平成11年12月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

平成十一年十二月 和歌山県議会定例会会議録 第七号
     ─────────────────────
議事日程 第七号
 平成十一年十二月十七日(金曜日)午前十時開議
  第一 議案第百二十号から議案第百四十六号まで、報第四号、請願五件、並びに継続審査中の議案第百十七号及び百十九号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
  第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
  第三 特別委員会閉会中継続審査の件
  第四 議案第百四十七号及び議案第百四十八号
  第五 意見書・決議案
会議に付した事件
   一 議案第百二十号から議案第百四十六号まで、報第四号、請願五件、並びに継続審査中の議案第百十七号及び百十九号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
   二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
   三 特別委員会閉会中継続審査の件
   四 議案第百四十七号及び議案第百四十八号
   五 意見書案
出席議員(四十七人)
     一  番       新   島       雄
     二  番       山   田   正   彦
     三  番       佐   田   頴   一
     四  番       松   本   泰   造
     五  番       阪   部   菊   雄
     六  番       堀   本   隆   男
     七  番       門       三 佐 博
     八  番       西   本   長   弘
     九  番       坂   本       登
     十  番       小   原       泰
     十一 番       大   沢   広 太 郎
     十二 番       木   下   善   之
     十三 番       宇 治 田   栄   蔵
     十四 番       尾   崎   要   二
     十五 番       宗       正   彦
     十六 番       橋   本       進
     十七 番       谷   本   龍   哉
     十八 番       原       日 出 夫
     十九 番       永   井   佑   治
     二十 番       谷       洋   一
     二十一番       小   川       武
     二十二番       高   瀬   勝   助
     二十三番       木   下   秀   男
     二十四番       町   田       亘
     二十五番       山   下   直   也
     二十六番       玉   置   公   良
     二十七番       神   出   政   巳
     二十八番       野 見 山       海
     二十九番       吉   井   和   視
     三十 番       向   井   嘉 久 藏
     三十一番       平   越   孝   哉
     三十二番       下   川   俊   樹
     三十三番       江   上   柳   助
     三十四番       金   田       眞
     三十五番       森       正   樹
     三十六番       冨   安   民   浩
     三十七番       新   田   和   弘
     三十八番       中   村   裕   一
     三十九番       井   出   益   弘
     四十 番       大   江   康   弘
     四十一番       高   田   由   一
     四十二番       中   山       豊
     四十三番       飯   田   敬   文
     四十四番       鶴   田   至   弘
     四十五番       松   本   貞   次
     四十六番       村   岡   キ ミ 子
     四十七番       和   田   正   人
欠席議員(なし)
説明のため出席した者
     知事         西   口       勇
     副知事        高   瀬   芳   彦
     出納長        中   山   次   郎
     理事         藤   谷   茂   樹
     知事公室長      大   平   勝   之
     総務部長       稲   山   博   司
     企画部長       安   居       要
     生活文化部長     大   井       光
     福祉保健部長     小   西       悟
     商工労働部長     上   山   義   彦
     農林水産部長     島   本   隆   生
     土木部長       大   山   耕   二
     企業局長       白   井   保   世
     教育委員会委員長   目   黒   威   徳
     教育長        小   関   洋   治
     公安委員会委員長   高   垣       宏
     警察本部長      樋   口   建   史
     人事委員会委員長   青   木   孝   祐
     代表監査委員     宮   市   武   彦
     選挙管理委員会委員長 谷   口   庄   一
職務のため出席した事務局職員
     事務局長       新   谷   哲   朗
     次長         蓮   池   康   宏
     議事課長       佐   竹   欣   司
     議事課副課長     井   田   光   三
     議事班長       松   谷   秋   男
     議事課主査      井   口   好   晴
     議事課主事      安   井   伸   彰
     総務課長       西   野   光   彦
     調査課長       湯   川       忠
 (速記担当者)
     議事課主任      吉   川   欽   二
     議事課主査      鎌   田       繁
     議事課主査      中   尾   祐   一
     議事課速記技師    保   田   良   春
     ─────────────────────
  午前十時三分開議
○議長(下川俊樹君) これより本日の会議を開きます。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前十時四分休憩
     ─────────────────────
  午後一時三十四分再開
○議長(下川俊樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
  【日程第一 議案第百二十号から議案第百四十六号まで、報第四号、請願五件、並びに継続審査中の議案第百十七号及び議案第百十九号】
○議長(下川俊樹君) 日程第一、議案第百二十号から議案第百四十六号まで、知事専決処分報告報第四号、今期定例会の請願二件、継続審査中の請願三件、計五件、並びに前会から継続審査中の議案第百十七号平成十年度和歌山県公営企業決算の認定について及び議案第百十九号平成十年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを一括して議題とし、順次、常任委員会委員長及び決算特別委員会委員長の報告を求めます。
 総務委員会委員長谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(谷 洋一君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十三件、請願一件であります。
 当委員会は、十二月十四日及び十二月十六日の二日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 医科大学関係では、まず初めに新病院の外来、入院患者数の目標に対し現況はどうかとただしたのに対して、計画では外来患者千五百人であったが、十一月現在の一日平均は千二百六十人となっており、旧病院の平成十年度の平均千百八十人は上回っている、入院患者については年間トータルにおいても約二十二万人を超える見込みとの答弁がありました。
 続いて、医薬分業に関連して、薬剤師が薬の専門家として患者への説明ができればいいと思うが附属病院での対応はどうかとただしたのに対し、旧病院では会営薬局が目の前にあり、院外処方率が一三%だったが、県全体の平均は一〇・五%と聞いており、新病院ではこれが約一〇・七%となっている、院外処方率が伸び悩んでいる原因は、院外処方による患者負担増の問題等や医師と院外薬剤師との説明が一致しないこと、処方した薬が薬局にないことなどのクレームも起こっているようである、新病院では開院後しばらくは薬剤師会の院外処方の広報を自粛していただいてきたが、今後は広報活動も再開するなど、院外処方率の向上に努めていきたいとの答弁がありました。
 また、国保串本病院の産婦人科に医師がいなくなり休診になると聞いている、私立大学の関連病院ということだが、医大に対し何か要請などはあったかとただしたのに対して、地域に医師を派遣し地域医療に貢献することは本学の使命の一つであると考えている、現在コンタクトはないが要請があればできるだけこたえるようにしていきたいとの答弁があり、続いて、医師の人事は一般の方には理解されにくいが、必要な診療科がない地域があるのはおかしい、要請がなくても医大から聞くぐらいにしてもらいたいとの要望がありました。
 選挙管理委員会関係では、投票時間の二時間延長及び不在者投票の事由緩和による影響はどうかとただしたのに対し、投票時間の二時間延長等は去年の六月一日から施行されている、投票率にはいろいろな要因があり、二時間延長等によって投票率が伸びたということには必ずしもならないが、去年の七月十二日の参議院議員通常選挙においては延長された二時間内に、和歌山県の場合は投票者数の一七・六%、全国の場合は一六・三%の有権者が投票したという結果になっているとの答弁がありました。
 知事公室関係では、課題処理のため機動力を発揮し調整することで西口二期県政をリードされたい、また西暦二〇〇〇年問題について知事が県民にメディアを通じて語りかけることも考えてはとの要望がありました。
 企画部関係では、和歌山県科学技術振興ビジョン検討委員会の審議状況はどうかとただしたのに対して、これまでに二回委員会を開催し、県産業の発展、環境との共生、県民生活の向上の三本柱で科学技術振興を図ることは委員会でおおむね合意されている、また、前回の委員会で県内企業等に対するニーズ調査や県内公立試験研究機関、大学等に対するシーズ調査について報告したところである、今後これら調査結果等に基づき素案を作成してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、素案は事務局でつくるのかとただしたのに対して、素案は事務局でつくるが、科学技術は専門的な部門も多いので検討委員会で十分に審議しているとの答弁があり、さらに、ビジョンを作成した後それがどう活用されるのか、また、ビジョン、構想をたくさん策定しているが、常に時代の動きに合わせて見直しする必要があるがいかがかとただしたのに対して、ビジョン、構想の見直しについては、例えば県の長期総合計画に対する中期実施計画のように、時代に合わせて時点修正を行うとともに進行管理に努めているとの答弁がありました。
