令和7年12月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録


令和7年12月和歌山県議会福祉環境委員会会議記録

 

1 日時  令和7年12月16日(火)午前9時59分~午前11時40分

2 場所  第2委員会室

3 出席者 委員長   北山慎一

      副委員長  中尾友紀

      委員    濱口太史、堀 龍雄、尾﨑太郎、中西 徹、奥村規子

      欠席委員  なし

      委員外議員 なし 

4 概要   

   午前9時59分開会
    ●北山委員長
     ◎開会宣告 挨拶
     ◎報告事項 委員の欠席なし
     ◎傍聴協議 2件
     ◎撮影許可 5件
     ◎議  事 議案6件継続審査を要する所管事務調査8件
     ◎審査順序宣告 共生社会推進部、福祉保健部、環境生活部の順に審査
     ◎共生社会推進部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
  ●島本共生社会推進部長説明
  ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

  Q 奥村委員
   12月7日に行われた特設人権相談は、毎年実施していると思うが、今年度の相談件数と特徴的な相談があれば教えてほしい。

  A 加藤人権政策課長
   今年度の相談件数は5件であり、特徴的な相談はなかった。

  Q 奥村委員
   国連の子どもの権利条約を日本が批准して31年になる中で、和歌山県においても全国的にも痛ましい事故が起こっている。和歌山県も

  こどもまんなか社会に向けて、県民全体の運動にしていくことが必要だと感じている。そういった面で子どもの権利条例といったものを

  和歌山県でつくっていくことについてはどうか。

  A 石田こども未来課長
   県では、令和7年3月に和歌山県こども計画を策定したところである。この計画に基づき子供政策を進めていくことが重要だと考えて

  いるので、まずはこの計画を十分に広く県民に周知することが大切だと思っている。
   その上で、子どもの権利条例の制定については、子供の意見を第一に考え、何が必要であるかを慎重に検討しながら勉強していきたい

  と考えている。

  要望 奥村委員
   計画というのは実際に実行に移していく元となるものであり、その大本になる条例に沿って進めることが、一本の筋の通った取組の実行

  につながると思っている。また、そのことにより国連でもうたわれている世界的な取組にも近づいていく。和歌山県が子育て先進県になれ

  るよう、条例の制定について、様々な分野からもぜひ意見を聞いた上で、早急に取り組んでもらいたい。

  Q 奥村委員
   学校での生活だけではなく、放課後クラブなど学校以外の生活の中で子供が育まれ、健全な中で育っていくことが非常に大事だという

  ことで取り組まれている。そのような中で、2020年の予算特別委員会でも質問し、今定例会の一般質問の中でも触れた和歌山市の子ども

  会に関わる不正問題について、そういったことを告発する中で職員がその後のいろいろな状況の中で自死するという事態が起きた。

  そういった問題がある中で、和歌山県も補助金を出しているので、不正に至った原因を解明したり、その後の改善などを全県で調査した

  り、きちんと監査したりしているのは知っているが、不正が起こった原因、根本は何だと考えているのか。

  A 石田こども未来課長
   地域子ども会活動支援交付金については、和歌山市が交付した額の2分の1を県の補助金として、県から市町村へ交付している間接

  補助金である。
  補助金等の交付事務については、関係法令や地方公共団体の規則等に基づいて厳正に執行されるべきものであり、不適正な処理が行わ

  れたことは決して許されるものではなく、厳しく対処してきたところである。
   不正が行われてからは、毎年順番に対象の市町村に立入検査を行ってきた。令和5年度からは、全部一巡したものを今度は二巡目と

