してなかったら、PCRは受けられませんと。受けようと思ったら、有料で民間に行くしかないですと。それで、事務所で一生懸命探したら、多分、年末年始で帰る人が自発的にやられてたので、混んでたのではないかと思いますが、なかなかできなくて、2日後ぐらいに行った時に車の中で亡くなったということで、それは酷いではないかと。少なくとも濃厚接触者だと言ってるし、さっさと調べるべきです。それができてないのが問題だったのではないかというふうに思いますし、参議院の医務局みたいなところも、いったい何を言ったんだという感じがします。テレビではそんなこと言っていませんが、我々から言うとそんな感じがします。和歌山県は、絶対そんなことはありませんので、どんどん普通のクリニック、かかりつけ医、それがない場合は専用ダイヤルにどんどん言っていただければ、今のようなケースは、必ずすぐに検査をすることになりますので、よろしくお願いします。

 「事業所では発熱チェック」、「病院、福祉施設サービスは特に注意」というのは前のとおりです。

 「各事業所で感染拡大予防ガイドラインを遵守」は、かなり守られてるようで、時々、各局を大動員して調べに回ってますが、割と守ってくれています。

 「濃厚接触者は陰性でもさらに注意」。よくデータを出してますが、陰性だったのに14日後に陽性になった人がいますから、陰性だったから良かったと思って大暴れしてはいけないので、特に濃厚接触者は、ちゃんと自己管理をして欲しいということです。

 「医療機関は、まずコロナを疑う」。どんどん検査して欲しいということで、検査能力は十分ありますから、よろしくお願いします。

 ということで、特に、この上四つの一般県民へのお願いのところを、これから成人式のシーズンなんかも控えて、よろしくお願いしたいと思います。
 

 それから、年末年始における県内主要観光地がどうなったかを調べました。大体このぐらいという、いくつか調べたものの平均ぐらいですが、こんな(資料3)感じになっています。

 12月28日から1月3日までは、白浜の70%から本宮の20%までこのぐらいで、前年比もかなり減ったかなという感じになりました。逆に言うと、Go Toキャンペーンが停止される前は、対前年プラスのところが結構多かったぐらいでした。それから、一時停止期間中ということで、11日まで延ばしますと、お正月から三が日が過ぎてから、パタッと客が減ったところが多い。そういうところの状況が数字で結構表れていて、和歌山市は、お正月までの間は65%の稼働率だったけど、一気に減って35%になってしまいました。対前年比も、発表前との比較で、大分減りましたという感じです。

 そういう状況で、これから1月12日以降どうなのかが、ちょっと心配です。感染が収まっていけばいいけど、なかなか難しいと思いますので、ちょっと心配という状況になっています。
 

 それから、クジラの話ですが、12月24日に、ミンククジラ、いっぱいいるクジラですが、太地町が設置している大型の定置網、これは魚がその中に入って、だんだん奥の方に入っていって、そこで(魚を)獲るというスタイルの網ですが、そこに入ってしまった。基本的に、ミンククジラは獲ってもいい魚だけど、そういうところで獲るのはあまり望ましくないので、網に入ったものは逃がそうと思って、ものすごく我慢して出ていくのを待って、何とか出ていってもらうよう、漁業組合はやったようです。ところが、逃げるどころかだんだん奥へ入っていって、ますます出にくくなってるのが現状で、その間、例えば、小さい小舟で行って、一番奥のところの魚を捕ってくるのですが、クジラは大きいので、それにものすごい支障が出ている。それから、中に入ってる魚をガブガブ食べられてしまうので、えらい困ってしまって、生活が圧迫されてる状態がずっと続いています。本当は出ていってもらったらいいけど、なかなかその術がないので困っている状態で、どんどん奥へ入ってますます出にくくなってるので、いつまでも(このままの状態)というのは難しいんで、早晩、捕獲をしなければいけない事態になってることは理解しています。

 全国から、逃がせ逃がせと言っていますが、本当に逃がしたくて、みんな逃がしたいと思ってるけど、逃がすことができないのが現状です。こんな(事例)がどのぐらいあるかというと、2019年の1年間で、どんな事態になっているかという相場は、現実として、実は114頭が定置網に入ってしまって捕獲されています。各県別ではこんな感じになっていて、ミンククジラはもちろん一番多い。和歌山県は、一昨年は4頭で、今、1頭が入ってしまった。太地はクジラを大事にするところで、獲らしてもらってますが別にいじめてるわけではないので、できるだけ出ていってもらいたいから随分我慢したんですが、ちょっと無理かもしれないという状態です。そういうことを申し上げておきたいと思います。漁師さんが困っておられるんで、良かったら取材してあげたらいいと思います。

