長期総合計画 参考資料 長期総合計画2008(平成20)年度~)の主な成果
参考資料「長期総合計画(2008(平成20)年度~)」の主な成果
下記の成果は、2017(平成29)年1月末現在の状況です。
1.長期総合計画に掲げた6つの将来像別の主な成果
(1)未来を拓くひたむきな人間力を育む和歌山
【確かな学力の向上】
授業力向上のための教員研修や退職教員の派遣、補充学習の充実・強化等の取組を行ってきましたが、授業改善や子どもたち一人一人への対応、家庭の教育力を向上させる取組が不十分であったため、全国学力・学習状況調査の結果は全国平均と比べて改善されていません。
【健やかな体づくり】
2008(平成20)年度から、全ての学校、全ての学年で「児童生徒の体力・運動能力調査」を実施し、その結果に基づき、体育の授業の工夫・改善や「きのくにチャレンジランキング」、「紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンス」の活用等に取り組んだ結果、徐々に児童生徒の体力が向上し、全国平均を上回るようになっています。
【郷土への愛着を育む教育の充実】
和歌山県版ふるさと教科書「わかやま何でも帳」を作成するとともに、中学校の生徒全員に配布し、全ての学校で副読本を活用した取組を行うことで、郷土への愛着を育んでいます。
【いじめの根絶】
教職員がいじめの定義をきちんと理解し、子どもが発するどんな小さなサインも見逃さず、認知することに取り組んだ結果、千人あたりのいじめ認知件数は2008(平成20)年度0.8件から2015(平成27)年度27.6件まで増加しました。併せて、県、学校、関係機関等が連携して対応する体制を整え、いじめ解消に向けた取組を進めた結果、2015(平成27)年度において、年度内のいじめの解消率は98%で全国2位となっています。
【不登校の解消】
不登校の解消に向けて施策を講じてきましたが、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等については、高い専門性を備えた人材の確保が困難であり、また、適応指導教室などの学校復帰に向けた取組や各学校における早期対応が不十分であったため、2015(平成27)年度の千人あたりの不登校児童・生徒数は小学校が5.2人で全国41位、中学校が28.5人で全国29位と高い状況にあります。2016(平成28)年度には、有識者会議から、これまでの施策の妥当性や新たに付加すべき施策等について提案を受けました。
【青少年の健全育成】
青少年に対する有害刃物類の所持禁止や青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備を目的とした条例改正を行うとともに、ネットパトロールを実施するなど、青少年の健全育成に取り組みました。
【国際交流の推進】
新たに香港貿易発展局(2013(平成25)年)、インド・マハラシュトラ州(2013(平成25)年)、台湾台日産業連携推進オフィス(2014(平成26)年)、ベトナム農業農村開発省(2015(平成27)年)、インドネシア商業省(2016(平成28)年)の5つのアジアの国・地域とMOU(覚書)締結や共同声明を行い、経済交流や観光交流等の連携・協力をスタートさせました。また、2007(平成19)年に中国・山東省、2015(平成27)年にスペイン・ガリシア州と友好交流に係る覚書を締結し、交流団の派遣・受入などの交流を図るとともに、ブルネイとの青少年交流やエルトゥールル号事件を通したトルコとの交流等を行いました。
【動物愛護の推進】
犬・猫の保護・引取数、殺処分数は、2008(平成20)年度と比較していずれも半減しています。また、地域の生活環境の保全と猫の殺処分数の削減を図ることを目的に「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例」を改正し、地域猫の不妊去勢手術費用の助成などの支援をスタートさせました。
【スポーツ施設の充実】
秋葉山公園県民水泳場や武道・体育センター和歌山ビッグウエーブ、和歌山セーリングセンター、田辺スポーツパーク等を新設するとともに、紀三井寺公園の陸上競技場や野球場、県営相撲競技場を改修するなど、県民がスポーツに親しみ、楽しめる環境を充実させました。
【紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会の開催】