  いうことで、補助金を交付した市町村に毎年検査に行っている。

  Q 奥村委員
   以前に比べたら、立入検査が厳密になったと理解してよいか。

  A 石田こども未来課長
   そのとおりである。

  Q 奥村委員
   実際の執行は和歌山市でやっているわけだが、予算執行に当たって、当時は包括外部監査を受けるシステムになっている中で、監査

  報告書では実態がないというようなことが指摘されていたにもかかわらず、このようなことになっている。そういった点も含めて、

  しっかり立入検査により実態がきちんとあって、不正がない、適正にされていると理解してよいか。

  A 石田こども未来課長
   不正発覚以降立入検査を行ってきたが、返還を求めるような事例は一件も起こっていない。

  Q 奥村委員
   立入検査というのは、子ども会以外の子ども団体に対しても行っているか。

  A 石田こども未来課長
   立入検査は市町村に対して行っており、子ども会には行っていない。

  Q 奥村委員
   パートナーシップ制度について、和歌山県ではこれをさらに発展させて、ファミリーシップ制度にするというような考えはないか。

  A 鈴木多様な生き方支援課長
   現在のパートナーシップ宣誓制度で、パートナーシップの宣誓書に、家族(子)の名前を書くところがあり、今のところファミリーシップ

  制度は考えていない。

  要望 奥村委員
   今のパートナーシップ制度で十分という考えだが、パートナーシップ制度を発展させてほしい思いがあるので、ファミリーシップ制度

  もぜひ検討、研究してもらいたい。

  Q 奥村委員
   新総合計画の中にもあるが、男女の賃金格差について、男性を100とした場合、女性は75という状況でまだまだ格差があると思う。

  格差解消に向けて、県では事業者に啓蒙啓発ということになると思うが、今年度何か前進したことがあれば教えてほしい。

  A 鈴木多様な生き方支援課長
   今年の6月の委員会でも答えたが、現在、賃金格差を是正するための具体的な方策というものはない。しかしながら、わかやまジェン

  ダー平等プロジェクトの参加企業団体に対し、様々な取組事例の紹介や優れた取組を行う企業を表彰することにより、女性の管理職登用

  や就労環境の改善を図っており、賃金格差の解消につなげていきたいと考えている。

  Q 奥村委員
   成果については、これからということか。

  A 鈴木多様な生き方支援課長
   地道に努力を続けていくしかないと思っている。

  要望 奥村委員
   ぜひよろしくお願いする。

  Q 濱口委員
   令和6年度の児童虐待相談件数は、前年度より若干減ったものの2000件を超える状況であるが、親による重篤な虐待が起きる原因に

  ついてどのように把握しているのか。

  A 田甫こども支援課長
   一つには家族形態の変化が挙げられると思う。核家族化や共働き世帯の増加、また、近所付き合いの希薄化など、子育てに関し身近に

  相談できる人がいない中で親が子育てをしているという状況が、児童虐待につながっているかと思う。
  また、児童虐待の疑い事案については、何人にも通告義務が課せられていることが一般に浸透してきたことも、相談件数の増加につな

  がっているとも思われる。

  Q 濱口委員
   児童虐待は、両親の子育てに対するストレスのはけ口になっているというイメージになるのか。近所付き合いの希薄化や核家族化など

  で相談できる人がいない中で、親が子育ての悩みを自分の中に抱えてしまい、子供に当たってしまう、自分でブレーキをかけられない

  状況になっているということか。

  A 田甫こども支援課長
   一つにはそういうこともあるのかと思う。
  現在、児童虐待の種類の中で一番増えているのは心理的虐待である。子供の面前で行われるDVは心理的虐待にカウントされるが、この

  件数が相談件数の増加に影響していると考える。

  Q 濱口委員
   様々なケースがあると思う。親同士の夫婦げんかを子供の面前でやるとそれも虐待になる。和歌山市の2歳女児虐待死亡事案に関し

  ても対応策を講じていくという報告であったが、このような状況を踏まえ、具体的にどのような対応策が一番効果的だと考えているのか。

  A 田甫こども支援課長
   児童虐待への対策としては、児童相談所の職員増加や市町村の体制強化に力を入れているところである。
  2歳女児虐待死亡事案を受けての対策であるが、まずその事案は、当該女児が乳幼児健診未受診であり、その後の家庭訪問で子供の安全

  が目視で確認できていたにもかかわらず死亡したというものであった。
   これを受け、市町村において「乳幼児健診未受診だがその後目視できているから大丈夫」と一旦判断しているような事案であっても、

