和歌山県防災対策推進条例の制定
委員長あいさつ
防災・環境問題等対策特別委員会から、議員提出条例「和歌山県防災対策推進条例」を今議会に提案し、議決されたところであります。ご承知の様に、本県はかつて幾度となく台風等による風水害や地震災害に見舞われて参りました。近い将来、東南海・南海地震発生の可能性が極めて高いとされている今、防災対策推進条例を策定することは、県議会の責務であると考えております。
これまで、防災対策といえば、公助(県や市町村など公の機関による)と言う形が中心でありました。しかしながら、阪神・淡路大震災で一番多くの人命を救ったのは、いざというときは自助(自分の命は自分で守る)であり、共助(地域の人が助け合う)であったということです。
私共、委員会ではこのことに主眼を置き議論をいたしました。防災対策の先進県への視察研修、熱心に防災対策に取り組んでいる県下の地域住民から、取り組み状況、ご意見を拝聴させて頂きました。また、津波対策を実施している現地で視察、県民意見交換会を開催しました。これは、出来るだけ、県民の意見を条例に盛り込みたいと考えたからです。
本条例では、自助、共助を中心に県民、自主防災組織、事業者及び県の責務を規定し、予防対策及び応急対策に分けて、それぞれが果たす役割を規定することにより、防災対策を推進し、災害に強い地域社会づくりに寄与することを目的としております。主な内容としては、第一章「総則」において防災対策の基本理念として、県民自らの命は自らで守る自助を原則とし、地域において互いに助け合う共助に努めていただき、県及び市町村の公助がこれを補完することといたしました。これは、災害対策基本法等により県などの公助の役割が示されているためです。第二章の「災害予防対策」、第三章の「災害応急対策」では、「県民」「自主防災組織」「事業者」及び「県」のそれぞれの役割を規定し、全三章四十四条で構成いたしております。
「和歌山県防災対策推進条例」策定に当たって協力いただきました各位に心から感謝申し上げます。
平成20年3月18日
防災・環境問題等対策特別委員会
委員長 向井 嘉久蔵
条例文・概要
条例案の検討経過
- 経過一覧 (県民意見募集の実施結果はこちら)
- 調査(自主防災組織からの意見聴取)
防災条例策定の参考とするため、和歌山市内の2カ所の自主防災組織から、自主防災組織の活動の現状把握及び問題点の聴取を行いました。
- 串本町(条例素案への意見聴取)
防災条例策定の参考とするため、串本町において県民の方と意見 交換を行いました。また、津波避難施設(津波避難タワ ー)、住民自身で作った避難路などを視察しました。
- 委員会での検討
平成19年12月に条例素案を取りまとめ、これを元にパブリックコメントを実施しました。平成20年2月には、頂いたご意見を踏まえて条例案を決定しました。