人権尊重の社会づくり条例
和歌山県人権尊重の社会づくり条例
(平成14年和歌山県条例第16号)
すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。世界人権宣言にうたわれているこ の理念は、人類普遍の原理であり、日本国憲法の精神にかなうものである。
この理念の下に、社会的身分、門地、人種、民族、信条、性別等を理由としたあらゆる人権侵害や不当な差別が行われること なく、すべての人の人権が尊重される社会をつくることは、私たちみんなの願いである。
同時に、私たちは、社会の構成員としての責任を自覚し、常に他者の人権の尊重を念頭に置いて、自らの人権を行使するよう にしなければならない。
このような認識に立ち、私たちは、現在及び将来の県民が人権という普遍的な文化が根付いた平和で明るい社会の豊かさを 等しく享受できるようにすることが、私たちの責務であると確信する。
ここに、私たちは、自然と人間との共生を目指す和歌山県で、人権尊重の社会づくりを進めるために、不断の努力を傾けるこ とを決意し、この条例を制定する。
目的
第1条この条例は、人権尊重の社会づくりに関し、県及び県民の責務を明らかにするとともに、その施策の推進に必要な事項を定め、もってすべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現を図ることを目的とする。
県の責務等
第2条
- 県は、前条の目的を達成するため、人権意識の高揚を図るための施策その他の人権尊重の社会づくりに関する施策(以下「人権施策」という。)を積極的に推進するものとする。
- 県は、人権施策の推進に当たっては、国及び市町村と連携するものとする。
- 県は、市町村が実施する人権施策について、必要な助言その他の支援を行うものとする。
- 県は、人権施策の推進に当たっては、人権に関する実態の把握に努めるとともに、県が実施した人権施策について定期的に公表するものとする。
県民の責務
第3条
県民は、互いに人権を尊重し、自らが人権尊重の社会づくりの担い手であることを自覚して、人権意識の高揚に努
めるとともに、家庭、地域、学校、職域その他の社会のあらゆる分野において人権尊重の社会づくりに寄与するよ
う努めなければならない。
人権施策基本方針
第4条
- 知事は、人権施策の総合的な推進を図るための基本となる方針(以下「人権施策基本方針」という。)を定めるものとする。
- 人権施策基本方針は、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 人権尊重の社会づくりの基本理念
二 人権意識の高揚を図るための施策に関すること。
三 人権に関する相談支援体制の整備に関すること。
四 人権問題における分野ごとの施策に関すること。
五 その他人権施策を推進するために必要な事項 - 知事は、人権施策基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ和歌山県人権施策推進審議会の意見を聴かなければならない。
和歌山県人権施策推進審議会の設置等
第5条
- 和歌山県人権施策推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
- 審議会は、人権施策基本方針に関する事項を審議するほか、知事の諮問に応じ、人権尊重の社会づくりに関する基本的事項及び和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例(令和2年和歌山県条例第10号)に定める事項を審議する。
- 審議会は、人権尊重の社会づくりに関する基本的事項に関し、知事に意見を述べることができる。
審議会の組織等
第6条
- 審議会は、委員15人以内で組織する。
- 委員は、人権に関し学識経験を有する者のうちから、知事が任命する。
- 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の委員の残任期間とする。
- 委員は、再任されることができる。
委任
第7条この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成14年4月1日から施行する。
附 則(令和5年12月26日条例第45号)抄
(施行期日)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。