2015(平成27)年に、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会を開催しました。国体では男女総合優勝を達成し、大会では過去最多のメダル127個(金56個、銀33個、銅38個)を獲得するとともに、県民総参加でのおもてなしや、開・閉会式等における本県の魅力発信、障害への理解促進等により、成功裏に終了しました。
(2)生涯現役で誰もが活躍できる和歌山
【少子化対策の充実】
「紀州3人っこ施策」、「こうのとりサポート」など出会い・結婚から妊娠・出産、子育てまでの切れ目ない支援に取り組んできた結果、合計特殊出生率が2006(平成18)年1.34(全国31位)から2015(平成27)年1.54(全国23位)に向上しました。
【待機児童の解消】
保育の受け皿整備や保育人材確保に取り組んだ結果、3歳未満児の入所児童数は2006(平成18)年4,556人から2016(平成28)年6,489人に増加する中、年度当初の待機児童数は10人前後で推移しています。しかしながら、産休明けや育休明けの早い時期から保育所の利用を希望する女性が増加しており、年度途中の待機児童は、2006(平成18)年度37人から2016(平成28)年度286人に大幅に増加しています。
【子育てと仕事の両立】
子育てと仕事を両立し、意欲のある人がいきいきと働けるよう、育児休業の整備を働きかけ、育児休業制度の整備率は2005(平成17)年度61%から2015(平成27)年度79%に上昇しました。
【男女共同参画の推進】
男女が共に安心していきいきと働くことができる職場環境づくりに取り組んでいる「男女共同参画推進事業者」は2008(平成20)年度32事業者から2015(平成27)年度90事業者と大幅に増加しました。
【児童虐待の防止】
「和歌山県子どもを虐待から守る条例」の制定(2008(平成20)年)や、紀南児童相談所の移転新築(2013(平成25)年)による施設の充実など、子どもを虐待から守るための体制整備に取り組んできました。児童虐待への県民の関心が高まっている一方で、育児不安などストレスを抱えた家庭が地域で孤立化することもあり、児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数は、2006(平成18)年度341件から2015(平成27)年度893件に増加しています。
【高齢者福祉の充実】
高齢者のニーズに応じた老後の住まいと暮らしの安心確保のため、地域見守り協力員と宅配事業者等による地域見守り協力体制を構築しました。また、特別養護老人ホームの計画的な整備を進めた結果、入所待機者数は2009(平成21)年度の2,875人をピークに2015(平成27)年度には1,153人へ減少しています。
【介護予防の推進】
要介護(要支援)認定者数を減少させ、2017(平成29)年度に57,841人とするため介護予防に取り組みました。しかしながら、高齢者単独世帯の割合が全国に比べて高い(16% 全国11%)ことなどを要因とする認定率の上昇により、2014(平成26)年度の認定者数は65,668人となっています。
【障害のある人の工賃水準の向上】
魅力ある製品づくりや市場開拓等の支援を行った結果、福祉的支援を受けながら働く障害のある人の平均工賃月額は2006(平成18)年度12,045円から2014(平成26)年度16,169円となり、2007(平成19)年度以降、全国平均を上回った金額で推移しています。
【医師の確保】
医師確保のため、県立医科大学医学部に県民医療枠及び地域医療枠を設け、定員を60名から順次拡大し、2010(平成22)年度には100名となりました。また、近畿大学医学部に和歌山県内で一定期間勤務することを条件とする地域枠を10名設けました。2016(平成28)年度には地域医療枠1期生が、へき地医療拠点病院等で勤務を開始するとともに、自治医科大学卒業医師等を地域の医療機関に派遣することで、地域医療を堅持しています。
【がん対策の推進】
全市町村でがん検診の個別勧奨を実施した結果、がん検診受診率は全国平均を上回り上昇傾向にあり、人口10万人あたりのがんで死亡する人は2005(平成17)年98.5人から2015(平成27)年80.3人と減少傾向にあります。
【健康づくりの推進】
