第20回和歌山県人権施策推進審議会議事録
第20回和歌山県人権施策推進審議会議事録
日時 | 平成18年2月1日(水曜日)午後1時30分から午後3時30分 |
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場所 | 和歌山市 アバローム紀の国 |
議題 |
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出席委員 |
稲垣委員 大畠委員 谷口委員 月山委員 都村委員 中川委員 中谷委員 中村委員 村田溥委員 村田恭委員 やな瀬委員 吉澤委員 |
配布資料 |
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内容 | |
事務局 |
本日は、「第20回和歌山県人権施策推進審議会」を開催いたしましたところ、委員の皆様には、大変お忙しい中にもかかわりませず、お集まりいただき、誠にありがとうございます。 また、平素は、人権問題の解決のため、本県の人権行政の推進につきまして、格段の御指導を賜っておりますことを、重ねて厚くお礼申し上げます。 前回、平成17年2月25日に第19回の審議会を開催してから、約1年近くも経過しており、委員の皆様には、何かとご憂慮いただいておりましたこと、深くお詫び申し上げます。 さて、あらゆる人権問題の解決は、本県の重要な課題であり、行政がその責務を自覚し、強力に推進してまいらなければならないと考えております。 しかしながら、本県においては、DVや子どもへの虐待、同和問題などの人権侵害が、今なお多数発生しております。 このため、身近な人権侵害の救済に迅速に対応するための法整備並びに県単位の地方組織の確立について、国に対し要望しているところです。 また、先に策定しました「和歌山県人権施策基本方針」の具体化に向け、県が実施する平成17年度事業のうち、263事業を「人権施策基本方針関係事業」として位置づけるなどの人権の視点に立った効果的な施策の推進を図っているところであり、今後引き続き、県民の皆様と協働しながら、全ての人の人権が尊重される平和で明るい社会の創造を目指して、総合的な施策を全庁あげて推進してまいります。 次に、委員の皆様に新聞報道等でご心配をおかけしております、「紀州藩牢番頭家文書編纂事業」に関する支援については、平成11年度から平成13年度にかけて445万1,900円を、書籍等購入の名目で支出しておりました。 支出した445万1,900円につきましては、「社団法人和歌山人権研究所」から返していただき、その上で、あらためて補助金として交付することを2月議会に提案させていただきます。 編纂事業に対する支援は、本来、補助金で支出すべきものであったにもかかわらず、正規の予算化手続きを経ずに支出がなされていたことは極めて遺憾であり、委員の皆様をはじめ県民の皆様にお詫びいたします。 委員の皆様には、引き続き、広く多角的な視点からご提言、ご指導をいただききますよう、お願いを申し上げ、あいさつといたします。 |
委員 | 一言ご挨拶申し上げます。先程お話しにもありましたように、先生方にお話しを伺うべき審議会を開催する必要がある訳でございますけれども、先生方のお声を聞く機会をなくしてしまったことを、非常に心より申し訳なく思っております。同時にまた、わたくしども小委員会の方に委託された事項につきましても、小委員会として、果たしてその機能を発揮していたかどうか、この議事の進行に伴いましてご質問等あれば、このわたしどもの小委員会での審議した事項について、必要な範囲内で報告させていただきます。 最初に議長を務めるにあたりまして、非常にご迷惑をおかけし、色々とこの審議会はどうなっていくのかというふうな声もお寄せいただきました。非常に恐縮に存じております。この点、この席をお借りしまして、深くお詫び申し上げまして、今後なお一層の御協力賜りますことを切にお願いいたします。 最初に、この審議次第に則り進めたいと思いますが、第一番の議題1「人権施策基本方針関係事業について」、事務局から説明してください。 |
事務局 | 平成17年度和歌山県人権施策基本方針関係事業の推進状況につきまして、ご説明させていただきます。 平成16年8月に、審議会の委員の先生方のご協力をいただきまして策定しました人権施策基本方針の具体化を図り、総合的に推進するため、県が平成17年度に実施する事業の中から、人権施策基本方針の「基本的なとりくみ」に関係する事業を、人権施策基本方針関係事業として位置づけました。 さらに、各関係事業ごとに、人権の視点から現状と課題を明らかにするとともに、今後の目標を設定することにより、人権尊重の視点に立った関係事業の計画的な推進を図っているところです。 なお、この現状と課題、目標につきましては、関係事業263事業を所管する60課室が設定したものでございます。 各事業を各部ごとに一覧に取りまとめたものが、「平成17年度和歌山県人権施策基本方針関係事業推進状況調査表」であります。 次に、人権施策基本方針関係事業のうち、平成17年度の人権局の主な事業についてご説明申し上げます。 「人権課題克服のための調査・支援「就労ナビ」事業」は、人権政策課の新規事業で、身体障害者、ひとり親家庭、中高年齢者など人権課題により就労できない就職困難者について、実態の調査、解明を行い、就労に関する支援計画を策定し、市町に設置する就労支援センターを拠点に、就労ナビ専門員が一人ひとりに応じた支援を行うことにより、人権課題を克服して、就労の実現に結びつける就労ナビ事業を、今年度は、和歌山市と湯浅町でモデル事業を実施したところでございます。 次に、「同和対策住宅新築資金等滞納処分促進対策事業」では、同和対策住宅新築資金等貸付金において発生している滞納問題について、適正な不良債権処理を実施した市町村に対しまして、要する経費の2分の1を補助いたしました。今年度は、482万1千円を補助したところでございます。 次に、「人権啓発センター運営補助事業」でございます。 県の人権啓発の拠点でございます「財団法人和歌山県人権啓発センター」への支援といたしまして、60,756千円を運営補助するとともに、43,200千円を事業委託いたしました。 恒例となってございます「ふれあい人権フェスタ2005」を、11月19日・20日に開催したところでございます。多くのNPOをはじめとする参加団体との協働によりまして、約1万2,800人の来場者を得たところです。一昨年に比べまして、2,800人の増加を得たところでございます。続きまして、「人権相談事業」です。 人権啓発センターでの相談事業に加え、基本方針で各相談・支援機関で連携強化のため連絡協議会を設置することとなっておりましたが、今年度、子どもや高齢者、障害者など人権にかかわる相談機関に呼びかけをいたしまして、平成17年11月24日に「和歌山県人権相談ネットワーク協議会」を、13機関の17相談担当部署で新たに立ち上げたところです。 今後は、研修会などを開催し、連携を図るとともに相談員の資質の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。 「人権啓発市町村助成事業」では、市町村の人権啓発事業への支援をするため、40市町村、36,633千円を補助いたしました。 次に「民間人権啓発活動委託事業」ですが、人権施策基本方針で、県は、県民・企業・NPO等との連携・協働に取り組むこととなっておりますが、これを受けまして、今年度から、新規事業で民間人権啓発活動委託事業を実施したところでございます。 事業内容は、NPO等の民間ならではの発想による人権啓発の企画事業を募集し、採択の事業については、提案団体に実際に実施してもらおうというものでございます。 28事業、約1千万円の応募がございましたが、何分500万という限られた予算でございましたので、15事業、499万円を委託したところでございます。 次に、チェックリストの関係でありますけれども、人権施策基本方針関係事業の一覧にはございませんが、昨年の審議会でもお話しさせていただいたとおり、庁内向けに「人権尊重の視点に立った行政推進のためのチェックリスト」を作成することといたしました。 まだ、素案の段階でございますけれども、今年度中に完成させ、すべての職場の様々な場面で、人権尊重の視点を念頭において仕事を進めるため、これを基に業務の点検を図ることといたしてございます。 次に、合議について、これも昨年の審議会の中でもご報告させていただいたことでございますけれども、各部局の各種計画等の策定時には、人権局へ合議をしていただきたいということで、例えば「和歌山県感染症・結核予防計画」であるとか、「わかやま長寿プラン」であるとか、それから「和歌山子ども虐待防止マニュアル」、そういったことでの合議が、わたくしどもの局にもまいってございます。 平成14年4月に施行しました人権尊重の社会づくり条例第2条第4項により、「県が実施した人権施策について定期的に公表するものとする」と定めるとともに、基本方針にも「県民と協働して人権施策を推進するため、県が実施した人権施策について定期的に公表する」と謳われております。 こうしたことから、平成17年度関係事業の事業実績を含めた推進状況調査表を基に、人権教育・啓発や、女性の人権、子どもの人権、高齢者の人権など分野別の人権に関する取組の状況につきまして、できるだけ県民の皆さま方に分かりやすい内容にして、平成18年秋頃を目途に公表する予定です。 そして、人権施策の実施状況を県民に公表することが、多くの県民の方々に、人権について一層理解を深めていただくことになるとともに、さまざまな意見を伺うことができる機会ともなり、人権施策の点検・評価につながるものと考えているところです。 また、県が実施する平成18年度人権関係事業につきましては、平成17年度の事業実績を踏まえ、現状と課題、目標を見直し、「平成18年度人権施策基本方針関係事業」として取りまとめ、進行管理を行ってまいりたいと考えております。 なお、取りまとめました結果を基に、本審議会に、平成18年6月頃に事業を所管する主な課室から関係事業についての報告をさせていただく予定ですので、よろしくお願いします。 なお、本審議会にも、関係各部局から、17年度の施策についてご報告をさせていただいて、ご審議をいただきたいと考えております。時期は、平成18年8月頃に当審議会にご報告をさせていただきたいというふうに思ってございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 これも各部局から審議会に説明をさせていただいてということを予定してございますので、あわせてよろしくお願いをいたしたいと思います。 |
