和歌山県総合情報誌「和-nagomi-」
最新号とバックナンバー
最新号Vol.55 令和6年11月15日発行
和歌山百景
紀伊山地を中心とした自然豊かな地域、和歌山。
日本でも有数の降水量が、豊かで深い森林を育んだ。
ふと立ち止まり振り向いた瞬間、多様な魅力にあふれる世界に出会える。
そこは神々が鎮まる特別な場所、寛容なる聖地。
自然と文化と歴史、そして人々が、その本質を損なうことなく共存し、上質な時間が流れる霊性の大地となる。
そして今、伝統・文化・精神性、そのすべてが未来へと受け継がれていく。
バックナンバー Vol.54 令和6年7月26日発行
和歌山 海の恵み
太平洋に張り出した紀伊半島に位置するきのくに和歌山の美しい山々は、豊かな海を育て、人々に多くの恵みを与えた。
この地域に暮らす人々は、多様性あふれる恵みに感謝しながら創意工夫を凝らし、力強く生きてきた。
自然が織りなす恵み、その恵みに感謝し寄り添う人々が受け継ぐ知恵と教訓、文化は、決して途切れることのない、途切れさせてはならない歴史そのものである。
山の向こうに朝日が昇り、空が白み始める。
想いを繋いだその先の未来にも和歌山の海の物語は続いていく。
バックナンバー Vol.53 令和6年3月15日発行
祝・世界遺産登録20周年
守り伝えるモノ 守り継ぐ人々
神話の時代から、神々が鎮まる特別な場所だった紀伊半島。太平洋に大きく張り出し、豊かな水が深淵で神聖な森林を育んだ。
起源や内容を異にする聖地が生まれ、それぞれの聖地をつなぐ信仰の道が生まれた。
しかしそれらは、ただ存在していたわけではない。歴史と文化を守り、寄り添いながら、未来へとその想いを繋いできた人々がいた。
バックナンバーVol.52 令和5年11月30日発行
聖地リゾート!和歌山
高野山・熊野に代表される「Spirituality(精神性)」、和歌山の自然の豊かさに象徴される「Sustainability(持続可能性)」、そしてその豊かな自然から生み出される上質な「Serenity(静けさ)」。
この三つの「S」が揃う和歌山には、古くから神々の棲む聖地だけでなく、文化や歴史、温泉や食、アミューズメントといった様々な聖地が存在する。そして、すべての人々を寛容に迎え入れてきた和歌山は、訪れた人々の心と体を優しく癒し、再生する「聖地リゾート」だ。
あの山の向こうへ。海を渡り、川を越え、日が昇り沈むあの国へ。和歌山は今も昔もオドロキに満ちている。
バックナンバーVol.51 令和5年7月31日発行
和歌山のSDGsに秘められたもの
千年以上の歴史や文化を有する高野熊野。
その精神は至るところに息づき、まるで現代のSDGsそのもののように人々の暮らしの中に継承されてきた。
和歌山のSDGsに秘められているものは、進取の気性に富んだ新しい発想、
あらゆる人々を受け入れ愛しんだ優しき心、そして失敗を恐れず何度でも挑戦する強い心。
それが古から続く和歌山の”ハート〟だ。
バックナンバー Vol.50 令和5年3月17日発行
空でつながる和歌山の魅力
見上げればいつも青い、和歌山の空。
過去と未来と現在、宇宙と空と、未来と現実と
空のどこにも境界はない。
悠久の歴史と斬新な夢と
新しいワークスタイルに新しいライフスタイル。
幾多ある和歌山の魅力 。それらは全て 、和歌山の美しい空の下で繋がっている。
バックナンバー Vol.49 令和4年10月21日発行
Vitamin Wakayama 元気になる和歌山のビタミンカラー
まるで陽の光にも意思があるかのように、
和歌山の太陽は全ての生物に均等に降り注ぐ。
季節になり色づいた樹々は豊かな実を蓄え、
周囲を色鮮やかな風景に変える。
健康的なビタミンカラー。
和歌山の四季には 、全てのひとを元気にするパワーが満ちている
バックナンバー Vol.48 令和4年7月22日発行
新たな自分と出逢う Re:LIFE WAKAYAMA
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、いままで当たり前だった価値観や概念が大きく変化した。