運動習慣の普及や食育の推進、健康推進員の設置など県民総参加型の健康づくりに取り組んだ結果、本県の健康寿命は2010(平成22)年から2013(平成25)年の3年間で男性70.41歳(全国25位)から71.43歳(全国20位)、女性73.41歳(全国30位)から74.33歳(全国28位)へと伸びています。しかしながら、運動習慣の定着や野菜摂取の促進、特定健診・がん検診の受診率向上等の取組が不十分であったことから、「健康長寿日本一わかやま」には遠い状態です。
(3)国際競争力のあるたくましい産業を育む和歌山
【中小企業の競争力強化】
「わかやま中小企業元気ファンド」や「わかやま農商工連携ファンド」により、新商品や新サービスの開発を促進するとともに、国内外の著名な展示会への集団出展や商談会の開催などの市場開拓、プレミア和歌山による県産品のブランド化など積極的な販促支援を実施し、元気で頑張る企業の競争力強化に取り組みました。
【企業立地の促進】
近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道をはじめとする道路網の整備が進み、京阪神圏や中京圏の市場、関西国際空港との交通アクセスが飛躍的に向上したことや、立地企業奨励金等の支援制度の充実などにより、2008(平成20)年度以降123件の企業立地を実現しました。また、今後の新たな企業誘致の推進に向け、あやの台北部用地(仮称)の開発を進めているところです。
【新たな産業の創出】
スタートアップオフィスの整備や(公財)わかやま産業振興財団のインキュベーションマネージャーによる相談対応等、創業支援に取り組んできましたが、官民一体となった支援が不十分であったことなどにより、開業率は2014(平成26)年度で4.2%と全国最下位となっています。
【産業人材の育成】
2012(平成24)年度から工業高等学校とものづくり企業が連携した人材育成事業を開始し、2015(平成27)年度からは全産業・全高等学校に拡大して、県内企業と生徒の出会いの場を設け、企業の魅力や和歌山で働く魅力を生徒に伝える取組を進めていますが、効果が顕在化しておらず、高校生の県内就職率は2015(平成27)年度77%で、2009(平成21)年度とほぼ同じ水準となっています。
【農業所得の向上】
果樹・野菜・花きの高品質生産、温州みかんの新品種「YN26」・いちごの新品種「まりひめ」などオリジナル品種の開発、6次産業化などに取り組んだ結果、担い手農家の農業所得は2005(平成17)年377万円から一時伸びたものの、果実の価格低下などにより再び下落し、2014(平成26)年は406万円となっています。
【農水産物・加工食品の販売促進】
「おいしい!健康わかやま」の魅力発信や国内外の大型展示商談会への出展などにより、県産農水産物・加工食品の販売を促進した結果、首都圏における県産果実のシェアは、金額ベースで2005(平成17)年度4%から2015(平成27)年度5%に上昇しました。また、加工食品の輸出は、2015(平成27)年時点で25品目が定着し、みかん・柿・桃の輸出総額は、2005(平成17)年度0.5億円から2015(平成27)年度1.8億円に増加しました。
【鳥獣害対策の推進】
野生鳥獣による農作物被害を減少させるため、捕獲を重点に防護、人材育成などの対策を総合的に推進してきました。有害鳥獣捕獲数は2005(平成17)年2,421頭から2015(平成27)年20,394頭と大幅に増加していますが、野生鳥獣による農作物被害額は、鳥獣の生息域の拡大などにより、2006(平成18)年当時の被害額2.9億円から徐々に増加し、ここ数年3.2~3.5億円で推移しています。
【生産性の高い林業・木材産業づくり】
作業道の整備や高性能機械の導入による低コスト林業を推進してきましたが、2005(平成17)年に17万4千立方メートルだった素材生産量は、木材価格の下落による生産現場での採算性悪化や森林所有者の経営意欲減退などにより、2006(平成18)年以降16万立方メートル程度で推移しました。しかし、合板の新規取引の成立等により、2015(平成27)年には18万1千立方メートルとなっています。
【全国植樹祭の開催】
豊かな森林と木の文化をより良い姿で次代を担う子どもたちに引き継いでいくため、2011(平成23)年に第62回全国植樹祭を開催しました。
【企業の森の推進】
全国初の取組として企業における森林環境保全活動(企業の森)を推進した結果、2007(平成19)年12月に31団体31か所だった企業参画数は、2015(平成27)年度末時点で72団体77か所と大幅に増加しています。
【漁業生産量の維持】