委員 | ただ今の、先生方に助けていただきました基本方針に基づく関係事業について、推進状況の調査表と題するような文面をいただいたわけですが、この書面いただいたのが一昨日で、私は和歌山で早い方ですが、先生方は内容的に充分ご検討いただく暇がなかったのではなかろうかと思うのです。 一応、今ご説明いただいた範囲で、どちらかといえば同和関係が多かったかと思うのですけれども、その他一般に共通するところもありましたが、お聞きいただいた範囲内で、あるいはまた、こういうふうな関係事業のあり方、あるいはまた審議会との関係につきまして、ご意見ありましたら、どうかこの機会にお話しいただければ幸いだと思います。 |
委員 | まず第一点、冒頭に会長がおっしゃられたんですけれども、昨年の2月以降一年間審議会が開かれなかったこと、6月に一度日程が決まって我々が予定していたのが急きょ取り消されたわけですが、それについての説明が全く我々委員にはなされていません。 もちろん、会長さんはじめ有力な委員の方々にはご説明が事務局からされているのかもしれませんが、わたくしのような平委員も一応委員ですから、どうして6月の審議会がキャンセルされたのか、そして本来であれば6月はキャンセルだけれども、じゃあ8月にやりますとか、10月にやりますという話になるのだろうが、それもその説明はないどころか、1年間ほったらかしにしておいて、今日は冒頭先程ご挨拶されましたけれども、その辺のご説明もまったくない。 一体この審議会をどう考えておられるのか。今申し上げたとおり我々平委員も含めて委員ですから、その点について、やはり一つきちっとしたご説明が、本当はそのキャンセルされた直後にあるのがしかるべきだと思うのですが、それがないのであれば、今日は冒頭にでもその辺の説明がなされるのが当たり前なのに、ないので、一体どういうことかというのがまず第一点です。 それから第二点は、これもおっしゃられたんですけれども、昨年人権の問題で、わたくしも新聞で知って非常に大きな衝撃を受けましたのは、「社団法人和歌山人権研究所」というところに、不正支出が数百万でしたか分かりませんけれども、なされていた。 先程のお話しだと、文献の編纂のための補助金だと言うのですが、新聞報道で見る限りでは、「解放出版社」という部落解放関係の団体の出版社に、本代の名目で数百万が支払われていた。 それについて、もちろん予算にも出ておらないし、議会にも諮られておらないし、新聞報道で知る限りでは、外からの声で分かったというようなことであります。 従来から、同和関係については色々問題が指摘されているわけですけれども、本来正規に補助金として支出すべきものを支出しないで、「解放出版社」という民間団体に本代名目で数百万も支出しておきながら、今のお話しだと、これも今初めてお聞きして私は驚いたのですが、返させたものを改めて補助金として出すと言います。新聞ではそこまで知らなかったので、つい最近決まったのだろうと思うのですが、一体それはどういうことなのか。 本来その時に出せなかったから、裏金か何か知りませんが、出したもので、しかも平成11年度から平成13年度か平成14年度ですから、もう過年度でとっくの昔に済んでいる。 その時に不正支出したお金を返させるのはいいのです。当たり前だから。 そして返したものを、もう済んでいるはずのものに、またもう一度補助金で出すことを予算にかけたというのは、一体どういうことなのか。そういうことで、当時正規に出せなくて裏金で出して、間違ってたから返してもらったのだったら、それでいいということではなく、そういう不正なお金を返してもらうのを、今度はもう済んでいる事業に補助金として出すから、表から堂々と出しますというのは、それも非常におかしな話で、どうしてそういうことをやるのか。 それはまさに人権ということといいますか、同和問題ということで、何でもそういう形でお金が出るというようなことで、非常に不明朗だというふうに思います。 それとの関係で、「人権行政総合調整」ということで、1,337万9千円で予算が入ってます。その中の現状課題に、部落史編纂支援をするというのがあります。私の聞いてる範囲では、今不正支出が問題となった「和歌山人権研究所」を中心にした部落史編纂の事業の支援として、お金を出すんだというふうに聞いています。 ちょっとこれでは分からないので、その1,337万9千円のうち、果たしていくらがその部落史編纂のための予算なのかということもお聞きしたい。私が聞いている範囲では、単年度の予算ではなく、今後数年間にわたって県全体で数千万のお金をその部落史編纂事業のためにつけると言います。 あと他の市町村が、数千万円というふうに聞いていますが、市町村で数千万円、和歌山県で数千万円、トータルで億ぐらいのお金が、5年の事業なのか10年の事業なのかそこまで詳しく知らないのですけれども、単年度の予算とすればしれてるけれども、トータルでいくとそういう莫大なお金がそこへ注ぎ込まれる。 そういうその不明朗な支出が問題になった「和歌山人権研究所」というところに、今度はまた部落史編纂ということで、歴史的な書籍の出版になるのだと思うのですが、そのために数年度かけて数千万円のお金を支出する必要が果たしてあるのか。 これだけ予算が厳しく査定されて、知事の方針で各部局ごとに予算をどれだけ削減するかをコンペシステムで競うようなことをやって、予算の削減に血道をあげてることは、厳しい財政事情だからしょうがないと思います。そういう中で、こういう莫大なお金を、部落史編纂ということのために出すということの必要性、意味、先程会長も「部落関係の予算が多いですね」とおっしゃってたのですけれども、もちろん私が申し上げてるのは部落問題をする必要はないと言っているのではありません。それは誤解を招いてはいけないので、従来からの審議会での私の発言を聞いていただいても分かりますが、部落問題も大事です。ただし、人権課題としてもっと大事なことももちろんたくさんあり、同じように大事なこともたくさんあります。そういう中で、どうして先程の不明朗な補助金の支出といい、今回の部落史編纂への多額の支援といい、そういうような形の支出が優先してなされるのか、この問題については是非きちっとしたご説明をいただきたいと思います。以上3点でございます。 |
委員 | かなり誤解があるので、問題はあると思いますが、一つは、やはり県が内容をきちんと説明していない。 私は研究所の立場で発言しますが、委員がおっしゃるデータは、風聞と新聞だろうと思いますが、それは必ずしも正確じゃないわけで、その補助金は、県が出すと言い、出し方は任せてくれということで、3年か4年か、5年もらったわけです。 確かに、出す手続きは非常に不適切だったと思います。しかし一応県が、その不適切な仕方について認め、しかも一定の行政処分をされています。そういう県の事情を我々は考慮して、正に使ったお金です。 一応返還をするということと同時に、当然それは我々としては有益に使っていて、既に使った金については、どうしてくれるかということになるのは当然で、あとは県の責任でされることだろうと思います。 ただ、あまり不正とかそういうことは、僕は言って欲しくないと思います。そう言う以上は、きちっと調べて欲しいと思います。以上です。 |
委員 | 一応、委員が言われた3つの問題がありますけれども、まず第一番に、昨年2月以来審議会を開いていないことです。ことに6月に開催するということで先生方にご予定願ったのにも関わらず、それを中止し、中止しましたというご報告はしたかもしれませんが、何が故にということのご説明をしていなかったということ、これは非常に遺憾だと思います。私自身が責任あると言いますのもそういうことでございます。そのことについて、審議会をどう考えているのかということです。今までの「同和委員会」における行政の対応というものと比べまして、あまりにもこの審議会をないがしろにしすぎているのではないか。 我々は別に、特に行政のすることにくちばしを差し挟んでどうこうという気持ちはありませんが、私も委員が言われたように、審議会に対する県の考え方というものをお聞きしたいと思います。 我々が条例を作ったときの審議会、それをどういう風に考えたか。今現在、当局は、この審議会をどういうふうに考えているのか。その点について、充分検討した上で回答願いたいと思います。どなたでも結構です。 |
事務局 | 確かに言われるとおり、6月に審議会の開催ということで通知案内をさせていただきまして、その後それのキャンセルに対する説明等をしておりませんでした。本当に大変申し訳なく思ってございます。申し訳ございません。 その前に、言い訳になるわけでございますけれども、一応小委員会等開かせていただきまして、その後、審議会にかけるべき議題が、私どもの方で用意ができなかったということがありまして、キャンセルをさせていただきました。その点大変申し訳なく思ってございます。今後、このようなことのないようにしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 |
