冬季に流行する感染性胃腸炎
感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎は、多くの細菌やウイルスなどによる感染症です。
発熱、おう吐、下痢等が主な症状で、冬季の流行はウイルス感染によるものが大半であり、和歌山県での流行は過去5年間の平均値で10月頃から徐々に増加し、年末頃ピークを迎えています。
全国的に原因となる病原体は、特に冬の前半は例年ノロウイルス感染が多いと言われています。
ノロウイルスを原因とする胃腸炎は、牡蠣などの二枚貝の生食によって感染・発病することが知られていますが、ウイルスの感染力は強く、患者の吐物・下痢便から排出され手指を介して感染することも多く、その取り扱いにも注意が必要です。
ノロウイルス感染症とは
- 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間です。
- 主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。
また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
ただし、高齢者の方や乳幼児では、症状が重くなる場合がありますので、注意が必要です。
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ウイルスは、症状が消失した後も3~7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次感染に注意が必要です。
ノロウイルスの感染を防ぐポイントは?
- 手を洗いましょう。
ノロウイルスは手指に付着すると落ちにくいウイルスです。
外出先から帰った後や、トイレの後、調理の前には、消毒液や石けんで 十分手を洗いましょう。
タオルは共有せず専用のものにしましょう。
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食品の取り扱いに注意しましょう。
加熱する場合は、食品の中央まで火が通る(85度、1分)ようにしま しょう。
まな板、包丁、ふきん、タオル等も熱湯(85度)で1分以上の加熱が 有効です。
- 患者の吐物等の処理に注意しましょう。
素手で触らないようにしましょう。
使い捨て布などで拭き取った後、ビニール袋などに入れて外に漏れない ようにして捨てましょう。
汚染された床は、塩素系漂白剤を約200倍程度に薄めてペーパータオ ルなどでふき取り、30分ぐらいしたら、十分水ぶきをしておきましょう。
- 塩素剤の取り扱いは、ビニール手袋などして、十分換気しましょう。
- 金属物は腐食を起こすので消毒後十分拭き取りましょう。