  改めて現時点で安全確認を行い、虐待につながるリスクを抱えていないかどうかを12月末までに点検するよう県内全市町村に伝えて

  いる。
   乳幼児健診未受診者に対しては、現在、各市町村が独自のやり方で受診勧奨を行っている。保護者が受診勧奨に応じない場合、母子保

  健から児童福祉へケースをつなぐタイミングについても各市町村に任せている現状にある。
   今回の事案を受け、県内市町村の現状を確認し、虐待予防の観点から、受診勧奨のルールや母子保健と児童福祉の連携基準などを県

  として市町村に示せるよう、福祉保健部と共に作業を進めている。

  要望 濱口委員
   問題のある家庭への関わり方についてはある程度制限もあり、大変難しい問題だと思う。
  現在子供の数が減っている中で、児童虐待相談件数が全然減らない状況には様々な問題があると思うが、やはり親の社会的なストレスは

  昔に比べて多くあると思う。
  子供の安全確認など監視面の対策も必要であるが、親が虐待に至る原因となるストレスの解消といった根本的な問題の解決を含めて考

  えていかないと難しい問題であると思う。
   母子保健や児童福祉の部署だけではなく、様々な部署の課題も児童虐待が起きてしまう要素の中にあると思うので、様々な部署と連携

  を図りながら、少しでも子供をつらい目に遭わせないような取組をお願いする。

  Q 堀委員
   今年新たに巡回アドバイザーが24か所の放課後児童クラブを回って、放課後児童支援員が抱えている課題や子供の意見を聴き、快適な

  居場所づくりに取り組んでいるとのことである。まだ24か所全ては回っていないと思うが、回ったところで、子供たちの意見や課題は

  どういうものが出てきているか教えてほしい。

  A 石田こども未来課長
   放課後児童クラブに支援員が回り、支援員の方の悩みや子供の声を聴いているところである。海南市の放課後児童クラブの例を紹介

  すると、子供から同じクラスの友達としか室内遊びができないということで、違うクラスの友達とも遊びたいという声があった。県から

  フォローアップで市町村や支援員に子供の声を伝えたところ、教室の行き来ができるようになり、子供も楽しく遊ぶことができるように

  なった事例である。もう一つが美浜町の放課後児童クラブであるが、巡回アドバイザーが外部の目線で部屋の中を見たところ、部屋にある

  テレビの配置が不安定な場所にあり、転倒のおそれがあり、危険であることに気づいた。その結果、転倒防止用のカバーを支援員と子供た

  ちが一緒になって作り、それを設置した。部屋の環境を変えることにつながった事例である。

  Q 堀委員 
   地震が起きたときに非常に危険なところがあると思う。よくそのテレビに気づいたと、ありがたいと思うが、それはアドバイザーが回って

  くれたからできたのか、先に支援員が気づいてできたのか。アドバイザーの役目は果たされているのか。

  A 石田こども未来課長
   支援員は自分のところの部屋なので、気づくことができず、外部のアドバイザーが気づいて、子供たちと一緒に転倒防止用のカバーを

  作ったと聞いている。

  Q 堀委員
   放課後児童クラブについて、支援員が非常に少ないという声を聞くが、そんなときの県の対応はどうなっているか。

  A 石田こども未来課長
   子供とか、家庭を取り巻く環境に係るいろいろな課題が出てきており、支援員になっていただく方も高齢者が増えてきている。数は

  充実しているとは言えない現状であるが、県としても支援員になってくださる方が増えるように広報でPRしたり、研修事業を実施して

  いきたいと考えている。

  要望 堀委員
   小学1年生から4年生までは放課後児童クラブに行けたが、高学年になり、行けなくなった理由を聞いたら、支援員がいなくて行け

  ないと聞いた。やはり家庭のこともあり、仕事のこともあり、支援員にお願いしないといけないこともあると思うので、みんなが平等に、

  こどもまんなか社会でやっていこうと言うのであれば、支援してもらうよう重ねてお願いする。

  Q 中西委員
   児童虐待が起きた場合に、地域や市町村における報告義務や連携がきちんととられる仕組みが構築されているのかについて聞きたい。

  A 田甫こども支援課長
   市町村も児童虐待の通告先となっており、軽微な児童虐待事案に対応することになっている。その中で、保護が必要となるような重篤

  な案件については、市町村から児童相談所に対してさらに通告がなされるという流れになっている。

    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第146号及び議案第158号については、全会一致で原案可決
     ◎共生社会推進部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前10時34分休憩