事務局 | 先程説明がありましたように、それにつきましては非常に申し訳ないと思っております。 私どもの個人的な考えになるかも分かりませんけれども、審議会というのは、やはりご意見を頂戴する場というふうに充分認識をしております。しかも、和歌山県の県政にとって重要な柱であります人権というものに対しての様々な各分野の方から構成をされております審議会につきましては、非常に貴重な意見を頂戴できるものだと考えております。 今後のことでございますが、先程申し上げましたように、頻繁に審議会を開催する中で、皆さんのご意見を頂戴しながら、結果だけを報告するのではなく、その過程をも説明していきながらやっていかなければならないと、ずっと考えておりますので、これからはそのようにやっていきたいと思っております。 非常に様々な審議会があるわけなのですが、行政が一方的に報告をしたり、説明をしたりして、「はいはい」というような審議会ではダメだと私は思っておりますので、色々なことを経過も含めてご報告をしながら、その都度その都度ご意見を頂戴しながら、和歌山県の人権施策というものをつくりあげていくという決意を持っておりますので、今後皆さんのご意見を頂戴しながらやって行きたいというふうに考えております。 それから牢番頭家の文書のことでございますけれども、詳しくはまた担当からお話しを申し上げますが、経緯についてご説明をしたいと思っております。 今、手元に資料がありませんので、数字等間違いがありましたら、担当から訂正があるかと思います。 ただ一点、私どもの姿勢は同和問題だったらなんでもいいのか、ということにつきましては、「そうではない」ということを、明確に申し上げたいと思っております。 ただ現実に、まだ同和問題は解決されていないという現状があるということも事実でありますし、この人権局が、例えば障害者の問題でありますとか、女性の問題でありますとかということにつきましては、その担当の課があるわけで、それを人権局が取りまとめていくというような責務はありますけども、「原課」というものがあります。 同和問題についての原課は、人権局にあると思っておりますので、同和問題の比重が皆さんから見まして高いということはあるかも分からないという認識をしておりますけれども、それが、同和問題であれば、行政はするのかということではないということを、私どもの決意も込めまして申し上げたい。 それと、牢番頭の件に戻りますけれども、これは本当に私ども県の責任であります。 平成13年から編纂事業の助成ということで、わたしどもも、その当時のたくさんの職員にも聞き取りを致しました。勤務している職員にも聞き取りを致しました。そのときの聞き取りをした結果、補助金を支援をしようということを決めたのは事実であります。 支援をする中で、どうしてこうなったのか、私どもとしても本当に不可解なのですが、いわゆる議会を経ないで、書籍を購入するという名目で、お金を出したということにつきましては、再々議会でも答弁いたしまして陳謝もいたしました。皆さんには記者会見もいたしましてお詫びも申し上げましたけれども、非常に県としては、私ども今の担当者にとっては残念だと、何でこんなことをしたのだろうというのが実感であります。職員の処分もするなかで、返していただこうということになった、ということが一点です。 それともう一つは、本はできあがっておりますし、会計の審査をいたしましても、私どもが不適切な形で支出をしたというお金ではありますが、文書編纂に使われておるということは事実でありまして、色々検討した結果、改めて議会の決議を経て、補助金として支払っていこうという事になった次第です。 これにつきましては、私どもも充分色々と議論もしましたし、どうしたら一番いいんだろうかというふうなことも様々な方面にもご相談申し上げながら、こういう形になったということが事実でございます。 本ができあがって、過年度のものについて支払っていいのかという議論も随分いたしました。 ただ、お金の出所は不適切ではあったけれども、補助という名前で、支援という形で本が出来上がったという事実がありますので、そういうことを鑑みて、改めて、その445万1,900円という数字を補助として支援していこうということであります。 説明が十分かどうかわかりませんけれども、経緯としてはそういうことであります。 |
事務局 | それから、部落史につきましては、今年でもうすでに2年目に入ってございます。1年目が平成17年度です。平成16年度の時には、一応調査を実施するということで、1年かけて調査をいたしました。 それで、そのうちの1年間の金額が、大体750万ぐらい入ってございます。 これにつきましては、平成17年度から平成26年度までの10年間の事業ということで、各市と町村会と県とがひとつになりまして、「和歌山の部落史研究促進協議会」というものを立ち上げてございます。 これから補助していくという内容の事業でございまして、これは、県下の部落史というものを対象に考えてございます。特に、高野山の古文書が高野山の協力によりまして、全面的に協力してくれるというようなこともございまして、「和歌山人権研究所」にお願いしようかということで進めてまいっているものでございます。 |
委員 | これは、今の説明からすれば、人権教育啓発、その実施に必要な経費だと、考えられてるわけですね。 |
事務局 | はい、そうです。 |
委員 | かつて「同和委員会」がこういうものについて、どういうふうな評価をしたかということを聞いておられますか。 |
事務局 | はい。「同和委員会」で、運動史をつくる段階におきまして、そういう話もあったと聞いてございます。 ただその時は、高野山の分については、全く協力を得られなかったという話も聞いてございます。 |
委員 | 「同和委員会」の方で、これが学問的な点は別として、我々が推進しようとする教育啓発、部落差別をなくする、という運動に直接これが繋がるかどうかということで問題になった、いうことを聞いておりませんか。 |
事務局 | あまりそのあたりの詳しい話は聞いていないのですが、ある程度伝え聞きには聞いてございます。 |
委員 | 私も反対した事を記憶しているのですけれども、その点は別として、先程からのご質問について、一応事務局の方でお答え願った。 今の説明に対して、更にご質問いただくこと、あるいはまたご意見あればお聞かせ願いたい。 |
委員 | 今のお話しですと、単年度で750万、同額かどうか別にして10年事業というと、県の支出だけで7,000万から8,000万ということですね。 私はその部落史の編纂というのにどうしてそれだけの金がかかるのか。要するに、市町村も同額くらい出すわけですね。 |
事務局 | 詳しく言いますと、人件費と、編纂費とこの2つに分かれてございます。 編纂費につきましては、県3分の1、研究所3分の1、市町村が3分の1と、このようになっています。 そして人件費につきましては、市町村で2分の1、県で2分の1と、なってございます。 |
委員 | 少なくとも県の予算だけで、10年間で7,000万から8,000万。市町村も今の話ですとそれに近いのかどうか知りませんが、かなりの金額が出る。それで失礼だけれども出来上がるものが部落史ですよね。 むしろそれだけの数千万のお金を、そういう文献の作成につぎ込むのであれば、もっとそれこそ人権の救済のためにつぎ込むところというのはあるだろうと思います。 先程会長さんもおっしゃられたとおり、以前にも「同和委員会」当時に、そういう文献の作成というものが、果たして本当の部落問題の解決や、人権の救済につながるのかという議論があったし、今現在も当然そうだと思うのです。 つまり、文化的な価値とか、歴史的な価値とかそういうものはもちろんあるかもしれない。だけど、それは人権課題として県が出すお金じゃないだろうと思うのです。 そういう文化的な価値のある研究とか、文献の発掘であるとか、そういうものについては、必要な補助金というのはもちろんあるだろうと思うので、然るべき所で出すのはわかるが、ここで出てくるような、「人権行政総合調整事業」で、人権の啓発とか人権の救済のための予算として使われるというのは、これは本当におかしいし、逆に言うと一般市民・県民に対して、非常に誤解を招く。 県は、人権救済や人権啓発、そういう人権行政総合調整のために1,300万も使い、そしてこれから10年間も使うと言うが、それが出来上がって、果たして一般県民の目に触れるかどうかさえ分からないような、また一般県民がそれを見てどうするのか教えて欲しいのだが、そういう文献のために、数千万あるいは県全体で億のお金を使って、それが果たして人権の啓発や人権の救済になるのかということです。 さっきから言ったように、その文献の価値とか資料的な価値、それはあるのかもしれないが、こういう人権の啓発や人権の救済のための予算だと言って、予算化して、使う。あるいはそういうアピールをする。そういうことに対しては、改めるべきで、根本的に間違ってるというふうに思います。 |
委員 | 反論という形で議論はしたくないのですが、ただ例えば、歴史の文書を作る場合、特に古文書を作る場合は、一人の専門家に、人件費が年に900万くらいいります。10年ですとそれだけで9,000万いります。 ただ誤解に基づいて、色々発言はして欲しくないと思います。 今回のことも、50万に及ぶ文書の中で部落に関するものは一部あり、この非常に貴重な文書を発見されました。 ただ部落史そのものの誤解が一つあって、我々は別に部落の歴史を作ると言ってるわけではなく、日本の庶民の生活の中に、部落がどういう形で維持されてきたか、または現在に至ったかという歴史を明らかにして、日本史の最も底辺部分の実情を明らかにしたいというのが本来の趣旨です。 だからそういうことが、ちっとも理解されない。議論だけが先にいくので、この審議会で独立の議題を設けてもらって、きちんと説明をして、審議をして欲しいぐらいです。誤解と風聞に基づいて、どんどん議論が進行するのは納得できません。 |
委員 | 先程議長がおっしゃった「同和委員会」の当時のことですが、「同和委員会」が平成の初め、昭和の終わりぐらいから同和運動史を編纂するということで、委員会の中での事業として始めました。 それは、同和運動というのは、現実にその当時我々の運動としてやっていく中で、委員会の中で企画立案しながら、委員を中心に、各専門家の方を特別委員に入っていただいて、やり始めました。 そして各地へ行って、資料を集めに回った経験もありますが、その時に、一つには社会運動とおっしゃったように、社会運動としての我々の同和運動の現実の問題として参考になるかどうかというのが第一点です。 第二点目として、研究そのものは大事なものであって、その研究に対して、補助金というような形で支出すべき性質のものであるかどうかという点について話をした結果、それを我々のこの運動に資するものとしておくということではなかろうということで、補助金とはしなかった。 補助金とはしないけれども、出したいというような形のものがあって、おそらく補助金というのはその当時、県でも名前はでてきていなかった。「同和委員会」のお金も少しは関連していると思いますが、その時も結局同じことで、部落史であるとか、あるいは個人の研究のところへはお金を出さないというような形だった。 和歌山市の場合は、和歌山県が補助金を出したということを基にしながら、委員会も議会も通り、結果としては議会を通過した補助金ということになっているが、入り口の部分では和歌山県の補助金の支出があったということ、それこそ誤解を基にしながらというか積み上げたものであるから、やっぱり根本が違うのではないかという思いも持っています。 