令和6年度 重点施策と予算編成の方針

令和6年度 重点施策と予算編成の方針

10月10日記者発表
令和6年度 重点施策と予算編成の方針
令和5年10月10日

1 現状認識

 少子化が続く背景には、経済的な不安定さ、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因が複雑に絡み合っており、個人の自由な意思決定に基づくことを大前提とした上で、結婚や、子供を生み、育てたいと望む人の希望がかなえられ、将来に向けた明るい展望が描ける社会を作る必要がある。

 産業界においては、生産年齢人口の減少や脱炭素化への要請など、社会情勢が大きく変化する中、これからの県経済をけん引する産業の創出と既存産業の強化が課題となっている。また、デジタル化の遅れや産業人材の不足等の課題を解決していかなければならない。

 人口減少が加速する中、空き家の増加等まちの活力や魅力が低下しており、このような状況が続けば、インフラや地域交通等の公共サービス維持が困難となるおそれがある。

 こうした現実に県民全体でしっかりと向き合うとともに、人口減少下においても活力を生み出す土台となる、安全・安心で心豊かに暮らせる社会づくりに取り組むことが必要である。

2 重点施策の方向性

 令和6年度の重点施策として以下を掲げることとし、本方針に基づき、具体的な事業立案を進め、性別を問わず、子供から高齢者などすべての人が希望をもって生き生きと暮らせるウェルビーイングな和歌山県の実現を図っていく。 
(1) 『共働き・共育て・こどもまんなか社会の推進』
 仕事も家庭も大切にしながら働き続けることができ、無理なく子育てができる環境づくりや、妊娠、出産、育児まで子育て世帯に対する切れ目ない支援や子供の居場所づくりなど、子供にやさしい社会づくりに取り組む。    

(2) 『成長産業の創出』

 GX投資を呼び込むため、成長産業の立地条件整備・人材確保等に向け部局横断でプロジェクトを推進するとともに、再生可能エネルギーの導入促進に取り組む。さらに、カーボンクレジットの創出に向けた取組など脱炭素と産業を組み合わせることで脱炭素先進県を目指す。

(3) 『農林水産業、観光産業をはじめとする地域産業の強化』

   農林水産業の担い手確保・育成、生産性向上、販路開拓、スマート化などによる第一次産業の活性化や、大阪・関西万博や世界遺産を活かした観光産業の強化、外国人労働者の受入促進など持続可能な産業づくりに取り組む。

(4) 『人口減少下におけるまちづくり』

 将来の人口減少を前提として、DXの推進や地域で活動する団体の連携・協働促進などにより持続可能な社会システムの構築やまちの魅力・活力の向上に取り組む。

(5) 『安全・安心で心豊かに暮らせる社会づくり』

   福祉・医療や教育の充実、文化芸術の振興、治安の維持に取り組むとともに、防災・減災対策として、命を守る道路や河川・海岸整備など国土強靱化の取組をハード・ソフト両面から着実に進める。 

 なお、上記取組を進めるに当たり、産業、福祉、医療、教育、インフラなど様々な分野において、社会課題の解決や地域の魅力向上に有効なデジタル技術の活用を図る。

 また、各種施策を担う行政の業務効率を高め、よりよい行政サービスが提供できるよう、県・市町村の行政DXを推進する。

3 予算編成方針

     令和5年2月に発出した「財政危機警報」を踏まえ、財政の健全性を確保する取組を行いつつ、本県の未来につながる施策を推進する観点から、重点施策の実施に必要な予算配分を行う。

  政策的な経費(投資的経費を除く)については、各部局において事業の優先順位を見直し、より効果や必要性の高い事業に組み替えることを徹底する予算要求枠(以下「部局マネジメント枠」という。)を設定する。

  併せて、新たな財政需要に機動的に対応するため、全庁的に部局マネジメント枠の経費に▲15%シーリングを実施した上、同経費の5%相当額を上限とした重点施策推進枠を設け、重点施策の推進に特に資する事業に予算を配分する。なお、重点施策に係る事業については、事業の終期及び定量的な成果指標の設定を通じ、事業の実績や効果を効率性・有効性等の観点から検証することとする。

 投資的経費及びその他の経費については、業務量適正化の観点も踏まえ、事業効果や緊急性等を精査する。その際、後年度の財政負担の影響を考慮し、各経費が財政健全化の妨げとならないよう努める。   

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