 ビジョン、構想は、県民の意見を反映し、県民に周知するとともに、今後どのように施策につなげるかも議論されたいとただしたのに対して、科学技術振興ビジョンではそういう方向での議論を行ってまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、大滝ダム利水負担について、負担金増の理由はとただしたのに対し、国の経済対策に伴う補正により、年度事業費の増による県の利水負担金増であり、全体計画の前倒しとなるとの答弁がありました。
 さらに、全体事業費は変わっていないか、県の負担率は、また全体負担額と負担済み額はとただしたのに対して、全体事業費は基本計画で定められた二千九百八十億円で変わっていない、県の利水負担率は一・三%となっており、負担総額は三十八億七千四百万円で、十年度末で三十億九千三百万円が納入済みで、十一年度補正後で累計三十四億二千万円となるとの答弁がありました。
 さらに、大滝ダムの全体事業費は今後増額することはないかとただしたのに対して、ダムの全体概要を把握した上での全体事業費であるとの説明を受けており、また今後増額のないよう建設省に申し入れをしており、今後の増額はないものと考えているとの答弁がありました。
 続いて、関西国際空港関係で五億六千八百万円の補正予算を計上しており、この財源が地方債となっている、借金してまでこれを分担しなければならないのかとただしたのに対し、全体事業の前倒しによる本県の出資、貸し付けであるとの答弁がありました。
 さらに、関西空港という国策の問題に対して国が途中で増額するのだから地方も借金してでも負担しろというやり方は納得できないのだがどう思うかとただしたのに対し、事業を促進するという立場で答えると、できるだけ早い事業進捗を図るため国の方で予算の前倒しをするということについて県は応分の協力をしていかざるを得ないのではないかと考えているとの答弁があり、そういう財政支出のあり方がいいのかどうか検討されたいとの要望がありました。
 続いて、医大の跡地の現況は廃墟となっている、現在の跡地利用計画はどうなっているのかとただしたのに対し、医大跡地利用については素案をもとに地元自治会や周辺商店街との協議を続けており、商業施設、ホテル、駐車場の三つの基本施設を民活事業として整備するという内容についてはおおむね賛同を得ている、商業施設については個店との競合は避けられないが、できるだけ競合性の低いものとなるように考えている、旧施設撤去についてはかなり時間を要するとの答弁がありました。
 次に、旧南紀白浜空港跡地への航空工学系大学について、検討委員会からの報告書が出されたところであるが、事業運営が可能か、学生確保が可能か、県財政が厳しい中、開設経費百四十六億円を県が全額負担できるのか等、検討すべき点も多くあると考えられる、報告書では十五年度の開学を目指すとなっているが、事業化についていつ決断するのか、その見通しについて説明されたいとただしたのに対し、現在、検討委員会の報告書をもとに検討しているところであり、来年度予算編成時までには県としての方針を固めたいとの答弁がありました。
 総務部関係では、議案第百四十号と議案第百四十一号について説明されたいとただしたのに対し、給与に関する条例で、平成十一年十月十二日の人事委員会の勧告等に基づき改正をお願いするものであり、主な改正内容は、給料表の改定、宿日直手当の額の改定、期末手当の支給月数の削減、通勤手当の全額支給限度額の引き上げの四点であるとの答弁がありました。
 続いて、改定による節減額はとただしたのに対して、改定の影響額は全体で十九億円の減、内訳は知事部局五億、教育委員会十二億、警察二億円となるとの答弁があり、今回の給与改定で生ずる十九億円の使途はどうかとただしたのに対し、一般財源として有効に活用していきたいとの答弁がありました。
 また、航空系大学構想について、厳しい財政状況の中で百四十六億円の膨大な負担をどうするのかとただしたのに対し、財政面を主として検討しているところであり、まだ十分詰め切れないので明確な回答ができる状況ではないが、一般論としては、これから全体の予算額をコントロールしていかなければならない時期でもあり、もしこの財源を捻出するとすればその分負担がかかることとなるので、計画的な財源配分といった観点からも実現可能性を十分に詰めた上で結論を出していかなければならないと考えているとの答弁がありました。
 また、県財政のあり方に関し、歳入においては多額の起債が行われているが、後年度負担を増大させるものであり反対であるとの意見がありました。
 続いて、JR無人駅の活用について県としての考えをただしたのに対し、地域振興を図れないかとの提案であるが、基本的には地域に密着した市町村が工夫検討をし、市町村で活用方策を決定することが基本であると考える、その中で市町村から施設整備などを行うに際して財源がどのようなものであるかなど相談があればその相談に乗ってまいりたいとの答弁があり、県から市町村へ声をかけ、無人駅が活用されるいい方法がないか検討されたいとの要望がありました。
 以上のような審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち、議案第百二十号から議案第百二十六号、議案第百三十三号、議案第百四十号から議案第百四十二号は全会一致で、議案第百三十二号、議案第百三十九号は賛成多数で可決すべきものと決しました。
 次に、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第二号は継続審査と決しました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 農林水産委員会委員長大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(大沢広太郎君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告を申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案三件であります。
 委員会は、十二月十四日、第四委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 農業の振興関係では、まず初めに、梅生育不良に対し園地ごとの土壌分析を実施し、原因究明と対策に生かしてはどうかとただしたのに対し、土壌の実態調査は重点的な調査と考え、これまでも実施し、現在も種々の調査の基本として土壌分析を行っている、ただ、すべての園地の調査にまで至っていないが、今後広域的に実施したいと考えているとの答弁がありました。
 次に、ばいじんの直接暴露に対する見解はとただしたのに対し、本会議で申し上げたとおりであり、ばいじんの直接暴露は科学的に評価できる調査ではないと考えている、ただし、大気環境に係る調査研究も含め、調査可能なものについては幅広い視野に立って取り組む方向で検討しているとの答弁がありました。
 またこれに関連して他の委員から、梅の生育不良の調査研究は画一的なものとならないよう配慮するとともに、今後の調査方針を示されたいとの要望がありました。
 続いて、龍神村では近年梅の生産が増加しているが山村振興対策として支援できないかとただしたのに対し、山村振興課では特用林産物の振興に対し助成しているが、梅については関係課等と連携をしながら対応を検討していく必要がある、また、就労機会の拡大等につながるふるさと産品として採択していく場合は、加工施設の整備等に対して県単独事業である山村二十一創造事業を活用する方法もあるとの答弁がありました。
 さらに、ミカン、カキの低利融資について、実施時期はいつか、またどのくらいの融資枠を考えているのかとただしたのに対し、実施については今後の価格の動向を見守りながら、当初予算で融資枠について、平成九年産に対して実施した十億円を参考にしながら、現在のところ二十から三十億円を検討しているとの答弁がありました。
 また、中山間地域等直接支払い制度実施に伴う地域指定の方向及び財政負担についてただしたのに対し、この制度に係る対象地域については、半島振興法等、地域振興に係る八法の指定地域内で農振農用地区域三万二千ヘクタールのうち、急傾斜と緩傾斜地の水田などを含めた約二万五千ヘクタールの中で、一ヘクタール以上の団地設定をもって生産活動を行う地域を対象とされており、この団地設定については市町村が二千五百分の一等の図測をもって設定するものである、また、耕作放棄地等について、一年以内に農業生産活動を開始すべく集落協定が結ばれた場合に対象とされている、また財政負担については、県では九月に実施された国の概要説明を受けて適切な運用を図るため各振興局単位で市町村等関係機関に説明を行ってきたところであり、市町村では厳しい財政状況の中、平成十二年度当初予算等に取り組むなど、実施に向けて努力していただいている、特に地元負担の軽減を図るため、財源確保等の政府要望を行っているところであるとの答弁がありました。
 これに関連して他の委員から、この制度の実施に伴う農振農用地区域の考え方についてただしたのに対し、この区域は市町村が農業生産活動を積極的に進めるための地域として設定した地域なので当然この地域が本制度の対象となるが、農振白地については一年以内に農振農用地区域に編入されれば対象地域になるものと考えるとの答弁があり、委員からは、今後、地域設定や支払い方法について先進地の実例を参考に地域に合った柔軟な対応をされたいとの要望がありました。
 次に、光センサー方式の選果機が県下に導入されているが、本年産ミカンの価格にどのように反映されているかとただしたのに対し、選別の精度が高まり、通常のものに比較して高値で取引されており、効果があると考えているとの答弁がありました。
 続いて、ミカンの消費拡大として大相撲春場所の優勝力士に味一ミカン一年分の提供を行っているが、初場所で一層のPR効果を図るため現物を提供するなど考えてはどうかとただしたのに対し、関係団体と相談していきたいとの答弁がありました。
 さらに、ミカンの段ボール箱に効能のチラシを入れるなど健康をPRする取り組みが必要と考えるがとただしたのに対し、ミカンの持つ機能性についてリーフレットを段ボール箱に入れるなどの取り組みを一部で行っており、今後も生産者団体と連携して一層推進していきたいとの答弁がありました。
 委員からは、他府県の例でもあるように、生産者みずからもこれまで以上の拠出金を出して青果物のPRをすべきであるとの意見がありました。
 また、農業者がみずからの農園に駐車場をつくらないで道路に駐車しているが、少なくとも農道の整備事業実施に当たって各自駐車場を設置するなどの義務づけをしてはどうかとただしたのに対し、農道の整備事業を行うときには、強制力はないが、農家各戸で駐車場を設けるよう指導していきたいとの答弁がありました。
 次に、鳥獣行政については、鳥獣保護も大切であるが、被害者である農林家の実情がわかっていない面もあるとただしたのに対し、これまでも担当部局と調整を図ってきたところであるが、今後さらに連携を密にして農林被害の効果的な防除に努めたいとの答弁がありました。
 また、これに関連して他の委員から、より効果のある行政組織も視野に入れてこれら被害対策への対応を図られたいとの要望がありました。
 水産業の振興関係では、まず初めに遠洋マグロ漁業の減船について、県費負担分に対する国の財政的な支援については自治省と話はついているのかとただしたのに対し、まだ回答はもらっていないが、さきの政府要望の際にも自治省、水産庁への要望はしている、前回、北洋サケ・マス対策時において半分を国で見ていただいた経緯があるとの答弁がありました。
