林業振興課の施策
予算
- 令和5年度予算
- 20億8,740万円(24事業)
- (補足)一般、特別会計の合計。職員費は除く。
重点施策
1 林業・木材産業の成長産業化
- 低コスト林業及び循環型林業の推進
森林総合監理士等が中心となり、ICTなど新技術を活用した「スマート林業」を進め、低コスト林業を推進するとともに、森林組合と民間素材生産事業体等による連携強化や森林経営の集約化、作業道等の路網や山土場の整備、高性能林業機械等の導入を進め、重点エリアにおける生産基盤の整備と意欲と能力のある林業経営者の育成による生産・供給体制を強化することにより「もうかる林業」を推進し、素材生産量の増加と森林資源の循環利用を図る。
・原木の需要と供給のミスマッチを解消するための森林クラウドシステムの活用推進
・ICTなど新技術を活用した「スマート林業」の推進
(油圧式集材機と架線式グラップルなどの高性能林業機械や林業用資材運搬ドローン、プロセッサヘッド等スマート林業機器などの普及及び導入支援)
・林道等基幹道の整備促進と新規林道の掘り起こし
・作業道等の路網や山土場の整備
・森林組合と民間事業体の事業連携等による生産・供給体制の強化
・原木の需給調整・安定供給の推進
(製材用材、合板用材、バイオマス用材の需要を踏まえた木材供給体制の整備)
・航空レーザ計測等の新技術を活用した高精度な森林現況把握と活用の推進
・林地台帳の精度向上
・林業関係者に対し、林業成長産業化に向けた“新・紀州林業への挑戦”研修会を実施
・上記の取組に必要な試験・研究の推進
- 紀州材の加工体制の強化と需要拡大
加工施設の整備や省力化機械の導入等を支援することで、紀州材の加工体制の強化を図るとともに、公共建築物等の非住宅建築物の木造・木質化の推進、公共土木工事への利用促進に加え、県内木造住宅の建設促進、県外工務店の紀州材利用に係る取組等を支援することにより、さらなる紀州材の需要拡大を総合的に推進する。
・製材所等の加工体制の強化
(紀州材の生産拡大を行う加工施設の整備を支援)
(原木等の消費量拡大やエネルギー価格高騰対策のため、生産効率やエネルギー効率等に優れた加工機械の導入等を支援)
・首都圏をはじめとする大消費地での販路拡大
(紀州材を取扱う県外工務店の取組支援を通じ、都市部での新たな紀州材流通シェア拡
大を図る)
・民間を含む建築物の木造・木質化の推進と公共土木工事への利用促進
・建築士による木造建築の普及啓発の強化
(和歌山県建築士事務所協会に市町村施設の木造・木質化に対する相談窓口を設置)
・木質バイオマスの利用促進
・新たな用途開発の推進
・原木市場の活性化支援
(丸太の付加価値向上のため、原木市場での強度表示等の取組を支援)
・上記の取組に必要な試験・研究の推進
2 林業の担い手の確保・育成と活力ある山村づくり
森林経営管理制度の確実な実行をはじめ、適切な森林整備や素材の増産等に必要となる新規林業就業者の確保及び実践的な技術・知識をもった技術者を育成するとともに、特用林産物の生産振興を図り、活力ある山村づくりを推進する。
- 林業の担い手の確保と育成
・農林大学校林業研修部の研修生に対する県独自の給付金制度や国の給付金制度を活用
し、入講定員数を確保
・紀州林業の魅力・情報を広く発信し、新規就業者を確保
(SNSの活用や若手林業従事者等を登用し、さらに広く発信)
・就業相談から林業体験、就労斡旋までを一貫して支援
(わかやま林業労働力確保支援センターが林業無料職業紹介事業を実施)
・林業従事者に対し、高度伐木技術や架線技術、ICT等の先端技術の活用などのスキルアップを推進
・事業体の経営マネジメント能力や労働安全管理能力の向上
・高校生が林業を就職先の一つとして検討できるよう、県内高校向け林業講座を新たに実
施
・新規就業者を雇用する林業事業体に対して、林業用ヘルメットや防護服、防護ブーツな
ど、安全保護具等の購入を新たに支援
- 活力ある山村づくり
・特用林産物の生産振興と山村資源の新たな活用
(紀州備長炭やサカキのブランド力の保持、後継者の確保・育成)
・山村情報の発信・啓発活動
・上記の取組に必要な試験・研究の推進
3 森林経営管理制度の円滑な運用と森林環境譲与税を活用した森林整備の促進
森林の適切な経営管理を促すため、森林資源情報の整備や、市町村が行う森林整備等の取組
を積極的に支援する。
・市町村職員等に対する森林・林業業務の実務研修や森林管理制度等の巡回指導を実施
(森林環境譲与税の計画的な活用及び円滑な実施体制の確保:基金積立の縮減)
・意向調査の結果や森林所有者からの申出等を活用した間伐等の実施を促進
・森林経営管理制度等の普及啓発
・森林クラウドシステムを活用した行政手続の電子化
4.森林におけるカーボンニュートラルの推進
森林クレジット制度を上手く活用し、森林所有者などが森林整備を行い、二酸化炭素の吸収
量をクレジットとして販売することで、木材販売以外の収入を得ることができるため、カー
ボンクレジットの取得促進を図るとともに、公共建築物等の積極的な紀州材利用に取組む。
・林道を整備し、伐採して、使って、植えて、育てるという森林資源の循環利用を進めることにより、森林整備の促進を図るとともに、県内林業事業体に対して森林クレジット制度の周知を図り、カーボンクレジットの取得促進を支援
・県内の森林所有者及び林業事業体向けに森林クレジット制度の研修会を開催
・公共建築物や公共工事をはじめ、民間の建築物においても紀州材利用を推進