渓間工
山腹工
荒廃した山腹
「山腹が荒廃する」とは降雨や地質等の影響によって、山の斜面の土砂や岩石、樹木が崩れ落ちている状態を言います。
荒廃した山の斜面は放っておくと、さらに崩壊が広がり、下部の道路や集落、田畑等に土石が崩れ落ちる可能性があります。また、荒廃した斜面では新たな樹木が生えづらく、もとあった森林に再生することは難しくなります。
復旧方法
荒廃した山腹を復旧するために、治山事業では、山腹工と呼ばれる工事を実施します。
山腹工では主に山腹基礎工、山腹緑化工、落石防止工を施工します。
山腹基礎工は、荒廃して不安定な形状の山の斜面を安定に導くことを目的としています。山腹斜面を整地したり、仕切り壁状の構造物(土留工)を設置して崩れる土砂を抑止します。
山腹緑化工は、山腹基礎工で安定した形状に導かれた斜面に植生を生育させ、もとあった森林に回復させることを目的としています。山腹斜面に植生の生育しやすい環境を作ったり、直接、種や苗木を植えたりすることで緑化を進めます。
落石防止工は、山腹に落石のおそれがある場合に実施します。ワイヤー等で落下するおそれのある岩石を固定したり、落下予想地点に柵を設置して集落や道路に石が落ちないようにします。
山腹工を実施することで、失われた森林を復旧させることができます。もとあった森林に戻すことで、その公益的機能も回復させ災害を防止することができます。
荒廃した山腹斜面
山腹工を実施したことで森林に回復しつつある