 次に、今議会に漁協信用事業の一本化という方針のもと、勝浦漁協ほかへの損失補償が提案されているが、他の漁協についてはどうかとただしたのに対し、県信漁連が一県一信用事業体構築に向け平成六年度より信用事業の統合を進め、現在既に二十二漁協を統合し、なお十七漁協が信用事業を実施しているが、それぞれの漁協での信用事業を行う時代ではなくなってきている状況であり、一層統合を図る必要がある、そのため今議会にお願いしている損失補償を認めていただければ円滑な統合が図られると考えているとの答弁がありました。
 続いて、全県下漁協の信用事業統合はいつごろまでを目途としているのか、また勝浦漁協について早期にできる見込みがあるのかとただしたのに対し、信用事業統合は平成十二年度中を目標に統合したいと考えている、また勝浦漁協については、年間百億円以上の水揚げ高のうち県外船の水揚げが八五%以上を占めており、この地域経済を守るため、この損失補償を認めていただいて年度内に信用事業を円滑に統合したいと考えているとの答弁がありました。
 これに関連して他の委員から、ほかにこのような県や町が損失補償を行うという実例があるのかとただしたのに対し、知っている限りでは県としてはないが、市町で二カ所あるとの答弁がありました。
 さらに、破綻した場合、保険機構による救済はないのかとただしたのに対し、一般の金融機関では預金保険制度があり、農業、漁協には貯金保険制度があるが、保険事故として適用された事例はない、貯金保険制度では貯金の支払い不足額について二分の一から三分の二は地元調達を要請され、残額については貯金保険機構と全国漁協信用事業相互援助制度により支援をしたという実例があるとの答弁がありました。
 次に、県外の漁業者、また仲買人等を考えるとこの損失補償は必要であると思うが、町の支援措置がなされない場合はどうするのかとただしたのに対し、町に対して県と同じタイムスケジュールでやっていただくようお願いしているところであるとの答弁がありました。
 また他の委員から、損失補償について基本的に問題はないと思うが、信漁連の規模等について示してほしいとただしたのに対し、信漁連の規模等については、貯金残高約四百七十億円、職員五十三名、自己資本比率六・三五%である、勝浦漁協の信用事業統合については県、町で損失補償し、漁協が市場手数料の引き上げ、資産売却、固定化債権の回収、出資金の増資等、当組合の自助努力により十年間で返済する計画であり、今回、損失補償をお願いするものであるとの答弁がありました。
 次に、信用事業を扱っている他の部門で問題はないのかとただしたのに対し、県内の二十四農協に対しては経営の健全化を図るよう努めており、現在のところ経営不振の農協はないとの答弁がありました。
 このほか、「みかんの日」の活動状況、県林業センターでの樹木衰退被害調査の実施方法、栽培漁業センター用地の購入、水産業の振興策としてクエの種苗生産等について、また当局からの提出案件資料についてなどの質疑、意見、要望がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案第百三十七号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第百三十九号、議案第百四十六号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、当委員会から、梅干し等の原料原産地表示を求める意見書案が提出される運びとなっておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 文教委員会委員長神出政巳君。
  〔神出政巳君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(神出政巳君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案一件、請願は前会からの継続審査分一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず初めに、先日、県立南部高校でホームルームの時間に従軍慰安婦問題や南京事件の資料を使って九年間人権教育を行っていたという新聞報道があったが、そのときの学校教育課長の談話はどうであったかとただしたのに対し、資料が一方的であるという指摘に対して学校からの文書報告がまだ届いていない状況であったのでコメントは差し控えた、しかし、一般論として、歴史を教える場合、事実として確認されていない内容を教材として使用するのは問題があると回答したとの答弁がありました。
 続いて、従軍慰安婦は平成四、五年ごろから出てきた言葉である、資料では強制連行があったかのごとく描かれているが、強制についても軍の関与についても明らかにされていない、慰安婦の存在など戦争の中であったことを現代の次元で論じられるのか、学校教育において確認できていない資料を使って授業をすることはおかしい、南京事件については、その真偽に対してはいろいろな意見が出されている、それを三十万人虐殺し、日本軍が侵略だけの目的で戦ったというように一方的に自虐的な歴史観を植えつけることは大変な問題である等の意見が委員から出されました。
 そして、このような歴史的事実であるかどうかわからない資料をつくった責任はだれにあるのかとただしたのに対し、教育課程の編成は学習指導要領に基づき学校長の責任で行う、人権学習の中での資料についても学校長の責任のもと担当者が作成に当たることが一般的であるとの答弁があり、その答弁に対し、今回の資料は正しいと考えているのかとただしたのに対し、中学校の社会、高校の日本史の教科書には南京事件や慰安婦について、表現の違いはあるが、すべてにおいて扱われている、基本的には歴史的事実として学習指導要領、教科書に準拠した指導だと判断している、ただし、資料については一斉指導の教材としては適切さを欠いた点があったと学校には指導しているし、学校長も認めており、次の十二月のロングホームルームでフォローしていきたいとの答弁がありました。
 委員からは、教科書の選定については現場教師の好きなものを選択する傾向があり、教師の人気度に押されて文部省も検定せざるを得ないのが実情のように思う、教育委員会は教科書の採択にもっと検討を加えるべきであり、歴史の教科書の内容についてはかなり一方的な偏りがあるように思う、日本は最低最悪の品性のない卑しい歴史しか持たないように教えられてはこれからの日本がどうなるか心配だとの意見がありました。
 また一方、他の委員から関連して、教育現場で偏ったことを教えることは憲法に反することであり許してはならない、今回の件には新聞報道以外にも保護者からいろいろな意見が出ている、日本の歴史が自虐的になっているという考えは誤っていると思う、南部高校の資料は古く訂正を必要とするが、従軍慰安婦の内容については事実であり、歴史事実としてきちっと教えるべきである、過去に犯した誤りを反省することは恥ずかしいことではない、なぜ戦争が起こったか、日本人は被害者でも加害者でもあること、アジアの人々が被害者であることをしっかり教えていかなければならない、慰安婦のことは歴史的になかったことなのかとただしたのに対し、南京虐殺も、慰安婦についても歴史的事実である、しかし、その内容や規模についてさまざまな見解や見方がある中で、センセーショナルに過度に強調した表現や内容は客観的な歴史的事実として生徒に正しく理解させる上で適切さを欠いた面があったと指導したとの答弁がありました。
 関連して他の委員から、授業という限られた時間に今回のような限られた内容をテーマとする場合、センセーショナルな内容が取り上げられることがある、史実にはその当時の流れや考え方に沿った内容があり、日本においてもその当時は他の列強諸国と伍していくための方策として植民地政策をとった経過があったのではないか、また被統治国からは、自国の中での主権確立のために独自の内容を主張することは、ある意味では当然のことと受けとめる、ただ、教育の立場からは、日本が日本という国家を維持する上で他国へ何らかの迷惑をかけた場合、その内容を総括的にとらえて指導するべきであり、一部分を強調して指導するのは不適切であろう、そういう意味で、現在の世界情勢の中で日本がこれまで歩んできた内容を歴史の全体像としてとらえた上で人権教育を進めるべきであると考えるとの意見がありました。
 関連して他の委員から、現在、学校教育には多くの課題があり、教育に完全なものを期待することが困難な状況にあると考える、先ほど来、自虐的な教育について議論がなされていたが、一般論として自分の祖父母など、祖先の非を指摘された場合、自分自身に誇りが持てるだろうか、過去の戦争における総括として従前の日本のよい面もすべて拒否されてきた経緯があるのではないか、史実の確認には慎重な調査や裏づけが必要となる、戦後五十数年を経た現在、教員も戦争を知らない世代になりつつある、戦争を知らない者が知らない児童生徒を指導するところに種々の困難さがある、そういった意味で、県教育委員会は基本的理念をしっかりと持つべきであり、教科書採択等に県の独自性が反映できる方策はないものかと思う、県の教育にかかわることは最終的には県教育委員会が責任を負うものであり、文教委員会としてもその責務を受けとめていかなければならないと考える、我々がバックボーンとなって歴史教育を含め正しい教育が行える環境づくりに努めていかなければならないと考えるが、これからの教育について最終の責任を負うと明言できるのかとただしたのに対し、今回の事例で歴史教育や人権教育の実施に係る教材や指導内容について精緻な積み重ねや検証が重要であるといった貴重な教訓を得たと考えている、日本人として、過去や現在に誇りを持ってほしいと願っており、教育を進めるに当たって正確な事実認識を基盤として教育を行うよう、主体的な責任を持って市町村や各学校に指導助言を行っていきたいとの答弁がありました。
 続いて、本県教育の充実を図るためには確固たる信念を持つことが必要であるが、学級崩壊等、さまざまな課題がある中で、現場において第一線で胸を張れる教職員の資質が最大の問題である、教員は聖職であり、単なるサラリーマンではない、文部省が最近、教職員採用の基準の公開等を提案しているが、本県としても民間で研修させるなど資質向上に向け独自に取り組むとともに、県独自の教員採用基準をつくることも必要と考えるがどうかとただしたのに対し、教員志望の多い中で、採用できる人数は少なくなってきている、激戦の中で高い競争を突破し合格をしているが、現場のさまざまな問題に立ち往生する場合もある、採用検査では、ペーパーテストによる基本的知識はもとより、面接を極めて重視し、一次、二次試験ともに一人当たりにかける面接時間をふやし、あらゆる角度から面接し、やる気なり資質そのものを問うというやり方を重視するとともに、実技を重視し、ペーパー主体ではなく体力的な面、技術面、指導方法を見るなど、毎年少しずつ改善しているところである、さらに、採用した後の教員についても、民間の厳しさなど教育界と違う世界での経験を積ませるため、本県では四年前から独自に社会体験研修を実施しており、年間三十人から四十人を銀行、百貨店、老人福祉施設等へ幅広く、長い者で一年、短い者で一カ月派遣し、多種多様な社会体験を積ませており、これからもさらに工夫を加えて教員の資質向上に努めてまいりたいとの答弁がありました。
 委員からは、教育は教職員自身の熱意に頼る以外にないと思うので、より厳しく、人間性を尊重することが大事と考えるとの意見がありました。
 次に、奈良県内の小学校において給食のカレーに薬品が混入された事件に関して、本県の理科実験等の薬品の扱いについてはどうか、また県教育委員会の対応についてはどうかとただしたのに対し、理科実験等の薬品の取り扱いについては従前から安全管理の必要性を重く認識し、義務教育にあっては地方教育事務所長会議を通じて各市町村、教育委員会、並びに各小中学校に、また県立高等学校にあっては県立学校長会において、その保管・管理について指導を行ってきたところである、小中学校における理科実験用の薬品については、理科準備室等の保管庫に入れて部屋には施錠している、県立学校においては施錠装置を設けた部屋に薬品保管庫を設置し、管理責任者が台帳とチェックしながら確実に管理している、平成十年の夏に本県で起こった不幸な事件の際には「実験用薬品等の管理徹底について」等の通知文を各地方教育事務所長、各市町村、教育委員会、教育長、県立高等学校長、盲・ろう学校長、並びに養護学校長に送付するとともに、指導の徹底を図った、なお、平成十年九月には劇薬品管理マニュアルを作成し、各県立高等学校に対し管理の一層の徹底を指導しているとの答弁がありました。
