令和2年5月15日 新型コロナウイルス感染症対策本部 知事記者会見

知事記者会見(令和2年5月15日)

広報課長:それでは会見を始めます。

知事:本日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開きまして、昨日の国の決定で和歌山県が緊急事態宣言対象区域から外れましたので、そのあとの和歌山県の措置について、どんなふうにするかということを決定しました。
 これから、簡単に皆さんに説明をしたいと思います。まず、考え方の前提として申し上げますと、和歌山県というよりも、この感染の拡大防止のために何が必要かということを考えたら、行政医療と県民の努力の足し算です。これは明らかであります。この行政医療の努力がうまくいかなかったら、コロナが感染爆発をしてしまって、それで、県民に大変な犠牲を強いた自粛をお願いせざるをえないということになるわけです。和歌山県の医療保健行政の働きは、いろいろ危機はあったけれど、健全に保たれているので、感染者は必ず入院できるようになっているわけです。それから、行動履歴なんかもちゃんと捕捉できるようなシステムになっているから、県民の努力の方へ課さなきゃいけない重荷っていうのは、少なくて済むのです。そちらに負担を過剰にかけると、今度は経済がガタガタになって、おかしくなるので、そこのバランスは、和歌山におけるバランスと、それから、まだ特定警戒区域であるところの大都市とは、ちょっと違うということがあります。
 一方、そういう意味で、我々は、これから考えるときに、三つの視点を考えないといけないというふうに思うわけです。さっき言いましたような状況ですから、我々は、県民にあまり過剰な負担を課する必要はない。今までは、例えば、不要不急の外出は全部やめてくれというふうに言っておりましたが、そこまでいうことはないだろう。しかし、どんな外出でもいいのか、どんな生活でもいいのかっていうと、それは、うつる可能性のあるリスクの高い生活・外出がありますから、安全な生活、安全な外出をお願いしたい。
 それの注意事項、ガイドライン、そういったものは、県からいろいろこれから出していきたいと思っています。
 もう一つは、和歌山県は、やっぱり大阪に近い、京阪神にとても影響されるところです。そこがまだ特定警戒区域から外れてない。従って、他府県等への配慮、特に人の移動が、例えば、措置の強弱によって、右から左、左から右へ、人々の移動を招いてしまう恐れがあります。そういうことがないようにしたいが、この二つは、大変難しい状況にあります。
 しかも、それは政府が言うように、いっぺんにやると、またおかしくなるから段階的にやった方がいいということで、今回の措置を決めさせてもらいました。
 そこで、まず県民の生活であります。第1に安全な生活、安全な外出をしてもらおうということです。特にここでは、前々から言っておりましたが、安倍総理も言っているように、例えば、繁華街の接待を伴う飲食店など、そういうところに行くとか、或いは、どう考えても、これは当事者のどちらかが感染していたら、あっという間にうつってしまうようなところへ行くとか、そういうところは、やっぱり、やめにして、それで、より安全なところへ行く、或いはそういう安全な生活を心がける、そういうことをやってもらいたいということです。
 その次に、3密は避けてとよく言いますが、あれはちょっと甘過ぎるというふうに思っております。我々は、密接はダメ、3密はもっとダメ、こういうふうに言おうと思っています。今まで、あまりに専門家が3密、3密と言いまくりましたので、何が起こったかというと、3密でなければいいんでしょと、窓を開けているからいいでしょと、こういう話になっちゃったんですね。これは全く間違いだというふうに思います。感染者がいれば、人と人とが近くにいて、密接に関係すれば、うつる可能性が高いので、これはやっぱり密接のところに注目を置いて考えて、3密はもっとダメ、と考えた方がいいということです。
 それから発熱など、体調がすぐれないときは、とにかく仕事なんかもやめて、和歌山ではクリニックがちゃんと診てくれるので、そういうところに行って受診してくださいということです。
 それから、通勤も、テレワーク、時差出勤ということをぜひ心がけるように、これは管理者にもお願いするということです。
 次に、事業者の皆様に対してですが、営業自粛を一部解除します。一覧表に営業自粛事業者がずらっと並んでいますが、これらについて、二つの観点から解除します。全部解除するのではなくて、もちろん残すべきところが二つあります。
 一つは、それ自体が感染リスクが極めて高いというような業種は残します。それからもう一つは、大阪が随分広範に解除しましたので、逆にこの解除したもの以上にきつくしておくと和歌山の人が大阪に行っちゃう可能性があるし、緩くしておくと大阪の人か和歌山に来ちゃう可能性があるので、今はそれは合わせた方がいいということで、そういう二つの観点から、営業自粛を一部解除します。
 しかし、大阪と違って、これは辛いところでありますが、和歌山は、大阪の方々が遊びに来てくださるところです。従って、和歌山の人たちが利用するのはいいけれども、法律的にはそんなもの自粛要請しちゃいけないようなものばかりですが、「県外からのお客様は、ご遠慮ください」というようなところについては、引き続き残します。これは、政府の考え方が、県外は一律に5月31日までは自粛しろということなので残します。従って、大阪よりも、もっと厳しい自粛を続けなきゃいけないというのが現状です。
