令和2年5月29日 新型コロナウイルス感染症対策本部 知事記者会見
知事記者会見(令和2年5月29日)
広報課長:それでは会見を始めます。
知事:今日は、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開きまして、6月1日から和歌山県の県民の皆さんに、どのような形でお願いをしていくかということを決めましたので、それを発表したいと思います。
全体としては、言わずもがなですが、5月25日に、残った5都道県についても緊急事態宣言が解除されました。要するに、日本全国の緊急事態宣言が解除されたわけです。それから、いつも言っておりますように、近隣府県の動向なども考えて、和歌山県の対策を考えたということです。
これも繰り返しになりますけれども、和歌山県の考え方は、いつもこのスタイルであります。不要不急の外出とはもう言わないけど、安全な生活と安全な外出を、皆さん心がけて欲しいということです。それから、他府県等への配慮もあるから、それも念頭に置いて考えます。それから、段階的にやっていきますということです。
段階的な緩和について先に言いますと、ここ3週間連続で緩和をしています。やっぱり、1回目から、今回のような対応をすると、ちょっと混乱するかなとか、心配だというようなところもあったので、かなり初めは制限をキツめに残し、段階を追って緩和してきました。ずっと見ておりますと、それで感染が、再拡大したというわけではありませんし、近隣の県においてもそういう状況ですから、これは大丈夫だろうなということで、どんどん緩和していくということです。
その結果、今日の段階では、次のとおりとなりました。一つは、安全な生活、安全な外出をずっと続けてくださいということです。不要不急の外出じゃなく、安全な生活、安全な外出をお願いしますということです。
次に、県外との関係を後でもう1回言いますが、5都道県への移動は慎重にしてくださいということです。政府からは、府県相互の往来は自由とするけれども、5都道県への移動だけは慎重にしてくれと言われています。これは、6月1日から18日までの措置だと言われていますので、我々もそれを守ろうということです。それ以降どうなるかは、感染状況と政府次第ということになります。
それから、密接は駄目。これは、政府の方針より厳しいと思います。3密はダメと、しょっちゅう呪文みたいに言われていますが、3密でないということを言い訳にして、安全でないやり方をするのはいけないので、密接を避けることが一番大事だから、密接はダメ、3密はもっとダメと考えて欲しいということです。
それから、発熱など体調がすぐれない時は、こういうご時世ですから、無理をしないということです。出勤・通学・外出などは控えてもらって、体調が悪いのだったら、どうぞクリニックなど、通常のかかりつけ医にご相談くださいということです。そうしたら、和歌山県では、最悪の場合でも、コロナ患者であることが発見出来ていくようなシステムになっていますので、体調が悪い時は、普通にクリニックにかかってくださいということです。
それから、テレワークとか時差出勤とか、強力に進めてもらっていましたが、これからは、そんなに強く言うことはないだろうと思います。ただ、新しいスタイルの働き方というのは、たまたま出来てきているのです。それの方が効率的である可能性もあるから、感染リスクはないわけじゃないので、出来るだけ、そういうことも考えて、テレワークや時差出勤なども進めていけばいいじゃないかということです。もう元へ戻すと、杓子定規に考えないでもらいたいということであります。
それから、事業者の皆様へは、こういうことを申し上げたいということでございます。全ての営業自粛要請、これは解除をいたします。それから、県外からの受け入れは、おやめください、自粛してくださいっていうふうに言っていたものも解除いたします。
ただし、全業種について、安全な生活の裏返しとして、安全な営業というのは当然あるはずなので、感染拡大予防ガイドラインっていうのを、今、それぞれの業界団体などで作っているわけですから、そういうものを守ってやっていただきたいっていうふうに思います。