 以上です。
 

広報課長:それではご質問をお受けします。
 

産経新聞:昨日の関西広域連合の緊急行動宣言を受けて、この二つの項目を追加という理解でよろしいですか。
 

知事:そうです。
 

産経新聞:広域連合の各府県では、飲食店への時短要請などをやっているところがありますが、和歌山県での実施予定があるかどうかと、その考え方についてお願いします。
 

知事:まず、時短については、結構、和歌山県よりも感染が強い兵庫県でもやってません。それぞれの考え方があり、それはそれでいいと思います。和歌山県に関しては、時短というのは、前の緊急事態宣言の時も、業種によってはストップしてもらったのがありますが、普通の飲食店の時短はやらなかった。何故かというと、そんなに夜中に人が群れて感染リスクが高まってるような状況ではないので、お店でそれぞれ静かに楽しんでもらうのは、目くじらを立てることはないのではないかという判断をしました。

 今回も、多分そうなるというふうに思います。多分というのは、緊急事態宣言をするような事態にはなかなかならないと思うけど、なったとしても、時短とかは、ちょっと和歌山に関しては疑問だというふうに思っているという、二重の意味でということです。
 

産経新聞:一方で、昨日発表された感染機会で見ると、26%が飲食を伴うところとなっていますが、そことの整合性についてはどうでしょう。
 

知事:時短というのは、夜の夜中だけ止めなさいということで、じゃあ、夜の浅い時間だったらいいのかと言えば、飲食というのは、夜の浅い時間から延々夜の夜中までになってるケースで、感染が起こってることが多い。ですから、長時間、大人数でというのは、ちょっと控えた方がいいのではないですかという注意はしていますが、飲食自体を全部止めるのはちょっとやり過ぎだと思うし、気を付けてやってくださいというぐらいが、今の相場というふうに思ってます。
 

産経新聞:昨日、感染者が過去最多で入院患者も増えてる状況ですが、県内の今の感染状況はどうかというのと、医療体制の状況をどう見るかを、改めてお願いします。
 

知事:まず、感染状況は、これはあんまり楽観視できない感じだと思います。ただ、今のところ、大変だけど、従来どおりのやり方で、みんな必死になって対応してくれてるので、しばらく様子を見ていかないとしょうがないかなというのがあります。

 和歌山県の基本的な方針としては、感染症法を使って、保健医療行政で一生懸命感染を食い止めるので、県民の方は我々が申し上げてるような注意はしてもらわないと困るけど、全部家に居ろとか、外出禁止とか、営業は止めてくださいとか、そこまでいかないで、事前にできるだけ任せましょうというのが基本的な考え方です。その考え方を、とりあえず変えないでいきたいというふうに思っています。

 ただ、それでいけない場合は、我々、申し訳ないけど、もっとすごいことをお願いしないといけないかもしれない。そこは分かりません。ただ、普通の生活と言うけど、普通の生活の中で特にリスクの高い生活だけは、部分的に止めてくださいと申し上げています。
 

時事通信:昨日、関西広域連合長としてもお話がありましたが、政府が、明日、発令される予定の緊急事態宣言をやると決めたことに対して、まず受け止めをお願いします。
 

知事:特に首都圏はあんなに流行っていますから、緊急事態宣言を首都圏を対象にして行うことは、妥当だというふうに思います。ただ、緊急事態措置をやるのは、みんな何となく政府ではないかというふうに思っておられると思いますが、そこは100%知事の責任で、それぞれどんなことをやられるのか。

何故、緊急事態宣言がいるかというと、思い切ったことを強烈にやろうとしたら、特措法の45条を使うわけで、その45条を使うには、緊急事態宣言がないとできない。だから、やってくださいということでしょう。

 どんな措置を、首都圏の各知事さんがおやりになるのかは、期待と懸念を持って見ています。特に最近、いつも言っていますが、議論は、都民や県民に対しての注文ばっかりに終始してるけど、食い止め努力、あるいは医療のキャパシティーを増やす努力とかも、同時にしなければいけないのではないかというふうに私は思います。それも、それぞれの知事さんの責任なので、頑張って欲しいというふうに思っています。
 

時事通信:現在の医療体制について、和歌山県での入院患者数は83人、入院ができる病床が230床で、まだ余裕があるということですが、このまま感染が続くと、病床自体逼迫してくることになり、その際に、病床を増やすこともできますが、もう一つ、和歌山県がやってきた、無症状の患者さんも含めて全て入院させるという方針が、どこかで転換する必要がある可能性も出てくると思いますが、ここについてはいかがですか。
 

知事:大混乱になったら、現実の問題として、それは段階的に何か考えていかないとしょうがない。だけど、現実の問題がそこまでいかなければ、論理的に科学的に言って、全部入院していただいた方がいいに決まっています。だから、将来に備えて入院しないでよろしいというのは大間違いです。切羽詰まって、しょうがありませんということになったら、そういうこともいろいろ考えなければいけないけど、できるならば入院していただいた方がいい。