それは働き方や生活習慣だけでなく、生き方にさえも大きな影響を与えた。
立ち止まってもいい、来た道を戻ってもいい。
人生という目的地の見えない道を歩く。耳を澄まし、自分を見つめ直す。
そしてあるがままを感じる場所に佇む。
パラダイムシフトという大きな波の中、和歌山で新しい自分と出逢いたい。
バックナンバー Vol.47 令和4年3月11日発行
紀の国モノガタリ 歴史、伝統、文化、アート。想いはすべてに息づく
海、山、川、空…。
美しく豊かな和歌山の自然は、地球が描くアートであり、壮大な物語である。
そして和歌山では、人々が創造した物語が歴史や文化、アートと共存している。
伝統を背景に、自然を借景とし、技術を駆使した”キラキラ〟と輝く、和歌山の魅力に触れてみたい。
バックナンバー Vol.46 令和3年11月12日発行
TASTE of WAKAYAMA 和歌山の味覚が進化する
1年中、優しい日差しが降り注ぐ、温暖な気候の和歌山。
果実や野菜の鮮やかな色は、眺めるだけで元気になりそうなビタミンカラー。
それはまるで和歌山の空や山、川や海の彩を取り込んだように鮮やかだ。
そして人と人が出会い、人が和歌山と出会うと、和歌山の味覚が進化を始める。
キラキラと鮮やかに。
バックナンバーVOl.45 令和3年7月16日発行
日本を元気にする和歌山の未来
長く続く新型コロナウイルスという夜。
しかし明けない夜はない。
世界中の人々が、知恵と思いを寄せ、夜明けという未来を目指す。
新しい産業、新しい働き方、そして世界に誇る和歌山の技術力。
夜空を照らす一条の明かりが示すのは、日本を元気にする和歌山の未来かもしれない。
バックナンバーVOl.44 令和3年3月26日 発行
人々の想いが宿る和歌山の遺産
和歌山には文化や景観だけでなく、技術や民俗風習など
未来に継承すべき様々な遺産がある。
それらは単独で存在している訳ではなく、和歌山の自然や気候のなかで育まれ、
影響しあい、存在し続けてきた。
そしてそこには、和歌山の遺産を守ってきた人々の想いが込められている。
バックナンバーVOl.43 令和2年12月18日 発行
神々しくも美味な、和歌山の食。
神々が在わす地、高野・熊野。
人々は、その大いなる存在を敬い、芳醇な四季に育まれた恵みを捧げる。
風が吹き、雨が降り、月は満ち欠け、陽はまた昇り川は流れ海に注ぐ。
神に捧げる和歌山の美味しい食材は、煌めくような命に満ちていた。
バックナンバーVOl.42 令和2年8月28日 発行
道、路、みち。それは場所を繋ぐだけでなく、人々の思いを繋ぐ経路でもある。
遥か昔から続く、文化や生活を繋いだ道。
国を越え思いを繋ぐ路。
住民に喜びと楽しさを伝えるみち。
今も大切に守られ、語り継がれる、和歌山の絆物語は、どこまでも続く道のようである。
バックナンバーVOl.41 令和2年3月16日 発行
燦々と降り注ぐ陽光と温暖な気候、
そして大いなる自然に祝福されるかのように、
多種多様なフルーツが実る“果実王国・和歌山”。
さらに手間ひまを惜しまない紀州人の努力と知恵が、
その実りをより豊かにしてきた。
そんな和歌山の達人たちの軌跡と戦略に触れてみた。
バックナンバーVOl.40 令和元年11月27日 発行
急峻な山々の合間を縫うように、川は流れ、海へと注がれる。
途方もない長い時間を経て、
地球規模のダイナミズムを目の当たりにする。
人々は温暖な気候の中、自然の恩恵に感謝し、生活を営む。
人と自然、人と信仰の距離が近い南紀熊野。
和歌山の魅力は、大いなる大地からの贈り物だ。
バックナンバーVOl.39 令和元年7月19日 発行
芽吹きの春、枝葉を伸ばし命燃ゆる夏。
落葉の秋、息を潜め春を待つ冬。
永遠の時間の中で、樹々は再生を繰り返す。
巨木や滝、川の流れにも、そして空にも海にも大地にも。
和歌山の自然には寛容な神が宿る。
神も仏も黄泉の国も極楽浄土も、緑々しい木の国の森の中に…。
バックナンバーVOl.38 平成31年3月8日 発行
人は、食べたもので作られ育ってゆく。
地産地消とはなにか?