このガイドラインについては、和歌山県は、解除の初期にはキツめのガイドラインをお願いしたという時もありましたが、段々と段階的に解除をしていくことにし、それで問題なかろうということで、今は、業界などで共通に使っている拡大予防ガイドラインを守ってもらえばいいということにします。
ただし、まだ、これが出来てない業種が若干あります。特に和歌山県が、最後まで営業自粛要請をしていた業種で、そういうことなので、6月の18日ぐらいには出来ると言われていますから、それまではこういうガイドラインでやってくださいと言って、他の業種と同じような形で、徹底的に守ってもらえるような、そういうガイドラインを県の方でお示しして指導していくということにしたいと思います。
それから、特に発熱等体調が優れない従業員に対しては、出勤を控えさせ、受診を勧めるということは、生活の方から言うのと同じであります。
それから、新しいスタイルの働き方を、事業者の方でも推進してもらいたいということです。
それから、イベント、これはもう政府の基準が示されていますので、和歌山県もそれと同じで行こうということで、段々と大きくしていく。それから対応なんかも、限られたものから、一般的なものに段々として行くということで、イベントは、当初は小さく、段々と段階的に大きくして行くということをやっていこうと思っています。
それから、相変わらず、ずっと同じ事を言っておりますが、一番危惧していることは、やっぱり病院とか福祉施設等集団生活を行っている施設にコロナウイルスが入るということであります。従って、職員の感染防止対策と健康観察、それから、特に発熱等の症状が出た場合は、すぐ相談をしてもらう、放置しない、それから、従業員などで、症状がある人を無理して仕事をさせない。
その他、食事の提供は個別とか、面会は施設に入らないでやって欲しいとか、そういうことを守って欲しいというお願いは続けます。
それから、県外とどうつき合うかということでございますが、一般的には、5都道県との関係以外は、県外との往来は、とやかく言わないということにいたします。ただし、6月1日から6月18日までは、5都道県への移動は慎重にして欲しいということです。
それから、来客の受け入れも、この5都道県に限っては控えてもらいたいということですね。
それから、県外からお来しになった方、よく疎開と言ったらいかんのですけど、感染なんかを避けて、或いは、感染があるが故に全ての生活が向こうで出来なくなったから、もうしょうがないから和歌山へ帰らざるをえないというような方が随分たくさんいらっしゃったわけですが、そういう方はですね、別に来県を推奨しているわけじゃないんだけど、2週間は感染リスクがあるので、自宅に留まってくださいというお願いをし、かつ、本人のためでもありますから、連絡ダイヤルに登録しといてくださいというやり方をしておりましたが、これについても、5都道県からだけに限定をさせていただきます。システムは同じなんですけど、しばらくの間、5都道県からは、これを続けます。
それから、学校でございます。学校は6月の1日から開業を決めておりましたが、その中身について、今日詳しく決めました。
まず、再開は6月1日からなのですが、まず6月1日から、県立中学校・高等学校を規範に言いますと、分散授業などにより、一つの教室に多くの生徒を集めない形態で実施します。6月の15日を目途に、通常授業へ移行します。
部活動は、県教育委員会のガイドラインにより実施するということにしたいと思います。
それから県立特別支援学校は6月1日から、障害種別に応じて分散授業等を実施すると、こういう決定であります。
ちょっと詳しく言いますと、分散授業なんですけども、例えば、隔日ということをした場合に、来ない日も、自宅学習の詳細な指導を受けた上で、自宅で学習していただいたのを、来る日にチェックするということにしますので、これは両日とも出席扱いということにいたします。
それから、部活動のガイドラインについては、詳細に決めておりますけれども、一言で言うとさっきの密接、どうしても密接にならざるをえないような種目や練習の仕方についてはやっぱり慎んでもらって、密接にならないようなやり方で出来るならば、部活動を再開してよろしいということであります。
それから、再開にあたっての留意事項としては、生徒、それから、出来れば保護者の方にも、広く、こういうことを気をつけてくださいということを、徹底的に学校を中心にして教えていこうということです。