 何故かというと、無症状の方も後で急速に悪化することがある。羽田さんが無症状から有症状になりましたが、我々がデータを出してるのと全くそっくりです。肺炎系は、症状が出て4日から6日の時に急激に悪化する可能性がある。あれがそれぞれの家庭の中で起こったら、それは羽田さんみたいになってしまいます。だから、病院でちゃんと監視をしながら、同時に隔離もして中に閉じこもってもらう方がいいに決まってます。

 もう一つ、まだ発動はしてませんが、その中間としてホテル(療養)があります。我々は、実は、ホテルも一定数の予約はしている。切羽詰まってきたら、まず自宅待機を言う前に、そっちを使う。どうするかというと、初めは入院してもらうけど、様子を見て、この人大丈夫だと思ったら、中途からホテルに移ってもらって、(病院の)空きを出して新しい人を入れるということが、その次でしょう。
 

時事通信:現在の病床が逼迫してきた時の対応としては、まず病床を増やす、そしてホテルも活用していくというのが、まず最初ということですか。
 

知事:そうです。
 

毎日新聞:成人式についてお聞きします。先ほど知事のお話の中でも、式典自体は感染リスクは少ないのではないかということですが、一方、県内の南の方では、一部自治体はすでに延期を決められています。知事としては、県全体で式典の中止や延期を求めるというお考えはないということでよろしいですか。
 

知事:はい。もともと成人式をやる主体は、市町村です。それぞれ、現状は詳細にいつもお伝えしてますから、それを基にして、それぞれ主体的に考えてもらったらいい。我々が言わなければいけないのは、その後、長時間、同窓会などで酒を酌み交わし、夜遅くまでワーワー言うのは止めてもらいたいということは、言いたい。
 

時事通信:関西広域連合の緊急提言を拝見していると、知事がよくここでおっしゃっていたようなことが、連合長になってかなり提言に反映されている印象も受けました。保健医療の疫学調査の徹底、県と市の情報共有、感染症法の改正も盛り込まれています。

 一方で、事業者への給付金等の支給、緊急事態措置に係る補填措置、感染時の休業補償についても考えてくれということが書いていて、ここは知事が従来おっしゃっていた休業要請に補償をセットにすべきではないという考えと反するところですが、ここは、知事としてはどのようなお考えですか。
 

知事:現在の状況から考えて、前に言っていた休業補償金というのはおかしいというのはおかしい。あれは、現状では間違いというふうに思っています。

 説明すると、当時は、それこそ非常事態みたいな感じで緊急事態宣言が行われ、あまりみんなよく分からないから、全員がとにかく家に閉じこもり、移動も制限された。そういう時に、お金をくれなければ私は協力しないというのは、おかしいでしょうと言ったわけです。しかし今は、例えば、色んなことが分かってきたと菅総理も会見で言っておられましたが、すべての行動を制約するというようなことを誰も考えていない。そうすると、感染拡大防止のために、犠牲になる人達が出てくる。犠牲になると言ったらおかしいけど、つまり、そこが一番うつりやすいので止めてくれないかということで、国民のために犠牲になるということだと思います。そしたら、それは補償してあげるのが当然で、あの時の考え方を今適用したら間違いということで、私は考え方を変えております。別に、あの時が間違ったからというわけではなく、現状は環境が全く異なっているので、今は補償金をむしろ用意すべきだというふうに思っています。
 

時事通信:一部の業種だけにそういうことをお願いするので、不公平感をなくすためにということですか。
 

知事:そうです。接待を伴うものはいいと思いますが、飲食店全体を、今の法令で完全に自粛要請することは、今多分、確かできなかったと思いますので、多分、政令改正することになると思います。政令改正して、そこを全面的に止めてくださいとパシャッとやった時に、「何で飲食だけですか」、「だって流行っているから」、「だからといって全部止めるんですか。流行って困るのは全国民でしょう。なんで私達だけ規制ですか」という議論になります。そしたらやっぱり、補償を全国民の負担でやったらいいのではないかと思います。

従来からやっていた救済とは違う話で、補償だけすれば救済はもういらないのかというのはまた別の話で、そこは前も今も同じです。
 

時事通信:とは言っても、緊急事態宣言をすると、一部の地域だけになり、それ以外の地域でも、結果的に補償対象になってなくても休業せざるを得ないような地域も出てきて、それも不公平になると前におっしゃっていたのでは。
 

知事:それは救済の問題として、実態に応じて考えていくことになります。
 

時事通信:今回については、とりあえずの不公平感を抑えるためにも協力金を。
 

知事:バックグラウンドは不公平感ですけど、不公平感という言葉を出すと何となく変だから、やっぱり狙い撃ちで休業要請をするのだったら、そこのところに補償を出しましょうということについては、おかしくはない。そのお金は、自治体なんてほとんど(お金が)ないので、政府で助けてくださいというのが提言です。
 

広報課長:他にございませんか。それでは会見を終了します。

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