それは故郷を愛する気持ちであり、故郷の素晴らしさを再認識するプロセスでもある。
空、山、海、川、そして流れる風と時間。
和歌山の自然や文化、歴史は、人々とあまりにも親しく近しい。
和歌山のスローで贅沢な風景の中に、豊かに暮らす未来のヒントを見た。
バックナンバーVOl.37 平成30年9月28日 発行
時間の中に隠れている知られざる物語。
輝かしいエピソードの後ろで目立たない真実。それらの合間にこそ、重要な事実が佇んでいることもある。
輝かしい命のバトンを繋ぐ物語もある。
明治維新や江戸時代中頃、そして鎌倉時代から現在まで…。
知っているようで知らないものに溢れている
紀州人の物語は、こんなにも複雑で面白い。
バックナンバー VOl.36 平成30年7月24日 発行
世界遺産や世界農業遺産、世界かんがい施設遺産。世界が認めた多くの魅力。
歴史や文化、そして悠久の自然が織りなす息をのむような絶景。
そして和食のふるさとでもあり、海や山の幸に恵まれた美食の国でもある。
しかし和歌山の魅力はそれだけではない。どこにもないオンリーワンの魅力。
それは、それぞれの場所で暮らす人々の視線の向こうに見える情熱や熱意である。
バックナンバー VOl.35 平成30年3月16日 発行
豊かな自然がもたらす恵み。先人たちの創意工夫がもたらす恵み。
それは人々の暮らしを豊かにし、食文化を育てる。
里山で営まれてきた循環型の生活も今に留まらない未来を見据えた戦略も紀州の人々の知恵の結晶である。
和歌山の食は、ただ美味しいだけではない。
守って来た歴史や文化、そして大切にしようとする想いに満ちている。
バックナンバーVOl.34 平成29年11月22日 発行
紀州、心の軌跡
歴史や文化は、留まらない。
流れる川のように、寄せ来る波のように、明けてまた暮れる陽の軌跡のように、いつまでも永遠に時を重ねてゆく。
奈良の時 代から、天皇をはじめ多くの歌人に愛され、憧れを集めた“和歌の聖地”の魅力は、時間を積み重ね、そこに存在し続ける。
その“時の地層”を探ることで、紀州に住む人たちの“心の軌跡”が見える。
バックナンバー VOl.33 平成29年7月21日 発行
美しき国、和歌山
複雑に交差する風。雲立つ嶺々の向こう側。熊楠が愛し、保護した熊野の自然。そして空海が夢見た高野の姿。神々が宿る自然と人々の息吹を感じる歴史。それらは互いに影響を与えながら、また受けながら、存在を認めあう。その景観は、絶景という言葉だけでは語れない美しさに満ちている。人々と自然が分離されることのない美しい国、和歌山へ
バックナンバーVOl.32 平成29年3月10日 発行
果実王国、和歌山の挑戦
穏やかな日差しに、年間を通じて温暖な気候。
清らかな川の流れは、豊富な雨量と天の恵み。
山間部における朝夕の寒暖差は、果実に適切な刺激を与える。
和歌山が果実王国と呼ばれるのは、そこに暮らす人々の知恵と自然が寄り添うように融合し、影響しあった結果である。
紀州人の挑戦は、今も昔も、一歩ずつ力強く前進する、創意工夫の中にある。
バックナンバーVOl.31 平成28年11月18日 発行
受け継がれる紀州のココロ
伝統、文化、歴史、人々の暮らしやそこに生きる人々の想い。知恵や教訓、大いなる悲しみやそれに立ち向かう精神も全て忘れてはならないものであり、受け渡す者と受け継ぐ者が、互いに守らなければならないモノである。記憶の中に時間を綴じ込めて、未来へと受け渡すレガシー。“紀州のココロ”には、先人たちの知恵と勇気と優しさと温かい想いが満ちていた。
バックナンバーVOl.30 平成28年7月30日 発行
世界と和歌山が近づいた理由
熊野と高野が存在する紀伊半島。古の昔より、信仰の原風景として日本中の人々が憧れた聖地である。奇岩奇石が踊る海岸線とそれらの自然に宿る伝承。日本最古とも呼ばれる温泉や日本の食の原点ともいえる醤油や味噌、鰹節の故郷。そうしたスピリチュアルであり、極めて日本的な風景が今、世界中から注目を浴びている。また進取の気質に富んだ紀州人の気質と、平安の時代から育まれたおもてなしの心。和歌山と世界は今こんなにも密接している。