そうは言っても、例えば、学校で感染者が出たらどうするか。そういうことについても、その時にじたばたするのではなく、予め決めておこうということです。まず、先生なども含めて誰か1人、陽性が判明した場合は、当然、出席は止めていただきます。そのあと、治ってからは、14日を経過するまでは出席していただいたら困るということです。
それから、濃厚接触者。これはうつっている方とうつっていない方がいる。濃厚接触者だと判断される場合は、最終接触日を0日として、14日間出席を停止するということです。濃厚接触者については、後から陽性が判明する場合がありますので、そういうふうにしたいと思います。
それから、臨時休業については、学校内で感染があった場合、例えばその濃厚接触者が、学級内、或いは学年内に留まっていると考えられる場合は、当該学級または学年を臨時休業にします。学校内で感染者が複数名発生し、校内で感染した可能性がある場合、当該学校を臨時休業します。それから、地域内の複数校において、複数名の感染者が発生した場合は、地域内の全ての学校を臨時休業します。あとは、県が、再自粛要請基準を作っていますが、県内で感染が拡大して、これは大変ということになった時は、県内の全ての学校を、もう一度、臨時休業にするということです。臨時休業の期間は、原則、最終感染者確認後14日間ですが、最後の場合は、県の解除があるまでは駄目ということになります。
それで、以上のような対応に対して、いろいろな懸念もあると思います。県民の方々に申し上げたいことは、このコロナ感染症の拡大防止の対策は足し算であるということです。一つは、行政医療の努力と、もう一つは県民の努力であると。医療保健行政の働きがかなり強烈であれば、県民の努力、強烈な行動自粛、営業の自粛によって支えてもらう必要はなくて、むしろそれをやりすぎると、経済が死んでしまって、大変なことになるので、従って、この足し算で勝負しようということです。
今日、またNHKで、山中先生が言っておられましたけど、黄色を点滅させながら、経済も熱心にやっていただこうと言っておられたのが、同じような考え方であります。医療保健行政の働きが、十分出来ないほど大変なことになってきた時は、もう一度、行動・営業の自粛で県民にお願いをしなきゃいけないということになるわけです。ただ、和歌山県の保健医療行政は、全国的には評価が高いのですが、それを考えても、前に比べるとさらに強力になっています。それをちょっとご説明をしたいと思います。
まず、基本的な考え方は変わっていません。これは、早期発見、早期隔離、徹底した行動履歴の調査ということで、全然変わっていないわけです。PCRをたくさんやったからといって、その一部だけ取られて、PCRをたくさんやったかわいい知事だと、私はよく言われたんですが、実はポイントは、あそこだけじゃなくて、隔離をするための手段としてちゃんと使っているということなので、早期発見、早期隔離、徹底した行動履歴の調査をずっと熱心にやってきたわけです。
その早期発見については、特に和歌山県の立派な全医師団、全部のお医者さんに協力していただいているわけです。すなわち、厚労省は全く推薦しようとしないが、風邪とおぼしき症状になった時に、クリニックに行ってよろしい。それで、そのクリニックの優秀な先生方が、肺炎や味覚・嗅覚障害とか下痢とかの症状があって、何かおかしいなということであれば、肺炎だったらレントゲンを撮ったらわかりますので、どっかにひっかかったら、保健所に連絡していただく。保健所は県庁に連絡して、直ちに検査をし、それで、もちろん陽性だったら隔離をするということです。
クリニックで1回スキャニングしていただいて、うんと絞り込んで保健所に来たものの中でPCR検査をして、それでも陽性率は、実は1.9%なのです。そのぐらいの確率のリスクと我々は向かい合っているということを考えておけば良い。だから、普通のクリニックの機能なんかもちゃんと使えばいい。クリニックに行ったら絶対コロナにうつると思って既往症についても我慢すれば、悪くなるという可能性がありますから、そっちの方で人命が失われているという可能性があるので、それは遠慮なく行っていただいたらいいんじゃないかと思います。