 ただし、その営業を認めるところ、それから、元々営業自粛なんかしていないところ、それに関わらず、感染予防の徹底のために、業界と県でお互いに合意してガイドラインを作っていこうということで、これは今晩中にホームページにアップするようにいたします。
 従業員に対しては、発熱等があるときは、出勤は控えさせて受診を勧めてもらいたい。在宅勤務、時差出勤をぜひ活用させてあげてください。
 それから、小規模なイベントについては、全部駄目ということにはしませんので、さっき言ったような感染防止のための工夫をして実施ということであります。
 それから、やっぱり大事なのは、集団生活をしている方々。これについては、引き続き、注意をして欲しい。愛媛県では、感染者がもうほとんどゼロになったのに、病院にウイルスを引き込んだので、いっぺんにたくさんの患者を出してしまったんです。病院もそうだし、特に高齢者福祉施設や障害者施設とか、そういうところは、和歌山県も一つクラスターを作ってしまいましたが、本当に注意してもらいたいということで、引き続き、お願いしたいと思っています。
 次に、県外とどう付き合うかということです。改めてもう一度、他府県等には遊びに行かないようにお願いしたい。通勤や通学、これはやめるわけにいきませんけど、テレワークやオンライン授業などで対応してもらいたい。
 それから、和歌山県のドル箱ですけど、他府県からの来客は、引き続き受け入れを自粛してもらいたいということです。
休業要請については、先ほど申しあげたとおりです。
 次に、本日は、学校の休業については変更いたしません。従って、5月31日までに臨時休業の状態を維持します、市町村立、或いは私立学校にも同じような措置を要請します。ただし、健康管理と家庭学習の指導をしなければいけませんので、登校日を設定して、できるだけ感染のおそれを減らすようにして、登校日は、時々やってもらおうと思っています。
 こういうふうに、段階的でありますが、自粛レベルを緩めてよろしいということを我々は言ったのですが、その時に、和歌山県における自粛をずっと緩めっぱなしでまた感染が起こったらどうするんですか、という心配は誰でもします。だから我々は、再自粛要請基準を作っておこうと思います。皆さんから、自粛要請の解除基準を作らないのかと言われたのですが、和歌山県は、他の県の解除基準なんて初めから入口にも入ってませんというふうに言いましたが、やっぱり心配なのは、もう一度感染者が増えてきた時が心配なので、自粛要請の再起動基準を作っておこうということです。
 これには二つあって、近隣府県でまたぶり返したという時は、そこで新規陽性患者が、1日40人以上、複数日で発生したら、県外の受け入れ自粛を強化しないといけないということになります。それから、和歌山県自体がたくさん発生するようになったら困るということで、4つの基準をつくりました。新規陽性者数が1日5人以上、複数日で発生。肺炎患者陽性率が5%以上。新規感染陽性率が5%以上。それから、病床使用率が、これ重傷者だけじゃなく全員ですが、要するに、患者さん全員について、病床使用率が50%以上。ホテルとか自宅療養とか、そんなことは一切考えなくて、病院だけで勝負して50%以上に使用率が上がったら、ちょっと危ないということで、不要不急の外出自粛と営業自体の自粛を要請するというふうに初めから決めておこうと思っております。以上が本日決定したことであります。
最後に、ここまできましたことについて、お礼を申し上げたいというふうに思います。まず、和歌山県も含めて、感染者数がガクッと減りました。和歌山県ではそんなに多くないけど、バラバラと出ていたのが、本当にガクッと減りました。減ったのは、もともと、保健医療行政がちゃんとしていたわけですが、それでも減ったということは、県民の皆さんが、自粛にご協力いただいて、賢明な生活をしてくださったからです。これは、本当にお礼を申し上げたいというふうに思います。
 次に、すべての医療関係者の皆さんに、本当に一生懸命やってくださってますので、感謝申し上げたいというふうに思います。
 三つ目に、あまり世の中では言われない人たちが、実は社会を支えるために頑張ってくれています。例えば、感染が拡がっているらしいと世の中でいっぱい話題になっているときに、スーパーのレジで、ちゃんと品物の受け渡しをしてくれてる人がいます。それから、物品を配達をしてくれる人、余所の地域から、それを運んできてくれているような人達ってたくさんいます。それから、子供にうつさないかと心配しながら保育園や幼稚園で一生懸命頑張ってくれているような方々。それから、福祉施設で、これまた、うつさないかとか、自分は大丈夫かなと心配でしょうがないけれども、頑張って、その福祉の現場を支えてくれた方々。こういうたくさんの方々の犠牲的な精神と努力によって、ここまできたということを、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 そういうことで、ようやくここまで来たこの事態ですから、さらに無茶苦茶にならないように、県民の方々とともに頑張っていきたい、こんなふうに思うわけであります。以上です。

