令和3年5月7日 知事囲み取材
知事囲み取材(令和3年5月7日)
国の緊急事態宣言の延長方針を受けて
産経:今日、大阪や兵庫など4都府県の、緊急事態宣言の延長が決まりました。それについての受け止めと、県内での外出自粛や和歌山市内の営業時間の時短要請については、5月11日で期限を迎えますが、この判断をどうされますか。
知事:まず、誰が考えても、まだ(新型コロナの)感染が収まってると思えません。だから、他県における緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置が始まった時に比べて、今、収まったと思うのは、ほんのわずかの地域しかないと思います。そういう意味では、今回の延長というのは、論評を加える必要もなく、当然ということになると思います。
当然、和歌山県は、それを前提にして、いろんなことを考えていかないといけませんが、県民に対する不要不急の外出自粛と、時短要請は大阪に対する予防的な意味合いでやっていますが、当然継続いたします。止めるわけにはいかないということになります。
産経:合わせて、和歌山県内での期間についてはいつまでですか。
知事:これは合わせないといけませんから、5月31日にしたいと思います。
朝日:協力金の件ですが、まず、国に要請するということですか。
知事:勝手に延長はできません。だけど、理屈からいって、拒絶されることはあり得ないと思います。元々、大阪の時短要請に沿って、和歌山県も、これは(人が)乗り越えてこられたら困るということでやっていますから、国がノーと言うはずはないということでしょう。
朝日:その時に、5月11日までだったのを、11日で一旦切って、12日から31日までにするのか、どうされますか。というのは、協力金は連続して協力してる期間しか出ないと聞いていて、例えば、11日まで協力してた方が、これ以上休むのは無理だから営業したほうが良いと判断し、12日から31日まで営業した時には、協力金が一切支払われないのか、それとも、11日で一回切って、それまでの分を出して、12日以降は、また改めて第2弾としてやり直すのか。
知事:あまりにも、びっくり仰天の質問だったので、分かりません。まさか、そんな質問をされると思わなかったので。それは、いろいろな縛りが本件ではあって、ルールブックをよく見れば答えがすぐ分かると思いますが、まさかそんなことを聞かれると思わなかったので、(今は)分かりません。(調べれば)すぐ分かると思います。
テレビ和歌山:今日の和歌山県の延長というのは、今日の政府の延長決定後に意思決定するということで、よろしいですか。
知事:そうです。これは(時間的に)ちょっとフライングしてます。
テレビ和歌山:そういう意向を示されている。
知事:国会でもそういう答弁をされてますから、別に、目に余るフライングというわけではないけど、政府の決定を受けてということになるとすると、政府の決定の本当の時間は、閣議でしょうから、夕方以降になります。ただ、我々は夕方に何かやるわけではないので、政府がそういうふうに夕方決定するということを前提にして、今申し上げてることが効力を発するというふうに考えていただいたら、いいのではないでしょうか。
NHK:(外出自粛と時短要請を)延長するということですが、引き続き、県民の方や飲食店の方々に、我慢を強いるような形になります。それについて、いかがでしょうか。
知事:全国的に、(新型コロナの)感染がなかなか収まらないので、今回、我々が取らざるを得なかった措置も、ほとんどの方はご理解いただけると思います。ただ、誰に対して言う言葉かどうかは別にして、やっぱり感染がかなり収まって、早く生活や経済ができるだけ元の状態に近づくようになることが、本当は良いことなので、そういう意味では残念ではあります。
産経:ゴールデンウィーク中の感染状況を見ると、若干下がってきていると思いますが、県内の感染状況をどのように見ていますか。
知事:若干下がってるというふうにも思いません。和歌山県の元々の相場から言えば、(1日辺りの感染者が)20人を超えるのは大変な数字です。これだけ努力をしてる、つまり、多分、日本全国を比べてみることは難しいですが、比べてみたら分かると思いますが、保健医療行政と病院が、ものすごく力を合わせて一緒になって防戦してるのに、20人以上も出てしまうのは、全然、感染は収まってないというべきだと思います。従って、決して楽観できないというのが、言えることだと思います。
さらに懸念を言えば、実は、休みが明けると、お医者さんが開くので、皆さんお医者さんに行かれると思います。一般のクリニックがお休みのところ結構多い。和歌山県は、また後で注意を申し上げなければいけないことですが、クリニックでの発見機能は結構あります。これ(お医者さんに行く人)が、バタバタと出てくると、実は(感染者が)増える恐れもあるというふうに思ってるので、さらに心配ではあります。
産経:関西広域連合で、広域の患者の受け入れ議論があり、兵庫県と鳥取県がやっていますが、和歌山県の現状ではどうですか。
