木造住宅のすすめ
木造住宅の耐震性
平成7年に起こった阪神大震災では、不幸にも数多くの建物が倒れてしまいました。倒壊した建物の中には木造住宅もたくさん含まれていたため、「木造は地震に弱いのでは」と感じた人もいることでしょう。
しかし、「木造は地震に弱いのでは」という問いの答えは「NO」です。木造の建物は地震に弱いわけではありません。
倒壊した木造の建物には、次のような共通した特徴がありました。
- 筋交い、継ぎ手、下地材の手抜き
- 間口の狭い住宅
- 無理な計画
- 無理な増改築
- 展望・採光・通風重視の住宅
- 管理不良によるシロアリや腐朽
では、地震に強い住宅を建てるには、どのようなところに気をつければいいのでしょうか。
1 補強材料
日本の木造住宅は、柱や梁で家を支える構造が伝統的でしたが、最近では補強材料を効果的に使用することで耐震性が飛躍的に高まることが明らかになっています。
たとえば、壁には筋かいを、土台や梁には火打ちという補強材を使用することにより、強い地震の揺れにも耐えることができるのです。なお、これらの補強材については、金物によって柱や土台、はり等にしっかりと固定することが重要となっています。
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出典:紀州材流通促進協議会
2 基礎と土台
建築物の外まわりの壁と内部の主な壁の下にはコンクリート造の基礎を設け、アンカーボルトで土台をしっかり固定します。また、基礎にはできるだけ鉄筋を入れるようにします。
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出典:紀州材流通促進協議会
3 防腐・防蟻
構造材の腐れやシロアリの被害は、耐久性だけでなく地震時の被害を増大する恐れがあります。このため、建築時には、床下の換気口の位置や大きさ等について充分に配慮し、湿気がこもらないよう風通しを良くします。また、土台には、耐久性の高いヒノキや、防腐・防蟻処理した木材を使用することが重要です。
木造住宅のコスト
木造住宅は割高というイメージでとらえられがちですが、一般的な木造住宅の総建築費に占める木材製品の割合は、10~20%程度と言われています。
たとえば、総建築費が2,000万円の場合、木材製品は約400万円(20パーセントの場合)となります。システムキッチンが150から200万円もすることを考慮すると、意外と木材製品はお安いと思いませんか?
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出典:紀州材流通促進協議会
木材の乾燥
木材は、乾かさずに使用するとカビが出たり、反ったり割れたりして、ふすまの立て付け不良や床鳴り等の原因になります。
しかし、十分乾燥した木材を使うことにより、これらの問題の多くは解決し、快適で丈夫な家を造ることができます。木造住宅を建てるときに乾燥した木材を使用することは最も重要なポイントなのです。
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