 次に、中高一貫教育の実践研究が始まったと聞いたが、具体的にどんなことを検討していくのかとただしたのに対し、中高一貫教育については、本会議において古座高校と古座町、古座川町の五つの中学校において実践研究を進めていくと答弁したところであるが、古座・古座川地域では生徒が減少するとともに、古座高校ではここ数年欠員の状況が続いており、この地域の活性化を含めて高校の活性化についていろいろ検討していく必要があると考えている、こうした中で、古座高校では中高一貫教育について研究を進めていきたいということであり、県教育委員会においても全県的な視野から検討した結果、中・高連携推進支援モデル事業で多くの成果を上げているこの地域で研究を行うことが望ましいと判断し、相互に一致したので、文部省の委嘱を受けて実践研究を行うこととした、今後、ゆとりのある教育を目指して六年間を見通した中学校、高等学校の教育課程をどうするか、学習内容をどうするか、入学者の決定をどういう方法でしていくかなど、具体的な実施方法について研究、検討していくこととしているとの答弁がありました。
 次に、本会議においても学級崩壊の問題を質問し、十一校十三学級の崩壊があったがほぼ平常な状況に戻っているという答弁を受けたが、文部省では来年からOBの元ベテラン教員を非常勤講師として二千名程度採用し、学級崩壊の見られる学校に配置し、複数で学校崩壊のクラスを担当し、クラスを軌道に乗せるという制度ができると聞いているが、県教育委員会の取り組みはどうかとただしたのに対し、本県としては、国の新規事業への取り組みに沿って各学校へ調査をして必要な予算要求を行うこととしている、国の考え方は六学級以上の小学校の一割程度、全国で約二千校に対し非常勤講師を措置し、きめ細かな指導を行おうとするもので、本県でもそれに近い数の学校から要望が出ており、予算要求金額は八百万円で、三分の一国費補助の事業であるとの答弁があり、委員からは、正常な授業を行えない学級が学校内に一つでもあれば他のクラス、学校に悪影響を及ぼす問題であり、こうしたベテラン教員の配置等について国の方策が示されているということから、ぜひこの事業を活用して学級崩壊と言われる学級がなくなるよう努めてほしいとの意見がありました。
 次に、本会議においても旧中筋家住宅の修復保全について質問したが、その後、着工のめどがついたと聞くが経過はどうかとただしたのに対し、本年度の最終内示をもらえるよう国と協議中であり、一月着工を目指して働きかけているとの答弁があり、委員からは、和歌山市禰宜地区の住民は修復について一生懸命になっており、管理団体である和歌山市も積極的であるので、県としても一段の尽力をとの要望がありました。
 次に、総合教育センターの建設については平成十四年度に一部開所予定と聞いているが、その後の進捗状況はどうかとただしたのに対し、昨年六月の文教委員会で総合教育センターの建設場所は田辺市に内定し、敷地面積は約三万五千平方メートル、建築面積は約一万平方メートルで協議しており、平成十四年度ぐらいに一部開所できるよう一年でも早い開所を目指していると申し上げた、現在、この方針に沿って関係部局と協議を進めているが、開所が少し遅くなり、平成十五年四月に開所できるよう鋭意作業を進めているところであるとの答弁がありました。
 次に、来年度予算について、財政状況が厳しくマイナスシーリングがかかっている中で、県教育委員会の予算要求に対する決意はどうかとただしたのに対し、非常に厳しい財政状況の中で教育についても例外ではないという側面があるが、さまざまな教育課題がある中で、教育関係予算について十分に確保できるよう委員の皆さんのご支援をいただきながら頑張ってまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、祝日法の改正に伴ういわゆるハッピーマンデーについて、質疑、意見がありました。
 以上のような審査の結果、当委員会に付託されました議案第百四十三号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、請願については、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第三号は継続審査すべきものと決しました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 経済警察委員会委員長新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(新島 雄君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案二件であります。
 当委員会は、十二月十四日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件等について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 公安委員会関係では、初めに、不祥事案が全国各地で頻発しているが、警察官の資質の向上はどのような方法で行っていくのか、また職員の中に増加しているストレスに対するカウンセリング状況についてただしたのに対し、採用時や昇任時に警察学校で警察官として必要な使命感や倫理観について具体的な事例を取り上げて教養しているほか、平素職場においても署長等が職業倫理の浸透を図っている、しかし、現実に一部の警察官に徹底できていなかった点は真摯に受けとめ、職員が自分の問題として職員の心の中に入り込める教養に努めることとしている、また、カウンセリングについてはメンタルヘルスセミナーの開催等、精神面も含めた積極的な対策を行っており、今後も相談体制を整えていくとの答弁がありました。
 関連して、警察官の採用について、ペーパーテストだけでなく社会に役立ちたいという情熱のある人、命がけで仕事をする人等を採用してほしいとの要望がありました。
 次に、コンピューター二〇〇〇年問題における県警の対応についてただしたのに対し、警察本部、警察署合わせて全警察職員の約四三%に当たる約千名が出勤して警戒に当たり、これ以外の職員についても自宅待機させるなど万全の体制で臨むこととしているとの答弁がありました。
 次に、本県の治安情勢は全国ワースト五位で、大阪府など大都会と肩を並べるほど悪化していることについて、県民総ぐるみでの取り組みが必要であり、意識改革を進める上で広くその実態を知らせることが必要ではないかとただしたのに対し、今後、「県民の友」のほか、交番、駐在所のミニ広報紙など積極的な広報を行うとともに、市民、県民と力を合わせて取り組むため、今後ともあらゆる広報媒体を活用し、はっきりと説明していくとの答弁がありました。
 次に、高校生や中学生が和歌山駅、新内周辺で補導されているが、教育委員会や学校との連携はどうなっているのかとただしたのに対し、警察、教育委員会、自治体の三者で構成する全国でも数少ない十九の青少年センターを通じて学校との連携を図っている、県では、警察、行政、教育の各機関で構成する青少年総合対策本部が設置されており、知事部局の青少年課にも警察官や教員を派遣するなど、行政や教育委員会との連携を図っているが、なお一層連携を強めていくとの答弁がありました。
 次に、暴走族根絶条例を制定した県があると聞くが、県民の意識高揚を図るためにも制定してはどうかとただしたのに対し、暴走族追放に関する条例は、昨年、宮城県議会が全国で初めて制定したほか、広島県議会では現在審議中であると聞いている、暴走族根絶には警察の取り締まりを中心とする取り組みだけでなく、暴走族が根づきやすい土壌を排除するため、自治体、関係機関・団体が連携した根源的な対策が必要である、当面の重点課題でもある和歌山駅、新内周辺の暴走族等の問題を解決することにもなるため、できるだけ早い時期に制定できるよう前向きに検討を行っているとの答弁がありました。
 商工労働部関係では、初めに、二十一世紀の県産業をどう見ているのか、またベンチャー企業の状況はどうかとただしたのに対し、県内企業の状況は中小企業の比率が高く、企業年齢も平均二十三、四年と高くなっている、「経済白書」によると企業年齢が二十年を超えると雇用者数の増加率が大幅に低下するとされており、県としてはベンチャーランド構想により新しい企業の創出や新分野への進出支援に努めてまいりたい、また、ベンチャー企業への支援だけでなく、中小企業が新分野へ進出できるよう、成長十五分野など時代にマッチした方向へ指導していきたいとの答弁がありました。
 関連して、創造活動促進法についてただしたのに対し、審議会は学二名、産五名、官五名の計十二名で構成され、現在、四十三件を認定している、研究開発期間は三年から五年であり、現在八件が研究開発の目的を達成し、製品化に至っているが、これから市場へ出す段階で収益を上げるまでには達していない、県としても平成十一年度単独事業で市場開拓を支援する事業を実施しており、八件のうち三件の交付決定を行っているとの答弁がありました。
 また、企業の新分野進出にはかなり危険性があるが、県の支援策はどうなっているのかとただしたのに対し、従来、新分野進出に対する支援制度があったが、本年七月からはこの制度を含む経営革新支援法に基づく支援制度に移行している、現在、四件を承認しており、問い合わせ等も多数受けている状況なので相当成果が期待できるとの答弁がありました。
 次に、企業誘致における優遇措置についてただしたのに対し、企業立地促進資金の貸し付け制度と、操業一年後に交付する奨励金として新規雇用に対する奨励金と設備に対する奨励金があり、奨励金以外にも市町村が工業団地を造成する際の補助金等がある、特に紀南地方に対しては奨励金等を厚くするなどの措置を講じているとの答弁があり、委員からは、誘致後における対策も必要ではないかとただしたのに対し、誘致企業には相互の交流や県市町村との意見交換の場を設けるなどしているが、今後とも企業誘致には精力的に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 次に、貸し渋りの状況についてただしたのに対し、全国で二十兆円の枠で創設された金融安定化特別保証制度は、本年十月末現在、県信用保証協会において約一千億円の保証を行っており、短期間でこれだけの実績が上がったという点から、貸し渋りに対し一定の成果が得られたものと考えているとの答弁があり、担保がない企業や旧債のある企業では利用できないのではないかと再度ただしたのに対し、金融安定化特別保証制度における県信用保証協会の保証承諾は各企業の経営内容等を十分に勘案して決定しており、十月末現在で約五千件の承諾があった、ただ、既に保証限度額に達しているなど保証承諾に応じることが困難なケースもあるとの答弁があり、委員からは、中小企業の経営状況もさまざまだが、できるだけ弾力的な取り組みをしてもらいたいとの要望がありました。
 続いて、金融対策として七億円の補正予算を計上しているが、実態を十分把握して取り組むべきではないかとただしたのに対し、金融安定化特別保証制度は取り扱いが平成十三年三月まで一年間延長され、当初の二十兆円に十兆円追加されるが、県内の状況は依然として厳しい状況にあると認識している、これから年末や年度末を控え一層の資金需要が見込まれることから、県信用保証協会に対しても弾力的な運用をするよう指導してまいりたいとの答弁がありました。
 関連して、県信、紀北信用が倒産している中で他の金融機関に移行できた者はほとんどなく、株式会社整理回収機構に移行した者は厳しい回収に苦しんでいる、県信は県の監督であり、融資先の実態を調べ適切な対応をとるべきではないかとただしたのに対し、金融機関の破綻処理には莫大な公的資金が投入されており、同機構は二次ロスを発生させないように全力で回収している、県としても中小企業者の経営に支障が生じないよう実態に即した回収に努められるよう全国知事会で大蔵大臣に要請するとともに、商工労働部長も同機構に対し強く要請している、今後ともこの問題に重大な関心を払ってまいりたいとの答弁があり、委員からは、地元の企業対策等について要望がありました。
