令和3年8月17日 知事臨時記者会見
知事臨時記者会見(令和3年8月17日)
新型コロナウイルス感染症発生報告
令和3年8月17日 報道資料提供(PDF形式 1,427キロバイト)
技監:本日は、新たに67名の新規感染者を確認しています。67名は、これまでの第一波から第五波の最多です。これまでは、4月20日の55人でした。また、入院患者は296名で、第五波の最多です。これまでは、275名でした。
一週間人口10万当たりの感染者数は、県全体が33.8で、第四波の最高だった4月23日の30.3を超えて、過去最高の値です。保健所別では、人口の関係で、御坊保健所が59.8、海南保健所が35.0、和歌山市保健所が32.3です。全ての保健所で、感染拡大の指標の15を超えている状況です。なお、和歌山市で新規感染者が24名となっており、20人以上は4月29日の23人以来、110日ぶりです。重症患者は、現時点で、酸素投与者が11名、うちICUに入室されている方が1名、人工呼吸器装着者は4名(※4名は誤りで、正しくは1名)です。なお、本日も、全保健所で感染者の発生を見ており、5月21日、8月14日、8月15日、本日の4回目です。
本日も、家族での感染が27人と非常に多い状況です。また、帰省及び帰省の関係も13人となっており、非常に多い状況が続いています。
それから、ちょっと申し上げたいのは、これまでも、第五波でちょっと違うのは若い人が多いことと申し上げましたが、第五波になり、妊婦の感染が非常に多くなっています。第五波では、すでに9名感染しています。妊婦がいる家庭では、特にご留意いただきたいと思います。
もう一つは、肥満の方、BMI30以上の方の感染も増えている状況です。また、基礎疾患をお持ちの方についても、感染予防に十分ご留意をいただきたいと思います。
デルタ株ですが、かなり置き換わってきており、15日の資料では7割と申しましたが、本日確認できたのは381人となり、検査のできる状況から、およそ8、9割ぐらいデルタへ置き換わっている状態になっています。
ですので、持ち込まれると家族内で一気に感染してしまう事例が非常に多いので、これまで以上に、感染予防に十分ご留意いただきたいと思います。
質問と回答
共同通信:妊婦の方が第五波以降で9名感染ということですが、第四波まででも妊婦で感染された方はいますか。
技監:そこは、なかなか拾うのが難しいのですが、第一波からは5人以下の数字です。
共同通信:それぞれの症状は。例えば重症化とか。
技監:重症化のリスク要因になっていますが、今のところ、重症化は抑えられている状況です。
共同通信:例えば、9人の中に出産されている方もいらっしゃるかどうか分かりませんが、そういったことに、今のところ何か影響はありますか。
技監:妊娠9ヶ月という方もいますが、今のところ、状態安定した形です。厚労省も、世界的なエビデンスに基づきまして、産婦人科学会も、今、妊婦についてはワクチンを推奨する形に変わっています。
県民の皆様へのお願い
令和3年8月17日 県民の皆様へのお願い(PDF形式 142キロバイト)
令和3年8月17日 参考資料1(PDF形式 298キロバイト)
令和3年8月17日 参考資料2(PDF形式 80キロバイト)
知事:今、発表がありましたように、和歌山県でも随分感染が増えてきました。和歌山県は、これまでは、福祉保健部技監を頂点とする保健医療行政が頑張るから、目立って危険の高い、リスクの高い行動は慎んでもらいたいけど、一般的には自粛の要請はしません、安全な外出、安全な生活でいきましょうということでやってきました。
しかし、このままどんどん進行すると、和歌山県で今頑張っている全員入院というのも、なかなか難しくなってくるし、それから、そういうのが突破されてしまうと、感染が止めどなく広がる可能性もあるので、やっぱりここはちょっと県民の皆さんに、少し不便を忍んでもらおうと思いました。
こういう事態になったことは大変残念でありますし、申し訳ないと思っておりますが、実はワクチンの効果も、もう少しのところまで来ていますから、少し感染が収まってくるまでのしばらくの間、協力をしていただき、保健医療行政の方は力を緩めることはありませんので、両方の力で感染をコントロールしていこうと思っているわけです。
