第35回和歌山県人権施策推進審議会議事録

第35回和歌山県人権施策推進審議会議事録

第35回和歌山県人権施策推進審議会
日 時 平成24年3月21日(水曜日)10時~11時45分
場 所 和歌山市 アバローム紀の国


(1)人権局の主な事業について
(2)人権侵害の発生状況について
(3)人権施策の実施状況について
(4)その他

出席委員 岡本委員、金原委員、桑原委員、坂本委員、城山委員、中川委員、
中田委員、福島委員、藤範委員、宮﨑委員

配布資料


(1)平成24年度人権局の主な事業【資料1】
(2)人権侵害の発生状況【資料2】
(3)平成22年度「人権施策の実施状況」【資料3】
内容
開会 1 開 会

和歌山県企画部長 挨拶
議題

2 議 事

議題(1) 人権局の主な事業について【資料1】

資料に基づき、人権局の主要事業について、人権政策課・人権施策推進課の両課より説明を行った。

委員からの質問、意見等については、以下のとおり。

委員 人権擁護委員が積極的に人権教育を地域で推進するため、子どもの発達段階に応じた人権教室を始めたところである。
ついては、「人権感覚を育てようプログラム」を人権擁護委員が地元の保育園や幼稚園でやってみたいという場合には、提供していただけるのか。

事務局

プログラムを冊子にまとめているので提供させていただく。また、深く理解していただくためにファシリテータ-の養成講座を6月頃に集中的に開催するので、参加いただければと考えている。
委員 昨年実施された啓発事業のテーマは何か。
事務局 企業からはパワハラや虐待についての研修要望が多い。
昨年、県の人権啓発センターにおいて、人権を考える講座として、琉球沖縄の歴史や難病患者の人権、メディアユニバーサルデザイン等の啓発事業に取り組んだ。加えて災害と人権についても、県民の友を活用して、風評被害の問題を含めて、県民全体に啓発を行ったところである。
委員 差別については、人間的な弱さを抱えて、悪いと判っていながら、差別をする方にまわってしまうという人が多い。そういう時のために、講演の中で、自分の弱さと向き合えるような、そして解決救済に向かえるような研修会を取り上げていただきたい。
事務局 子どもの虐待については、虐待に陥った親に対する教育に力を入れていこうということで、新年度からそういう部分の研修を実施していくこととしている。
委員 地域のまなざしとか、地域のつながり等の大事さについて、何か気づかせる方法がないか感じている。
委員 地域で支え合う体制や、仕組みが大事。どう人を支えていくか、講演も大事だがシステム作りが大事だと思う。
委員 人権感覚を育むということで、子ども自身が読めるような、子どもを対象とした冊子はあるのか。
事務局 子ども向けのものは作成していないが、人権啓発センターにおいて子どもを対象とした、絵本を読み聞かせてやさしく人権について語りかけるような事業を行っている。
委員 「人権感覚を育てようプログラム」について、小さな子どもでも外国人でも使えるような、やさしい日本語で書かれたパンフレットがあってもよいのではないか。
議題


議題(2) 人権侵害の発生状況について【資料2

資料に基づき、人権政策課から説明を行った。

委員からの質問、意見等については、以下のとおり。

委員 宗教の中で、女性が差別されたり蔑視されたりということが、知らず知らずのうちに受け入れられている部分がある。
事務局 部落差別に関わって差別戒名という問題もあった。これを受け宗教団体においては組織化して人権問題に積極的に取り組んでいるところもある。
委員 宗教の関係者に対する人権研修会において、宗教ほど女性差別が残っているものはないとお話しさせていただいたことがある。
同和問題については大きな組織が作られて取り組まれているが、女性問題については取り組まれていない。宗教団体の中でそのようなことに取り組もうという話が上がれば一番よいと思う。人権についての意識というものは歴史とともに変わっていくものなので、意識を高めていく、敏感になっていくことが大事だと思う。
委員 宗教団体については、「同和問題にとりくむ和歌山県宗教教団連絡協議会」という組織を作って各宗派で取り組んでいる。差別戒名や差別墓石がきっかけである。ケガレの思想から来ているが、最近はこの思想も解消している方向にあるので、女性の問題についても考え方は変わってきており、漸次解消されていくと思う。
委員 行政機関に対する同和地区の問い合わせに対する対応について、相手に啓発できるようなマニュアルを作る必要があるのではないか。
また、戸籍等を不正に取得するという事例が全国的にあるように聞く。自分の知らないうちに戸籍がやりとりされている危険な状況である。他人が戸籍を取りに来た場合に本人に通知できるようなシステムが取れないのか。
事務局 同和地区の問い合わせについては、県でマニュアルを作って対応してきている。市町村に対しても再度マニュアルについて情報共有していく。
戸籍等の不正取得については、第三者による戸籍等の取得等があった場合に、あらかじめ登録した本人に通知する制度を現在3町で導入しており、全市町村に対しても導入を働きかけているところである。

