渓間工
渓間工
荒廃した渓流
「渓流が荒廃する」とは、谷を流れる水によって渓流の底(渓床)が削られたり、水が蛇行して岸を削り浸食することで土砂が発生し、それが不安定に堆積している状態のことを言います。
この不安定な土砂は放っておくと降雨とともに動き出し、土石流として流れ出て道路や集落、田畑等に被害を与える可能性があります。
復旧方法
荒廃した渓流を復旧するために、治山事業では渓間工と呼ばれる工事を実施します。
渓間工の代表的な工法としては、治山ダム工(写真1)、護岸工(写真2)、流路工(写真3)が挙げられます。
- 治山ダムは、ダムとは言っても貯水を目的としたものではなく、土砂を調節するためのダムです。渓流の勾配を緩やかにすることで浸食を防止したり、不安定な土砂の発生や移動を緩和する効果等を持っています。
- 護岸工は渓流の岸に壁状の構造物を作り、岸を保護するものです。岸の浸食を防ぎ土砂の発生を防ぐ効果をもっています。
- 流路工は、治山ダム、護岸工等を組み合わせて設置することにより、水の流れを固定し浸食を防ぐことを目的としています。
治山ダム工や護岸工、流路工以外にもその他様々な工法がありますが、渓間工を施すことにより、荒廃渓流を安定した渓流に導きます。
これによって土砂災害を防止するとともに、森林を保全して、森林の持つ公益的機能を維持することができます。
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(写真1)治山ダム
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(写真2)護岸工
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(写真3)流路工
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豪雨により土砂が流出した様子
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左の箇所が治山事業により
復旧した様子