 次に、休日の県下全体の観光案内、情報提供についてただしたのに対し、インターネットホームページ、JR主要駅、道の駅で情報端末を設置しているが、人の対応は行っていない、広域的な観光が広まる中で有効な対応策を検討してまいりたいとの答弁がありました。
 関連して、本県のタクシードライバーの態度がよくないと聞くが、観光客のリピーター確保のためにもタクシー業界を指導できないかとただしたのに対し、現在、和歌山市駅に近距離用のタクシー乗り場を設置する準備が進められていると聞いているとの答弁がありました。
 また、和歌山城の天守閣展示物の老朽化についてただしたのに対し、施設の管理者は和歌山市であるが、和歌山城は市のシンボルであるだけでなく県の看板でもあるので、市から要望があれば検討してまいりたいとの答弁があり、関連して委員からは、自然景観を有している和歌浦の観光振興等についても取り組むよう要望がありました。
 このほか、緊急地域雇用特別交付金の事業選択、アンテナショップの状況について質疑、要望がありました。
 以上が、当委員会における審査の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第百三十九号及び議案第百四十四号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 建設委員会委員長木下善之君。
  〔木下善之君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(木下善之君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案八件、請願は前会からの継続分一件であります。
 委員会は、十二月十四日、第五委員会室において開催し、企業局、土木部の順に当局から説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 まず企業局関係では、雑賀崎地区都市再開発用地で一件の売却との説明があったが詳しい状況はどうかとただしたのに対し、本年八月に約千五百平方メートルを売却した、全体としては売却予定面積三十四・六ヘクタールのうち十四・六ヘクタール、約六〇%を二十一社に売却している、四〇%の残地はあるが、今後も売却に努力していくとの答弁がありました。
 さらに、千五百平方メートルを含んで六〇%か、またどういう企業か詳しく説明されたいとただしたのに対し、雑賀崎地区は金属機械器具製造業を対象にしており、今回売却の企業は運送業と金属加工業を行っている企業で、今回の売却を含めて六〇%であるとの答弁がありました。
 続いて、海南市への水道の移管問題で、平成十一年度当初には年度末までに解決をすると海南市側も意気込んで取り組んでいたが、トーンダウンしている状況である、これの現状の説明と、特に水利権の問題についてクリアされる見通しにあるのかどうかとただしたのに対し、企業局としては、海南市への移管を行うため通商産業省を初め関係機関との協議も進める中、海南市と最終的な協議の段階に入っている、海南市議会において水道事業対策特別委員会が設置され、移管について検討されていると聞いている、十一年度中の移管についての協定には至っていないが、適正化に向け市と協議を進めていく、また水利権問題については建設省と協議していると聞いているとの答弁がありました。
 重ねて、水利権についてしかとした方針が出ているという認識で把握してよいのかとただしたのに対し、移管を前提として各関係機関と協議しており、水利権の確保についても問題がないと考えているとの答弁がありました。
 次に土木部関係では、今回の補正額約百十三億円は、補正総額に対し五八%強を土木部が占めている、国の経済対策は冷え込んでいる状況に対し少しでも活力をつける意味合いが持たれているはずであるが、説明では継続事業が主体であり、目的とする経済対策へ効果をどのように評価できるのか、さらに一方では、理由はあると思うが河川海岸費や港湾費の繰越明許費を計上している、仕事がないという状況に対しどうこたえる補正になったのかとただしたのに対し、一般的に、新規事業には用地の確保が必要であるが、今回の補正は用地の絡まない継続の工事費などを中心に景気浮揚を図ったものである、ただし、今回の補正には新規事業もあり、これらは用地取得の絡まないトンネル工事やバリアフリー化工事、橋梁塗装、急傾斜地崩壊対策等の工事費に関して計上している、国の二次補正の編成方針では景気浮揚効果に着目し、即効性や緊急性を総合的に考慮し補正追加を行うこととされ、結果として県としても当初予算では工事・委託費と用地補償費の割合は七対三であったが、十二月補正予算では九対一と工事・委託費のウエートが高く、経済浮揚効果を図ったものである、また今回の繰越明許費については、工事契約の標準工期が不足するものについて計上したものであるが、工事契約により四割の前払い金を支払うことができ、資材購入等により関連業種にも波及効果がある、さらに、例年四月から七月の端境期の工事などの落ち込みをなくし、継続的な景気刺激になるものと考えているとの答弁がありました。
 これに対し、県工事をSランクが落札した場合、どのクラスの業者に下請発注されるのか目を届かせてほしい、公共工事の発注の仕方、入札のあり方についても引き続き検討されたいとの要望がありました。
 次に、道路標識で六角形の路線番号標示の看板を見かけるが、県道か、寸法や番号標示は国の指導か、平成十一年度の案内標識予算は幾らか、そのうち和歌山市内は、予算は今後も同額かとただしたのに対し、六角形の標識は県道標示であり国の指導である、粉河加太線と西脇山口線の交差点ほか海草振興局管内で四カ所設置する、予算は六千万円で、今後の予算も大きく変わらないとの答弁がありました。
 重ねて、限られた予算のうち、費用対効果を発揮するために、道路番号標示を観光案内板の標識に変えていくなど発想の転換を図り、利用者のことを考えたより効果的な標識整備ができないかとただしたのに対し、道路番号標示は地図などとの対応を考えるとともに、一般の人からの通報のためにも必要なものである、今日の交流の時代において、もてなしの心が大事なことであり、初めて本県を訪れる人には適切な案内が大事であるので、使う人の立場に立って優先順位をつけ、適切に取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に、県道海南金屋線の整備方針と国道三百七十号の整備促進、特に阪井地区の整備はどうか、また国道四百二十四号の木津区間の計画構想はどうか、野上電鉄廃線敷を利用した自転車歩行者道阪井地区の街灯設置についての具体化は、海南金屋線の側溝整備についての考え方はどうかとただしたのに対し、県道海南金屋線の整備は重根から別所までの都市計画決定されている一・二キロメートル区間の道路整備を重点的に進めている、また、現道対策では待避所計画四カ所のうち残る一カ所において整備を進めている、国道三百七十号については今後海南市の協力を得ながら阪井バイパス、龍部池バイパスなどの周辺道路、国道四百二十四号との整合のとれた計画を基本に検討している、国道四百二十四号の木津地内については現在国道三百七十号との交差点改良を進めており、一部物件補償の契約も締結している、自転車・歩行者道については何カ所か海南市道と交差しているところがあり、交差点における安全確保については海南市と協議していく、また、側溝整備についても地元の協力を得たところから十二年度も引き続き実施していくとの答弁がありました。
 次に、阪本五條線の奈良県側の改修について、引き続き奈良県へ要望などを願いたい、また、国道四百八十号で府県境の長大トンネルについて国直轄事業として平成十二年度の政府要望に掲げているが、この見通しはどうか、かつらぎ町内の滝第二トンネルは来年度予算化されるのか、道路建設時の用地買収について公図混乱のため県道志賀三谷線の未整備区間約三百メートルが進捗しない、地権者は協力すると言っているが、なぜ整備できないのか、地籍確定が絶対条件となるのかどうかとただしたのに対し、阪本五條線については、奈良県側において工事を実施されなければならず、奈良県側の要望等も聞きながら地元町の意向を踏まえ調整し、問題解決に当たりたい、また、府県境部のトンネルは直轄代行で要望しているが、今後も大阪府と連携をとりながら着工に向けて努力していく、滝第一トンネルは発注したところであり、当面この工事に取り組んでいく、滝第二トンネルは他の改良工事も進めながら早期着工に努めたい、県道志賀三谷線の公図混乱地域であるが、平成十二年度からかつらぎ町が地籍調査に入ると聞いており、それにより地番の確定を行うとともに、関係者が絞られており、施工承諾等を得られれば前向きに検討したいとの答弁がありました。
 次に、県道海南吉備線が全くの未改良であるが、今後の取り組みについてどのように考えているのか、次回の委員会までにまとめてほしい、また、和歌山市のマリーナシティから下津町にかけての国道四十二号は直角の交差点が幾つもあり、カーブも多く良好な状態でない、橋梁や沈埋トンネルなどで海を渡ることを検討されたい、国道三百七十号については、美里町において改良が進みつつあるが、奥佐々阪井線も含め、今後とも促進されたいとの要望がありました。
 次に、公共事業を進めるためには用地取得が重要であり、その解決に当たっては、建設部はもとより土木部全体で対処すべきである、また用地取得を進めるために民間委託を考えてはどうか、用地取得が困難な案件については事業遂行のために土地収用法の適用も検討されたい、また測量、設計についてできるだけ県内業者に発注するよう地元和歌山の活性化に配慮されたい、二〇〇八年のオリンピック誘致の観点からヨット競技を受け入れることができるよう関係施設を整備されたい、これは教育委員会の問題でもあるが、土木部でも検討されたいとの要望がありました。
 このほか、高速道路の照明設置及び路面舗装の不良についての質疑や川永団地の浄化槽問題の早期対応についての要望がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案第百三十四号、議案第百三十五号、議案第百三十六号、議案第百三十八号、議案第百三十九号、議案第百四十五号、議案第百四十六号は全会一致をもって可決すべきものと決し、報第四号は全会一致で承認すべきものと決しました。
 また、請願については、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第一号は継続審査すべきものと決しました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をよろしくお願いいたします。
○議長(下川俊樹君) 福祉環境委員会委員長玉置公良君。
  〔玉置公良君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(玉置公良君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案六件、請願新規受理分二件であります。
 委員会は、十二月十四日及び十七日の二日間、第二委員会室において開催し、福祉保健部、生活文化部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 福祉保健部関係では、まず少子化問題について、県の施策の中でどのような取り組みをしているのかとただしたのに対し、和歌山県長期総合計画の中においても主要プロジェクトとして喜の国エンゼルプランの推進が挙げられている、平成十一年度では国の少子化対策臨時特例交付金を受けて広報、啓発、人材育成に関するソフト事業を実施しているとの答弁がありました。