バックナンバーVOl.29 平成28年3月4日 発行
和歌山、味の記憶
味の記憶。それは本物が持つ存在感。時代が流れ、社会が変わろうと決して忘れ去られることはない。和歌山の豊潤な土地に育まれた素材と人々の智恵が生み出した味は、何度でも復活する。それは本物だけが持つ力強さでもある。
バックナンバーVOl.28 平成27年11月10日 発行
幸村、雌伏の郷 紀州
真田幸村、敵さえも「日本一の兵」と賞賛したという戦国時代最強で最後の武将。その生涯の中で最も長く暮らした場所が紀州、九度山である。家族と共に過ごした、慈愛に満ちた暮らし。しかしそれは、来るべき時に備えた雌伏の14年であった。
バックナンバーVOl.27 平成27年7月21日 発行
紀の国、和の国 和歌山のこと
雄大な自然と悠久の歴史、神々が鎮まる、森厳な大地、どこまでも続くかのような高い空と蒼い海。時は流れ、季節も巡る。一秒ごとに、時間は未来へと進む。変わらないもの、なのか、変わり続けるもの、なのか。和歌山は、自然も神も、歴史も文化も、人も時間も渾然一体として在り続ける場所。
バックナンバーVOl.26 平成27年2月26日 発行
紀州手間ひま
いいものに出会うそれは作り手との一期一会。紀州の職人たちは手間ひまを惜しまずどこかおおらかにこだわりを楽しみひとつひとつに心を込める。和歌山の歴史と豊かな自然に感謝しながら特別なことではないがそのひと手間ひと手間を物語のように未来へと紡いでいく。
バックナンバーVOl.25 平成26年10月3日 発行
和歌山テロワール
テロワール。その土地の気候や風土がもつ魔法。豊潤な香りや爽やかな風味、時に洗練され、時に甘く懐かしい。和歌山の果実はどこか豊かだ。和歌山の野菜はなぜか優しい。澄んだ水と空気と太陽と、紀州人のこだわりや千年の歴史、清涼な聖地の風。すべてが、作物に力を与えてくれる。そう、和歌山の美味にはわけがある。
バックナンバーVOl.24 平成26年7月10日 発行
世界遺産登録10周年 熊野転生
黄泉の国、浄土とも言われた”隈の地、熊野〟。森は母なる大地の子宮のように、道は現世と結ぶ産道のように、生命力に溢れている。草木は森に還り、新たな魂へと受け継がれ、人は森羅万象の一粒として、寄り添いあって生きる。熊野では豊かな自然とあらゆる精が、混沌として存在し転生を繰り返す。
バックナンバーVOl.23 平成26年3月11日 発行
発祥の地、和歌山
太古より船が行き交う紀伊水道は、都へのゲートであった。海の彼方から文化や技術が辿り着き、生まれ変わり、やがて世界へと伝えられる。味噌、醤油、鰹節。「和」の味覚は紀州に始まる。紀伊半島は「根の国」とも呼ばれ、深い森や水に今も神々が宿る、生まれ変わりの聖地。そこでは祈りが芽生え、文化が受け継がれた。日本人の魂のルーツもまた和歌山にある。
バックナンバーVOl.22 平成25年11月18日 発行
天空の聖地 高野山
高野山は、平成26年世界遺産登録10周年、そして平成27年4月開創1200年を迎えます。
バックナンバーVOl.21 平成25年7月31日 発行
和歌山食の創造力。
美味しいものは美しい。それは食材であれ、料理であれ色彩りも姿形も、皆、美しい。自然の大いなる創造力が造形した自然の恵みに感謝しながら人々は大地を耕し、工夫を重ね、更なる創造力を働かせる。時には自然に寄り添い、時には対話しながら…。日本の食の源風景“和歌山”には自然と人の創造力に満ちている。
バックナンバーVOl.20 平成25年3月8日 発行
和歌山邂逅
自然の恵みは神々の恵み。自然への感謝は、神への感謝にほかならない。神々の包み込むような優しさと、荒ぶるような厳しさ。紀伊半島の自然は全てが混沌と存在する。五輪塔が表す地と水と火と風と空は、森羅万象を指し示す5つの要素。和歌山で出会う全ての恵みは、神々を感じることから始まる。
バックナンバーVOl.19 平成24年11月2日 発行
紀州のチカラ
輝きが違う。色つやが違う。和歌山の農産物に触れた人々は、その力強さに感動する。爽やかさが違う。香りが違う。和歌山の野菜を食べた人々は、その新鮮さに感動する。燦々と輝く太陽。清らかな流れの河川。そして豊潤な大地に宿る紀州のチカラは神々しさに満ちた自然のチカラ。