広報課長:それでは質問をお受けします。

NHK:確認で、小規模なイベントについては、対策を取った上で行うよう求めてると思いますが、大規模イベントは引き続き自粛要請でしょうか。

知事:そうです。

NHK:今回、休業要請が続く業種があると思いますが、そこは31日まで続くのでしょうか。

知事:はい。一応、政府の措置として、全体としての緊急事態宣言が31日までなので、31日を一応の目途といたします。

NHK:次の解除をするかどうか決めるのも、31日に判断されますか。

知事:現在、決めているのは31日までです。もうちょっと出来ないかという議論は、本当はあります。段階的と言うのはまさにそういうことで、来週の今頃もう一度再チェックをして、その次の週からもうちょっと落とせないか、というようなことを考えていきたいと思います。

NHK:今回、多くの施設で要請解除されましたが、引き続き要請が続く業種もたくさんあると思います。そういう方に向けて、改めて呼びかけをお願いします。

知事:いろんな事情で休業要請を継続しなきゃいけない、あるいは休業(要請)が出来なくても、県外の方の受入を自粛していただきたいと言わざるを得ない業種の方々が、たくさんいます。そうでなくても、業績がなかなか回復しない、我々がやって良いですと言った瞬間に戻るわけじゃなく、社会全体が力を取り戻さないと戻ってこない。そういう方々は、みんな耐えに耐えて頑張ってるわけです。そういう意味で、我々としては、この責任を十分感じながら、一刻も早くこのコロナの影響から我々が脱出できるように頑張っていきたい、そんなふうに思います。

毎日新聞:和歌山における自粛要請レベルの引き上げ基準を示されたと思いますが、これは場合によって、休業要請をされるかもしれないということですか。

知事:そうです。特に、和歌山県自体がちょっと危ないかもしれないというときは、明らかにそれをしなきゃいけない。県外の受入自粛は前もありました。県外の受入自粛は出来ないから、営業自粛しかあり得ないというのがありました。ああいうことは、出てくるかもしれない。ただ、とりあえず法律は使えない、法律を使えたところで24条9項は、自発的に出来るようなことが出来ますと言っていただけの話ですが、45条は使えないのでやや迫力が無いんですけど、お願いするのは、同じようにお願いすることになります。

毎日新聞:県外からのお客さんの受け入れを、引き続き自粛要請される海水浴場とかも、期限が一応5月31日までということですか。

知事:今のところは、今日決めたのが5月31日までということですが、さっきちょっと言いましたように、世の中がどんどん変わっていくので、来週の今日、もう一度、皆で議論してもらうことになっています。そうすると、次の土曜日の朝ぐらいから、ちょっと制度を変えることはあります。思ってるのは、緩めていく方を想像してます。ただ、逆もあり得るから、それは先ほどの基準でチェックしていきます。

朝日新聞:運動施設の休業要請の解除についてですが、基本的に県全体の方針として、大阪府等に合わせてクラスターの発生状況を見ながらと言うことで、今回、体育館やボウリング場などを解除しました。先ほどの会議でも出てましたが、改めてこれを解除した理由や気を付けて欲しいことを、もう一度確認させていただきたい。