そこで、どういうふうにするかということですが、まずは、今まで、安全な外出、安全な生活と言っていましたが、これは和歌山県の歴史で3番目になりますが、もう一度、不要不急の外出を控えるというモードに変えていただきたいと思います。従って、特に用事があったり、仕事があったり、学校へ行かなければいけないということでなければ、できれば家にいてもらいたいと申し上げたいと思います。
そこで、細かいことをさらにいろいろ申し上げますが、一般的に、とにかくこうだからといって決めつけるというのが、世の中で流行っている感じがしますが、我々はもうちょっと科学的にやりたいので、データに基づき本当の急所を押さえていきたいと思います。
この資料を見ていただくと、現在どのようになっているかということですが、8月1日から15日までのデータを取りますと、一番うつっている経路は何かというと、やっぱり家族です。デルタ株は大変感染力が強いので、1人が感染すると家族にうつる可能性は大変高いので厄介です。これは、もともと家族の中に引っ張り込まないということが大事なので、もちろん家族同士で分けて生活するなんて無理ですから、どうやって引っ張り込んだかというところが大事になってくると思います。
そうすると、県外、職場・学校、友人・知人、飲食店などいろいろあるわけですが、一番大事になってくるのは県外です。それと、職場・学校、友人・知人というところが大事になってくるということになります。
この県外というのは何かということですが、県外ナンバーの車がいっぱいあって、遊びに来るのはけしからんとかいう議論があるのですが、大きな塊で見ると、どこで一番感染しているかというと、最近で言うと、実は和歌山への帰省客からうつったというのが一番多いのです。それから、他府県に行って帰ってくるとう形の帰省もあります。
それから、実は、通勤、通学、仕事、こういう非常に真面目な、もうやめるわけにいかないようなことからも、結構うつっているわけです。
さらに、飲食、買物がありますが、県外への旅行がそれに続いています。それから、実は、この県内の観光は、県外の人がやってきて県内へ観光というのもあるし、県内の人が県内へ観光というのもありますが、県内における観光客からうつったケースというのは意外と少なく、3%しかないということです。
そんなことが分かっているので、効果的な対策を考えないといけません。
そこで、県民の皆さんへのお願いということで、今日、全国的に緊急事態宣言の対象が広がり、まん延防止等重点措置の対象区域も広がると思われますので、そういう地域へ、不要不急の外出、あるいは不要不急の往来を控えていただくということと、やむを得ず、そこへ行くということであったとしても、会食や接待を伴った飲食は、そこではやめてもらいたいということです。もちろん、出張とか、仕事とか、どうしても用事があるとか、そういうことまで行ってはいけないとは言えないわけですし、それぞれ事情もあります。それでも、不要不急だったらやめてもらいたいし、そうでなければ、やむを得ず行ってしまった場合でも、危ないので会食や接待はやめましょうというのが、第一の注意です。これは前と一緒ですが、対象区域が変わりました。
それから、これも前と一緒ですが、とりわけ言っておきたいのは、実は帰省を原因としてうつったというのが一番多いわけですから、できるだけ控えて欲しい。前は慎重にと言っていたのですが、できるだけ控えて、というふうに思います。お盆を過ぎたので、ひょっとしたらピークは過ぎているかもしれませんが、ピークを外し、そのあと帰って来ますというのが結構あると思います。それを、この夏はできるだけ控えてもらいたい。
それから、すでに帰ってきて和歌山にいる人も、帰ってきてから10日以上経っている場合はもういいのかもしれませんが、昨日帰ってきたというような人は、家族以外との会食は控えてもらいたいと思います。帰省で一番うつっているケースは、帰省で帰ってきたので、家族も含めて、この際、いろいろ飲んだり食べたりして遊ぼうかというようなケースでうつるのが、一番多い。従って、それはぜひ控えてもらいたい。
その次は、通勤・通学でうつっているケースで、通勤・通学を止めろとはなかなか言えませんので、県外への通勤・通学は直行直帰してもらいたい。特に、お弁当を食べる時なども注意して欲しいと思います。物を食べないわけにいきませんが、できるだけ、自分1人でお願いします。あまり長い時間いろんな人と談笑したりすると、後で、そこで一人うつっていることが分かったら、感染力が高いから、必ずとまでは言わないけど、かなりの確率でうつっています。従って、会食は控えてもらいたいということです。
