地域づくりネットワーク和歌山県協議会研修交流会2020 開催レポート
研修交流会開催レポート
本年度も自主的・主体的な地域づくりの推進を図るため、下記のとおり研修交流会を開催しました。
日時 令和2年1月31日(金)13:30~16:30
場所 田辺スポーツパーク
13:30 開会
挨拶 和歌山県企画部地域振興局長 南木 芳亮
13:45~15:15 講演 「映画・ドラマを使って地域活性!~ロケツーリズムからみる地域づくり~」
講師 ロケーションジャパン編集長 山田 実希 氏
15:25~15:35 事務局による地域づくり関連事業紹介
15:35~16:05 事例紹介 「ほんまもん体験ってこんなもん!」
一般社団法人南紀州交流公社 理事長 奥山 沢美 氏
16:05~16:30 交流会
16:30 閉会
講演「映画・ドラマを使って地域活性!~ロケツーリズムからみる地域づくり~」
講師 ロケーションジャパン編集長 山田 実希 氏
ロケツーリズムについて
今日、スマホの発達によって、ロケ地となった場所に行き、ドラマの主人公と同じ格好をして写真を撮ってシェアする人が増えている。こうしたことを観光につなげ、地域の魅力の再発見をやっていこうという活動をロケツーリズムという。現在、メディア業界では、映画情報を絡めた地域情報などが、旬なネタとなっている。
ロケツーリズムの目指すところは、観光のためのツールの権利処理を事前にしておけるようにすることと、効果的な情報発信ツールをうまく活用して観光につなげていくこと。
ロケツーリズムを活用し、次の①~③の課題を解決した事例を紹介する。
大切な取り組み
・地域の身近な記者に情報提供をする。
・小さなことから取り組み、その取り組みをメディアで発信する。
・取り組みを大きくしていく。
課題①観光資源がない 解決事例:岩手県久慈市(あまちゃんのロケ地)
≪久慈市が行った取り組み≫
→あまロス嘆き隊結成、どこからきたのシール作製(メディアに取り上げられた)、ポスター作製
→活動は必ずメディアで発信(活動内容を数字で見える化)
→あまちゃんの撮影スタッフが食事した店についても情報発信
→全国ふるさと甲子園に毎年参加(あまちゃんのロケ地であることを風化させないために、情報発信し続けている)
→地元の方に撮影情報を発信
≪評価ポイント≫
・撮影サポート体制は万全か
・観光につながる取り組みをしているか
・観光客の増加を数字に表して住民の方が効果を感じられるようにしているか
≪結果≫
あまちゃんのまちとして知れ渡った結果、あまちゃん役を務めた能年さんの次期主演映画が久慈市で撮影されることが決定した。
課題②人口減 解決事例:千葉県いすみ市(孤独のグルメ)
≪いすみ市が行った取り組み≫
→ロケ地の候補地を紹介するホームページの立ち上げ
→現在ある情報をまとめて、とりあえずメディアに紹介し続けた
→小さなことでも情報発信
→ロケ現場での手厚い対応
≪結果≫
・製作者・ファン双方から高い支持を受け、メディア露出が増加
・住みたい田舎ベストランキングBEST1になった
課題③行政に頼らない仕組み 解決事例:静岡県河津町(伊豆河津)
≪河津町が行った取り組み≫
→伊豆急ロケーションサービスの立ち上げ
→官民一体となった組織的な対応
→撮影がくる前から計画を立てて準備
→ロケ地でない場所にも誘致
≪結果≫
・ロケ依頼が増えた
・廃業寸前だった伊豆急行線の存続につながった
誘致をする際に必要な事項
・ヒヤリングシートを丁寧に作成(撮影現場のトップの名前、連絡先を聞く)
・規約書の作成
・官民で組織的に取り組む
事例紹介 「ほんまもん体験ってこんなもん!」
一般社団法人南紀州交流公社 理事長 奥山 沢美 氏
南紀州交流公社について
平成16年に、地域の活性化を図ろうと官民一体で町づくり協議会「大好き日置川の会」を設立後、交流人口の拡大のために、ほんまもん体験と民泊を使った教育旅行の受け入れを開始。
受け入れ体制の整えと並行し、教育旅行誘致営業を進める中、国の後押しもあり、最初7校の受け入れに成功。
現在は約120軒の民泊家庭で受け入れを行っている。
教育旅行とは
カヌー体験や釣りなどのアウトドア体験をし、夜は地元の民泊家庭で宿泊。
民泊家庭には、自身の子供や孫が泊まるような感覚で、一緒に料理をしたり、布団を自分で敷くように教えたりし、できる限り自分たちでできることは自分たちでやらせるよう指導。
食事は地元のものを使った、いつものごはんを出すようにする。(お味噌汁とごはんなど)
教育旅行の実施により、外貨が地域に入り地域の経済が循環する。
実績
平成17年 受け入れ人数:351人
平成28年 受け入れ人数:4,897人 この年、地域住民の人数以上の人数を受け入れた
平成29年 受け入れ人数:5,117人
平成30年 受け入れ人数:4,167人
交流会
約80名の参加者が11グループに分かれ、それぞれの活動内容や課題について、情報交換を行った。