知事:運動施設は、今まで屋外はよろしい、屋内はよろしくないと言っていました。だけど、今回は、屋内も場合によってはよろしいとしました。それは、運動競技や行為の種類によって分けたら良いのではないかと思ったからです。感染のリスクはかなり下がっていますから、例えば、肉弾相打つようなスポーツ、すごい接触する、お互いに汗が飛び散るようなものについては、仮に1人がかかっていたら大変なことになりますけど、そうでなければ、リスクはかなり低いわけですから、そのスポーツによって差をつけてもらう。
だから、施設全体としては使っても良いけど、例えば、格闘技のようなものはちょっとご遠慮くださいと、施設管理者が目的で選んで良いと考えています。

朝日新聞:差をつけながら解除したというのは、基本的に県民の健康の維持に役立つからでしょうか。

知事:もちろん、そうです。

朝日新聞:あと、前の休業要請でも出ましたが、県外からのお客さんの受入自粛をお願いしていたけれども、どうしても人が来てしまうので、パチンコ店に休業要請をしたという経緯がありました。今回も、様々な施設の休業依頼を解除しましたが、県外からたくさんお客さんが来てしまうような場合、業種ごとによって休業要請をするのか、たくさん来てしまった場合、どのように対応していくのでしょうか。

知事:まず、来てしまいそうかどうかを、ものすごくよく考えたというのが第一です。ですから、今ここまでやるのとかというところも、やっぱりあるかもしれませんが、これは来るかなというようなものについては、同じように(大阪に)合わせたものがあります。しかし、今の私の見通しが外れる可能性があります。その時は、躊躇なく見直しをします。

朝日新聞:業種単位ですか、それともお店や施設単位になりますか。

知事:お店単位は出来ないでしょう。これは、法律の問題ではないのですが、やっぱり、狙い撃ちでは、論理的にちょっと難しいんじゃないでしょうか。Aさんが、「あ、そうですか」と言って止めたら、同じような状態にしてるBさんのところへ行きますから。ですので、業種ごとじゃないですか。

時事通信:質問が3点あります。1点目、休業要請に関してですが、表を拝見しますと、基本的に、大阪府が休業要請を解除した施設は、和歌山県も同じように解除したように見えます。また、大阪府が休業要請を続けるけれども、和歌山県は独自で解除する施設が一部あるように思います。確認ですが、大阪府が休業要請を解除したけれども、和歌山県は続けるとした、和歌山県の方が厳しくなっている施設は無いと考えてよろしいですか。

知事:無いと思います。基本的に相場感を言えば、和歌山県を含むその他39県と8県との間で、規制レベルで大きく違ってしかるべきです。ですから、報道だけで細かくは見てませんが、奈良県はバサッと全部止めたとかがあり、そういうことにしようかと若干思ったんだけど、ここはやっぱり二つの意味で慎重にしました。
一つは、段階的にという考え方をとりました。一遍にやるとちょっとまずい。二つ目は、大阪と合わしておかないと、どっちかに人が流れる。そうすると、大阪との交流を出来るだけ少なくしてくださいという目的からすると、逆効果になるので、かなり合わせにいきました。当然、和歌山の方が低くて当たり前なんですが、(大阪と状況が)違うところについては、これは流れないだろうと思って、一応見極めをつけて和歌山だけオープンにする、こんな考え方です。

時事通信:基本的には、大阪より緩くなっていますか。

知事:当たり前です。ただ、大阪は考えもしなくて良い業種を、ドサッとやってるわけで、それが辛い。県外からのお客の受け入れを止めてくださいと言わざるを得ない業種は、和歌山県のドル箱みたいな業種ばっかりです。大阪は良いな、出るばっかりで、と思います。

時事通信:分かりました。2点目ですが、休業要請を続ける業種について、緩めていくことも検討するというお話でした。引き上げる基準はありますが、緩める方の基準や考え方はありますか。