それから、資料が悪くて、「飲食・カラオケは慎重に」というのと、「遅くまで集団で会食・宿泊しない」というのは、その後ろの、「在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用を」と入れ替えてください。塊としては、先に、在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用です。これも前から言っていますが、さらにできるだけやって欲しい。従業員の方からも申し出て欲しいし、経営者の方もやって欲しいというふうに思います。県外、特に大阪との関係が強いので、そういうことをお願いしたいと思います。大阪も、テレワークを積極的に活用しろよと言っているもんですから、ぜひ、大阪も言っていることを念頭に、職場でも、そういうことを自己主張して欲しいというふうに思います。場合によっては、我々も助勢いたします。
それから、入れ替えたところで、飲食・カラオケは慎重にというのと、遅くまで集団で会食・宿泊をしない。これは随分前から言っている話ですが、飲食でうつっているケースも結構ありますから、慎重にお願いしたいということです。特に、帰省などの若い人達が帰ってきて、元気ですから、友達の家へみんな集まって、朝まで騒ごうとか、カラオケに7時間ぶっ通しでいこうとか、そういうことをして、みんなうつってしまいましたというのが結構あるので、そういう意味では、慎重にお願いをしたい。実際、飲食をするなとか、カラオケは全部駄目と言ってるつもりはありませんが、いろいろ感染リスクを考えて、慎重にやってもらいたいということです。
それから、最近、子供にもうつっています。いろいろ調べると、二通りケースがあります。子供同士でうつしあいしたケースと、家庭で子供がうつって学校にやってきたケースがあります。前者の方は、スポーツ合宿や練習試合とかありましたが、よく調べたら、そんなに多くない。そういう意味では、リスクはあるけど、全面的に禁止をするのは、県外の学校との練習試合にしようというふうに思います。県内の学校との練習試合は、禁止とまでは言わないけど、本当に今しなければいけないかを指導者の方もよく考えて、慎重にやってもらいたいということです。
それから、家族にうつされて、それが学校のクラブ活動なんかに入ってしまって、仲間にもうつるというのがあります。従って、家族も症状はないし、本人も症状はまだ分からないのは防ぎようがないんですが、家族に症状がある、あるいは家族が今保健所に調べてもらっているようなケースは、本人に症状がなくても、ちょっと自粛をして、部活動は、今日は家族で感染の疑いが出たので止めときますと、勇気を持って言ってもらいたい。それは、指導者の方も奨励をして欲しいということです。そこで、陰性が全部証明されて大丈夫になったら、また参加してもらったらいいということです。学校関係はこんな形にしたいと思います。
その次に観光ですが、県外へ観光に行ってうつったというのは、結構あります。従って、県外への観光は、ぜひ自粛をして欲しい。特に、感染が拡大している地域は、特に危ないということです。
県内の観光は、全部やめろと言うつもりはありませんが、今、我々は、県内観光についてはアクセルを踏んでいます。すなわち、リフレッシュプラン2ndが、今利用できます。県内で、観光でうつってる感じはそんなにしないのですが、アクセルを踏むのはどうかというふうに思いますので、新しい予約は、ちょっと控えていただきたい。それは、観光業者にもそんなふうに申し上げようと思っていますし、消費者の方も、新しい予約は少し控えてもらいたい。感染が無くなったら、また使ってもらったらいいです。
それから、現在もう予約をしてるケース、あるいは一般的にどうしようかと思ってる場合も、できる限り延期をしてもらったらいいと思います。ただ、もう予約していて違約金を払わなければいけないケースや、どうしてもという場合は、止め立てしにくいのですが、できるだけ延期をするように努力して欲しいというのが、我々のお願いです。
それから、いつも言っていることですが、症状が出れば、通勤・通学を控えて、直ちにクリニックへ行ってもらいたい。クリニックあるいは病院も、まず新型コロナを疑って検査をしてもらいたい。これは、もうずっと言い続けてることで、だんだん、これが問題だという人は減ってきましたが、まだいます。体調が悪かったら、なんのこれしきというのは、今本当にお止めになった方がいい。症状は、高熱ばっかりとは限らず、いろんな出方をしますから、とにかくさっさとクリニックへ行って、調べてもらいたいと思います。