 これに対しさらに、現在の出生率で推移した場合、十年後、二十年後には大変な問題になってくる、縦割りではなく部局を横断して施策を検討する機関が必要ではないかとただしたのに対し、少子化問題は重要な問題と考えている、和歌山県子育て環境づくり推進協議会の庁内委員である関係部局各課を中心に設置に向けて検討してまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、看護婦確保対策について、国立療養所和歌山病院附属看護学校が閉鎖されると聞くが、准看護婦の進学課程確保のための方策はどうかとただしたのに対し、准看護婦から看護婦になるための二年課程は附属看護学校以外に県立高等看護学院、南紀高校専攻科がある、国において准看護婦に対して移行教育の計画もあると聞いている、今後は国の動向を見守っていきたいとの答弁がありました。
 これに対し、紀南に多い准看護婦のために南紀高校の定員枠の拡大を検討するようにとの要望がなされました。
 また、県立看護学校の授業料値上げの根拠についてただしたのに対し、質の高い看護婦養成のため、施設の充実、教員の質の向上が必要であり、また、学生の受益者負担も考慮に入れているが、負担を少なくするため、県立高校の授業料を参考にして三、四年おくれで改正しているとの答弁がありました。
 これに対し、値上げをしなければ質の高い看護婦養成ができないのか、授業料をできるだけ安くして人材を確保すべきであるとの意見、要望がありました。
 このほか、看護婦確保対策では、養成機関の募集方法の改善策、看護婦需給計画の見直しについて質疑がありました。
 次に、現在、国民健康保険や国民年金の保険料を滞納した場合はどのような措置をとっているのかとただしたのに対し、国民健康保険の場合は、一定期間の滞納者については資格証明書や短期被保険者証を発行する措置をとっており、さらに悪質な者に対しては財産の差し押さえの措置もとっている、また、介護保険の施行期日である来年四月からは一定期間の滞納者について資格証明書の発行が義務化され、短期被保険者証の発行が省令により明示される、国民年金の場合は差し押さえはしていないが、未納した場合は年金額が少なくなるとの答弁がありました。
 また、介護保険で自立と判定された高齢者の家事支援について、質疑、要望がありました。
 次に、今議会で提案されている経済新生対策の補正予算について具体的な内容をただしたのに対し、老人福祉施設整備として特別養護老人ホーム一カ所(五十床)、痴呆性老人グループホーム・デイサービス一カ所、また保育所整備として一カ所の補正予算を今議会に上程しているとの答弁がありました。
 続いて、県内に五十カ所ほどあると聞くボランティアグループを育成するため、現状では活動に伴う水道、光熱費等の諸経費をボランティアが負担しているが、その活動状況、使途を制約せずに県費で補助できないかとただしたのに対し、県費補助の場合、条件や制約があるのはやむを得ないものと考えている、他府県の状況を見ても一定の基準を要綱で定めている、どのような形で支援できるのか検討してまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、予算編成作業の中で事業の見直しを行う場合、特に制度廃止において、事前に明らかにすること、古座保健所が新宮保健所古座支所となることに伴い、勤務する職員への適切な対応について要望がありました。
 生活文化部関係については、まず産業廃棄物の問題についてただされました。すなわち、橋本市の株式会社日本工業所の産業廃棄物に対する地元住民の意見は完全撤去であり、県は撤去命令を出す用意はあるのか、現場近くの被害者が入院し、悪臭等で自分の家にも帰れず、市営住宅に転居したが、永住できない状況にあり、県として何らかの助力はできないかとただしたのに対し、検討委員会の結果を踏まえ、国とも協議し、事業者に対する措置命令も含めて検討してまいりたい、また、検討委員会において廃棄物の不適正処理による健康への影響が科学的に立証されれば支援についても検討してまいりたいとの答弁がありました。
 これに関連して委員から、産業廃棄物の量と経済活動には大きな関連性があり、経済活動が活発なほど雇用もふえ、国も企業も栄える、県としても産業廃棄物処理場を十分確保していく必要があるのではないかとの意見がありました。
 次に、水道水源の確保に関して質問がありました。すなわち、長野県では県主導で市町村と協力して水道水源保護条例を制定しているが、本県も考えてはどうかとただしたのに対し、水道事業体である市町村がそれぞれの地域の実情に合わせて市町村条例で対応するのが最適であると判断しており、県条例の制定は考えていないとの答弁がありました。これに対し委員からは、もっと県が主体性を持って取り組んでいくべきであるとの強い意見がありました。
 次に、有害鳥獣駆除に関して、市町村の要請に応じて猟友会会員が有害鳥獣駆除に協力しているが、猟友会のメンバーも高齢化し、市町村の要請に対応できなくなってきている、後継者を要請し、また、正しい銃の取り扱いが習得できる練習場所を県においても確保してほしいとの強い要望がありました。
 このほか、青少年の非行防止対策、NPO法人の審査体制について要望がありました。
 以上のような質疑の結果、当委員会に付託されました議案第百二十七号から議案第百三十一号まで、及び議案第百三十九号については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第五号は全会一致をもって採択すべきものと決しました。
 また、議請第六号については請願者より取下願の提出がありましたので、これを承認すべきものと決しました。
 なお、当委員会から聴覚障害者の社会参加を制限する欠格条項の早期改正を求める意見書案が提案される運びとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 決算特別委員会委員長尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○決算特別委員会委員長(尾崎要二君) 決算特別委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会は、九月定例会最終日の九月二十九日に設置され、同定例会に提出された議案第百十七号平成十年度和歌山県公営企業決算の認定について及び議案第百十九号平成十年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを閉会中の継続審査として付託されたものであります。
 委員会は、同定例会の閉会直後、議長の招集により正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に小原泰委員がそれぞれ選出されました。
 審査は、十一月八日から十二日までの五日間にわたり行いました。
 まず初日に、公営企業決算の認定について、代表監査委員の説明の後、福祉保健部、企業局の順で審査を行いました。
 なお、詳細についての議事内容は各会派へお届けしておりますので、各委員からの質疑、意見、要望等の主なものについてご報告を申し上げます。
 県立五稜病院事業関係では、まず初めに、新病院建設を予算化したが、一般会計からの負担金、補助金等の繰り入れがふえ、入院患者が減少する中でどのような状況かとただしたのに対し、経営改善に努めているが、精神科の場合、看護婦等の人件費がかさみ、今の診療報酬体制では赤字は解消できない状況にあるとの答弁があり、公立精神病院の赤字が診療報酬制度に問題があるとすれば国にどのような働きかけをしているのかとただしたのに対し、診療報酬制度の改善は厳しいが、全国自治体病院協議会を通じて要望や意見書の提出を行っているとの答弁がありました。
 また、公立病院としての使命も十分理解できるが、人件費が収益を上回るような赤字では困る、病院側も頑張って経営努力してほしいとの要望がありました。
 次に、企業局の各事業関係では、まず初めに、借入金の借りかえ、繰り上げ償還の実施について意見が述べられているが、十年度はどのように取り組んだのかとただしたのに対し、十年度では十三億円余りの元金に対する利下げをお願いし、〇・二五%の利下げになっている、引き続き当該金融機関とタイミングを見ながら利下げ等を含め交渉してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、土地造成事業会計に係る造成地の売却推進についてただしたのに対し、十年度の実績は約一万一千平方メートルで、九年度と比べて大幅に少なくなっているとの答弁がありました。
 また、雑賀崎開発用地の用途変更、業種拡大についてただしたのに対し、業種拡大については以前から関係部局で検討を行ってきており、アンケート調査の結果がまとまり次第、業種選定し、関係部局間で協議してまいりたいとの答弁がありました。
 このほか、電気事業に係る料金体系の契約等及び大新公園地下駐車場についての質疑、意見がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百十七号平成十年度和歌山県公営企業決算の認定については、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 引き続き、和歌山県歳入歳出決算の認定について、総務部長、出納長、代表監査委員の説明の後、総括質疑を行い、二日目からは部局別に審査を行いました。
 各委員からの質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 総括質疑関係では、初めに経常収支比率並びに負債額や縁故債について見直しを行う考えがあるか、また、落ち込んでいる県税収入について徴収確保のため体制強化対策を講じているかとただしたのに対し、経常収支比率は健全かどうかのめどになる八〇%よりも高く八七%で、負債残高は六千三百億円である、縁故債の借りかえについては相手方との信頼関係もあり困難な点もあるが、今後、監査意見を尊重しながら負担軽減について検討してまいりたい、また、落ち込んでいる県税収入については特別徴収整理月間を設けるなどして体制の強化を図っているが、市町村の協力も得ながらなお一層徴収確保に努めたいとの答弁がありました。
 このほか、県が直面している厳しい財政状況について県民に認識してもらう努力が必要であるとの意見や、そのためには単に厳しさを強調するだけでなく、発想の転換が必要であるとの厳しい意見がありました。
 知事公室関係では、ふるさとづくり提案事業に関して主な提言内容等についてただしたのに対し、県政モニター百五十名からの提言やファクス、パソコン、はがきを使った提言をいただき、その都度関係部局に依頼し処理をしているが、ファクス等の提言件数は九年度が百件、十年度は五十六件と減少しているとの答弁があり、委員からは、県民の意見を引き出すためにも積極的な働きかけをするよう要望がありました。
 このほか、知事と語ろうあすのふるさとづくり事業並びに紀の国ふれあいバスについても質疑、要望がありました。
 総務部関係では、まず初めに職員の海外研修事業について、研修で得た知識を前向きに取り上げて施策に反映してもらいたいとの要望がありました。
 次に、決算で不用額、特に需用費に多額の不用額が発生しているが、中には予算が不足している課もあるので、予算の組み方や査定方法を見直すよう要望がありました。
 次に、十年度決算書のうち、歳入の根幹をなす税と収入未済額についてただしたのに対し、県税収入の未済額については三十億円といえどもおろそかにできないものと非常に重く受けとめているとの答弁があり、委員からは、国庫補助金の確保も重要であるので確保に努めるよう要望がありました。
 次に、行政改革の背景には財政硬直があるが、公債残高が十年度には六百億円ふえるという状況で、県の借金は一体どこまでふえるのだろうかという思いを禁じ得ない、財政担当課として年度途中の借入金の異常なふえ方についてどう考えているのかとただしたのに対し、地方の財政事情が厳しい中ではあるが、特に投資的事業の大宗が地方で執行されているという仕組みの下では、国の経済対策と連動して円滑に遂行していくことが地方財政に求められている役割の一つであると認識しているとの答弁があり、委員からは、ただ必要だというだけで進めていくと厳しい状況になるので、少し遅延してでも計画的にやっていくという考え方がないと硬直化から抜け出せないのではないかとの意見がありました。