   午前10時37分再開
    ●北山委員長
     ◎再開宣告
     ◎福祉保健部審査宣告
     ◎議案等に対する説明要請
    ●𠮷野福祉保健部長説明
    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

  Q 中西委員
   訪日外国人の医療費不払い実態の把握と情報共有体制について、インバウンドの増加に伴い、未収金も増加していくことが想定され、

  和歌山県でも同様に課題になると思う。全国では未収金の把握に向けて調査を開始した自治体もあると聞いているが、和歌山県として県

  内の医療機関における外国人患者の未収医療費の実態(件数・金額)はどこまで把握しているか。また、未収金が発生した場合、県内の

  病院と県との間の情報共有はされているか。

  A 石田医務課長
   コロナ禍前の令和元年に厚生労働省と国土交通省の依頼に基づき、外国人患者の医療の質を担保するということで、外国人の受入れ

  拠点となる医療機関を10か所選定している。この10か所の未収金の状況については把握しており、令和6年度は訪日外国人190人のうち

  3件、約2万円の未払いが発生している。

  Q 中西委員
   選定した10か所の医療機関とはどこか。

  A 石田医務課長
   国は二次医療機関全てで選定するという方針であったが、令和元年当時、福祉保健部内で議論した結果、外国人観光客が多い地域で

  ある和歌山、橋本、田辺、新宮の医療圏で選定することとした。
   和歌山医療圏では県立医科大学附属病院、さくらクリニック、こじまデンタルクリニックと星野クリニック、橋本医療圏では高野山総合

  診療所と中島歯科医院、田辺医療圏では本宮さくら診療所、白浜はまゆう病院と南和歌山医療センター、新宮医療圏では新宮市立医療

  センターを選定している。

  Q 中西委員
   先ほどの話では未収金の額が2万円程度とのことであったが、未収となった理由は把握しているか。

  A 石田医務課長
   夜間のため、医療機関が会計システム上の問題で受け入れらなかったと聞いている。

  Q 中西委員
   今も未収の状態ということか。

  A 石田医務課長
   そのとおりである。

  Q 中西委員
   外国人と医療機関の間には言葉の壁がある。言葉の障壁による未収金を発生させないような取組はあるのか。

  A 石田医務課長
   令和元年度から、拠点病院の選定と併せて、24時間体制の相談窓口を国と県で設置している。

  Q 奥村委員
   議案148号のこころの医療センターの補正予算では、職員の給与改定により給与を引き上げるということで、歓迎すべきことである。

  医療機関の経営が非常に厳しい中、また精神科医療の診療報酬は他よりも評価が低くされていると思うが、給与改定に伴う経営への影響

  についてどう考えるか。

  A 石田医務課長
   今回のこころの医療センターの補正予算は、人事委員会勧告に基づく人件費の増額であるが、精神科医療は不採算部門であるので、

  どうしても経営にとっては厳しいものと認識している。
  今回の増額については、県立病院の場合は、一般会計からの繰入れが認められているので、一般会計からの繰入れで対応していきたいと

  考えている。

  Q 奥村委員
   医療機関というのは、地域で安心して安全に住み続けられるためには、なくてはならないものと認識してもらっているのは分かっている。

  一方で、今定例会の一般質問に対する答弁では、11の市町村立病院のうち10病院が赤字ということであった。他の産業と比べても、医療・

  介護福祉関係は、非常に厳しい給与格差があると言われている。医療機関の経営困難な状況について、県としては今後国の補正予算も含

  めて、どのような支援を行うのか。

  A 石田医務課長
   病院の今後の経営について、人件費や物価上昇については今回の国の補正予算でも対応しているが、基本的には公定価格であり診療

  報酬で対応すべきものと認識している。
  物価は随時上がっているが、診療報酬は2年に1回であるので、どうしてもタイミングがずれるのは仕方がないが、県として全国知事会を通