それから、家族に発熱があったら、あるいは家族に何かの症状が出たら、出勤を控えてもらいたいというふうに思います。
それから、国の対処方針が、今日は変わります。変わる結果を小さく書いています。和歌山県では、保健所の機能が抜群によろしいので、多分、必要ないのではないかと思いますが、別に反対することもないから言っておきます。クリニックは、これはおかしいと思ったら、保健所の判断を待たずに、陽性者の同居家族などへの検査を促進してもらったらよろしいということです。後で手続きをきちんとして、公費負担に全部できますから、クリニックが走り始めても結構です。ただし、和歌山県では、保健所の機能がきちんとしてますから、後で必ずご連絡いただくことは、ぜひ必要だということです。
最後に、ワクチンです。どうも、今回の感染を収束させるには、若い世代も含めて、ワクチンをどんどん打って、あまり感染しないようにしないと、どうしようもないというふうに思います。そういう意味では、感染がだんだん恐ろしくなってきているので、お年寄りは、かなり打ち終わったと思いますが、若い人も、ぜひワクチンを早く打ってくださいということです。早く打ってくださいと言っても、予約をしないと早く打てない。打とうかなと思った時に予約すると、そこからまた大分かかる。特に最近、ワクチンがやや不足気味になっています。和歌山県でも、国がちょっとしかくれないので、だんだんと予約が容易ではなくなっています。でも、まだ余地はありますから、早く予約しておいた方が絶対得だというふうに思いますので、早く予約してくださいと申し上げたい。決め手はこれしかないと思います。
その次に、例えば、飲食店などを、我々、常に観察に行ってますが、そこで若干見受けられるのは、お年寄りが、私はもうワクチンを打ったから無敵だと言って、マスクなんかをかなぐり捨てて、ガンガン歌ったりしてるというのが、一部あります。だけど、実は、ある確率でもって感染はしますし、人にもうつすということですから、決して、どこかへ行くなと言ってるつもりはないのですが、ワクチン接種後も、引き続き、マスク着用、手洗い、そういうものをぜひ励行をして欲しいということです。
以上です。
質疑と回答
産経:何度も感染の波が来て、また引いてということがありましたが、今の感染状況は、これまでの経緯から見てどのようなフェーズにあるか、どのようにお考えですか。
知事:皆さんよくお分かりのように、数からいうと圧倒的に今回が一番大きい。和歌山県は第四波もきつかったが、第四波にすでに匹敵する。これからもっと増えるかもしれないので、第四波よりもきついというふうには思います。
ただ、救いは、高齢者が少ない。従来は、高齢者が多くて、高齢者は重症化リスクの高い人たちなので、重症化する人が少ない分だけ、重症化ベッドの使用率は低く収まっています。重症化すると、どうしても病院に長く入院するし、死ぬ人も少し出てくるので、そういう意味では、地獄のようにならないのは、ワクチンのおかげだというふうに思います。
そういう意味では、「高齢者に早く接種しろ」と言った日本国政府は、ちょっと評価されるべきではないかと思います。
産経:これまで、感染のステージ判断は保留されていたかと思いますが、その辺についてはいかがですか。
知事:我が県というか、私の意見ですが、全体としてステージ何ですという議論は、あまりみんな言わないようになっています。それぞれの項目ごとの判断の統計は簡単に出てきますが、総括判断をして、ステージ何になったからこうだとか、あまりそういう議論はしません。
和歌山県もいろいろです。入院率は、全国で唯一100ですから、ステージゼロです。そんなのも混じっているし、重症病床占有率も少ない。だけど、全員入院ですから、病床の占有率、一般的な病床占有率だったら、当然ステージ4を超えてくるので、そんなに楽観はできない。そんな、個々の判断で良いのではないかと私は思っています。
産経:今回、4月以来の一般的な外出自粛に踏み切ることになりましたが、この判断の理由というところで、今日のような直近の感染者数の急増がポイントになっているのか、それとも、今日の政府の緊急事態宣言等々の発令範囲が増えて全国的に広まっているからなのか、どちらの方がウエイトが高いのですか。
知事:和歌山県の話ですから、当然、前者です。ただ前者がなぜそうなるかというと、外から火の粉がバンバン飛んでくるわけです。だから、和歌山県だけで火がガンガン燃えているわけではない。緊急事態宣言を拡大しなければいけない、まん延防止等重点措置の地域を拡大しなければいけないというのは、全国が燃え盛っていて、当然、それが背景にあるので、そちらは関係ありませんとは言えない。