知事:まず、何かしてあげたいという気持ちはすごくあります。和歌山県は、全員入院で、ちょっと危なかったけど、何とか盛り返して、ここ二、三日だけ考えたら、全員入院体制を何とか堅持できるだろうというぐらいの感じだと思います。一方、例えば、隣県の大阪は、病院に入れることすらできなくて、自宅で亡くなる人も出ています。これを何とか救ってあげたい。いきなり重症者を(受け入れる)というのは、動かすこともできないので無理ですが、玉突きスタイルとか何かいろんなことを考えて、何とかならないかというふうにもいろいろ思います。
ただ、和歌山の現状を取ってみても、実は、入院患者数は異常に多い。今までは、かなり(病床に)空きがありました。それでもみんな苦労して頑張っていましたが、とにかく大変な思いをしながら、何とか今の状態をキープしていて、じゃあその空いてるところへ入れられるかというと、現実の問題として、オペレーションができない。ですから、大変、心苦しいというか、胸がちょっと張り裂けそうな感じがしますが、他県の方を、今受入れるのは難しいと思います。ただ、まだ申し上げられませんが、何か工夫して、総合的にどこかで助けてあげることはできないかと、いろいろ検討してます。
毎日:4月22日から始まった、時短要請と、全県民に対する不要不急の外出の自粛については、どのように分析なり手応えを感じていますか。
知事:時短要請について言えば、21時以降、和歌山市に限りということで、大阪から、和歌山へ行ったら朝まで飲めるぞという人達が出始めていたのは、止めることができていると思います。実際に、始めの二、三日は、時短を聞いてくれなかったところもあるようですが、だんだんと、今、21時以降はお店も閉めてくれています。ずっと見回ってますから、(時短要請は)聞いてくれてると思います。そういう意味では、目的は達せられていると思います。
不要不急の外出という点について言えば、一般の県民の方々に対して申し上げてるので、どのぐらいというと、ちょっと難しい。ヨーロッパやアメリカみたいなロックダウンという制度と全然違いますから。ただ、いろんな施設を、県庁の諸君が満遍なくパトロールしていますが、そんなに混み合って、異常に人が集まっているようなところはなく、例年に比べるとかなり減ってるところが圧倒的に多い。観光地なんかは特にそうで、宿泊施設はもっとそうです。そういう意味で、こういうのは、一人たりとも許さずというような形のものではないことを前提にして考えると、成果は上がっているのではないか、かなりトーンダウンをしていただいてるのではないかというふうに思います。
毎日:5月末までの延長ということですが、飲食店の対象は、そのままですか。
知事:そうです。
毎日:どうしても、何で飲食店だけというふうな意見も聞こえてくる部分もあります。それについてはいかがですか。
知事:基本的には、国の政策からきています。それから、国の政策も、我々が証拠を持って、それは違うでしょうというようなものは、和歌山県はそれに逆らいますということを、しょっちゅうやっていますが、それは逆らえない。やっぱり、そういうところでうつってるのは、和歌山県のデータでも結構あります。ですから、そういうところは、国の対処方針なんかに沿って、バランスを取ってやっていくしかない。バランスを取ってというのは、キツさはいろいろあります。緊急事態宣言のところは一番キツくて、まん延防止のところはちょっと緩くて、その他のところはそれに準ずるというような形ですが、それに沿ってやるしかないというふうには思います。
私の方から、今回の措置について、付随的に四つぐらい申し上げたいと思います。
一つは、対処方針。これは、まだ閣議決定されていないけど、対処方針が発表されます。その対処方針の中を見ると、ほとんどは前の通りです。新聞などで、多分大きく取り上げられるのは大規模施設。そういうところは、前は休業要請でしたが時短要請になります。ここのところが大いに違うということですが、もう一つ、和歌山県にとってオッと思うところがあって、何かと言うと、抗原検査キットをいっぱい配るから、福祉施設などでどんどん検査をしてくださいということが、対処方針に載っています。当然、国からもお金が出る前提です。実は和歌山県は、もともと、そういう装備をものすごくやっていて、それであやしい人があったら調べてくださいと。だけど、この連休の前ぐらいから、あやしくなくても調べてくださいと。これは、福祉施設で、知らず知らず、家族からうつされている従業員の人が、まだ症状が無い状態で福祉施設に行って、福祉施設の中の入居者などにバンバンうつすことが結構あります。それを防ぐためには、あやしいかあやしくないか、あやしいと言ったら失礼な言い方だけど、症状があるかないかとか、身内に感染者がいるかとか、そういう、積極的な理由ではもうできない。だから、これは従業員全員検査。一週間に一回ぐらいを、今、通達を出してやってもらいつつあります。これを、多分、国が追随されたのではないかと思います。だから、大体和歌山県がやることは、後で国が追随してくることが多いのですが、自分でやってることですから評価するのはアンフェアかもしれないけど、非常に時宜を得たことだというふうに思います。福祉施設に入ると、本当に重症化しやすい方が、どんどんやられてしまいます。ですから、それは大変評価をしています。