資源管理や栽培漁業の推進、水産基盤の整備(魚礁設置・藻場造成)などに取り組んできましたが、漁業生産量は、資源量や漁業者数の減少などにより、2005(平成17)年35,013トンから2015(平成27)年25,746トンまで減少しています。
【養殖業の推進】
新たな養殖魚種の開発に取り組み、日本で初めてスマの人工種苗(人工的にふ化させた稚魚)の量産化に向けた技術開発に成功し販売も始まりました。養殖生産量は、クロマグロが大手企業の誘致により増加したものの、マダイとブリが全国的な過剰生産による魚価低迷により大幅に減少したため、2005(平成17)年5,691トンから2015(平成27)年2,845トンまで半減しています。
(4)癒しと感動を与える誇れる郷土和歌山
【観光客の誘致】
2013(平成25)年の伊勢神宮式年遷宮から、2014(平成26)年の高野・熊野の世界遺産登録10周年、それに2015(平成27)年の高野山開創1200年、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会といったビッグイベントが続いた3年間を「ゴールデンイヤー」と位置づけて、全国のメディアや旅行業者へのPRを展開したほか、「和みわかやまプレミアムキャンペーン」でハイシーズン以外の誘客にも取り組みました。また、近畿自動車道紀勢線の延伸などによる交通アクセスの向上や、「和歌山おもてなしトイレ大作戦」による公衆トイレの整備、無料Wi-Fi接続環境の向上などにより、観光客が快適に和歌山を満喫できる環境を整えた結果、2015(平成27)年の入込客数は3,340万人、外国人の宿泊客数は43万人と、いずれも過去最高を記録しました。
【移住・定住の推進】
魅力発信から「くらし・しごと・住まい」までを総合的にサポートする「移住・定住大作戦」を展開し、2008(平成20)年度から2015(平成27)年度末までの間で559世帯1,010人の移住を実現しました。
【世界遺産の追加登録】
熊野参詣道や高野参詣道のうち、鬪雞(とうけい)神社や黒河(くろこ)道(みち)など、新たに22地点が2004(平成16)年に登録された参詣道と同等の価値を有すると認められ、2016(平成28)年、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録されました。
【日本ジオパークの認定】
貴重な地質とそこで育まれた優れた自然や文化、それらを活用する人々の活動が評価され、2014(平成26)年に紀南地方の9市町村のエリアが「南紀熊野ジオパーク」として日本ジオパークに認定されました。
【世界農業遺産の認定】
里山の斜面に薪炭林を残しつつ梅林を配置し、薪炭林に住むニホンミツバチを利用した梅の受粉や薪炭林のウバメガシを活用した製炭など地域資源を有効に活用しながら、400年にわたり高品質な梅を栽培するとともに、生物多様性、独特の景観、農文化を育んできた「みなべ・田辺の梅システム」が、2015(平成27)年、世界農業遺産に認定されました。
【日本遺産の認定】
熊野灘地域の捕鯨文化の歴史的経緯や、地域の風習に根ざし世代を超えて食、祭り、伝統芸能を受け継いできたことが評価され、2016(平成28)年、「鯨とともに生きる」が日本遺産に認定されました。
【生物多様性の保全と活用】
本県における絶滅が危惧される種の数は、2001(平成13)年に857種であったものが、2012(平成24)年には974種へと増加しています。こうした状況を受け、2015(平成27)年度には、「生物多様性和歌山戦略」を策定し、2016(平成28)年度から自然度の高い森林の公有林化による保護や里地・里山環境の保全をする地域団体の活動を支援するなどの取組を本格的にスタートさせました。
【景観の保全】
2011(平成23)年に「建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例」を制定し、2015(平成27)年度に初の命令・代執行を行うなど、優れた景観の保全に取り組みました。
【廃棄物の適正処理】
監視パトロールの強化や監視カメラの設置などの不法投棄対策により、2005(平成17)年度に1,800件を超えていた不法投棄件数は、2008(平成20)年度以降減少し、近年は300件程度で推移しています。
(5)県民の命と暮らしを守る安全安心和歌山
【総合的な防災対策の推進】