知事:まず、世の中の動向があります。今、休業要請業種だけ言われましたが、我々にとってドル箱である、県外からのお客を受入れないでくださいと言ってる業種と、両方考えなければいけません。それを考えた時に、世の中の動向はどうかと考えたら、仮に、例えば、特定警戒地域が無くなったら、もうちょっと自由自在に考えられます。大阪も止めるだろうし、こっちももっと止められるだろうという比較の問題と、世の中の流れで、例えば、昨日、安倍総理は、県間の交流は、5月31日まで不要不急のものは止めろと言われました。あそこは結構厳しいところで、例えば、旅行なんてのは、岩手県からの旅行者も受け入れるなと言ってるわけです。そういう秩序感が、次も維持されるかどうか、そういうのはもうそこまで言わなくてもということになってきたら、和歌山県は躊躇なく、そこは解除します。しかも、大阪まで危なくないと言ったら、そっちも解除します。だから、世の中の動きを見てです。

時事通信:具体的に言うと、政府の今後の方針と、他府県の方針ということですか。

知事:政府の方針の中には、当然、感染の具合というのがあって、方針が出てくる。だから、全体的には、感染の具合、それから、政府及び関係近隣府県の措置の内容を見て、ということになるんでしょう。

時事通信:分かりました。3点目ですが、休校措置についてです。休校については、引き続き5月31日まで続けるということですが、幅広い業種を解除した一方で、学校は休業を続けるという判断は、どういう理由からでしょうか。

知事:業種については、経済活動ということで括れると思います。経済活動と、学校というか子供たちをどうするかと言うのは、ちょっと視点が違うので、ある意味では少し慎重にしました。

時事通信:それはなぜ慎重になったんでしょうか。

知事:子供が、かわいいからです。経済も、収入が無くなって大変だという問題があるけれど、子供たちも、このままいつまでもやってると落第するというリスクがあるのと、心身ともにあんまり良い影響ではない。ちょっとこう弊害が出てくる可能性もある。そういう問題もまた考えなきゃいけないのですが、やっぱりちょっと慎重にしました。子供を感染させたら、嫌だと思いますから。

記者:分かりました。学校は、6月1日の開業に向けてですか。

知事:今日のところは、そこの開業については変えておりません。従って、6月1日になります。ただ、大阪などの動向などをいろいろ見て議論しながら、ひょっとしたら、途中で決定を変える可能性があります。だけど、今は別に変えようと思っていない。絶対変えないとは言えないが、今の予定は6月1日です。

読売新聞:今回、休業依頼を続けるところですが、法律に基づくものではなくなる。要するに、新型インフルエンザ特措法の24条9項に基づく休業要請ではなくなるという理解でよろしいか

知事:その辺が難しい。24条9項は、別に法律事項じゃないんです。やって良いとかやって悪いとか、そんなことはどこにも書いてなくて、宣言区域でなくても別にやって悪いわけじゃない。ですから、私の気持ちとしては、24条9項でやったことをそのまま維持してるというふうに思ってる。

読売新聞:24条に基づく休業要請を継続するという理解でよろしいですか。

知事:前にそうだったから、別にステータスは変える必要な無い。

読売新聞:なるほど、分かりました。

知事:というふうに思ってるんです。

読売新聞:実際のところは、どうなんでしょうか。

知事:実際のところは、そのぐらいの問題です。つまり、法律によると、24条9項から45条1項なんかに進むことが出来るんだけど、これは法律が無ければ出来ない。だけど、法律の24条9項は、法律に有っても無くても出来る。同じなんです。本来どっちであるかと言われたら、私は同じだと思っています。

読売新聞:報道する側の立場として、法律に基づく休業要請を続けるとさせていただく方が良いのか、法律に基づかない休業要請を依頼していくとさせていただいた方が良いのか、どちらでしょうか。

知事:法律に基づく休業要請をしていたものを延長します。

読売新聞:分かりました。休業要請を解除する、しないの判断のところで、集会場とかは、やっぱり県外からの利用が少なそうと言う見立てから、判断したということですか。

知事:そうです。運動施設や集会所みたいなものも同じですが、中身によって密接を防ぐことが出来るだろうと。施設管理者が許可して使わせるわけです。そうすると、肉弾相打つ場合もあるし、あまりにもぎゅうぎゅう詰めで汗をかいてしまう場合は、止めなければいけません。ただ、中身の配慮によって、弊害は取れるだろうと思います。