  して、国に対し診療報酬改定について要望しているところである。

  Q 奥村委員
   国からの支援だけでは解決できないし、どの程度のものなのかまだ分からない状況で、県独自で支援していくということは、考えている

  か。

  A 石田医務課長
   公立病院について、市町村が運営する病院に対して県から支援するということは考えていないが、こころの医療センターは県立なので、

  一般会計から支援していく。
  また、本来は診療報酬で対応すべきものであるが、先日の一般質問においては、例えば市町村立病院で、一部事務組合をつくる場合は、

  今後県からの支援を検討していくと知事から答弁をしている。直接的な経営支援ではなく、市町村の体制、医療体制をバックアップするた

  めのものであれば、支援できるのではないかと考えている。

  Q 奥村委員
   診療報酬が上がれば、窓口負担も連動して増えてしまうということで、県民の皆さんへの負担も増えていく。そのような中で、医療を受け

  られない状況になると健康が守れなくなったり、非常に重症の人が増えたりと、悪循環になっていくことが問題の難しいところである。そこ

  をどうやって断ち切って、2040年に向けて総合計画の中で今後どのようにやっていくかという中で、新総合計画の中に「自主的な健康行動」

  という言葉があったが、どのような意味合いか。

  A 西岡健康推進課長
   新総合計画の中で、自主的な健康行動の定着、県民一人ひとりのヘルスリテラシーの向上と記載している。
  ヘルスリテラシーは、健康に関する知識を持ち、それを活用する力であり、県民自身がヘルスリテラシーを向上させ、健康づくりに取り組む

  ことによって健康寿命を延ばしていく、という意味で「自主的な健康行動」という言葉を使っている。

  Q 奥村委員 
   言い換えれば、自分で自分の健康を守るという意味合いか。

  A 西岡健康推進課長
   健康づくりにおいては、禁煙や過度な飲酒の防止といった自分自身の生活習慣改善が重要であり、各自で健康づくりに関する知識を

  持ち、それを活用してほしいと考えている。

  Q 奥村委員
   自主的な健康活動ということも考えられるが、現在、健康でない人や、病気で非常に苦しんでいる人がいる中で、この新総合計画の中で、

  そういったことがうたわれているということに対しては、県民の方がどんなふうに受け止められるのかなということで、非常に心配なとこ

  ろがある。
   いつでもどこでも誰でもが、医療にかかりやすいということが重要で、国民健康保険などもそのためにある。病院や医療機関の運営が

  大変になっていたり、また出産できるところがなかったりというような中、安心して安全に住めるためには、医療の充実が大前提である

  ので、新総合計画において、ぜひ、県の役割として大きく打ち出してほしいと思っている。今後、2040年に向けた医療提供体制をどのよ

  うに構築するかについて、どう考えているか。

  A 石田医務課長
   新総合計画では2040年に目指す姿として、年齢世代に関わらず県内のどこに住んでいても、安心して質の高い医療を受けることができ

  るということを目標に掲げている。地域に必要な医療体制の確保ということでは、今のままの形で維持するのは難しいので、医療機関の

  再編・統合を含む効率的な資源配分や、デジタル技術を活用しながら、地域の医療体制を効果的、効率的に維持したいと考えている。

  Q 奥村委員
   そのためには、県民の皆さんの御意見をしっかりとお聞きすることが、将来を考えていく上でも大切なことだと思う。地域医療構想に

  おいて、住民の意見がどのように反映される仕組みになっているか。

  A 石田医務課長
   今の地域医療構想は、医療圏ごとの調整会議において、病院、医師会、保健所などが協議を行っている。
  次の地域医療構想については、具体的にどういう形にするのかは国から示されていないが、これまでと同様に各医療圏で協議の場を設け

