西牟婁振興局農林水産振興部農地課

農地課は2つのグループで業務を担当しています

指導グループでは市町村が実施する農業農村整備事業の指導、及び土地改良区の運営指導を行っています。

整備グループでは県営農業農村整備事業の実施(ほ場整備事業、農地防災事業、農地造成事業)を行っています。

ここで農地課の主たる業務の「農業農村整備」という言葉を説明いたします

農業を営むには、土地、水、道が必要です。この3つを農業生産基盤といいます。 もう少し詳しく説明しますと、 作物の栽培に合った農地、かんがい用の用水路と水源、排水路、耕作道、農作物出荷道路等となります。 日本の農業生産基盤は、昔から営々と人々により水稲農業を主とした農地に拓かれてまいりました。これら先人たちが築いた農業生産基盤をさらに安全で効率的に使いやすくするため再整備を行っています。 現在では、これら農業生産基盤整備と農村の生活環境の整備を含め「農業・農村整備事業」という名称で呼んでいます。

具体的にどんな事をするの

土地、水、道、この3つの農業生産基盤の内、

先ず水を取り上げると、

西牟婁郡では主に、田辺市と日高郡みなべ町に受益地を持つ南紀用水施設(面積1,788ヘクタール)があります。
これは、南部川を水源(嶋ノ瀬ダム)にして幹線送水路から末端のスプリンクラ-まで、かんがい用水路の新設を国営及び県営で行っています。
大事な水源ですが、これは先人達が大変苦労され、ため池や井堰(農業用水の取水を目的として河川に設置される施設を特に、「頭首工」と言う。)を作り水を確保してまいりました。
これらの施設の改修も行います。
特にため池は老朽化に伴い下流に被害の恐れがあるため竪樋の改修など用水の確保と共に災害防止のため堤体の改修、補強を行います。
日本の農業は昔から水田農業が主であり、用水路が最も重要であり整備もされてきました。 (用水路と排水路が兼用であり、無駄な水は1滴も無いようにしています。)しかしながら、近年は農地の宅地化による家庭雑排水が用水路を汚濁し農業被害が出てきています。
現在、宅地化が進む農業地帯はこの用排分離が一つの課題となっています。

次に道(農道)ですが、

古来から、農地には3尺道というものがありました、これは幅90センチメートルの里道で昔の農業ではこれで充分でした。
しかし、現在の様な大型機械を使用する農業では広い農道が是非とも必要となっています。
西牟婁郡もここ十数年前から農道整備が盛んに行われてきました。
農地に接する耕作道、耕作道から集落までの支線農道、集落間、出荷場まで、また最寄りの県道等主要道路まで生活道を兼ねた幹線農道が整備されています。

最後に農地の整備を述べますと、

農作物は農地が無ければ栽培出来ません。
現在の様に機械化された農業では、農地の区画形状、規模が農作業の効率を左右する最も大きな要因となります。
水田農業では、農地の区画を整理し、農地の集積と大区画化、また前述した用水路、排水路農道を併せて整備する「ほ場整備」が最も有効です。
また、畑作農業につきましては働きやすい農地に整備することが重要であり、農地造成や畑地帯総合整備等により、ほ場の整備を進めています。

県営農地開発事業上芳養東山地区における農地造成

着手時の写真
着手時
完成時の写真
完成時

以上、主な農業生産基盤整備を述べましたが、

農村整備とは

農業生産基盤の整備と併せて、農村を住み良い生活環境に整備することも重要です。

快適で文化的な生活をおくる条件は、

  1. 飲料水(安全で清潔な生活用水)
  2. 排水(雑排水、水洗トイレ、等衛生的な環境)
  3. 生活道(通学、買い物、都会と文化的な交流)
  4. 公園(住民のふれ合い、憩いの環境)

が必要です。

安全な水

上水道未普及農村に農機具及び農作物洗浄水を兼ね備えた簡易水道施設「営農飲雑用水施設事業」の整備。

都会並の衛生環境、家庭雑排水処理、水洗トイレ、を備えるため「農業集落排水事業(農村下水道)」の整備。

農村部の生活道も車社会に対応できる幅員が必要です、「集落内道路」の整備。

農村地域の憩いの場として「農村公園」の整備。

以上の農村生活環境基盤整備は農業生産基盤整備と併せ実施できます(総合整備事業)。
また、農業集落排水事業の様に単独で実施できるものもあります。

ばく大な費用が必要となるのではないか

農業農村整備事業は、事業規模により国費、県費、市町村費の補助制度があります。

どこへ申し込めばよいのか

農業農村整備事業は、実施する事業の規模、内容により

  1. 県単独補助事業
    町営、県営規模に満たない規模(町が実施)
  2. 町営事業
    受益面積が5ヘクタール以上の規模(町が実施)
  3. 県営事業
    受益面積が20から100ヘクタール以上の規模(県が実施)

があります。

融資事業は農協、その他は何れも市・町・村役場担当課(農林課、農林産業課、建設課、産業経済課、経済課等)あるいは振興局農林水産振興部農地課にご相談下さい。

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