それから、PCR検査体制は、済生会有田病院で感染者が発生した頃、和歌山県と和歌山市で、1日あたり合わせて80検体でした。今や、それが増えていますし、さらに、病院にも配置というちょっと違う考え方でやっているものもあります。これは、病院の院内感染を防ぐために、割と短時間で結果が出るPCR検査装置を県で買って、大事な9病院に配置するということを、今、着々と進めています。そうすると、救急車で運び込まれて、緊急手術がいるとか、あるいは緊急入院がいるということになった時、その患者を病院の中に引っ張り込んで大丈夫かという議論がありますが、それは、この検査をすることによって、コロナかどうかってすぐに分かるわけです。そういう形で、これから病院の安全を守るために、これを使っていこうというところもあります。
それから、医療提供体制は、済生会有田病院の時は、我々は32の感染症病床と、それから13の結核病床を合わせた45病床で勝負をしていたわけです。今は、どんどんと病院の方々にお願いをして、一般病床を空けていただいたりしているし、さらにそれがもっと増える可能性もあります。さらに、実はもう治っているのに、まだ陽性が消えませんという方も若干います。そういう方々は、病床を塞ぎ続けるという可能性があるので、別に身体的なリスクはその人に関してはありませんから、ホテルに出てもらうということを、システムとして確立しています。ただ、そのホテルについてどこにするかというのは、風評被害がありますから、発動の時期にならないと絶対に言えません。
そんな状況になっておりますので、ちょっとぐらい患者が出ても対応は出来る。だけど、この前の再自粛要請基準に示しているように、例えば1日5人以上の方がずっと発生し続けて、病床がだんだん埋まってきたというような状況になったら、これはちょっと我々だけの力、行政だけの力では持たないので、経済は犠牲にしても県民の皆さんに助けてもらわないといけないということを初めから決めておいて、それで、とりあえずそこまでは頑張ろうというふうにやっていったら良いんじゃないか。そんなふうに思っております。
広報課長:それでは、質問をお受けします。
NHK:最初に休業要請されたのが4月25日からということで、1ヶ月あまり経っておりますが、長かったとか、率直な受け止めをお願いいたします。
知事:毎日毎日が、緊張と対応の連続でしたので、別に長かったという気持ちも無いし、短かったとも思えないけど、毎日毎日、ドタバタしていたなあという感じです。
ただ、やっぱり最近思うのは、日本が、各国との比較で見ればあっという間にここまで来た。大丈夫かなあというふうに、日本も西欧みたいに、欧米みたいになるんじゃないかなあと思ってたら、国民の皆さんが本格的に協力してくれ始めたら、あっという間にこういうふうになったということは、やっぱり、日本はなかなかのもんだというふうに思わなきゃいけないと思います。
とりわけ、関西が顕著です。和歌山県とか奈良県とかは、もともと踏みとどまっていたわけですけど、3府県がかなり危なかった。だけど、頑張られた結果、本当に見事に今のところ収束してます。この力というのは、やっぱり、これはさっきの足し算でいうと、行政と府県民の両方ですから、これは大したもんです。ちょっとその内に自分たちが入ってるんで言いにくいんだけど、あえて言うと、3府県の行政も府県民の方も大したもんだと。ちょっと自慢にならないように、わざと避けて言いますが、そういうふうに思います。
もっと言うと、実はこれがなんでこんなに効くのかなあというふうに思うと、やっぱり日本に感染症法の伝統とテクニックがあって、それから、保健所という、それを執行する装置があった。だから、基本的なところはちょっと力が弱まってきたら、そこのところでパッと抑えられたということが大きい。そういうものが何もない状態で、感染が広がってきたら最後は病院しか対応できない欧米とは、装置自体が全然違うんじゃないかと。そんなふうに思うのですが、これ、一番気が付いてないのは、政府の専門家そのものじゃないかというふうに思います。
NHK:もう1点ですが、今回の解除業種以外の事業者の皆さんも、不安の中で経済活動を再開されるということだと思います。そこに向けて一言呼びかけお願いいたします。