 次に、県税の収入未済額は三十四億六千三十万円、不納欠損額が一億五千七百三十八万円となっているが、収入未済額のうち不動産取得税で七億円の未納がある、土地等を購入したのに税を納められないというのは考えられないとの指摘がありました。
 このほか、市町村防災事業促進事業での、みずからの命はみずからが守る自主防災組織について、十年度の行政改革、狩猟者登録税の減少、防災ヘリコプターの運用及び県立橋本体育館建設過程での経費節減指導のあり方について、質疑、意見、要望がありました。
 企画部関係では、初めに和歌山大学新駅設置推進事業について、実現に向けて積極的に取り組むよう要望がありました。
 次に、コスモパーク加太開発推進機構は日本を代表する企業も参加しており、開発促進について力になると思うが、推進機構に対し県はどう対応していくのかとただしたのに対し、毎年一回会議を開き、土地利用計画策定に際し、推進機構に参加している企業の意見を参考にしている、今後、事業を推進していく上で企業誘致等について協力要請を続けていくとの答弁がありました。
 次に、日本鉄道建設公団が行っている紀淡海峡トンネルの具体的な調査内容と予算措置についてただしたのに対し、鉄建公団が四国新幹線の新線ルートの一環として昭和五十八年から一億円の予算で直接ボーリング調査を行っており、明石海峡部は終了し、現在、紀淡海峡部を行っていると聞いているとの答弁がありました。
 次に、コンピューター二〇〇〇年問題についてただしたのに対し、二〇〇〇年問題対応の進捗状況については国の調査結果を待たなければデータが出せないところであるので、できるだけ早く発表できるよう準備を進めているとの答弁がありました。
 このほか、地籍調査の取り組み状況及び地方バス対策事業について、質疑、要望がありました。
 生活文化部関係では、ビッグホエールの稼働率や管理運営経費についてただしたのに対し、平成十年度の稼働率は五〇・八%で、他府県の同様の施設と比較しても下回らない、管理運営経費は三億七千四百九十五万三千円、使用料収入は八千三百四十六万三千円であるとの答弁がありました。
 関連して、県民文化会館、ビッグホエール、わかやま館の位置づけについてただしたのに対し、それぞれ状況は違うが、県民の文化意識の高揚に貢献してきたとの答弁があり、委員からは、文化の拠点は県民文化会館であるので、施設充実のための予算確保に努めるよう要望がありました。
 次に、南紀熊野体験博が終わって経済的な効果について評価が分かれるところであるが、このことをどう考えるかとただしたのに対し、現在、専門機関に依頼し、今までの博覧会とは違う分析も検討しながら作業を進めており、年度内のできるだけ早い時期に経済波及効果をまとめたいとの答弁がありました。
 このほか、動物愛護センターの役割についても質疑、要望がありました。
 福祉保険部関係では、まず初めに、貸付金の収入未済額が幾つかの資金にあり、そのうち母子寡婦福祉資金の未済額が五千二百万円と多いが、貸し付け時に返還意思が希薄な保証人を立てるなど安易な貸し付けをしていないか、今後も母子家庭への貸付枠が確保できるよう未済額を減らす努力をするとともに、他の貸付金についても再度貸し付け時に事業計画や保証人のチェックを行うよう要望がありました。
 次に、平成十年度での特別養護老人ホーム等の整備の選定方法はどのようにしたのか、整備充実委員会のような場をつくって決定していないのか、また十年度で整備要望は幾つあったのか、増床の見込みはどうかとただしたのに対し、老人保健施設については各保健所の整備充実委員会の意見をもとに決定する、特別養護老人ホームについては、整備圏域内で整備充実委員会のような場を活用して、調整が終了したものに限定して採択する旨を各振興局等に文書で通知している、また、平成十年度の整備要望は二十数カ所であるが、当面は特別養護老人ホームが設置されていない町村を優先して整備しており、増床まで手が回らないのが実情であるとの答弁がありました。
 次に、平成十年九月に開設された障害者権利擁護相談室の相談内容、処理方法等についてただしたのに対し、開設後半年間で相談を受けた六十六件中、サラ金などの金銭問題の相談や施設入所に関する相談が多く、常時二名の相談員が対応しているが、法律的な問題については月一回、弁護士による相談も行っているとの答弁がありました。
 このほか、看護婦需給対策、和歌山県における災害救助用備蓄物資の備蓄状況、生活福祉資金の貸し付け制度及び償還指導についての質疑がありました。
 商工労働部関係では、中小企業近代化資金特別会計の収入未済額が七十四億円といかにも多い、部長説明では分割納入や連帯保証人との交渉をしているとなっているが、回収に向けてどのようにやっていくのかとただしたのに対し、近代化資金特別会計の未収金については、主として昭和五十年代に貸し付けた資金がその後の経済情勢の変化の中で計画的な償還が困難になったものであり、十年度では過年度分として二億八千万円を回収したが、新たに三億二千七百万の延滞が発生したため、ご指摘の金額になっている、県としてもその回収に全力を傾注しているところであるが、長引く景気の低迷と土地価格の下落により資産の円滑な処分も困難なこと等、厳しい状況にあり、今後も各企業の経営状況を見ながらより一層の回収に努めてまいりたい、一方、新たな延滞発生を防止することも重要であり、貸し付け時の審査をより厳正に行うとともに、個人担保物件の徴求や貸し付けた後のアフターケアにも努めなければならないと考えているとの答弁がありました。
 貸し付けた後は、貸付先が健全な経営活動をするということが大事だ、経営指導をしてもらって経営を維持し頑張ってもらう手だてをすること、及び債権回収に全力を挙げていただきたいとの要望がありました。
 次に、県内の零細商店、商店街はさびれているが、商店街や市町村の担当者と対策を考え、意欲のある商店主を励ましてほしいとの要望がありました。
 このほか、企業誘致広報事業及び求職者職場適応訓練事業について、質疑、意見がありました。
 農林水産部関係では、初めに、梅生育不良対策に今まで幾らぐらい使っているのかとただしたのに対し、梅生育不良対策に関連して試験研究分も含み平成元年度から累計して合計五億五千九百万円となっているとの答弁がありました。
 次に、木のぬくもり施設支援事業について、林業の活性化のため県産材を使用してほしいので予算の増額確保に力を入れてほしいとただしたのに対し、木の国プロジェクト推進会議を活用して公共施設への県産材の利用に力を入れることとしており、当該事業の推進に努力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、魚礁設置事業は漁民と十分相談し、成果が上がるようにとの要望がありました。
 関連して、昨年度からの新規事業である海と森交流促進事業について予算の増額をお願いしたいとの要望がありました。
 土木部関係では、紀淡連絡道路調査事業に関し、トンネルと橋との関係及び建設省関係の調査予算の執行状況についてただしたのに対し、土木部としては道路橋を中心として考えており、建設省が平成三年から、県が平成五年からそれぞれ調査を始め、平成十年度までの調査費予算累計額は、建設省が約三十億円、県が十四億六千六百万円であるとの答弁があり、委員からは、国と県の費用負担における県の負担割合が高く、今後も大きな負担を求められるおそれがあるので十分検討してほしいとの要望がありました。
 次に、平成十年度の土木部の補正予算額について、当初予算を緊縮して編成した理念を失わせるのではないかとただしたのに対し、補正については県にとっても役立つものであると考えているとの答弁がありました。
 次に、公営住宅の家賃滞納額に関し、コミュニティーの崩壊している団地がある状況の中で、県は家主としてコミュニティーを育てるところまでやる必要がある、振興局の建築係の中ですべてを管理しているところに問題があり、組織のあり方を含め検討願いたいとの要望がありました。
 関連して、公営住宅家賃の滞納率が約四、五%に上るのは入居者の意識やコミュニケーションの問題であるとの指摘がありました。
 このほか、登記事務、急傾斜地崩壊対策事業の負担金、県工事の市町村負担金率、県管理トンネル、直轄事業の修繕費、用地交渉担当職員の処遇についても質疑、要望がありました。
 医科大学関係では、病院使用料の収入未済額の実態はどうかとただしたのに対し、過年度分として、死亡、所在不明等により三百万円ぐらいの未収金が残ってきており、五年間の消滅時効として徴収できなかったものは不納欠損処理しているとの答弁がありました。
 このほか、医科大学での医師の県内定着率、看護短大の四年制大学化、寄附金について質疑、要望がありました。
 選挙管理委員会関係では、選挙の投票率を向上させるため平成十年七月の参議院選挙から投票時間を八時まで延長しているが、それに伴う投票率及び費用の増加についてただしたのに対し、全国的に延長した時間内に一六から一七%の人が投票している、例として県議会議員選挙全体額の数値については、単価改正なども含めて前回選挙時に比べて一・四九倍の費用支出となっているとの答弁がありました。
 このほか、不在者投票の本人確認及び有権者の投票しやすい環境づくりについて質疑、要望がありました。
 教育委員会関係では、南紀スポーツセンターの改修計画についてただしたのに対し、平成二十七年開催予定の二巡目国体も視野に入れ、関係部局と県有施設整備のあり方について協議しているとの答弁がありました。
 次に、進学奨学金等貸付金の収入未済額が多大であるが、どのくらいの割合を占めているのか、また督促や収納方法について問題はないのかとただしたのに対し、償還されるべき金額の半分近くが未償還となっている、償還対策としては、年間三回の督促状及び催告状の送付などとともに、家庭訪問による償還指導等を行っているとの答弁がありました。
 委員からは、制度の将来にわたる健全経営のためにも未償還金の収納に全力を尽くすよう要望がありました。
 このほか、本県での求人状況や学校での取り組み、管理職研修の取り組み、教員の加配措置についての質疑、要望がありました。
 公安委員会関係では、初めに園部の毒物混入事件を教訓とした同種の犯罪への対応についてただしたのに対し、迅速な初期的活動とその後の組織的な捜査活動及び関係機関との緊密な連携が重要であり、事件を契機に、同種事案認知マニュアルを策定し、全職員に周知徹底を図るとともに、県、県警、教育委員会による和歌山県健康危機対策連絡会議を結成し、連携活動の強化を図っているとの答弁がありました。
 次に、頻発している暴力団事件への対応と取り締まりの状況、並びに事件発生時の対策についてただしたのに対し、強力な取り締まりの結果、昨年は二組織、本年は四組織を解散させ、暴力団対策法施行後、現在までに二十八組織を解散させている、現在の暴力団勢力は四十一団体、約七百四十人である、暴力団の集中する和歌山市を中心に対策を強化しており、情報収集活動による早期対処を重点に推進している、事件発生時には新通信指令システムを効果的に活用した緊急配備の実施等、初動的段階で事件を鎮圧させることとしているとの答弁がありました。
 このほか、経験豊富な警察官OBの交番への配置と新設警察署への射撃場整備について要望がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百十九号平成十年度和歌山県歳入歳出決算の認定については、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 以上をもちまして、決算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(下川俊樹君) 以上で、常任委員会委員長及び決算特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、中山豊君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 四十二番中山 豊君。