二つ目は、時短。これは、和歌山市との約束で、和歌山市が今後とも徹底的にパトロールすることになっています。これについては、和歌山市に期待したいというふうに思います。それから、我々のパトロールは、もうちょっと広く、ある意味では浅くですが、広く網をかけていって、地域、業種、そういうものをものすごく広く取って、徹底的に県庁の諸君が今パトロールをしています。そこで、状況が分かってやばいと思ったら、また手を打つことにしていきます。和歌山市の夜9時以降の飲食店については、そういう意味では、今ダブルで、パトロールに行っていることになると思います。
その関係で、さっき抗原キットの話をしましたが、抗原キットで、従業員がうつすことがないようにということの表裏で、PCR検査というか、ちょっとおかしいなと思うような方が、なかなか検査に行かないのは、本当にこれだけ鉄壁の装備をしている和歌山県としては、非常に不本意だと。県民の皆さんに、是非、そこのところは守ってもらいたいと、強く強く思います。ちょっとでも調子が悪かったら、今コロナである可能性がとても高いので、普通のクリニックでもどこでもいいから、「先生、コロナと違いますか」と言っていただければ、すぐに検査ができるはずです。ですから、それをしないで、一週間とか10日とか、グズグズ家の中で留まっておられた方が、ものすごく大変な目に遭っておられる。本人も大変だし、周りにうつしまくっている点でも大変です。そういう意味では、本当に止めてもらいたい。今、とてもコロナが怖い。従って、PCR検査は、症状がある人は、タダで全員にできます。症状のある人は、ちょっとおかしいのではと言ってもらったら(PCR検査を)できますから、ぜひやってもらいたいというふうに、重ねて申し上げたい。今だに、福祉保健部技監が発表していますが、いつ頃から症状があったとか、10日ぐらいとか、検査まで何日かかったかとか、申し上げてるかもしれませんが、今で言うと、4月25日ぐらいとか、そんなようなのが結構あります。それは、ものすごく危ない。しかも、お年寄りがそういうことをされると、重症化してから病院に来てしまうことになるので、命が危ないですから、ぜひ、よろしくお願いします。
それから、お医者さんも、ちょっと抗生物質で様子を見ようかとか、そんなものは一切不要ですから、ためらうことなくPCR検査をどんどんやってくれたらいいということです。抗原検査でもいいと思いますが、どんどんやっていただきたいというふうに思います。
四つ目は、さっきのパトロールの関係ですが、我々がパトロールで回ったときに、飲食店側からいろんな意見もきます。その時に、建設現場で働いているような人だと思うけどという感じで、マスクをしないで店に入ってきて、お昼ご飯なんかを食べて、適当にしゃべって出て行かれる人が結構いるので困るんですという話がありました。従って、特に、建設関係、あるいは体を使って仕事をしていて、マスクなんかしていたらうっとうしいというような職種の方がいらっしゃいます。そういう方も、日射病にやられてまでそうしろとは言わないけど、できるだけマスクはしておいてください。それから、お昼ご飯を食べに行く時などは、別に日射病と関係ないので、ぜひ、マスクをしてお店に行ってくださいとお願いしたいと思っています。特に、この辺を含めて、建設業関係の方にいくつかのお願いと通知を出しています。今申し上げたのが一つですが、もう一つは、テレワークとの関係でいうと、他県から、例えば建設労働者の方が和歌山にお見えになって、大阪に住んでおられる方が通ってるというようなことが結構あります。そうすると、和歌山もありますが、大阪の感染の方がちょっと高いから、どうかという議論があるので、宿舎をできるだけ用意しよう。その時の助成なんかもしますというようなことも、建設業の方々に申し上げる。昨日時点で、通知はしていると思います。
もう一つは、工期が迫ってくると突貫工事をやるので、ものすごく人が密になることが結構あります。それについては、知事会なんかでも申し合わせて、特に関西広域連合の知事会で申し合わせて、納期はできるだけフレキシブルにしてあげようと。密になって新型コロナを流行らせるよりは、多少そういう事情があるなら、遅れてもいいからということで、やっていこうということを申し合わせています。それは、県の工事に関しては、そういうふうにしますからということを通知したところです。
以上4点です。
特に3点目の、早くお医者さんへ行ってくださいというのは、強く強く申し上げたいと思います。
朝日:宿舎を用意する、用意するのに助成をする、これは建設業のみにやるということですか。
知事:そこはそうです。あとは、一般的に、この間も大阪府知事にも大分お願いしたんですが、テレワークを、それぞれの立地府県で企業に対して呼びかけてくださいと。和歌山県の企業は、私が呼びかけていますが、大阪の企業に言っても届かないから、従業員の方がイライラしてる場合もあるので、それは認めてあげてくださいということを言ってくださいと、この間も言ったところです。
朝日:建設業はテレワークができないからということですか。
知事:そうです。