バックナンバーVOl.18 平成24年7月20日 発行
進化する紀州魂
豊かな「森」が豊かな「海」を育てる。「木の国」と呼ばれる紀州はリアス式の海岸線に囲まれた豊かな「海の国」でもある。暖流「黒潮」と穏やかな日差しの影響なのだろうか、数々の困難に面しながらもそれを乗り越え、未来を切り開いてきた紀州人の性格は、タフでおおらか。この海辺に立ち水平線の彼方を眺めると、希望と勇気が雲のように湧いてくる。きっと昔の紀州人もそう感じて来たに違いない。
バックナンバーVOl.17 平成24年3月16日 発行
勝利の聖地わかやま。
フィールドにみなぎるパワー。見るものを圧倒する躍動感。多くの期待を受けてさらに力強くなるアスリートたち、その姿は誇らしげで美しい。穏やかな陽光差す大地。聖地へと続く巡礼の道。遥か昔から甦りの国、熊野は、多くの人々の願いを受け入れてきた。期待と願いのその先には情熱を燃やす戦士たちがいる。
バックナンバーVOl.16 平成23年11月1日 発行
和歌山食材とのスローな出会い。
歴史と文化が出会う。人と人が出会う。シェフと和歌山の食材が出会う。海と山と川と。豊かな自然の中で、時には向かい合い、時には寄り添いながら暮らしてきた紀州人は、工夫を凝らし日本人の食に大切な数々のものを生み出した。その場所で、このタイミングで。どれひとつとしても欠かせない、自然や人や歴史や文化さえも、相互に引き合うように出会い、食の楽園和歌山が生まれた。
バックナンバーVOl.15 平成23年7月15日 発行
100年目のエコロジー
今からちょうど100年前。南方熊楠が「エコロギー」なる言葉を、日本ではじめて用いた。明治時代の後半、神社合祀令により地域の生態系を育んできた鎮守の森は伐採され、神々との関係を大切にしてきた日本人のコミュニティが失われようとしていた。田辺に居を構えていた熊楠はその政府の命に猛然と抗議し、反対運動に心血を注いだ。エコロジーとは、自然や環境を単に保護する運動を指す言葉ではなく、「生態学」という広義な概念である。生物や環境、ひいては人々の暮らしなど自然界の全ては、互いに無関係ではなく影響しあい、体系的に存在するという考えだ。未曾有の大震災に見舞われ、人と人とのつながりやエネルギー問題に、皆が真剣に向き合おうとしている今日。熊楠が説いたエコロジーの心を改めてひもといてみよう。
バックナンバーVOl.14 平成23年3月1日 発行
わかやま癒しのローカル線
より速く、より遠くへ。たくさんの人々と物資を運ぶ二筋の鉄のハイウェイ。この目的を果たすため、鉄道は都市から都市へと休む間もなくその根を広げ続けた。鉄道本来の目的がそうしたものだとすると、和歌山には少々風情の異なるローカル線が、人と人の心を繋ぐようにゆったりと根をおろしている。人々の夢や思いを未来へと繋ぐために進化を続ける鉄道。街中の小さな路地を枕木で巡る散歩道のように流れる鉄道。癒しを求める人々を、心の聖地へといざなうために、険しい断崖を巡礼者のように清らかに進む鉄道。個性豊かなローカル線が自ら演じるべき役割を爽やかに、時に頑固に演じ続けながら、今日も人々とゆったりと会話を楽しんでいる。
バックナンバーVOl.13 平成22年10月1日 発行
紀州食のMariage
「和歌山の食材からは郷愁を感じます。物語があります。生き生きとした『旬』があります。最も美味しいその瞬間を見極め、調理する醍醐味を楽しんでいます。高価で珍しい食材より旬のものにこだわる。私はこれが究極の贅沢だと思っています」。
『料理人は食文化の担い手である』と真剣に食と向き合う佐々木料理長。海も山も光も空気もいい。もっと美味しい和歌山を探していくのが楽しみだと語ってくれた。
バックナンバーVOl.12 平成22年7月23日 発行
海の国から