知事:コロナが世界で消えたわけじゃない、しかもワクチンも無い、治療薬もあるような無いような、そんな状態での再出発なので、やっぱり気を付けてやらなければいけない。いろいろ気を付けることはあるだろうというふうに思います。だけど、気を付けながら、勇気を持って、少しずつ再建をしていきましょうというふうに言わないと、永久にこれを続けてたら、それこそ支援策の原資自体も枯渇してしまうわけで、我々は別の意味での危機と、その生命の安全を迎えます。ですから、気を付けながら勇気を持ってというのが、今大事なことではないか、そんなふうに私は思います。
朝日:今回、県民の移動で5都道県が出てますが、一方で、最近、福岡の北九州で感染者が増えていたりだとか、これからも別のところで感染者が局地的に増える場所もあると思います。そうなった場合、都度都度、対象を指定して、ここからの移動は控えてくださいというふうに言っていく流れでしょうか。
知事:はっきりと決めてるわけじゃないので、確たることは言えませんが、その可能性は排除できません。ただ、私が思いつきでパッと考えてやるというよりも、諸般の情勢を慎重に見極め、かつ、政府がある程度コントロール、全体の指揮をするでしょうから、そういうことも参考にしながら、ひょっとしたら対象区域を増やすかもしれないし、延長するかもしれない。そういうことは排除できません。
朝日:先ほど、学校の再開と合わせてイベント等の再開の話が出てました。すでにもう決定してる部分で、学校の各種部活動やコンクールなど、いろいろな大会が中止になってます。県として独自の大会の実施などは、どういうふうに考えていますか。
知事:実は、私は、個人的にというか気持ちとしては、ものすごくやってあげたいんです。だけど、これも段階的に考えていかないといけないんで、これで上手くいけるかどうか、授業自体も上手くいけるかどうかはまだ分からない事態で、あの大会は独自でやってあげますとか、やりましょうとか、準備に入りましょうとか、とても言えるような状況ではないと思います。だから、気持ちとしては持ち続けておるけれども、今はまだ確たることは言えないなというのが現状です。
時事:今のお話に少し関連しますが、和歌山県は、6月1日から18日まで、5都道県への移動は慎重に行ってくださいと言ったうえで、事業者に対して、5都道県からの来客の受け入れは、まだちょっと控えてくださいということですが、いつまで来客受入自粛を求めるのでしょうか。
知事:18日までです。ただ、例えば、5都道県で感染がバンバン盛んになって、政府もしばらくちょっと止めといた方がいいなあとか、そういうことを言い出された時は、また別です。それは、政府の方で何かメッセージがあるでしょうし、無くても、我々がちょっとねえと思えるような時があるかもしれない。その時はまた延長するかもしれませんが、とりあえず今の状況から言うと、18日ということになってるので、18日です。
時事:基本的に政府の対応を見ながらということですが、先ほど、それでもあれっと思うことがあればというお話でしたが、独自に考える可能性もあるということですか。
知事:そうです。政府の言ってることを全部聞いてたら、和歌山県はきっと感染者がもっと増えてる。特に、早期発見が出来なかったらということもあるので、聞いてないところもあります。そんなこと聞けるかというところはあるので、それはおかしいとちゃんと皆さんにご説明が出来るようなことであれば、聞かないことはあるかもしれません。だけど、政府も全部が間違ってることではないから、無視するとかそんなこと言っちゃいけません。ちゃんと虚心坦懐にお聞きして、その上で、なるほどと思ったら従っていくということでしょう。
時事:他府県の状況に少し関連する話ですが、愛知県知事が東京と大阪が医療崩壊の状態にあるということを発言され、大阪府知事が大変怒って、それは嘘だということをおっしゃってました。知事も、大阪はちょっと大変な状況にあるというようなことはおっしゃっていて、クラスター病院の名前の公表についても、ガバナンスがどうなってるんだというようなご発言もありましたが、医療崩壊が起きているという愛知県知事の発言についてはいかがですか。