2011(平成23)年3月に南海トラフと同じ海溝型地震による東日本大震災が発生しました。同年9月には紀伊半島大水害が発生し、死者56名、行方不明者5名、住家被害7,933棟の甚大な被害を受けました。こうした大規模災害を受け、何としても県民の命を守るため、従来の防災・減災対策を一から見直す点検を行いました。2013(平成25)年には、新たな津波浸水想定を公表し、2014(平成26)年には津波避難困難地域(津波到達までに安全な場所へ避難することが困難な地域)の抽出を行い、解消のための具体的な対策をまとめた「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を、2015(平成27)年には「和歌山県国土強靭化計画」を策定し、ハード・ソフト両面から対策を進めています。
【耐震化の推進】
全国トップレベルの支援制度を創設して耐震化を促進してきましたが、住宅の耐震化補助制度の認知が低いことや個人負担が発生することから、住宅の耐震化率は2005(平成17)年67%から2015(平成27)年75%までしか伸びていません。一方、多数の者が利用する建築物の耐震化率については2005(平成17)年74%から2015(平成27)年90%まで向上しました。
【大規模土砂災害対策技術センターの誘致】
大規模土砂災害に係る建設技術の研究などを行う国の「大規模土砂災害対策技術センター」を誘致し、得られた成果や過去の災害の教訓を啓発する「県土砂災害啓発センター」を2016(平成28)年度に開所しました。
【地域防災力の向上】
地域防災リーダー育成講座「紀の国防災人づくり塾」の修了者を2006(平成18)年度末時点237人から2015(平成27)年度末時点1,454人に増やしました。また、避難所運営リーダー養成講座を新たに創設し、2015(平成27)年度末時点で854人が受講するなど、地域の防災力の向上を進めています。
【防災教育の推進】
全ての県立高等学校での「高校生防災スクール」を2013(平成25)年度から実施しています。その「高校生防災スクール」における地域と連携した避難(防災)訓練の実施率は、初年度の57%から2015(平成27)年には67%まで向上しました。また、小学校、中学校、高等学校での避難訓練実施率は2015(平成27)年に100%を達成しています。
【治安の向上】
画像解析システム、DNA型鑑定システムなどの捜査支援機材の整備や街頭防犯カメラの設置など、捜査の高度化に取り組んできた結果、刑法犯認知件数は2006(平成18)年の16,026件から連続減少し、2016(平成28)年には6,360件と半数以下まで減少しました。また、刑法犯検挙率は2006(平成18)年の24%と比べ改善傾向にあり、2015(平成27)年から2年連続で40%を超えています。
【交通安全の推進】
事故多発地点の交通環境整備や街頭指導などの交通安全啓発活動に取り組んできた結果、人口10万人あたりの年間交通事故発生件数は2006(平成18)年には全国平均を上回っていましたが、2013(平成25)年に全国平均を下回りました。また、高齢者が関係する事故件数は2006(平成18)年の2,191件から2016(平成28)年には1,030件まで減少しています。
(6)にぎわいと交流を支える公共インフラを整備する和歌山
【高速道路ネットワークの早期形成】
高速道路については、2007(平成19)年度末時点で供用率が46%と、全国平均に比べ立ち遅れた状況でしたが、その後、近畿自動車道紀勢線南紀田辺IC~すさみ南IC間や、京奈和自動車道の県内全線などが開通し、供用率も80%と概ね全国平均に到達しました。
【県内各地域へ連絡する幹線道路の整備】
計画策定時に構想が確定していた府県間道路は2016(平成28)年度中に概ね完成の目途が立っており、内陸部の骨格道路となるX軸ネットワーク道路は2012(平成24)年度に完成しています。これに続く川筋ネットワーク道路も多くの部分で完成し、残りの部分も完成の目途が立っています。
また、基本的な生活に不可欠な道路整備も進め、生活圏30分圏域人口カバー率は90%、高速道路ICからの60分圏域人口カバー率はほぼ100%となっています。
【情報通信基盤の整備】
地域間の情報格差の解消に向けた対策を進めた結果、超高速ブロードバンドと携帯電話は県内全域で概ね利用可能となりました。また、地上デジタル放送難視予想世帯は、2014(平成26)年度に全て解消しました。
【生活排水処理の向上】