あえて言うと、将来の恐れとしては、たくさん感染者が出ましたというのはいいのですが、我々は、全員の命を助けたい。そうすると、一番確実なのは、入院していただくことです。病床数は、今日は、515床を確保していますが、半分以上(埋まって)きていて、この調子でどんどん増えていくと、いつかは苦しくなってくるので、そんなことにならないように、少し県民の皆さんにも協力していただいて、ちょっと行動のペースダウンをしていただかないとしょうがないというふうに思ったのが現状です。
和歌山放送:全員入院ですが、全国で唯一続いていて、今回の呼びかけもそういうのを守るためだと思います。これから先も続くのかと、私も個人的に聞かれたりしますが、現時点で、全員入院に対する知事の考えと、今後の見通しもお話しいただけますか。
知事:できる限りやればいいと思います。なぜかというと、基本はそうなのだから、できるならそうしたらいい。なぜならば、人にはうつさないし、病状の医療加護も、他の方法に比べて完璧だし、できるにこしたことはないので、頑張ろうというのは当然です。
ただ、将来できるかは分からないので、一本調子に増えていけば、次の展開、セカンドベスト、サードベストも考えなくてはいけない。その時に、セカンドベスト、サードベストがなくていきなり破局というわけにはいきません。
努力をしていかなければならないのですが、その次にあるのは、出口としてのホテル療養です。つまり、もう重症化リスクがなくなった人で、まだ感染する可能性はあるけど、ちょっと病床を空けるためにそっちに出すとか、そんなことも考えないといけないし、それもいっぱいになってくると、また次のことを考えていく。そうやって、セカンドベスト、サードベスト、フォースベストを考えていくのは、我々がやらなければいけないことだけど、ファーストベストでいける限りは頑張ろうということです。
和歌山放送:セカンドベストは、ホテル療養ということですか。
知事:出口です。それは間違えないでください。
産経:今回の外出自粛の部分と、県内旅行と、リフレッシュプランの呼びかけについては、いつまでかというところと、区切る指標みたいなもので、これだったら大丈夫みたいな出口戦略を、どのようにお考えでしょうか。
知事:出口戦略は、今の感染が収束してきたらです。和歌山の通例のように、と言った方がいいでしょうか。今と言っても、和歌山は元々(感染者が)すごく少ないので、例えば、(感染者数が)全国で30人、40人というのは、「そんなものか」というようなところもあるかもしれないけど、和歌山で言えば、30人、40人が出たら多い。だから、和歌山的に言って、従来の流れの中でかなり少なくなってきたと思ったら、あとは、保健医療行政で頑張るから、安全な外出・安全な行動でいいのではないかと考えることができます。これは、今年の5月の終わりぐらいの我々の行動を見ていただいたら分かると思います。
産経:つまり収まってくるまで、当面は。
知事:そうです。収まってくるまでは、当面こうしないとしょうがない。
産経:今日からスタートですか。
知事:今日からです。
NHK:今回、呼びかけを強められましたが、今後、感染がさらに拡大してきたら、まん延防止とかも考えられますか。
知事:考えられます。それは、その都度、判断してやっていかないとしょうがない。多分、今の状況を全国的に見ると、特に、我々は、全員入院で入院率100%ですから、そういう意味では、全国的に見ると、まだまだマシな方だと思います。だけど、ここで止まる保証はなく、これから頑張らないといけない。さらに大変になってきたら、次はまん防を申請して、特に飲食店系とかイベント系とかにも手を付けていかないといけないと思います。それでも止まらなかったら、緊急事態宣言に、これは我々が言わなくても、国がそう言ってくるでしょう。そこは、これからいろんな流れはあります。だから、いろいろ状況を見て、適切に考えていかないといけないということでしょう。
NHK:今回、帰省から引き込んでるということで、帰省に対しての呼びかけを強めましたが、年末年始も、かなり帰省で感染が広がったこともあって、お盆前の呼びかけは行動を慎重にという呼びかけでしたが、その判断はどうだったのかは。