委員

児童虐待については、虐待に対する対応だけではなく、子育て支援との連携が必要。 行政の施策として、市町村の子育て支援と社会的養護との連携の取り方、特に市町村の要保護児童対策地域協議会の活性化も含めてもっと連携して対応していく必要がある。児童相談所だけでなく市町村の機能も高めながら連携を図る対応をお願いしたい。
事務局

民生児童委員の研修の中で、子どもの人権について話をした。市の子育て課の職員が虐待防止に一生懸命取り組んでいるが、民生児童委員との連携が欠けているように思う。もっと連携して総合的に虐待の問題に取り組めないか。

事務局 児童虐待防止対策については、新年度に親支援プログラムなど、虐待防止に向け児童相談所や市町村等と連携しながら取り組んでいくこととしているが、ご意見の内容を担当部局に伝えていく。
委員 DVの受付件数が約1,300件と報告されているが、実際にはこれ以上にあると考えられるので、啓発をお願いしたい。
子どもの虐待の問題だが、大阪の事件は、地域社会で女性が孤立し、誰にも相談できない状況だった。このようなことから地域のコミュニティづくりを啓発の柱としていただきたい。そうすると地域の人権侵害が明らかになってくるし、いざというときに支えてくれる地域の関係が生まれてくると思う。今後の人権教育・人権施策の柱はコミュニティづくりだと思う。
委員 虐待の件数は県内で発生したということではなくて、県民が受けた件数という理解でよいのか。
というのも留学関係の相談を受けていて、ホストファミリーからセクハラの相談を受けることもあるほか、主に中国人の方から、県内で最低賃金を大きく下回る金額で働かされているという技能実習生から相談を受けたり、日本人が海外で同様なことを受けているということも最近少しずつ増えているからである
事務局 それぞれの機関で受け付けた件数である。
委員 人権侵害の件数が増えているのは、ある意味では人権施策の成果なのか、あるいは、それを通り越して、今後とも重点的に様々な施策をやっていかないといけないということなのか。
事務局 関係部局で取り組んでいることもあるが、大阪の児童虐待の事件のように大きく報道されると、住民の意識も高まり件数が伸びるということはある。県の施策として、虐待を起こした人に対する啓発や未然防止に係る啓発ということで、対応課も設置して取り組んでいく。
委員 虐待防止法の気運が高まってきた頃に社会的意識が高まってきた。今の社会情勢を考えた時、子育て等にすごいストレスが高まっている。残念ながら虐待が増える背景があり、私は両方だと思う。 地域の人が近隣で虐待を感じた時に、その家庭に介入していくのは個人情報等の関係でどうなのか。
委員 児童虐待防止法が出来て、基本的な考え方は、医師や保健師等虐待に気付く機会が多い者に対し通告義務を課すことに加えて、虐待を疑う事象に気付いた方に積極的に児童相談所や市町村に通告していただくということである。結果的にそれが間違いであっても責任を追及されるということはない。。
委員 えせ同和行為について、5件報告されているが、行為者は県内の者か。
事務局 行為者は県外の者である。
一昨年は約20件報告があったが、その業者が逮捕されたので、昨年は発生の報告はなく、今年は5件の発生があった。
議題


議題(3) 人権施策の実施状況について【資料3

資料に基づき、人権施策推進課より説明を行った。

委員からの質問、意見等については、以下のとおり。

委員 県内のホームレスの実態はどのような状況か。
事務局 調べて後日報告させていただく。

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