それで、そういう意味からすると、今回のこの部落史の問題は、確かに去年の予算のときに審議会へ出され、我々は承認しています。 だからそれは私も見ておったのですが、そういう意味から言うと、その段階も含めて、補助金であるということについては、補助金として、当時は考えていなかったということがあります。 今回、先程おっしゃったように、過年度の分について、補助金という形で再支出をしていくというのは、県民から言うと非常に分かりにくい。 つまり、一旦不正といって支出した分を返還さしたあと、その同額をということになると、補助金という形のものについて良くて、支出のやり方そのものだけが悪かったのかなという風に思いますが、そうでもない。その最初の部分として、補助金として適正であったか、あるいはその補助金というのを、誰が、どこで、どういう形で決めたものであったかということが、非常に不明朗な形の中で支出されている。 それから少なくとも、特に今回の補助金として再支出をするという分については、然るべき機関、つまりこの審議会へでもかけていただきたかったな、ということをその時から考えています。 過年度の分だということになると、これから行政にお願いしたいのは、せっかくこうして審議会というのは大事なものだと言っていただいているのだから、この補助金として適当かどうかという意味での諮問をしていただいて、その結果は行政がどっち向いてやろうと構わないのですが、少なくともこの審議会で、その補助金等で適正なものであるかどうかということを聞いていただけたら一番うれしいかなというふうに思います。 そうなると、こちらもその責任を負うわけですから、現実に県民にも我々は説明責任は半分負う事になりますが、そのような形で我々の審議会を大切にしていただくということと、現実はそうでないふうに動いているように思えて残念なので、重ねてこの審議会は先程おっしゃったように、その他の審議会と違って非常に尊重もしていただき、大事にしていただいて発足してきたし、この基本方針も作り上げて終わりの問題ではなく、作ったものをこれからスタートしていくことになる訳ですから、お互いに一生懸命やっていきましょうって言ったあの当時の熱意がどこにいったのかと非常に残念に思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 |
委員 | 人権局を批判する事になりますが、本日の審議会の議題の通告が全くなく、何が議題かわからないから、あらかじめ考える事ができず、そう大した審議ができません。きちんと文書を事前に配っておくのが、常識だと思います。 そういう意味で、今後は議題の通告と、それに対する最低限の資料を添えて、ご案内いただけると、もうちょっと審議がはかどるし、内容が深まるんじゃないかということです。 |
委員 | 非常に申し訳ないと思います。私も委員が言われたことと同じように考えております。 ただ今回、私ども小委員会の方で、あまりにも審議会というものを無視したような格好になっておるということで、早急に開くよう申し入れてあった中で、おそらく早急に作られたのではなかろうかと推察しますが、先程の平成17年度の基本方針関係事業の資料が届くのも、非常に遅かったということです。 そういうことで、先生方に事前にご検討願う機会がなかったことを非常に申し訳なく思いますし、本日の議題についてまとまったものがないじゃないかとおっしゃられる点、まさにそのとおりでございます。 それは私の責任で、今後注意したいと思いますが、これも後にご審議願おうと思っておりますが、小委員会の在り方、それから審議会というものを年に開くべき回数、これらもご審議賜りたいと思っております。 途中でそんなことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、私の考えでは、少なくとも年に4回はこの審議会を、ある程度定期的に開催するようにして欲しい。 それから小委員会は、あくまでも審議会を開催するについての議題を、どの範囲で提供するかということ、それから、審議会に対するご意見の聴取について、審議会を開催する暇もないというふうなことがあれば、代替的にご相談願う。主として審議会開催のための資料を検討する、議題を整理する、そういう範囲に、小委員会は限定したいと思っております。 そういう意味で、できればこの審議会は4回くらいは、少なくとも開催願いたい。そして、先生方のご意見を、直接お述べいただくようにしたいというふうに考えておりますが、ご意見あればお願いします。 |
事務局 | 本当に申し訳ないという気持でいっぱいでございます。 確かに、私も他の様々な審議会に関わってきましたけれども、やはりこれはとても失礼と感じております。本当に申し訳ないと思っております。 それから、審議会ですが、やっぱり年間計画をたてまして、例えば3月の審議会ではこれをしましょう、あるいは8月の審議会ではこれをしましょう、というふうな年間計画をまず私どもが立てまして、審議会というものをやっていかないと、行き当たりばったりの審議会というのはいかがなものかと思っておりますので深く反省をいたしまして、年間計画を立てながら、審議会というものを開催していくことをお約束したいと思っております。 それからもう1点、紀州藩牢番頭家文書の件ですが、確かに和歌山市との関係も色々あり、再度申し上げますが、本当に出し方が悪かったというふうに考えております。 県の立場としては、迷惑をかけたのではないかと思ったりもしております。 そういう意味合いで色々重ねて言いますが、過年度支出につきましても、色々な議論をした中で、こういう形でしていくということです。 それから、もう一つ大事な事は、牢番頭家文書につきましては、県民の皆さんにたくさん読んでいただき、紀州藩を中心とする牢番頭家が、どんな役割を果たしていったのかということを知る事によって、今までの部落史、部落の人たちの悲惨な面が強調されがちであった、そういう部落問題というものを当時は色々な裁量権も持ちながら、生き生きと生活をしておったのだという、いわゆる関係地区の子どもたちにも夢が持てるような啓発の冊子として活用していくということは考えております。 |
委員 | 書籍の事について、今おっしゃいましたが、実際ご覧になってる先生方がどれだけいらっしゃる分かりませんし、県の職員でもきっちり見ている人がいるのかどうか知りませんけれども、あの本文を、今言われたような形で、そのまま啓発資料に使うことはとてもできないと思います。 例えば、徳川幕府時代を調べようという風に興味もった場合に、お触書を現代の活字に組みなおした本を見ないと、古文書を見てわかる訳がないので、そういう基礎的な資料として、ああいう本の必要性というものは否定が全くできないと思います。 これは、そのもの自体を県民が読むとか、国民が読むという話じゃなく、その古文書を人権の問題、文化の問題、政治の問題、そういう色々な部門において将来にわたって利用できるような形にしておくというところに意味があるのだと思います。 だから今、過去の時点で、同和関係の補助金として出せたのか出せなかったのか、出し方か適切だったのか不適切だったのかということを言っているわけですが、現在できあがった本があるわけで、それに対してその補助が妥当かどうかという判断をすべきです。 それは同和問題だけを見ると、非常に狭い判断になってしまうのではないかと思います。また特に差別意識の解消に、この書物がどういうふうに、具体的に中身自体が役立つのかというふうなことだけで見るべきではないとも思います。 さっき言われたような、生き生きとしたというようなことだけうたっても、理解できる人は一人もいないと思いますので、そこは誤解のないようにしていただいて、今あの書物を一人でも有能な学者が利用して、和歌山の文化・政治・生活、またその被差別部落の住人、そういったことの研究の資料として使う、そのために意味のあるものかどうかという点で見ないと、何でもかんでも今の時点で、あれを同和問題に収斂させて判断しようとすると私は間違いだと思います。 |
事務局 | 言葉が足らなかったようです。確かに難解でありますが、古文書自身を読むというのではなく、それを基にして、資料にしながら、わかり易く、皆に伝えていくことが必要だというような意味合いで申し上げたんです。 |
委員 | 色々お考えがあると思いますけれども、この審議会につきまして、どういう風に捉えておられるのか。 重要な問題についてお諮りいただくということだが、重要なということは、どういうふうなことを言われるのか。先程からの新聞紙上を湧かしたような問題は、重要な問題の中に入らないのだというふうにお考えなのか。あるいはまた、こういうふうな年間750万円の利用方法をどうするかということについて、これは重要な問題ではないというふうにお考えなのか。 その重要な問題とは、我々に分かりづらく、重要な問題とは、どういうふうに捉えておられるのかということをお聞きしたい。 |
委員 | 今また誤解があるようですが、古文書というのは、三巻あります。 一巻は非常にある意味では専門的です。二巻・三巻が庶民の生活について一番書かれているので、非常におもしろいはずです。 和歌山人権研究所での、二巻三巻の出版が、ちょっと遅れているので申し訳ないと思いますが、それが出版された後で、専門家、学者を動員して、どういうふうな解説や、読みどころと言いますかを作っていく。 あの本は、読んで確かにおもしろいものではないのです。それはもうはっきりしてます。誰でも読める本じゃないです。 |
委員 | だから先程おっしゃったように、文化的な価値もあるし必要なものだけれども、果たしてこの人権局において予算をもってやるべき仕事かどうかということについて疑問があるということ。おそらくほとんどの方が、そういうふうに考えておられる訳なんですが、先程お尋ねしたところについて、お答え願いたい。 |
事務局 | 確かにおっしゃられるとおり、新聞等で報道されたことにつきまして、非常に重要な、それ以前につきましても重要な問題と考えております。そういう意味合いから、今日冒頭に牢番頭家の文書のことにつきましても、皆さんに多分ご心配をおかけしているであろうと思いまして、報告となって申し訳なかったのですが、冒頭にご説明を申し上げたようなことであります。 私どもは、例えばこの予算につきましても、いちいちご説明もしながら、ご報告もしていかなければならないと思っております。 それから、どれが重要か、どれが重要ではないかという判断は、私自身の中では答えられないですが、それも小委員会に諮りながら、議題を考えていって、先程申し上げましたように計画的に審議会をもちながら、小委員会にも諮りながら、審議会にあげていきたいというふうなことで、ご相談申し上げたらいいのではないかと思っております。 |