  ると聞いている。協議の場への参加者はこれから検討していくことになるが、できるだけ現場の意見を反映するような形で進めていきた

  いと考えている。

  要望 奥村委員
   ぜひよろしくお願いする。

  Q 中尾副委員長
   部長説明にもあったドクターヘリについて、ヒラタ学園に対して整備士の確保と国に対しての財政的な支援を要請しているということ

  であるが、和歌山県として、ヒラタ学園以外の航空会社に対してアプローチしているのか。

  A 石田医務課長
   アプローチしている。ヒラタ学園以外の事業者は、東京、大阪、愛知にあり、複数箇所にあたっている。

  Q 中尾副委員長
   全国で何か所あるのか。

  A 石田医務課長
   ドクターヘリの運航会社は全国で12社ある。

  Q 中尾副委員長
   回ったときの反応はどんな感じか。

  A 石田医務課長
   反応としては、やはり機体がないということや、人員的に余裕がないということで、例えば来年からどうかという形でお聞きしたところ、

  難しいという回答が大半であった。

  Q 中尾副委員長
   パイロットとドクターとナース、そして運航整備士がいないとドクターヘリは飛べないということなので、ヒラタ学園に注文をつけるの

  はいいが、根本的には人材育成などについて、県として何か考えていることはないか。

  A 石田医務課長
   整備士については、県として何かを考えているということは特にない。ただヒラタ学園に対しては、きちんと運航できるような体制を組ん

  でほしいということはお願いしている。

  Q 中尾副委員長
   全国的にも整備士が足りないという状況の中で、このままでは本当にドクターヘリが飛べないという状況にもなりかねないので、考えて

  いないという言葉はどうかと思う。ドクターヘリを維持管理し、将来にわたって5年後、10年後も運航していく必要がある。年間500件以上

  の重症患者を救っているドクターヘリなので、やはり今、ここで考えていく必要があるのではないか。

  A 石田医務課長
   県で考えるといってもなかなか難しい部分もあるが、そこは県だけではなく、国や関西広域連合とともに、いろいろ考えていきたい。

  Q 中尾副委員長
   人材育成が厳しいということで、関西広域連合議会でも質問した。退職自衛官の方を活用するということが国土交通省から3月28日に

  プレスリリースされており、退職される予定の自衛官に対して、辞める前に訓練を受けてもらい、資格を取って、退職した後は、航空会社

  で採用してもらうというシステムがある。そういうことを活用することが緊急的な対応になると思うが、どうか。

  A 石田医務課長
   委員指摘の国土交通省の資料の内容については、今年度中には可能になると聞いている。

  Q 中尾副委員長
   対策チームを立ち上げるという話を聞いているが、もう立ち上がっているのか。まだ立ち上がっていないのか。

  A 石田医務課長
   対策チームは立ち上がっており、先週の金曜日に第1回の会議が開催されたところである。

  Q 中尾副委員長
   例えば運休の日程が決まっているのであれば、消防防災あるいは県警のヘリコプターを活用するというような協議はしているのか。

  A 石田医務課長
   運航停止しているときには、既に県の防災ヘリの活用や連携を行っており、実際運休した際には、防災ヘリに対応いただいているところ

  である。

  要望 中尾副委員長
   南海トラフの心配もある中で、そういうことを活用することもできる。ただ、運航ができないということで、大変と言うばかりでなく、

  しっかり前向きに捉えて、人材育成や代替案を考えてもらいたいと思うので、よろしくお願いする。

    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第146号、議案第148号、議案第170号、議案第171号及び議案第177号については、全会一致で原案可決
     ◎福祉保健部審査終了宣告
     ◎休憩宣告
   午前11時8分休憩

   午前11時10分再開
    ●北山委員長
   ◎再開宣告
   ◎環境生活部審査宣告
   ◎議案等に対する説明要請
  ●湯川環境生活部長説明

  ●北山委員長
   ◎議案に対する質疑及び一般質問宣告

  Q 堀委員
   熊対策で4人の議員が一般質問して、自分の住んでいるかつらぎ町も熊が出てくるし、民家の近くまで出てきていると聞いている。
  熊は人に対して危害を加えるというようなこともあるが、同じ環境省で問題とされているクビアカツヤカミキリについて、桜や桃などで大

