和歌山県がん対策推進条例の制定
座長あいさつ
本県において、がんは県民の死亡原因の第1位の疾病であり、肺がん、胃がん、肝がん等の死亡率が、長年にわたって、きわめて高い状態にあります。この憂慮すべき現状に鑑み、県を挙げて、がんとの闘いに取り組むことが求められております。
がん患者を含む全ての県民がいきいきと生活することができる地域社会の実現、そして、県民みんなで一体となったがん対策の推進が、重要な課題です。
そこで、私は、がん対策推進に係る条例案検討会を設けることを提案し、全会派から選出の委員15名で、10回にわたり活発な議論を行い、真摯な検討を重ねました。
この条例の制定を契機に、これまでにも増して、がん対策の推進を図っていきたい。この条例をそのスタートとしたい。私ども、和歌山県議会が、この強い決意のもと、制定した政策条例が、この条例であります。
この条例は、がん対策に携わる現場の方々、がん患者のみなさん、そして、ご家族を、元気づけ、励ます、政策で応援できる、そのような内容の条例をめざしております。この現場重視の理念のもとに、「がん対策について、できること、すべきことは、全てする。そのために規定すべきことは全て規定する。」という方針で、33条に及ぶ条文を作成いたしました。この条例によって、和歌山県がん対策推進計画やがん対策に関する施策の充実を力強く後押ししたい。がん対策を充実強化し、大きく進展させていきたいと考えております。
最後になりましたが、この条例を制定するにあたり、ご指導、ご鞭撻をいただきました方々に心から厚く感謝とお礼を申し上げます。
平成24年12月28日
がん対策推進に係る条例案検討会
座長 山下 直也
条例の目的と県民の役割
がん対策推進条例とは、基本理念である「七位一体の取組」を定め、県の責務や市町村、県議会、県民、保健医療関係者、教育関係者、事業者の役割を明らかにするとともに、みんなの一致協力した連携のもとで、実効性のあるがん対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする条例です。
県民の役割は、次のように規定されています。
(県民の役割)
- 県民は、喫煙、飲酒、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を学び、がんの予防に必要な注意を払うとともに、積極的にがん検診を受けるよう努める。
- 県民は、県及び市町村が実施するがん対策に関する施策に協力するよう努める。
条例文
附帯決議
県当局は、和歌山県がん対策推進条例の施行に当たり、同条例の目的、基本理念及び趣旨に照らして、次の事項について、十二分に配慮し、県民の安心・安全な暮らしづくりに努めるよう、適切な措置を講ずること。
1 時代に即応した高度で先進的な医療機器等のハード機能と、がんに関する県民からのあらゆる相談に対応できる支援窓口等のソフト機能を有するとともに、医療従事者の研修育成等の支援機能を兼ね備えた総合的ながん対策推進の施設を整備し、また、その周知啓発に積極的に取り組むこと。