委員 | おっしゃられるように、私どもも全ての点について、よく分かって委員になってる訳でもなんでもありません。全く素人と言ってもいいくらいのものです。小委員会といえどもおそらくそうだと思います。 例えば、先程この点については、予算にあげており、ご承認願ったということをおっしゃられるかも知れませんが、これは滅法もない話で、私どもは素人ですから、問題がどこにあるかということのご指摘があって、初めて検討する訳なんです。 だから、ここのところはこういうふうなことで問題なんですよ、あるいはまた予算全体の中で占める地位はこれは非常に大きいんですよと、そういうふうなことの問題をご指摘願いましたうえで、審議会の方にお諮りして、皆さんのご了承を得なければということになると思います。 だからそういうふうなご説明をいただくということ。説明なしに、私どもに言われて、形式的に流して了承を得た、というふうなことを言われたら非常に困ります。 我々は、あくまでも各事務局が十分検討して、後日問題ないということを検討された結果を踏まえて言う訳です。 審議会の方でお諮りするにつきまして、やはりこの点は問題なので、この点について十分検討願いたい、というふうなことを、例えば小委員会の方ででもおっしゃっていただいたら、小委員会の方で、次回にご審議願う事はこういうふうなことが中心です、というふうなことを各先生方にあらかじめご通知するというふうなこともできようかと思います。 何が重要なのかという事についての把握と、説明義務を尽くしたかどうかということに尽きると思います。 |
事務局 | 分かりました。少なくとも新しく始める事業につきましては、ご説明をしないといけないと思っておりますし、人権の問題につきまして、県民の皆様の理解が得られるような施策を打っていかなければならないことは十分考えておりますので、そういうことについても、ご相談を申し上げていくということをしていきたいなとに思っております。 今、具体的にどれが重要で、どれが重要ではないかということは判断できかねますが、少なくとも新しく事業を起こす場合でありますとか、あるいは私どもの議論の中で、これは県民の皆様に理解してもらえるだろうかというふうなことにつきましても議題にあげていきたいと考えております。 |
委員 | 今のお言葉の中で、この審議会は、県が決定されたことを一般に周知させるための機関では決してないです。 施策を決定するについての諮問を受ける機関だと、私らは思っております。 今、おっしゃってるのはちょっと誤解があると思います。そういう考えでおられると、先程から言われたように、この審議会を開く必要がないという結論になってくると思います。だからそうではなく重要な問題だと思われることについて、我々に知らせてもらうこと、また施策を決定する前に教えていただくことです。また我々が意見を申し上げるというのが、人権施策推進審議会です。 我々は、報道機関ではありません。決定されたことを、一般に広めるのが我々の役割ではありません。その点についてかつての「同和委員会」と同じように考えられては困ります。 |
事務局 | はい、分かりました。 実は、今日の午前中にこの話をしまして、審議会というものにつきまして、ただ単に私たちが、開催しているというふうなアリバイ作りになっては絶対だめだという話をしておりましたところです。 まさしく会長がおっしゃるとおり、ただ単に開催したということで、体裁を繕うような審議会であってはならないということを、午前中の会議でも徹底して申し上げたところでございますので、私の説明が悪いのか分かりませんけれども、形だけの審議会にしていこうなんていう気は毛頭ありませんし、そういうことはご理解願いたいと思います。 |
委員 | 審議会の在り方で、議長さんから先程年に何回云々とかいうふうにおっしゃいましたが、冒頭の挨拶の中で、6月に一旦やるということを止めたというのは、議題がなかったというふうなことを記憶しておるのですが、昨年いかがでしょうか。たくさんの人権にからむ議題がありました。 一つは、障害者自立支援法。ご存知のように、身体・知的・精神の三障害が一本ということです。これは、ご存知のように、国がお金がないからということで、この趣旨は、障害者が地域で働く場を設け、所得保障をするということですが、いずれにしてもものすごく障害者が住みにくくなる。 ご存知のように、8月に衆議院解散になりまして、内閣がああいう形になって、10月31日に自立支援法が可決成立しました。これは国民の意見、関係機関の意見を聞かずに可決成立されました。これも一つの人権侵害です。 そういうことで、この審議会が、障害者が、いかに地域で住むかということも、関係課当局と議論することはいくらでもあります。 それからさらに申しますと、去年新聞報道にもございましたが、子どもがたくさん誘拐され、殺人等々、本当に我々にとっては悲しい出来事がありました。 これも、この審議会の中で、専門家がいらっしゃいますから、問題を共有しながら、和歌山県の子どもたちをどういうふうに守っていくのかということの意見を聞くことをやれば、もっともっと機能を充実し、こまわりがきくようなことも当局としても考えていただきたいというふうに思いますので、どうぞアンテナを充分張り巡らしてやっていただくということをお願いします。 実は、去年の2月から審議会が開催されなかったので、私はもう首になったのかなというふうなことを思ってまして、突如今回あって、びっくりしました。 余程、開催日のご案内をいただいてから、資料はいつごろ送ってくれますか、というようなことを事務局あたりに連絡しようと思ったのですが、忙しいから止めとこうかなということで、結局送っていただいた資料は半分しか見ていません。 しかしその中で、一つだけ、県の当局を褒めるわけではないのですが、「障害者就業支援事業」。これは先程申しました身体・知的障害者の方を地域に出て、働く所を見つけるようにしていく事業です。これを開拓することによって、ものすごく障害者の障害者別の特徴とか、それから人権など、色々説明できる訳です。それで、どんどんと県民に色々な人権意識をもってもらえます。 担当は雇用推進課ですが、この「障害者就業支援事業」は、全国的に見ても和歌山、静岡、奈良の全国で3つしかないです。そういうふうな先鋭的な、担当局、課もあるので、その辺のつながりを大切にしながら、この審議会の在り方、小委員会の在り方を考えていったら、議長のおっしゃった年に3回、4回は必然的に開催せざるを得ない状況になると思いますので、ひとつご検討の程よろしくお願いします。 |
事務局 | 実は、人権局の在り方というものにつきましても、随分と考えておりまして、少なくともこういうふうな人権に関わるものにつきましては、人権局に相談があるとか、あるいは人権局が全部把握できるような形にもっていきたいなというのが理想と考えております。 今まで、審議会には、私どもの職員しか入っておりませんけれども、これからは、例えば今おっしゃったように障害福祉課でありますとか、雇用推進課でありますとか、そういう担当課の出席も要請しながら、やっていけたらいいなということも、実は話し合っておるところでございますので、そういうことを実現していきたいと考えております。 |
委員 | 今のお話しと少し関連しますが、資料を送っていただきまして、本当にサーッとしか読ませていただけなかったのですが、その中で、担当課室名というところに、「人権政策課」というのが最初にズラーっとありまして、「青少年課」やその他色々な課の名前があがってくる訳ですけれども、少なくともタイトルが「和歌山県人権施策基本方針関係事業」という、推進状況調査表ということである訳で、これはそれぞれ推進される実行部隊は、それぞれあげられてる課であっても、進捗状況とかその大きな方針みたいなものというのは、この人権局が把握されてるのでしょうか。 それをなぜ思ったかというのは、これは人権に関わることだからとりあえず全部、この表にあげとけという形でこのようにあげられたのではまさかないだろうなとは思うのですが、非常にたくさんの、これだけの予算が、私どもが時間をかけて作らしていただいた基本方針に基づいて、一年間で推進されるっていうのは、金額合計だけでもものすごいです。 もう一つ言わせていただくと、それぞれの課の中で、この基本方針が、どのような形で伝達されて、確認をされたうえで、実際の実務が運営されてるのかというあたりを、人権局との連携ということに少しからまるかなと思いましたので、ご質問させていただきたいと思います。 |
事務局 | これにつきましては、何もかも人権で挙げていくというのではなく、基本方針に基づいて、担当課が各課とヒアリングをしながら、ここへ挙げていきました。 当然その目的とか、色々な施策の到達点の目標とか、そういうものを聞き取りしながら挙げていったというふうなことでございますので、その説明でよろしいでしょうか。 |
委員 | 予算を作られる時点でというと、前年度の時点だっていうことですか。 これをまとめられる時点で、ヒアリングをされたということですか。 |
事務局 | そうです。 |
委員 | 例えば、これを推進される時点において、どのように人権局がからんでらっしゃるかどうかということは、いかがなのでしょうか。 |
委員 | 委員がお尋ねのことですが、私どもも、しょっちゅう思います。というのは、この人権局というものを大きくしてくれ、3課にしてくれということでも、陳情にあがったことがあります。 その時には、同和問題というのは色々な人権問題の中の一つにすぎないから、過去の「同和室」というものをひきずったままの事務局であってはならない。色々な人権というものを捉えて、あらゆる人権というものについて関わっていくのが人権局だというふうなこと、そのためにはかなりの人員がいるはずだ、というふうな点で3課にして欲しいと陳情した記憶があります。 だから、そういう点からすれば、今ここで2百何十挙げられてますが、これについての人権局、あるいは人権の2つの課がどういうふうに関わりあっていってるのかということを、おそらく委員はお尋ねになりたいということだと思います。 |