太平洋に大きくせり出した紀伊半島。その大部分を占める和歌山は海と山の国である。緑と青が深く濃くもつれあい光が遊ぶ。人々は、自然の神秘に触れ、神と崇め、親しみ、ともに暮らしてきた。かつて、海上交通が盛んだった頃、和歌山は交通の要衝として賑わい、絶好の寄港地でもあった。リアス式海岸で小さな屈曲に富み、良港に恵まれ、別天地のように美しい紀伊水道沿岸は、母なる海の多くの恩恵を受けるとともに、時として厳しい表情も見せる。太平洋へと開けたこの海には、国内、国外を問わず数えきれないほどのドラマがあり、今も各地で語り継がれている。
バックナンバーVOl.11 平成22年3月19日 発行
知の巨人・南方熊楠。
博物学者であり、生物学者であり、民俗学者でもある。
研究分野は、粘菌、キノコ、動物、人間、宇宙……、あの世この世のすべてのこと。
膨大な資料を残しているが、いまだ全容は明らかにされておらず、海外渡航やエコロジー思想などから浮かび上がるその人物像は、現代にして“未来的”。
奇想天外、森羅万象を見つめた知の巨人、南方熊楠の世界を覗く。
バックナンバーVOl.10 平成21年12月8日 発行
食の楽園、和歌山。
国内最大の半島、紀伊半島に位置する和歌山。内陸部には、緑なす山々と深い森。そこから生まれた川は、黒潮おどる雄大な海へと注ぐ。はるか昔から、その壮大な自然が「癒しの聖地」として人々を惹きつけてきたこの地は、自然がもたらす豊かな恵み、“食”の魅力にも彩られている。
食を語るのに欠かせないのが、海と山、そして人々が暮らす里の距離の近さ。自然の循環、山と沿岸の文化の複合、そして黒潮が運ぶ温暖な気候も手伝って、和歌山の食文化は驚くほど豊かだ。いくつもの条件が重なって生まれた、食の楽園。その魅力を、まずは誌面で味わってみよう。
バックナンバーVOl.9平成21年7月31日 発行
紀伊山地の霊場と参詣道
世界遺産。それは人類が未来へと繋ぎ、守るべきもの。悠久の時の流れの中で人類が自然と共に紡ぎ出した引き継がれしもの。
あるものは、豪壮華麗な姿を誇り、あるものは目に見えぬ大いなる価値を有する・・・・・・。
紀伊山地の神聖で、壮大な自然は、人々に人知を越えた神々の存在を感じさせた。人々は、自然への畏怖と崇敬の念を抱き続け、その清らかな心は、深い山々に霊場を生み出した。精神の癒しや安穏を求めた人々の流れは、霊場へと続く祈りの道となり、その道は時空を超えて人々を心の聖地へと繋いでいる。「紀伊山地の霊場と参詣道」。そこは、人と自然が織りなす、日本人の心の原点。
バックナンバーVOl.8平成21年3月13日 発行
紀の国で生きる
「限界集落」という言葉をご存知だろうか。一般に65歳以上の高齢者が住民の50パーセント以上、つまり過疎と高齢化で存続が危ぶまれている集落のことだ。和歌山県は人口流出率が高いこともあって、いやおうなしにこれに該当してしまう地域が増加している。
一方、さまざまな想いを胸に抱きながら、吸い寄せられるように紀の国和歌山に移住する人が年々増えているのもまた事実だ。生まれ育った地域をなんとか元気にしていきたいという人と、和歌山で生きたい暮らしたいと移ってくる人が出会うことで新しいライフスタイルが生まれている。
それぞれの挑戦が「限界」を「無限」に変える。失いかけたものを呼び覚ます。都会にはない「輝き」を放つ。そんな紀の国で生きる人々の姿を追った。
バックナンバーVOl.7平成20年11月14日 発行
美味なる紀州
7号のテーマは「美味なる紀州」。黒潮の流れる和歌山は温暖な気候に恵まれ、豊かでバラエティに富んだ食材にあふれている。ミシュランで星を獲得した有名レストランのシェフが絶大な信頼を寄せるほど、その評価は高い。
受け継がれてきた伝統の技が、高い評価を支えているのはもちろんだが、食の未来に向けて、高品質な食材をできるだけ手に入りやすい価格で提供しようとする関係者の努力も忘れてはならないだろう。今回の特集では食の現場を訪ね、そこにある人の想い、伝統、創意工夫、そしてそれらが生み出す紀州、和歌山ならではの「味」について、レポートする。
バックナンバーVOl.6平成20年7月30日 発行
伝わる・生まれる