  きな被害をもたらしていると思う。
   農林水産部でも一生懸命手配をしてくれて、被害をなくすために手を打ってくれているが、環境生活部では、どういう考えでいるのか

  聞きたい。

  A 松尾自然環境課長
   クビアカツヤカミキリ対策については、現在30市町村のうち17市町で被害が拡大している。
  10月末時点では非農地で1149本の木が被害に遭っている状態である。
  現在は、県単独事業でクビアカツヤカミキリの被害に遭った木に対して防除を行っているが、来年からは、それだけでは止まらないという

  ことで、橋本市と岩出市で国庫補助事業を使ったクビアカツヤカミキリ対策を実施したいと考えている。
   これを他の市町村にも広げていき、国庫補助事業を使って、抜本的な対策を行いたいと考えている。

  要望 堀委員 
   被害というのは和歌山県のみならず、埼玉でも1万7000本というような被害も出ていることを聞いているので、今、止めておかないこと

  には、世界農業遺産に登録されているみなべ・田辺の梅システムというのも、やっていけなくなるのではないかという気がする。
   農林水産部だけではなく、環境生活部も一緒になって、県民が一緒になってやっていけるような方法を見つけてほしい。
  農家の方だけで見るよりも、県民みんなが、そこにフラスが出ていたというようなことは言ってくださいと、広報でも流れているのはよく

  知っている。もっと分かってもらえるような体制づくりを、今後とも考えていってほしい。

  Q 濱口委員 
   食品ロス削減対策について、県庁フードドライブを実施したとのことだが、フードドライブとはどういうものかもう少し詳しく教えて

  ほしい。

  A 安井循環型社会推進課長
   フードドライブについては、10月の期間に循環型社会推進課、こども未来課、各県立保健所に、県の職員や地域住民の方から、まだ

  賞味期限は過ぎていないけれども買い過ぎた等の理由で、今後使わないカップラーメン、米、缶詰などの食品を持ってきていただいて、集

  まった食品を各こども食堂に提供するという事業である。

  Q 奥村委員 
   新和歌山県総合計画に関連して、「自然と共生する和歌山県を目指して」と掲げられているが、脱炭素に向けた2040年目標と、現在進め

  ている対策が前進している状況か教えてほしい。

  A 竹中脱炭素政策課長 
  2040年に向けてということだが、2050年カーボンニュートラルを目指して、総合計画案に2040年時点には73%と記載している。新総合計

  画の66、67ページに取組内容の詳細を記載しており、再生可能エネルギーの導入や県民意識の高揚などに取り組んでいこうとしている。

  Q 奥村委員 
   再生可能エネルギー100%を目指し、その実現に向けて、県が様々な努力しているのは知っている。
  この問題について、和田武氏の著書「気候危機打開と社会変革」の中でも書かれており、県民に向けて再生可能エネルギーを100%にして

  いくということがどういうことなのかをしっかりアナウンスしていってもらいたいと思っている。
   新総合計画を県民に理解してもらう機会にもなるし、そのためには全県民運動をやっていかないといけない。
  和田武氏は今の再生可能エネルギーと再生不能エネルギーとの比較を表にして書いている。石炭、石油、天然ガス、そして原子力も含めて

  のエネルギーなのか、再生可能エネルギーにはどのような良い点があるのかも含めて、しっかりと県民に周知してもらいたいと強く思う。
  単にエネルギーという側面だけでなく、社会的にも地域資源として雇用が増えたという話もたくさん聞く。多数の雇用を生み出していくと