事務局 | まず、貼りつけをやりまして、そのときにヒアリングをします。 各課に「人権同和施策推進委員」というのを置いてございます。副課長が担当しておりますが、主管課の副課長が幹事になってます幹事会で、昨年の7月26日に中間的な進捗状況を、各部から発表していただいております。それについて、色々な議論を十分しているというふうな状況でございます。 |
委員 | 福祉の面ではあると思いますけれども、それらの個々の福祉の施策の中で、人権問題に関わるその施策自身はいいとしても、この点のこういうふうな点で、人権の問題と関わってくるのじゃないか、そういうふうなことを7月26日に調査されたということですが、そのときに何かそういうふうなことを感じるところはひとつもなかったですか。 突然の質問で恐縮ですが、私どもが今期待しておるのは、色々な人権に関係するような施策があると思いますが、人権局として関与していく面というのが、やはり、各担当課とは別のものがあるのじゃないかと思うのです。それらについて、担当課があるから人権局の方では別に特にくちばしいれなくてもというふうなことじゃ困るので、私や、あるいはまた委員が気になるところは、そういうことだと思います。 人権局というものがあって、人権局は、各担当課の仕事について、どういうふうな意味で、どういうふうな関係で、関わり合っていってるのかということをお聞かせ願います。 |
事務局 | 例えば、各課で弁護士相談であるとか、色々な分野での相談業務があり、各部でそういうことをやっていますということを発表してくれます。 例えばそのやり方として、相談をやっているだけで、そこの課は十分県民の方々の相談を受けてると、納得している訳です。 しかし、その相談のやり方が、本当に人権を考えた相談のやり方をやっているのか。といいますと、例えば一つの例ですけれども、本庁の中で人権相談業務をやっていますが、その時に、廊下へ椅子を置いて、相談に来た人を、そこへ座らしてる訳です。これはまさしく、相談業務をやってるところは十分やってると思いながら、わたしどもの目から見たら、人権に配慮されてない訳なんです。 だからそういうところについては、私どもの方から、それはちょっと違うのじゃないですか。あなたとこはやってるけど、それは自己満足で、本当の人権を考えた相談業務じゃないですよ、というふうな形のとらえ方をして、意見も言っていこうと、こういうスタンスで一応臨んでおります。 |
委員 | 最初に、委員が言われた3つの点が中心になってずっと今まできたみたいな格好ですけれども、「現況調査」いわゆる「実態調査」、これについての経過説明をお願いします。 |
事務局 | 「和歌山県人権課題現況調査事業」、これは人権の課題の調査をするということで、今年度の、先程先生からご指摘をいただきました、6月に小委員会をキャンセルをした時点では、これについてご協議をお願いしたいなと、実は思ってございました。 その前に、小委員会の方で一応ご検討いただきました。その結果を受けまして、私どもが対応ができなかったという点がございまして、その後何回か小委員会からご意見等いただきながら進めてきたという経緯がございます。 ただ、簡単に説明させていただきますと、調査の根拠と致しまして、「和歌山県人権尊重の社会づくり条例第2条第4項」、あるいは「人権施策基本方針第4章の2」を根拠としまして、人権の調査をやりたいということで、今回出さしていただいてございます。 調査の種類は、これは「生活現況調査」と「地域概況調査」の2つ。「地域概況調査」は、地域概況調査1と2に分かれる訳ですけれども、具体的にどういう形で調査を進めるかという点について、ご説明をさせていただきたいと思います。「生活現況意識調査項目」という部分、これはアンケートで家庭へ留置きで調査をするという部分でございます。「地域概況調査1」、これは既存のデータから拾い出していこうというものでございます。 そして、「地域概況調査2」としまして、市町村・あるいは県の方で持っているデータを拾い出していこうというものでございます。 この3つを合わせまして、1つの「人権課題現況調査」を実施していきたいと思ってございます。 そして、調査の内容につきましては、就労に関する課題、あるいは福祉サービス、健康に関する課題、子育て・家庭環境に関する課題、それと人権侵害に関する課題、それから地域交流ということで、課題を明らかにするための調査項目ですが、以上の内容で質問票をこしらえています。この内容につきましては、先程言いました家庭で聞くアンケート調査ということになります。 それで今回はもっと基本的なことをお話させていただきたいと思いますが、調査の対象というところで、生活現況調査の中に、「調査対象は県内に居住する者とする」としています。 その次の「調査区の設定」ですけれども、調査区には、平成12年度の国勢調査の調査区を用います。そして、調査区は、A調査区、B調査区、C調査区と3つに分けてやります。「旧対象地域」。これは、昭和40年の「同和対策審議会答申」を受けまして、昭和44年に「同和対策事業特別措置法」ができまして、昭和50年ぐらいに、その事業をするために、同和対策事業の対象地域の調査を実施してございます。それがいわゆる特措法のある間は、同和地区といわれたところでございますが、事業をするためにその対象地域というものを設定いたしました。 そしてその中で、特別対策というものを、実際にやってきた経緯がございます。その対象地域の中に、95パーセント以上国勢調査の調査区が重なっている部分を、旧対象地域と一応仮定してございます。 そしてその次の「周辺地域」。これはさらに3つに分けてございます。対象地域と国勢調査の調査区っていうのは、エリアが一緒というものではないので、一部だけエリアが重なった調査区であるとか、あるいは当時は対象地域が田んぼであったが、現在住宅化してしまってる調査区、あるいは対象地域の周りの調査区。こういった3つの地域を、周辺地域というふうにしまして、そこにおける国勢調査の調査区というものをとっていきます。 3番目に、「その他の地域」につきましては、全くこの対象地域でも、周辺でもない所からとっていきます。 そういったもの、大体3分の1ずつくらいをとっていくということで、一万世帯を目標としまして調査を行っていくというやり方でございます。 そして今回このやり方につきましては、一応こういったやり方をしますということを、ホームページあるいは「県民の友」等通じて、実施方法等の説明はしていきます。 ただし、調査区へ行って、個人の家へ行かれた時に、やり方を説明していく関係で、「私の所は、どの調査区に該当するのか」と言われましたら、どの部分の人であれ、今回の調査につきましては、一連の人権の調査ということで、「どの調査区かというのは、お答えできません」という形で臨みたいと考えてございます。 大雑把な説明で大変分かりにくかったと思いますけれども、よろしくお願いいたします。 |
委員 | この実態調査の、事務局のご説明につきまして、何かご意見なりご質問なりございましたらお願いしたいと思います。 |
委員 | つまり旧対象地区と、周辺地区と、それ以外と、三層を選び出して、その比較対照の中から一定の人権課題を見つけようというやり方だと、理解していいのですか。 |
事務局 | これにつきましては、私どもは様々な人権の調査というふうに、先ず、考えてございます。 ただ、同和問題を含むということになれば、地域というものをある程度特定しなければ、同和問題の調査はできないと考えてございます。そういった意味で、三層の分け方をしてございます。 |
委員 | 結局、人権課題を明らかにするというのが最終目的ですね。 そうしますと、生活の実態は当然含まれると思いますが、それは人権課題を明らかにするための前提として、生活の実態は当然必要なわけだが、私の個人的な関心は、旧対象地域とそうでない地域との関係が、結局一番問題になると思います。 その中でも、特に旧対象地域の周辺の部分と、それから離れた一般的な地域と三層に分けるという分け方は賛成なんです。多分、それでかなり課題が明らかになるだろうと思いますが、おそらくサンプルの取り方で大分違ってくると思います。非常に合理的なサンプルの取り方をしないと、必ずしもいいなということは分かりません。かなり研究等がいるのではないかという気はいたします。 基本的には、この調査に賛成です。 非常に色々な人権課題が、多分我々の期待以上に明らかになるのではないかという気はいたします。 |
委員 | 6月30日の小委員会で、どういうふうなことでつまづいたかと申し上げる関係がありますので、その点について委員から補足していただきたいと思いますけれども、小委員会としての結論は、そのまま原案には賛成し兼ねるということでありました。 一つには、同和問題の解決のために、同和問題を突出した形で進めていくことです。 例えば、今度の場合でも、なぜ同和問題を先ずやるのかという点に一つの問題があると同時に、同和問題を捉えたところで、この具体的な場合、先程もちょっとお話がありましたけれども、調査する調査員が調査しに行った場合に、どういった反応が起こるだろうかということです。 やはり地区の人たちからすれば、いつまで地区指定ということにこだわるのか、いつまでレッテルを顔に張り付けておくのかというふうな反応が出るのではないかという点。言い換えれば、調査すること自身が人権侵害だというふうな一つの声が起こってくる可能性があるのではないかということです。 それから調査方法としまして、調査員です。調査員の選出というものを市町村からの推薦ということですけれども、我々からすれば、過去の「同和委員会」が行った実態調査、あるいは意識調査の経験からすれば、市町村から推薦されてくる調査員、非常に問題だと思います。 調査員のあり方ひとつによって、調査の結果というものが左右されるおそれがあることが明白です。 そしてもう一つは、調査員の選出方法がどうかということと関連するわけですけどれも、留置方法である点です。 なぜ留置きにするのか。アンケートして、答えてくれようが、答えてくれまいが、そのままでいいではないですか。わざわざ留め置いて、説明をしに行くと、そして回答を求めるということをした場合に、果たして素直な回答が得られるかどうかということが非常に問題だということです。 それから色々と、現在のこの審議会、あるいは県政全体と言えないかと思いますけれども、非常にある一定の民間運動団体との結びつきが濃すぎて、具体的な例まで挙げられた先生がいますが、そういうふうなことから、この実態調査が果たして実態調査となりうるかどうかということです。 それから、実態の把握は、必ずしもアンケートをしなければいけないものでしょうか。 県あるいは市町村が、色々な方向で、今まで実態の調査をされているはずだし、アンケートというものは、ごく一部に過ぎない。政策決定上の一部の資料にすぎないはずだというふうな点から考えまして、今、県が施行されようとする同和問題を的にしぼったとも言い得る様なこの調査は、非常に問題のあるやり方だという点。これが各委員の共通した考え方でございます。 そういう風な意味において、やることについては消極的です。 そのうちに、知らない間に、もう事務局の方では、大学に委託してあるいうふうなことを知りまして、そんなアホなということなのです。 我々が、政策決定ということを考えて、委員会としてどうこうできない、ある委員では、もっとその具体的な質問事項がなければ判断できないということを言われてましたけれども、大体のところは、やはり今のような基本的な問題から、今直ちに賛同することはできないということで、6月に、行政と我々とは、考え方を異にしたという結末です。 |