6号のテーマは「伝わる、生まれる」。和歌山は、もともと海運の要所として人、モノ、文化が交わる地域だった。その風土はいまも健在で、Iターン、Uターンが多いことからも分かるように、“外から来た人”と“内にいる人”がごく自然に共存できる土地だ。外から持ち込まれたものも、内で生まれたものも、そうした風土の中で育まれ、伝えられてきた。「人と想いがつながっている」。和歌山はそんな場所だ。
今回の特集では、そんな人と想いにスポットを当ててみた。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。
バックナンバーVOl.5平成20年2月29日 発行
紀州人のDNA
5号のテーマは「紀州人のDNA」。知事対談では、駐サウジアラビア・タイ大使を歴任した岡崎久彦氏と明治維新前後の日本の近代化をリードした陸奥宗光ら紀州人の業績を語り合います。
特集では、陸奥、南方熊楠、華岡青洲、濱口梧陵ら紀州の偉人と、そのDNAを受け継いで活躍する現代の紀州人パワーに迫ります。他にも120年にわたる日本とトルコの友好秘話、大手電器メーカーを早期退職してふるさとの活性化に取り組む元気人、「コブクロ」と和歌山の深い縁、水揚げ高日本一の那智勝浦の生マグロなど、話題が満載です。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。
バックナンバーVOl.4平成19年11月30日 発行
和歌山モノづくりのポテンシャル
4号は和歌山のモノづくりを特集。知事対談は、花王株式会社の後藤卓也会長を迎え、モノづくりに対する思い、和歌山のこれからなど、知事と大いに語り合います。
特集では、「果樹王国、和歌山」とモノづくりにかける紀州人のこだわりを紹介。醤油や鰹節など食文化のルーツが和歌山にあったことにもご注目を。他にも小さな村にある4つのオンリーワン、棕櫚箒に魅せられIターンした女性職人、紀州の冬の味覚、幻の高級魚クエなど、最新の和歌山ストーリーをお楽しみ下さい。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。
バックナンバーVOl.3平成19年9月25日 発行
再発見「高野・熊野」
今号は日本画家平山画伯夫妻を迎え、シルクロード、世界遺産「高野・熊野」などについて知事と語り合います。また特集でも、世界遺産登録から3年を経た「高野・熊野」の新しい魅力を満載。その他、挑戦するローカル電車・貴志川線の「おもちゃ電車」と「たま駅長」、山村の診療所に赴任し、田舎暮らしを楽しむ「名医」、イセエビを丸ごと使った本州最南端の「イセエビ丼」など、それぞれの和歌山ストーリーをお楽しみ下さい。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。
バックナンバーVOl.2平成19年3月30日 発行
海から未来へ
2号は海をテーマに、和歌山の海から生まれた文化、そして未来を特集。巻頭特集では、、作家・C.W.ニコル氏を迎え、海をテーマに森と海の深い関係、海と和歌山の人々が織り成してきた文化、そしてこれからの和歌山のあるべき未来について知事と大いに語り合います。また、和歌山の海を生かし成長するユニークな企業、地域ブランドにも登録されたケンケン鰹、養殖本マグロなど和歌山が誇る海の幸、日本の近代を支えた灯台建築など、豊かな海のストーリーをお楽しみ下さい。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。
バックナンバーVOl.1平成19年1月22日 発行
里山へ。新たな故郷ではじめる。
創刊を記念し、和歌山の田舎暮らしを大特集。巻頭に作家、立松和平氏のインタビュー、モニターツアー、田舎暮らし推進5町、個性豊かなIターン者のインタビューで、和歌山県が推進する「わかやま田舎暮らし」プロジェクトの全容がわかる、まさに和歌山田舎暮らしバイブルです。その他、“稲むらの火”で有名な濱口梧陵(はまぐちごりょう)、ブランドとして成長する“古座川ゆず平井の里”、木造校舎の高野口小学校、和歌山が誇るみかんなど旬の情報が満載。
(補足)掲載内容は発行時のものです。料金等変更されている場合がありますのでご了承ください。