紀の川流域下水道事業及び紀の川中流流域下水道事業の推進等により、汚水処理人口普及率は2006(平成18)年度末44%から2015(平成27)年度末には61%まで向上しました。しかしながら、市町の厳しい財政状況による下水道整備の遅れや、個人負担を伴う合併処理浄化槽への転換が進まないことなどにより、依然全国でワースト2位と低位な状況となっています。
【放置艇対策の推進】
放置艇等による船舶航行の支障、景観悪化や津波来襲時の二次被害軽減への対応のため、「和歌山県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例」に基づき、係留保管場所の確保や規制強化による放置艇の撤去等を進めています。
2.長期総合計画に掲げた主な数値目標の達成状況
以下の一覧表は、計画の終期である2017(平成29)年度末までに達成する目標と、現時点(2017(平成29)年1月末現在)で把握できる最新のデータを比較したものであり、現時点で達成した目標もあれば、達成できていない目標もあります。
長期総合計画(2008(平成20)年度~)に掲げた数値目標の主なもの
分野 | 番号 | 長期総合計画の 項目名 |
指標名 | 基準(起点)値 | 目標値 | 直近実績値 | |||
測定年度 | 数値 | 測定年度 | 数値 | 測定年度 | 数値 | ||||
総括 事項 |
1 | 計画推進により達成する将来 (人口見通し) (経済見通し) |
人口 | H17 | 103.6万人 | H29 | 97.5万人 | H27 | 96.5万人 |
2 | 県内総生産 | H17 | 3.68兆円 (全国38位) |
4.65兆円 (設定せず) |
H25 | 3.58兆円 (全国38位) |
|||
3 | 一人あたり県民所得 | H17 | 270万円 (全国30位) |
400万円 (設定せず) |
H25 | 282万円 (全国24位) |
|||
少子 高齢化 対策等 |
4 | 少子化対策の充実 | 合計特殊出生率の全国順位 | H18 | 31位 | 同様の立地環境にある他県より相当上位 | H27 | 23位 | |
5 | 待機児童 | H17 | 14人 | 待機児童ゼロ | H28 | 10人 | |||
6 | 高齢化対策の推進 | 介護を必要とする高齢者数 | H18 | 49,838人 | 57,841人 | H26 | 65,668人 | ||
7 | 健康づくりの推進 | 健康寿命 | H22 | 男性70.41 女性73.41 |
健康長寿 日本一 |
H25 | 男性71.43 女性74.33 |
||
8 | がんの年齢調整死亡率 (75歳未満)※人口10万人あたり |
H17 | 98.5人 | H17年に比べ25%以上減少 | H27 | 80.3人 | |||
産業 振興 |
9 | 新たな産業の創出 | 企業立地件数(累計) | H20 | - | 200件 | H27 | 123件 | |
10 | 観光の振興 | 観光客(日帰り) | H17 | 2,519万人 | 2,700万人 | H27 | 2,771万人 | ||
11 | 観光客(宿泊) | H17 | 522万人 | 600万人 | H27 | 569万人 | |||
12 | 農業の振興 | 担い手農家の年間農業所得 | H17 | 377万円 | 550万円 | H26 | 406万円 | ||
13 | 林業の振興 | 年間素材生産量 | H17 | 174千立方メートル | 275千立方メートル | H27 | 181千立方メートル | ||
14 | 水産業の振興 | 海面漁業生産量 | H17 | 35,013t | 35,000t | H27 | 25,746t | ||
防災 | 15 | 総合的な防災対策の推進 | 耐震化率(住宅) ※共同住宅等を含む総住戸数 |
H17 | 67% | 90% | H27 | 75% | |
16 | 耐震化率 (多数の者が利用する建築物) |
H17 | 74% | 90% | H27 | 90% | |||
まち づくり 等 |
17 | 情報通信基盤の整備 | 超高速ブロードバンド利用可能世帯数 | H18 | 93.8% | 100% | H27 | 99.4% | |
18 | 愛着の持てる元気な農山漁村づくり | 移住世帯数(累計) | H20 | 24世帯 | 1,000世帯 | H27 | 559世帯 | ||
19 | 快適な生活空間の整備 | 汚水処理人口普及率 | H17 | 40.8% | 70% | H27 | 60.6% |