  〔中山 豊君、登壇〕(拍手)
○中山 豊君 文学を初め、批判の力が弱まることは、公正さを欠き、活力を衰退させるとの教えがあります。その立場から、討論に参加いたします。
 日本共産党を代表して、上程された幾つかの議案について反対の立場から討論をいたします。
 まず、議案第百三十九号平成十一年度和歌山県一般会計補正予算について言えば、その歳出について、県民要求にこたえて施策された幾つかに対しては評価をいたしますが、あえてこの時期に補正しなくてもよいもの、例えば大滝ダムの負担金や関西空港の出資などが単に国の経済対策の名において支出され、また歳入の四〇%以上を起債に依存するなどは、財政運営上極めて不正常なものであります。
 また、漁協の信用事業統合にかかわる債務保証については、全国的に例を見ないことでもあり、現在まだ地元合意もできていない段階でもあるなど、さらなる検討が求められるところであります。
 議案第百三十二号和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例について言えば、これは看護婦不足解消を目的とする和歌山県立高等看護学院となぎ看護学校の授業料、並びに県立高等学校の入学金を値上げするものですが、この不況のもとで、わずかな歳入を得るために県民の負担をふやすことは認められません。
 また、議案第百四十六号平成十一年度建設事業の施行に伴う市町村負担金についてでありますが、これは常々、市町村から減額または廃止の要望の出ているところでもあります。市町村の財政も厳しい折から、その要望にこたえるべきだと考えます。
 議案第百四十号、百四十一号、百四十四号に関係して、一言申し添えておきます。職員の期末手当が〇・三カ月分削減されました。家計に支障を来す方もおられることを考えますと、胸が痛むものがあります。当局にあっては、ここで得た貴重な財源を県民福祉に正しく還元されることを強く求めておきたいと思います。
 続いて、議案第百十九号平成十年度和歌山県歳入歳出決算並びに議案第百十七号公営企業決算について申し上げます。
 私たちは、平成十年度の予算編成に当たって、県民福祉の向上とむだな公共事業の削減、財政健全化を求める立場から予算案に反対の立場を表明してまいりました。残念ながら、この年度においてはそれが正しく修正されることなく、逆に国の経済対策にこたえるということで公共事業のみが当初予算に対して四〇%近く異常に突出し、一層いびつな形で補正されることになりました。しかも、その財源はほとんど財政力を無視した起債に頼るなど、県民福祉の向上と財政健全化を求める方向とは全く逆のものであったことを認めないわけにはいきません。
 また、公営企業関係について言えば、観光レクリエーション事業会計について、従来から申し上げているように、上水道の取水口の直近に農薬使用を前提にしたゴルフ場を建設することなど、考え直すべきであります。
 工業用水関係では、料金設定に不合理があります。
 土地造成事業会計では、売却見通しのない土地造成が進められてきたことは認めるわけにはまいりません。
 以上の理由により、議案第百十七号、百十九号、百三十二号、百三十九号、百四十六号の議案については反対の意思を表明するものであります。
 以上、終わります。
○議長(下川俊樹君) 次に、吉井和視君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 二十九番吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 自由民主党県議団を代表いたしまして、本会議に提案されている予算関係議案並びに諸議案に対しまして、賛成の立場から討論を行うものであります。
 なお、開政クラブ、公明党県議団、県民クラブ、新保守クラブ、二十一世紀クラブの各会派も賛成という立場で、同じ認識のもとで、私の方から討論をさせていただきます。
 現在の我が国の経済は、緩やかな改善が続いているとはいえ、民間需要の動向には経済の自立的回復に向けた力強さが感じられません。したがって、ここで景気の腰折れを招かぬよう追加的な経済対策を果断に講じることにより、公的需要から民間需要へのスムーズなバトンタッチを図ることが何よりも重要であると考えております。
 国においては、総事業規模十八兆円の経済新生対策が策定され、これを盛り込んだ補正予算が成立したところであります。今回の補正予算は、国の経済新生対策にいち早く呼応し、これを早期に実施するためのものであり、その内容を見てみますと、まず府県間道路等の整備促進、砂防事業等の防災対策、県営住宅の建設促進、老人福祉施設の整備促進等、県民生活に密着した、本県にとって緊急性、必要性の高い事業に重点が置かれ、また県信用保証協会の経営基盤を強化することによる中小企業に対する金融支援の拡充等にも十分配慮された予算となっております。
 さらに、県単独の施策として南紀白浜空港の滑走路延長整備促進や漁協金融対策を講じる等、現在の経済情勢や本県の置かれている状況を踏まえ、極めて厳しい財政事情の中で可能な限り対応を図った補正予算であり、県民の期待に十分こたえ得るものであります。
 また、平成十年度和歌山県公営企業決算の認定及び平成十年度和歌山県歳入歳出決算の認定につきましては、決算特別委員会において厳正に審査したところ適正に処理されていると認められ、認定すべきものと賛成多数をもって採決されており、本会議においても認定すべきものと考えます。
 また、その他の諸議案についても、いずれもその内容は適切なものであります。
 この上は、以上の諸議案に盛られた各般の施策の迅速かつ円滑な執行を図り、所期の成果を上げていくことによって県民の負託にこたえることが最も重要であります。
 我々自由民主党県議団、そして各会派といたしましては、以上申し上げたような認識に立ち、今議会に提出されております予算関係議案並びに諸議案について、原案のとおり成立することを期するものであります。
 以上をもって、賛成討論とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(下川俊樹君) これをもって討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第百三十二号、議案第百三十九号及び議案第百四十六号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第百二十号から議案第百三十一号まで、議案第百三十三号から議案第百三十八号まで、及び議案第百四十号から議案第百四十五号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、知事専決処分報告報第四号を採決いたします。
 本件に対する委員長の報告は、承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立全員であります。よって、本件はこれを承認することに決定いたしました。
 次に、請願五件を一括して採決いたします。
 本請願を委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、本請願はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、継続審査中の議案第百十七号平成十年度和歌山県公営企業決算の認定について、及び議案第百十九号平成十年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを一括して採決いたします。
 本決算についての委員長の報告は、いずれも認定であります。
 本決算をいずれも委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立多数であります。よって、本案はいずれもこれを認定することに決定いたしました。
  【日程第二 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第二、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  【日程第三 特別委員会閉会中継続審査の件】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第三、特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策及び半島振興過疎対策の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
  【日程第四 議案第百四十七号及び議案第百四十八号】
○議長(下川俊樹君) 次に、日程第四に入ります。
 議案第百四十七号、議案第百四十八号を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。──質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。本案については、いずれも委員会付託等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第百四十七号和歌山県収用委員会の予備委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 本県収用委員会の予備委員に清水正義君を任命するにつき同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立多数であります。よって、議案第百四十七号はこれに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第百四十八号和歌山県土地利用審査会の委員の任命につき同意を求めるについてを採決いたします。
 本県土地利用審査会の委員に千森督子君を任命するにつき同意することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立全員であります。よって、議案第百四十八号はこれに同意することに決定いたしました。
  【日程第五 意見書・決議案】
○議長(下川俊樹君) 次に日程第五、和議第八号聴覚障害者の社会参加を制限する欠格条項の早期改正を求める意見書案、和議第九号梅干し等の原料原産地表示を求める意見書案、和議第十号青少年の健全育成に関する基本法の制定を求める意見書案、及び和議第十一号年金制度の改定をやめ改善を求める意見書案を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、和議第八号、和議第九号を一括して採決いたします。
 本案をいずれも原案のとおり決することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(下川俊樹君) ご異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、和議第十号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に、和議第十一号年金制度の改定をやめ改善を求める意見書案を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、ご起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(下川俊樹君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
年末多端の折、各位のご精励に感謝申し上げますとともに、来る年が二十世紀最後を飾るにふさわしい年でありますよう祈念いたします。
 健康にご留意の上、どうぞよいお年をお迎えください。
 これをもって、平成十一年十二月定例会を閉会いたします。
  午後三時二十八分閉会

このページの先頭へ