知事:年末年始は、はっきり言って、私はちょっと反省しています。感染も程ほどだったので、帰省というのは、例えば、子供が親に会いに来るというような感じですから、そういうものまで止めろというのは、ちょっと人情にもとるというふうに思って、そこは言わなかった。そしたら、第三波の帰省では大分やられたので、今回は、特に、夏の帰省は、初めから、慎重に、できるだけ止めたほうがいいですよと、ずっと言ってました。聞いてくださった人もいるかもしれませんが、そうでない人もいます。全部追っかけてますから、そうでない人の結果を見てみると、かなり帰省からうつってきたのが、分かります。そうすると、帰省については、まだ夏が終わってないので、言う余地があるから、本当に止めてくださいというふうに、一段と強めさせてもらいました。
NHK:お盆前にもっと強く言うべきだったとか、そういった点はどうですか。
知事:今回は、初めからかなり強く言ってたんです。だけど、この際もっと言っておこうということです。去年の年末はちょっと反省していますが、今回は、予めかなり警告はしていましたが、中々言うことを聞いてくれなかった人も多いなあということです。
紀伊民報:リフレッシュプランの件で、新規予約を控えてもらうということですが、システム自体を停止するという考えはなかったんでしょうか。
知事:それは、普通の商業を止めてしまうことなので、すごく難しいと思います。他の例で考えたら、店を閉めるとか、無茶苦茶なことになります。そこまでは、我々もできないというか、バランスを考えると到底できないと言うぐらいの感じだろうと思います。ですから、「できるだけ使用はやめてください」、「延期できるなら後へ回してください」と言うのが、関の山かなというふうに思います。ただ、これからの話になると、予約をすることについては、まだ、そういう経済関係が発生してないわけですから、割合強く言ってもいいのではないかというふうに思います。
紀伊民報:リフレッシュプラン以外の県内旅行については、全部止めるというふうに言わないということでしたが。
知事:リフレッシュプランは、補助金付きのアクセル付きの措置です。だから、一般的にブレーキを踏んでいる時に、アクセルを吹かせ続けるのは、ゆるいアクセルだけど、まずいと思うので、ブレーキを踏んでいる間は、アクセルも止めようということです。
観光を原因としてバンバンうつっている、ホテルで大クラスターとか、そういう事態がいっぱいあちこちに出てきてるならば、観光をターゲットにして、かなり強い措置をしなければいけません。だけど、現実を考えたら、そんな状況にないので、あまり観念的に人が動くのがけしからん、観光なんかけしからんと言うのは間違いです。科学的にやらないといけないから、今はそれでやってます。ただ、今後の動向によって、これもフレキシブルに考えなければいけないかもしれません。
産経:リフレッシュプランは、かなり県内事業者さんが期待されてた部分ですが、全国的に感染が広がっていて、一般的に県外からのお客さんも減ってきているし、今年は雨が降ったりして、余計に観光客が少ないというか、ダメージが大きいかと思いますが、そこに対する対応という部分ではいかがでしょうか。
知事:まず、リフレッシュプランをどうするか。感染が落ち着いてきたら、お使いいただいて結構です。それから、国もお使いいただける予約の期間は12月まで延長しますと言っておられるので、もうちょっと後ろ倒しにしてもらったらいいのではないかというのが第一です。
第二は、追加発行するかという議論になります。それは、一つは感染の動向と、事業者がものすごく困っているという、その二つの関数です。状況を見ると、まだそんなにめちゃくちゃな、去年の事態みたいな感じではないという状況ではあります。
それから、これだけブレーキをちょいちょいとあちこちで踏んでいる時に、アクセルの措置を、例えば予算をいただけるかというと、ちょっと疑問です。9月議会で、次のお金をいただくかどうかは、検討事項でしたが、少なくとも今、提案できる素地にはないのが現状です。
産経:他にも、いわゆる給付金的なものであるとか、いろんなメニューがあると思いますが、そのあたりのお考えは。
知事:これは、いつもと同じですが、被害状況とか困窮度とか、そういうことを常に目を光らせて、今回のケースでもブレーキを踏んだ訳ですから、あちこちでマイナスの効果が出てきます。それがどのぐらい大きかったかとかも考えて、一般的な意味での有効な救済策を、いずれ打たないといけないかもしれない。それは、状況を見てです。その可能性はもちろんあります。