読売新聞:テーマパークや遊園地について、今回解除した理由は。

知事:これは、まず、和歌山に在るそういうものは、基本的に屋外なので、無茶苦茶やってない限り、感染リスクはそもそも低い。ただ、県外からインバイト(招く)すると今はまずいので、それは配慮してもらわないといけない。だから、例えば、駐車場に、ご遠慮いただきます(と工夫する)とか、発券はしませんとか、予約の受付はしませんとか。そういうことをやられてる限りにおいては、どうぞと言ってるわけです。やられてない時は、ちょっと困るんですけどと言うしかない。その次の、法律(による措置)にはいけない。

読売新聞:基本的に解除したものについても、他府県からの利用は控えてもらうようお願いする。

知事:法律が無いですから。45条は使えない。

読売新聞:解除する施設については、他府県からの受入自粛は引き続きやってもらった上で、開けても良いですという形で認めていくということですね。この他府県というのは、範囲の部分で言うと、どこまででしょうか。

知事:全部です。私は、感染のリスクによって分けたんだから、そこにミシン目をつけても良いんじゃないかなあと心の中では思ってますが、少なくとも、政府の対処方針、安倍総理の発言、西村大臣の発言を見たら、全部だと言ってるから、とりあえず今日の時点では全部でしょう。そこは逆らわないで従ってるということです。

読売新聞:休校措置で、登校日を入れていくというような話でしたが、来週から順次という形になりますか。

知事:それは、一斉ではなくて各学校が考えると思います。ただし、一斉にやって、いきなり元みたいに教室がいっぱいになるのは、ちょっと止めといた方が良いです。だから、工夫しながらじゃないと無理です。別に授業が無いんだから、いつやっても良いと思います。

読売新聞:学校内で、学年ごととかに振り分けをしてもらったり、学校間で電車とかが混まないように、時間をずらしてもらったりとか。

知事:考えたら良いんじゃないですか。まあいろいろ工夫して。運用ですね。

読売新聞:来週以降から、順次、認めていこうというような方向性でしょうか。

知事:認めていくと言うか、別に禁止してるわけじゃない。休業というのは授業ですから。

産経新聞:休業要請についてです。内容が概ね大阪と準じるということになっていて、差をつけると、和歌山から行ったり大阪から来たりというお話がありました。この考え方としては、やっぱり往来自粛の継続というのが、キーワードという理解でよろしいでしょうか。

知事:まず、答えはイエスです。ただし、何で往来しなければいけないのと言うのは、もう一段階考えないといけないでしょう。そうすると、やっぱりまだ特定警戒区域については、感染リスクが高い。その高いところが、こういうレベルの規制水準にしたなら、それは合わさないと、差が出てきて人の移動を招いてしまうから、一緒にしましょう。こういうことです。

産経新聞:人の往来を招かないようにということですか。

知事:人の往来も、感染リスクが少ない人だったら良いんです。だから、さっきちょっと言ったみたいに、宣言が外れた地域だったら同じにしなくても良い。その辺がちょっと難しいんだけど、大阪だから合わしてるということです。

産経新聞:その意味で、京都や兵庫も概ねすり合わせたことになって、結果として和歌山もほぼ同じような内容になったのかなと思いますが、近畿圏の多くの部分が、結果として似たような条件になったということについて、どのように受け止められますか。

知事:それは、そうなるでしょう。そうならないと、ちょっとリスクが逆に出ます。だから、別に価値判断をしたと言うよりも、そうしておかないと危ないから、そうしましたと言うことです。