委員 | ただ、県と小委員会で何度も討議してるなら、今日の提案でも、県の提案と同時に、小委員会でどういう討議があって、どうなったかを同時に提案していただきますと、もうちょっと我々も事情が分かって討議できる訳です。 県が提案して、そのまま一種の反論という形で、わざわざ委員長が出て説明されるというのは、ちょっと進行が不自然です。 できたら、もう一度小委員会で打ち合わせをして、まとまったものとして出すような形にしてもらわないと、委員としては非常に審議しづらいです。 |
委員 | 我々とすれば、色々な諸般な事情から、今直ちにこの案に対して、審議会として、賛成してのっていくという事は非常に危険だと思っています。 色々な他府県の例もあります。 審議会にあまり相談もしてくれてないし、審議会の意向は言ってあるけれどもあまり汲んでくれないというところからすれば、決まってることに反対とか賛成まで言っていいものかどうかということを懸念しているわけです。 委員の方で、補足お願いできましたらお願いします。 |
委員 | 委員長は、集約して結論をおっしゃいまして、それに至るまでには、小委員会でも、ある意味で喧々諤々の議論を延々とやって、その結果、県の見解は先程おっしゃられました。 小委員会の見解は、先程委員長が集約しておっしゃられたというところで、まとまらないままにきておりまして、それは県の方からまとめて言うよりも、委員長の方から直接発言された方がいいというふうなことでああいう形になったのだと思います。 だから、特に委員長のおっしゃったことについて補足ということはないのですが、委員の先生方の方で、かなりの時間をかけて出た結論について、三点四点にしぼって議長がおっしゃられましたので、ご質問と言う形でいただいたらどうかなと思います。 |
委員 | どうでしょうか。これは小委員会の中では、かなりきつく、無理だ、問題があるということで、勇気をもって撤退をというふうなご意見を述べられた方すらございました。それが実情でございます。 私も前回知ってびっくりしたのですが、大阪市立大学とも既にかなり微細にわたって検討されてるということらしいです。そういうふうなところまで進んでいるとすれば、反対というのもどうかと思いますし、さればと言って、これは問題が生じる事が、本当に目に見えてると言うと悪いですけれども、現に市町村段階におきましても、かなりの反対があって、県の動向に賛成してくれないというところがあると聞いております。 明白な意見表明として、そこまでいってるかどうか別として、そういうことを心に持ってる自治体がかなりあるということを聞いておりますし、そういうことを踏まえた場合に、我々の委員会と、審議会としまして、県のやられることについて見守っていくという程度のところでするか、それとも言葉足らずで質問があればお答えしますけれども、非常に問題があるので、問題のある中で、反対とまで言わなくても、賛成はしかねるという意味で保留のままにして、県のなされるところを見守っていくというふうな態度にするか、3つあると思うのですがどうでしょうか。 |
委員 | 私たちが基本方針作りをした時に、随分同和問題については神経を使いながら審議をした経過があると思います。 それは、「同和委員会」が解散して、人権啓発センターに変わっていったというような経過も当然配慮された上での発言がいっぱいあったのではないかと思っています。 この中に、「同和委員会」の委員でおられた先生方は随分少ないので、十分な事情も分からない先生も随分おられたので、その辺の調整の意味合いもあって、かなり議論をしたように思います。 その中で記憶に残っているのは、「同和問題をはじめとして様々な差別がある」、「人権問題がある」と表現したときに、各先生方から一応に反応があったと記憶してございます。「同和問題をはじめとする」という表現は、いかがなものかということです。 和歌山県は、ずっとそういう表現をしてきたけれども、この方針作りでは、それを使わないでおこうというふうになったと思います。そういう中で、同和問題について、運動団体からの色々な意見書もあり、それもここで討議をされました。そのときも、会長名で文書を出されたと思うのですが、かなり神経を使った文書になっていたように思います。 調査そのものを否定するつもりはありませんが、必要だけれども、それについては十分な合意や、協議を重ねて、というふうな一文も付いていたように記憶しています。 今、その社会的な状況をずっと見ていって、もちろん同和問題についての差別はずっとあるわけですが、現況調査をしなければ施策ができないというような事情にあるのか、というのが、率直な私たちの感想でありました。「同和問題をはじめとする」という表現を止めておこうというふうになった私たちの気持ちの中で、なぜあえて一番最初に同和問題の現況調査が入るのかなという率直な疑問と、それから今色々と児童虐待の問題など、先程先生方がおっしゃたように、様々な社会的な人権問題がある中で、その辺の説得力が非常に乏しいという印象を受けました。 それでしたら、第2番目はどの人権の現況調査になるのでしょうか。その予算はとっていけるのでしょうかと、そういう一連の流れの中で、先程10年間かけてやるというような資料作りをするというようなこともある中で、そういった大切な調査の問題について、次はどんな形でやるのかという計画性はあるのでしょうか、というふうに一番最初に、確か委員の中からお尋ねがあったのですが、その時には「いや、もうそういうことは考えていません」というハッキリとしたお答えでありました。「同和問題だけです」というような感じだったわけです。 後で色々問題が出たら、その質問項目の中には、原課と色々考え方をすり合わせていって、子どもも女性も高齢者も出てくるよというふうな、なんとなく聞いていて、それこそ後から何か理由をつけていくような、その質問項目に変わっていくのかなという印象なんかもありまして、とにかく私たち委員が聞いて、「あぁそうか、そんな大切なことは、やっぱりやらないといけないな」と、みんなが思えるような説明でも状況でもありませんでした。 そういう印象で、何回か小委員会を重ねたと私は記憶しております。最後まで、やっぱり「うん、納得しました」というところに至る事が、私の気持ちはできませんでした。他の先生も同じような印象を、私は受け取りました。 |
委員 | 私もメンバーなんですが、実はやっぱり人権イコール同和問題というところから抜けきれてないという印象でした。 人権の調査をしますと言いつつ、実は同和問題です。中に色々入っていると言っても、やっぱり同和問題なのです。 先程からずっと話に出ているように、人権局の在り方の問題とも全て繋がっていて、色々なところで担当の課があるのに、同和問題だけは担当の課がなくて、大元がこう握っている。そうすれば、大元が関わる調査ということになれば、当然それが出てくるのだろうなという構造的な問題が含まれているのかなというふうに思いました。 それで、どちらかというと、小委員会のメンバーとは、平行線の状態のままです。 |
委員 | 時間の関係でもう出ないといけないので、一言だけ申し上げます。 私は、小委員会のメンバーではないので、普通の平の委員として申し上げますが、やっぱり私自身は、この調査をする事が、ひとつの人権侵害になる危険性をはらんでいるということです。 それは、県が主体として、人権侵害を行うということになる危険性があるということがひとつあります。 それからもう一つは、やはり先程部落史編纂の点で申し上げたとおり、人権の啓発とか、人権の救済のためと言いながら、実は中身は、部落問題つまり同和問題のためのお金に使われているという人権行政の在り方に問題があるだろうという点です。 だから、その2つの意味において、やっぱり審議会の中でも、反対なら反対と意見を申し上げて、それでも県がやると言うのであればどうぞ、ということになるのだろうと私は思っております。 |
委員 | 今すぐ結論を出すというよりも、ここでやはり一つの提案にならないと、はっきりとこれはこういう形でやりますとか、こういう形でやるべきではないという形でもいいから、提案自体を一本にしてもらって審議をしないと、やっぱりやりにくいです。 早急に、もう一度行政の方と小委員会とで意見を統一されることを望みます。決裂したら決裂したでよろしいかと思いますから、それはこうこうこうで、この意見は違ってまとまらなかったという報告でもいいから、冒頭に提案していただきたいと思います。 |
委員 | 失礼しました。今、委員がおっしゃられたところは、小委員会としての意見をまとめて出したらどうかということでございますが、一方行政が、もう前向いて、現実に進んでいるさなかにおきまして、反対ということは言いにくいという点もありましたので、ご指摘のように、ご審議いただきにくいような状態で提案したというようなことで、次回までの間にでも、小委員会として、小委員会としての結論を提示申し上げるようにしたいと思います。 ただ、小委員会として、何か非常に出しにくいので、委員長見解ぐらいで私が全部責任を負って出しても構いません。 |
委員 |
