広川ダムの概要
ダムの分類
ダムは下図のように3種類に分けられます。広川ダムはこのうちの 重力式コンクリートダムに分類されます。
重力式コンクリートダム | アーチ式コンクリートダム | ロックフィルダム |
- 重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムは水を貯めた際の水圧を堤体の重さによって 支える構造です。構造が単純なので大きなダムも造ることが出来ます。基礎地盤もある程度の強度があれ ば大丈夫です。ただし、使用するコンクリートの量が多く、工事期間も長いというデメリットもありま す。日本で一番多いのはこの形式のダムです。
- アーチ式コンクリートダム
アーチ式コンクリートダムは水圧を両岸と底部の岩盤で支える構造で、 堤体が水圧を受けると、その力が堤体を伝わって両岸の岩盤及び底部の基礎地盤に吸収されます。このような 構造にすることによって堤体を薄くすることができ、コンクリート量は大幅に削減できます。ただし、建設は 基礎地盤が強固な峡谷に限られます。
- ロックフィルダム
ロックフィルダムは、岩と粘土質の土を積み上げて造られたダムで、コアゾーンと呼ばれる土 の壁で遮水し、それをロックゾーンと呼ばれる岩の山で支える構造です。基礎地盤の強度が弱いところに適していま す。ただし、強度的な問題で、洪水調節容量を大きくしたり洪水吐を堤体の上に載せることができないなど、設計上 大きな制約があります。
ダムの大きさ
広川ダム(横から見た図)
広川ダム(下流側から見た図)
型式 | 重力式コンクリートダム | |
集水面積 | 12.6平方キロメートル | |
湛水面積 | 0.2平方キロメートル | |
堤高 | 53.5メートル | |
堤頂長 | 166.0メートル | |
堤体積 | 約110,000立方メートル | |
ゲート | 非常用洪水吐 | クレストラジアルゲート 8.5×6.5 2門 |
常用洪水吐 | ホロージェットバルブ φ2000 1門 | |
不特定利水吐 | ホロージェットバルブ φ500 1門 | |
総貯水容量 | 3,500千立方メートル |
ダムのはたらき
- 大雨の時
洪水の調節
梅雨時期や台風の季節には集中豪雨等によって河川が 急激に増水し川沿いに大きな被害が発生することがあります。 このため、ダムにより洪水の一部を貯水することによって、 下流に一気に水が流れ出ないように調節します。
- 渇水の時
下流用水の安定
下流では、農業用水などに多くの川の水を利用しています。 利用する立場からは水は常に一定の供給であって欲しいのですが、 天候によって日照りが続くと一滴の水も貴重なモノとなります。 そこで、ダムでは日照りの時にも水を供給できるように、水の余 っている時に貯めて必要なときに供給しています。