  しても、市民、自治体、生協、地域企業等の地域が主体になって進めていく中で雇用が増えていくのではないかと思うので、ぜひ取組を

  一層、進めてもらいたい。
  このように、再生可能エネルギー、例えば太陽光発電などが普及していくことを期待しているが、ただ残念なことに、太陽光発電、洋上風力

  発電、陸上風力発電で反対の声を聞くことが多い。
   県としてはどのように再生可能エネルギーを普及していくのか。

  A 石井環境管理課長
   再生可能エネルギーの普及については、風力発電に関しては環境影響評価法、環境影響評価条例が適用されるので、その中で適切に

  知事意見を述べて地域環境に応じた風力発電を確保する。
  太陽光発電に関しては、和歌山県太陽光発電事業の実施に関する条例を適切に運用することで、地域環境と調和した太陽光発電を確保

  していくということを進めている。
  今後もそれらを進めていくということを考えている。

  Q 奥村委員 
   そのような取組を進めていく中で、賛成である、取り組んでいってほしいという声と合わせて、個々の事業については反対だという声

  と、分からないという声も聞く。
  昨日12月15日に意見書の締切りがあったコスモパーク加太での太陽光発電所建設計画についても、反対の声も、分からないとの声も

  聞く。その意見を述べられる方は和歌山県に住んでいる方や県外の方などいろんな方がいると思うが、住んでいる場所がどこかは関係

  ないのか。

  A 石井環境管理課長
   県太陽光条例では、条文として、自治会等その他の当該太陽光発電事業に関し利害関係を有する者は意見書を提出することができると

  規定している。

  Q 奥村委員
   利害関係者ということでいえば、加太に住んでいる人でないといけないということではないのか。

  A 石井環境管理課長
   自治会等その他ということで、基本的にはこの事業の周辺に住んでいる、または事業区域を含む自治会ということを想定している。

  意見書に記載しているどのような利害関係を有するかについて、個別に判断する運用にしている。

  Q 奥村委員
   コスモパーク加太は県の土地である。
  他の事業計画では、民間の土地などいろいろな形があるが、今回の計画は県の土地で計画されていることである。
  この土地の利用計画については、最初は研究機関、住宅地や公園などがあり、加太の住民からも希望を持たれていたが、バブルがはじけて

  大変な負債を抱えてしまった状況で、一転して不安なものになっている。環境とか、景観とか、どのようなまちになっていくのかというよう

  な不安の声をいろいろと聞いているが、条例において審査していく中で、この意見を表明できる機会が大切だと思う。
  前回の委員会でも発言したが、事業者には地元の人たちに寄り添った説明会をしっかりと実施してもらいたい。今回の事業では説明会が

  2回しか実施されていないが、県としては十分な説明がされたと考えているのか。

  A 石井環境管理課長
   委員指摘の太陽光発電事業は現在審査中の案件で、その手続きがどうなっているか、その可否について現状では答えられないが、条例

  手続きの中身に関わらず、事業者に対しては、周辺の方と仲よくやってくださいというお願いをしている。

  Q 奥村委員
   お願いではなく住民の立場に立って指導してもらいたい。
  事業計画地には調整池があるが、老朽化しているのではないかとの意見もある。県として実際に現地を見て確認するのか。

  A 石井環境管理課長
   県太陽光条例では、造成などの開発関係の認定基準は森林法や盛土規制法の許認可に委ねられている。森林法であれば森林整備課、

  盛土規制法であれば和歌山市で適切に審査されるものと考えている。

  Q 奥村委員
   この事業においても、県としては住民の意見について、意見書の中で聴くということだが、どのように住民の意見を取り入れていくのか。

  A 石井環境管理課長
   県太陽光条例の手続きでは、提出された意見を整理して事業者に見解を求める。提出された意見とその見解、和歌山市長の意見も踏ま

  え、認定基準に照らして認定できるかどうかを判断する。

  要望 奥村委員
   ぜひよろしくお願いする。

    ●北山委員長
     ◎議案に対する質疑及び一般質問終了宣告
     ◎議案に対する採決宣告
     ◎議案第146号については、全会一致で原案可決
     ◎環境生活部審査終了宣告
     ◎継続審査を要する所管事務調査宣告 異議なし
     ◎閉会宣告
   午前11時40分閉会

 

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