産経新聞:順当、妥当ということでしょうか。

知事:そうなるよねという感じです。ならない方が、ひょっとしたらリスクが少しあります。別にどこの県と言ってないけど。

産経新聞:合わせた方がリスクが少ないから、合理的だと。分かりました。

NHK:自粛要請レベルの引き上げ基準ですが、近隣府県での発生基準で、40人以上が出た場合は、県外受入自粛の強化とあるんですけども、これはどう強化されますか。

知事:例えば、思い出してもらったら良いと思いますが、4月23日に和歌山県も営業自体の自粛をした時がありました。これは法律に基づく自粛をして、法律でさらに強い権限も与えられていたので、これが守られなかったらどうしますかと言って、ただちに次の法律ステップにいきます、それで強い手段で訴えますと言いました。一方、その時も、県外からの受入は自粛してくださいという業種がありました。それをどうするかと言うと、法律の権限はないけど、強く働きかけますと言いました。そういうことを言っています。
 例えば、それぞれの施設の設置者に、あなたのところが、実は県外からたくさんの人が来るのでリスクの温床になってるから、ちょっと何とかしてくれませんかと強く言いに行くとか、そういうことはあります。だから、働きかけの程度を一段と上げて、死に物狂いでお願いに行くということを、せざるを得ないということを言っています。そうならないようにして欲しい。
 そこに、40人となぜ書いてるかと言うと、和歌山県は5人と書いている。人口が8倍なので、8を掛けた。そういう単純な話で、今はもっとずっと下の方にいますから。別に1日だけじゃないです。何日もということになったらまずいから、そういうことを言っています。

毎日新聞:休業要請を解除する施設には、各事業団体でガイドラインを作ってもらうということをおっしゃってたと思います。ガイドラインが守られなかった場合、大阪府などでは使用制限等をするとおっしゃっていましたが、県では、どのように運用される予定でしょうか。

知事:もちろん論理的に言えば、そんな無茶苦茶されたら、それは休業要請に戻さざるを得ないということになりますが、さっきも言ったように、法律的な権限を和歌山県は失ってるから、ちゃんと説得するしかない。

毎日新聞:業界ごとではなく、お店ごとに説得していくということですか。

知事:基本的には、業界です。別に無理なことをお願いしてるわけじゃない。業界ごとに申し合わせみたいなことをやってくださいと我々が一方的に言ってるんじゃなくて、業界の方もこうやった方が良い、テレビなんかでよく映ってますが、映画館を開場した時はこんなふうにするなどを、やるところはやるけど、やらないところはやらない、とかじゃなく皆やってください、皆で申し合わせしてくださいというようなことを、決めときましょう。こういうことです。
ただし、それも、今ちょっときつめにしといて、ちょっとコロナの感染が無くなって、世界的にも落ち着いてきたら、これはどんどんとまたレベルを決めて、最後はもうコロナなんて怖くないとなった時は、満員で良いわけです。

読売新聞:再び引き上げる際の基準で、40人以上複数日、5人以上複数日というのは、要するに、県外であれば1日40以上が出るような状況が、2日以上続いた場合でしょうか。

知事:2日は、ちょっときつすぎる気がします。

読売新聞:数日ぐらいということですね。県内も、そういった形ですか。

知事:そうです。

読売新聞:1日5人以上出てくるのが、数日間続いた場合ということですか。

知事:5人と言うと、1つのクラスターで一発で吹っ飛びますから。そしたらまた戻るかと言うと、それはまたちょっとやり過ぎでしょう。

読売新聞:そういう状況が、3日、4日、5日と続いたら。

知事:ワーっときたらまずい。実は、大体みんな2週間ぐらい入院してるんです。(病床数は)ホテルを使わなくても、大体140人ぐらい入ります。ホテルを使えば、それを交代でやっていくことが出来る。そうすると、2週間で計算すると、1日10人です。だけど、10人いきなり毎日出られたら大変だから、半分ぐらいで、5人ぐらいだと回ります。だけど、5人でも多く、これはやばいとなるから、そんな数字にしました。数日間続いてもまだまだ大丈夫で、東京や大阪みたいにはならないけど、その可能性が出てきてる状況だから、それは先に止めた方が良いと思います。

和歌山放送:テレワークですが、在宅勤務については、今までと変わっていないということでよろしいですか。

知事:そうです。政府だと、テレワークで二つないし三つのレベルがありました。出来るだけテレワーク、というのは県内の問題です。それから、警戒区域の中でのテレワークは、極力テレワークで7割以上はそうせよというような話が維持されてるやに理解されてます。だから、みんなそれぞれ違うんですけど、和歌山県内では、出来るだけ努力をしてねと言うぐらいだし、大阪との関係で言うと、そういうのを望む人がいたら、大阪にもお願いをして、努力はしたいと思ってます。

和歌山放送:休校に関してですが、昨日、これは少し難しい問題だとおっしゃっていました。いろんなことがあったと思いますが、今日決められた経緯は。

知事:さっき言ったみたいに、やっぱり子供さんは、なかなか、かわいくて慎重に考えないといけないと思う一方、刻一刻と授業不足期限までいくから、早く手を打たなきゃいけないということもあります。これは、お金で解決出来る問題じゃないですから、とても難しい問題です。

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