責任からいうと、どういう結論が出ようと、あとは行政の責任でやるか、止めるか決める訳で、そういう意味では、逆に我々はもうちょっと賛否フリーに討議して、その結果を行政が参照して、これは止めるとか、これはこれでやるとかを、決めていただいたらいいと思います。 それは我々審議会が、やるやらんの責任をとるべきじゃないと思います。 |
委員 | 分かりました。そうしましたら、さっきから3つあった、「はっきり反対なら反対と言う」。それからもう一つは、「もうしようがないから、賛成というふうに言う」。「反対だけれども、反対と言ったら、行政当局は困るから、特に反対とも賛成ともはっきりした意思表示はしない」というふうな、この3つあろうかと思いますけれども、先生方、小委員会の人たちは、こういうふうに言うべきだというふうなご意見がおありでしたら、お教え願えるとありがたいと思います。 |
委員 | 私個人の意見としましては、大体、先生方の意見と同じく、この内容では、もし私が最初に見させていただいたものであれば、かなり反対意見を申し上げただろうなというふうに思います。 一つは、同和問題が、まさしく中心となった調査であるという事が明白であるということで、私たちが、行政と共に作り上げてきた基本方針は、現代社会において、和歌山において、その人権問題というのは、むしろ同和問題だけではなく、色々なカテゴリーの中で、人権侵害は行われつつあり、だから気をつけなければいけないんだということを明言したのだと思っておりました。 ところが、これになると、それがまったく逆転するということになってしまうという事が、やっぱり一番大きな理由ですし、先生もおっしゃったように、これによって人権侵害が起きる可能性のあるものを、あえて進められるということが、非常に問題があるということと、3つ目は最後に、プロセスの中で、審議会に、もう少し丁寧に、ご相談をされながら、なぜできなかったということにおいて、反対であるということです。 |
委員 | 最初からずっと聞いていまして、終わり近くなって、この問題が色々分かってきた。こういうことで、審議会が遅れてたのかというふうに思っておるところですが、それと、今この調査を進めるか、進めないかということにつきましては、先程から色々とお話しが出てますように、非常に難しい問題だと思います。 それで、調査をするということについては、軽々に判断できないところはありますが、ひとつ気になるのは、やはり調査をされることを好まない、望まないところがやっぱり調査される方にあるのではなかろうかということです。 だから、特にそういうような事情がある中で、なおかつ調査をするのは、みんながみんなということではないにしても、どれだけかはよく分かりませんが、そういうふうな望まない部分があるのではなかろうかというふうにも思いますので、今現在私の意見をと言いましたら、消極というふうに言わざるを得ないと思います。 |
委員 | 特に他に、付け加えておっしゃっていただくようなことは、ございませんでしょうか。 なければ、小委員会の方で、本日の各先生方のご意見を踏まえたうえで、小委員会としての結論を出し、それを、審議会前に、各先生のお手元に届くようにさしていただきたいと思います。 そしてこの実態調査の点につきましては、この程度で終わらしていただきます。あとの問題ですが、何かございましたか。 |
事務局 | 差別事件と人権侵害事件の発生状況がございまして、参考に報告だけさしていただきたいと思います。 平成17年度、現在のところ10件起こってございます。 平成16年度で、15件。内訳は、障害者問題が1件、同和問題が12件、外国人問題が1件、その他1件となってございます。 平成15年度は、18件。これは同和問題が17件、障害者問題が1件。 時間もございませんので、平成17年度につきましては、報告がきているというふうに捉えていただきたいと思います。発生をしている件数ではなく、報告が来た件数でございます。 そのうちの特に、「賎称語を使った連続差別はがき」というのは、今年は6回来ていまして、去年も送られてきています。 それから、県内のある企業の中で、営業を上げるための研修の中での差別事件でございます。 内容はと言いますと、賎称語を使って、営業の成績のランク付けを行ってるわけでございます。そしてここで働いている人のランクを「ABCDEEG」としてありまして、Gなんかになってまいりますと賎称語を使って、この身分にあるとする。 こういった形を、営業を上げるため、職員の営業アップを図るために用いたと、そういった事件でございまして、現在事実確認をしている最中でございます。以上簡単に報告させていただきます。 |
委員 | 今のご説明につきまして、ご質問ご意見等ございましたらお願いしたいと思います。 |
委員 | 例えば障害者問題、外国人問題、子どもの問題、女性の問題など、新聞を見ていますと、実際、問題、差別事件がたくさんあるはずです。 それが、県の方に反映してこないというのは、やっぱり県の人権行政がまだまだ市民から宙に浮いてるということの反映だと思うので、行政も自己認識といいますか、反省し、現状把握をしていただきたいと思います。 だから、これは分かった範囲での発生状況なのです。 なぜこういう結果が出てくるかという、自分達の分析をつけないとだめです。 おそらく県に報告がこないからだと思います。ちょっと厳しい言い方をしますが、必ずしも県の人権行政が、地に付いてない証拠ではないかという気がするからです。 そして同和問題は、部落差別は徹底しているので、小さな事件でもみな報告が挙がってくるから総体的に多くみえるだけで、そういう印象を持ちました。 まず浅くても、間違ってもいいから、こういうものの分析をつけて、それで審議会を混ぜ合わせると、もっと深まるかもしれないという、そういう問題だと思います。 |
委員 | おっしゃられるとおり、これは発生状況を示すものではなく、当局に対して報告されたものだけと いうことですが、先生のおっしゃられるのは、当局に報告された中で、非常に片寄りすぎてるじゃないか。同和問題ばかりじゃないかと。ばっかりじゃありませんけれども、それはやはり人権全体についての人権局としての、県民に対するアピールするところが足りないのではないか。 だから、こういうふうな報告になってしまうのだと、いうようなことのご指摘だと思われます。 おそらく、みなさんも同じように考えていると思いますので、地に足つけてという言い方、これは確かに僕も実際にそう思います。やはり人権局というものがもっと人権全体について、全部自分のところで集約しているのだということであれば、もっと色々な不満というものが、人権局に寄せられるはずだと思います。 |
委員 | データで言えば、例えば私たちが聞かせていただいているのは、児童の虐待の件数もあるし、それからDVの問題もあるはずです。それがどうしてここで、そういうものは報告されずに、同和問題だけがこうして発表されるのかということ自体、不思議です。それは"りぃぶる"がやってるからとか、相談所がやってるからということもあるのでしょうが、やはりそこらへんの感覚が、県の行政と、私たちの考えてる人権啓発と、ちょっと違うのかなという気はします。 |
事務局 | この事につきましては、実は私どもも常に検討しておりまして、そもそもこの事件という捉え方ですが、この事件という捉え方というのは、その他のものは、案外事件にならないわけです。 同和問題とかは、事件になります。先程言いましたDVなどは、他の法的な対応策があって、そちらの方へいってしまいます。そういった形の中で、発生はしているのだが、事件にまでは至っていないという中でのうちへの報告もやはり少ない訳です。 それから、一番今思っているのは、「同和委員会」の時からの流れを汲んでいるので、そもそも同和問題というものを最初に対象にして、この報告を作ってきているわけですので、当然そういったものがやはり中心になってくるというふうな考え方でありますが、反省すべき点だと思います。 ただ、私どもとしましては、次回の審議会の中では、相談件数なども一緒に挙げていけば、もう少し状態が見えてくるのかなと思いますので、次回相談件数の振り分けも挙げていきたいと思います。 |
委員 | 説明されればされるほど、我々との乖離するところが大きいと思うわけです。 事件というのを、どういうふうに捉えてられるのかということです。問題が起これば、それが事件じゃないのですか。救済を求められた件数ということですか。 |
事務局 | 一番最初に言いましたとおり、確かに発生状況と書いておりますけれども、最初にお断りをして喋らしていただきましたけれども、私どもへ報告がきた分です。 だから、そういったものも事件だと思います。しかしながら、その分については、事件という形では報告がきていないということです。 だから、電話相談など、結構そういったものもありますので、そういったものも含めまして、また見ていただければと思います。 |
委員 | 人権政策課の方というのが、どちらかと言えば、同和室の方を汲んでるのですね。 もう一つの課の方というのが、色々な全般の人権ですね。 私らからすれば、もうちょっと人権政策課の働きを濃くして欲しいなと思います。 例えば、私が知ってるだけでも、3つ4つあります。子どもの問題だけでも3つ4つは、言えって言えば、言えると思います。問題か問題でないのかというふうなことについて、何が問題でないというか、何を捉えての問題か。 だからそこのところについて、物足りなそうに言われるとおり極端な言い方かもしれませんが、やっぱり根がついていないと、正にそのとおりだと思います。 もうちょっと委員の言葉を借りれば、地に足つけて、もっと広く収集していただきたいというふうに思います。 それから先程からお申しつけのありましたように、議案、それから小委員会のほうの実態調査に関する意見、これをなんとかまとめまして、事前に各先生方に配布させていただくようにいたしたいと思います。 審議会については、この程度でよろしいですね。 これで審議は終わらしていただきます。大変長時間にわたりまして、各先生方に非常に熱心なご討議いただきましてありがとうございました。 私の不手際で、先生方がせっかくご意見お持ちであるのにかかわらず、おっしゃっていただく機会がのびのびになってしまいましたことを深くお詫びいたします。ぜひとも今後とも、この審議会のためにご協力をお願いいたしたいと思います。おそらく部長はじめとして、県の方も、先生方のご協力を希望しておることと思いますので、ぜひご理解賜りまして、ご協力のほど切にお願い申し上げます。 これで終わらしていただきます。ありがとうございました。 |