知事:定義によります。新聞で読んだだけで、私はインターネットをチェックしてないし、フェイスブックもTwitterもやってないのでよく分かりませんが、定義によるんじゃないですか。私は、言葉はどうであれ、重症者だけ面倒を見るというのは間違ってると思ってます。大阪なんか、今はもうどんどんと軽症者も全部病院に入れれるような対応になってる。だから、なかなか立派なもんだというふうに、今は思います。
時事:愛知県知事は、救急をお断りしている状況を医療崩壊と言うなら、東京と大阪は医療崩壊だという発言でしたが、そこの認識についてはいかがですか。
知事:まあ愛知県知事の自由です。
読売:県外との付き合いの件で、5都道県への移動は慎重にとあるのは、往来自体を取り止めるというようなことではなくて、しても良いけど気を付けてやってくださいという理解でよろしいでしょうか。
知事:いやいや、それは出来るだけ止めてください、です。だけど、止めてくださいと言っても、罰金みたいな制度じゃない。止めてください、です。
読売:学校再開の件ですが、6月1日から分散授業という形で再開していくことになりますが、授業日数の取り扱いについての部分で、もう一度整理をしたいのですが。
知事:授業日数は、例えば、各日という分散授業をやったといたしましょう。学校に来てる日は出席です。学校に来てない日も、工夫として、この日は自宅でこの勉強をしてこいという指示を先生が行い、その習熟度を次の日にチェックするということになるので、それは出席と数えます。
読売:家庭学習をした日も、授業日数に含むという形で運用していくことになりますか。
知事:6月1日から、出席日数のカウントは、毎日学校に出席してたものと数える。
読売:これは、やはり知事が以前から懸念されていた、全員落第というのを防ぐための措置ということでしょうか。
知事:もちろんそうだし、それから、今までは来てはいけません、休みますということを言ってただけで、臨時休業しか言ってなかった。今回は開業ですから、学校開業での工夫として、出席でそこへ並んでるだけじゃなくて、別の形で授業をしてるわけですから、それは構わないということで、もうこれは出席扱いです。
読売:土曜日をどうするかとか、夏休み短縮をもっとしないといけなくなるとかは、どうでしょうか。
知事:もちろん、夏休みは前に発表していて、うんと短くして、出席日数を稼ぎます。土曜、日曜はまだ触っていません。
読売:以前にお示しいただいた通りでやっていくという形でしょうか。
知事:そうです。あの通りです。まだ大丈夫です。
毎日:学校再開の件で、陽性が判明した児童については、14日間の出席停止ということですが、これはインフルエンザと同じように、公欠扱いで欠席にはならないということで良いですか。
知事:多分、そこのところはそうだと思います。ただ、あんまりそういう細かいことを、ちょっと今この瞬間に知らないので、教育委員会に聞いてください。
毎日:もう1点。修学旅行や運動会の扱いはどのようにされますか。
知事:これはまあ今後です。感染の状況もあるし、授業を稼ぐのをどうしようかとか、いろいろあるので、これから考えるということです。いろいろやってあげたい、私はいろいろな思い出もあるし、そういう気持ちは人一倍あるつもりですが、出来るかという現実の問題との関係で、いい加減なことは言えないというのが現状です。
時事:事業者が開業するにあたってのガイドラインについてお伺いします。対策本部会議の中で、ガイドラインについては、業種で考えて決めてもらっているものがあり、それが無いところは県で考えていくという話がありました。今、県がホームページで出しているたくさんのガイドラインと、すでに業種が出してるところと、両方あるところがありますが、ここについてはどうなっていきますか。
知事:まず、県でお願いをしてたガイドラインがあり、それを守ってもらってました。それは、段階的にだんだん緩めると言っていて、現在のところは、ガイドラインの無い業種以外は、収束しても良い。つまり、業界ガイドラインと、県の上乗せは、一緒になった。6月1日からは一緒になってると考えていただいて結構です。
時事:そうすると、例えば、スポーツジムなどで、和歌山県のガイドラインでは更衣室を使うな、汗べたべたのまま帰れということで、すごく厳しい。業界のものもいろいろありますが、フィットネス協会のような業界団体のガイドラインを見ると、更衣室等については感染防止対策に気を付けたうえで営業してくださいとなっていて、つまりそこに移行するということですか。
知事:そうです。しばらく様子を見てて、まあ大丈夫だろうなあというふうに思ったので、そこは段階的に落としていって、今は業界のガイドラインぐらいで良いでしょうというふうに思っています。
時事:6月1日以降は、重なる部分は和歌山県の方が無くなる。
知事:まあこっちへ合わせていくということぐらいです。
時事:業界の方に合わせて構わないということですか。
知事:はい。
時事:抜けているところは、独自に県で考えいく。
知事:そうです。何にも無いのは困ります。やっぱり、最低限のことは守ってもらわないといけない。休業要請残存業種では作ってないらしくて、どうも国で指導して一生懸命作ってるらしい。そのうちそれが出てくると思いますが、出てくるまで休業かというと、周りとの関係でそうもいかないし、それじゃ独自で作って、これは守ってくださいと言うしかないということです。
時事:県がこれから出すものは、あくまで暫定的で、業界もしくは国のガイドラインが出るまでのものだと、基本的に考えてよろしいですか。
知事:多分、ほとんど県と同じようなものが出てくると思います。
読売:基本的なところで恐縮ですが、営業自粛要請の解除は、6月1日午前0時をもってということでよろしいですか。
知事:そうです。今日は発表したものは、全部6月1日午前0時です。
読売:今まで休業要請を継続していて、6月1日から新たに再開する業種がいくつか出てきますが、それについては、基本的に県のガイドラインに沿ってという形になっていくのですか。
知事:そうなります。
産経:段階的な休業要請の解除をしてきたことにより、世の中の人の往来が少しずつ増えてきてると思います。人出が増えると感染リスクが高まる、増えないと経済が元に戻らないというせめぎ合いの中で、そういう操作をしてきたと思います。その段階に対して、実際の人出はどうだったかというところで、何か県として検証してるものがあるのかというのと、それに対する受け止めですが、思ったより人出が出てなくて、もうちょっと活発に活動して欲しいという話になるのか、もうちょっと控えた方が良いというような感覚なのか、そのあたりをお願いします。
知事:まず、人出で判断するのは、私は賛成していません。なぜならば、さっき言いましたように、足し算だということです。で、こっち(保健医療行政)がもうナッシングな状態になってたら、こっち(県民の自粛)で対応せざるを得ないわけですから、こっち(県民の自粛)で対応する時は、人出基準というのが1つのクライテリアというかメルクマールになると思います。だけど、こちら(保健医療行政)がしっかりしてて、今は感染も落ち着いている。そういう時の我々の行動規範は、安全な生活、安全な外出なので、安全であれば外出して良いわけですから、別に人出が増えたからといって、それで気が緩んでるとか、そんなことを言うつもりは元々ないと言いました。ですから、今の設問は、経済は別にして、人出が増えたらとにかくいけない、ということだけを考えてるけど、それは違うんじゃないかと思っています。ですから、あんまりそちらについては重視してないがゆえに、コメントも出来ないということです。
産経:一方で、経済を元に戻したい中で、やっぱり解除されても、心持ちとして危ないんじゃないかとか懸念して、人出が無いために経済活動がなかなか前に進まないというのが、これからの懸念になってくると思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
知事:まさに懸念はその通りです。だけど、これを一気に解消しようとして、皆さん外へ出てくださいと言うと、安全でない外出、安全でない密接すぎるような環境を作ってしまう可能性がある。そこへ1人でも感染者が入った時に、爆発的に増える可能性がある。ですから、やっぱりこれは長期戦を覚悟して、皆さんの気持ちが、やっぱり安全に気をつけなきゃいかんから、ちょっとあまり行くのもなあというのは、実は正しいというふうに考えて、そこを尊重しながら時間をかけてやるしかないんです。ですから、すぐには解除しても、あっという間に人が戻るはずがないと思うし、戻ったから心配だと言う必要もないし、戻り方が悪いから困るとあまり思わないようにもしようということです。